おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

あーっ!この曲はっ

2018年06月30日 | 不思議な音の国
驚いて眠気が吹き飛びました。
尤も寝なければいけないのですが···

こちらの曲、ドイツの楽譜に載っておりまして20年位前から導入の生徒によく使っておりました。

A snippet from the piano lesson with young beginner

(2'26"辺り)

この楽譜です。



「Dr.Faust's Jux mit schwarzen Tasten」という曲です。
(ファウスト博士の黒鍵遊び)

変奏曲になっていて黒鍵だけで弾けるのです。
片手でもできますし両手にすることもできます。
連弾曲です。

即興ができる生徒と伴奏を変えて遊べます。

よく楽譜を見てみましたら、指使いが「3333」とか「2222」とか2と3を重ねて同時に使う番号になっています。

この意味を今知る!です。

この楽譜はオールカラーで絵がとてもきれいです。
このような楽譜もあります。

メルヘンです。

ロシアン・メソッドの前は2つと3つの黒鍵を弾くことから教えておりました。
234の3本の指を使って。

このテキストの初めがそのような作りです。
慣れたところで「2つの手12のキー(日本ショット)」の初めの数曲をして、そこで手首の動きを覚えてレガートで弾いてもらっておりました。

そんな風に教えていたこともすっかり忘れておりました。
この美しいテキストの事も・・
思い出せて良かったです。

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ホロデンコ公開レッスン

2018年06月29日 | コンサート情報
ヴァディム・ホロデンコの公開レッスンに行って参りました。

2013年のクライバーンコンクールの優勝者です。

と言っても、それで彼を知ったのではなくマスレエフのFacebookで知りました。
(そのマスレエフが私がロシアン・メソッドを知るきっかけになったのです)



まだ31歳です。
ウクライナのキエフ出身。
モスクワ音楽院でヴェラ·ゴルノスタエヴァ先生に師事しました。(上原彩子さんの先生です)

3人の受講生が50分ずつレッスンを受けました。
休憩が10分ずつ。

以下、印象に残った話。

「J.S.バッハ:平均律第1巻第4番cis-moll」
・バッハの時代の楽器は色彩感がなく、暗い音色。色彩感を抑えることで面白くなる。
・16~17世紀のオランダの画家の絵を思い出してみて下さい。暗い色で描いているがあとの時代のものより表情があると思う。
・リリカルなだけではなく、当時の踊りの動きを思って。
・曲自体が自分で語っているのが魅力なので特別なことをせずに。
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「ブラームス:自作主題による変奏曲op.21-1」
・曲が始まったばかりなので自分を全て見せることはしないで。
・劇場と同じ。重要な時を待って。
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「ショパン:ピアノソナタ第2番」
・最初の4小節に重要なメッセージがある。
・4つの楽章がひとつの息の長いファンタジーになるように。
・葬送行進曲がこの曲の中心なので退屈になることを怖れずに。
・この曲は細部までよくできているので自分で加工しようとしない。
・第1楽章と第2楽章の繋りはマーラーの第6シンフォニーを思い出す。聴いてみて。
・第1楽章はリア王のような悲劇。その他の楽章はそれがもっと濃縮される。
・ワルツのようでワルツではない。そんなワルツを聴いた記憶があるという<ワルツの記憶>

ホロデンコが弾いたある部分がドンと胸に突き刺さりました。
公開レッスンなのにウルウル泣けてきました。
ホロデンコは若いのですが実はとても辛く悲しい経験をした人なのです。
ワルツのようでワルツでないの話の時にチャイコフスキーの第6シンフォニー「悲愴」の第2楽章を弾いてくださいました。
私はショスタコのピアノ協奏曲第1番第2楽章を思い出していました。ワルツのようでワルツでない、つらい楽章です。この曲はギルトブルグの演奏が素晴らしいです。
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「プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番第1楽章」
・油絵ではなく鉛筆で描いたドライな感じ。
・プロコフィエフのスタッカートは本当にスタッカート。スタッカーティッシモ。

プロコはオケ伴をしながらのレッスンでした。
上手でした。モスクワの中央音楽学校の先生方も皆さんそうなのでロシアでは当たり前な光景。
コンチェルトなのでオケとの合わせのポイントをおっしゃっていました。
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その他にも良いお話を伺えました。

暑い中ファツィオリショールームの場所がわからずに迷い、開演直後に到着しました。
辿り着けて良かったです・・

ヴェラ・ゴルノスタエヴァ先生は私の恩師が東ドイツでレッスンを受けたことがあり、百人以上の受講者の中から選ばれ現地のオケとチャイコのコンチェルト第1番を演奏したと聞いたことがあります。

その時のお話が笑えて、そんなことになると思わなかったのでドレスなんて持って行ってなかった。中途半端な丈のワンピースを着て出た。ステージに出るときに転んで、肘から血を流しながらお客さんの前に出て行った。子供が出てきたのかと思って大きな拍手で迎えてくれた。その演奏会は毎年ラジオで生放送され、放送後街の人に「聴いたよー」といろんな人が握手してくれたと。

あまりそのようなお話はなさらない先生なのですが、時折聞く話が驚くようなお話で、学生の頃聞いた時にはそのすごさが全くわからなかったのですが、今思うとスゴすぎます。

因みに恩師は小柄で150センチくらいの女性です。
レッスンの時によく「私の手の上に手をのせて!この方がわかりやすいから」とよく腕の使い方、手首の使い方を教えて下さっていました。

こうやって東ドイツでレッスンを受けた時にやってもらって分かりやすかったからとおっしゃっていたように記憶しています。

上体の位置もちょくちょく修正して下さいました。

その頃の私は同じようにやろうとしても上手くできず、先生は機敏で運動神経が全然違うと思っておりました。
小柄な身体で演奏しているとは思えない音の鳴りようで、弱音もどうしたらそんな音が出せるのかと、いつもスゴイなスゴイなと思いながらレッスンを受けておりました。

結局20年習いましたが、先生の技は習得できませんでした。
しかし、今なら少しはわかると思っています。

根本が違かったのです。
ロシアン・メソッドを知ってそれがわかりました。

今、先生のレッスンを思い出しながら1人で直している所です。
あの時言われたことはこれだったのか!とわかることが出てきて嬉しいです。
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音の高さ一致作戦!

2018年06月27日 | 不思議な音の国
ロシアン・メソッドとは関係のない話ですが、ゴリン先生の「不思議な音の国」に登場するキャラクターたちが思いがけなく活躍の機会を得ています。

楽譜に書かれた音の高さが鍵盤の位置と一致していない生徒さんは必ずいるものです。

私の生徒の場合、その割合は昔より多くなりました。

原因はいくつか考えられますが、一番には電子楽器で練習していることだと思っています。

アコースティックのピアノは音の高さにより音色が異なります。
倍音があるからです。
あとは単純に鍵盤数が足りないという生徒も残念ながら存在します。

そんな生徒さんに少しでも音の高さを気にしてもらえるようにこのようなものを使っています。



「不思議な音の国」を使っていらっしゃる先生方にはお馴染みのキャラクターです。

既にドレミの順番を知っているし鍵盤のドレミも知っているけれど楽譜に書かれている音が鍵盤のどの位置なのか曖昧な生徒さんに、このキャラクターを一つずつ置きながら5線紙に音を書いて話をしていきます。

最初は「ドラゴン」
ドラゴンは王様と一緒にいて、王様は上の音の面倒も下の音の面倒もみたいのでト音記号の方にも動けるしヘ音記号の方にも動ける。でもどちらも同じ「真ん中のド」で王様が一人しかいないように真ん中のドもひとつだけ。

レは「レパード」
ドラゴンさんの隣に住んでいるレパードです。この部屋に住んでいますと言って5線に書き込みます。

ミは「ミミズク」
同様に話します。

次にシの「シカ」を紹介。
ドラゴンとレパードとミミズクが仲良く歌っているとドアをトントンと叩く音がして開けてみると大きなシカが立っていました。ドラゴンさんの隣に住んでいるシカと言うものです。僕も仲間にして下さいと5線のヘ音記号の方に音を書き込みます。(テキストには桃太郎的な話は一切ございません;創作ありです)

「ラ」はライオン。
みんなで仲良く遊んでいると大きな声が「ガオ~」としてと言うと大抵の生徒は「あー!ライオン!」と言ってくれます。「ふふふ、わかっちゃった?」と言いながら鍵盤にキャラクターを置き5線に部屋の場所を書き込みます。
ここで生徒たちは気付きます。「シカ、たべられるんじゃないの?」
やはりきたか・・と思いつつ「これは物語だからね、みんな仲良しなの」

こんな具合に2オクターブ分のキャラクターを置いて行くと大抵生徒たちは音の高さが譜面と一致してきます。

ゴリン先生のテキストに物語が上手に展開されておりますので、是非お手元に1冊お持ちになって参考になさって下さい!

上下巻ございますので2冊ですね
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苦戦しています その4

2018年06月21日 | 重力奏法
ピアノ経験のある生徒にゴリン先生の「不思議な音の国」を使い始めて3~5カ月経ちました。

指の力みが強かった生徒も3カ月位で力みが取れてきました。

力みが取れてくると気になるのが「深い打鍵」です。

ゴリン先生が生徒さんのレッスンで何度も「deeply」と口にされていますが、力みが取れてきた次の段階がこれなのかなとレッスンをしていて思いました。

指先がつぶれると良い音は出ませんので消しゴム付き鉛筆で準備運動をすることも増えました。

鍵盤の上ではクネっと反り返っている指が、消しゴムの上ではピシっと支えられます。
皆そうです。なぜでしょう・・

重みを掛ける範囲が鍵盤上では広くなってしまっているのかと思います。
もっと指先の狭いところに集める必要があるのだと思います。
それが消しゴムの上ではうまくいくのではないでしょうか。

深い打鍵といえばジェロ(スライム)です。

効果抜群ですが、私の生徒はジェロを見ると悪さする気満々の表情になります・・
まぁ、きれいな音が出せるようになれば良いので叱りはしませんが・・


百均で買ったスライムです。硬さがちょうどいいです!
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苦戦しています その3

2018年06月13日 | 重力奏法
不思議です。

ゴリン先生の「不思議な音の国」を使って音の出し方を覚えてもらっている生徒が上、下巻合わせて12人います。

初めからさほど問題なく弾けてしまう生徒もおりますが、そうではない場合2パターンに分かれます。

①音を出す時に手首のぐらつきはほぼないものの、指先を強く保つことができず指先が反り返ってしまう生徒。
②音を出す時に手首から出してしまい、音がグワングワンしてなめらかに弾けない生徒。

①は私が初めから教えている生徒に多いです。指先なんてそのうち強くなると放っておいたのでこのようなことになっていると思われます・・

②は引き継ぎの生徒さんです。手首でブレスして力も抜いてとやっていると何故か手首を振り落として弾くようになってしまいます。手首を振って弾くあの弾き方です。
指の力みがあるのでそれを取るために手首の事をしているとそのような弾き方になっていきます。
ピアノはとにかくはっきりとした音なら良いのだと思っている可能性があります。

「はじめの一歩」の先生が音を出す時に手首と手の甲をまっすぐにするためにギブスをしたいくらいとおっしゃていました。

モスクワ中央音楽学校のピアセツキ―先生も動画で生徒さんの手首と手の甲がまっすぐになるように支えています。
「これがわかりやすいです」

公開レッスンで見るマルチェンコ先生も生徒さんの手を下から支えています。「おー、やはり!」

ゴリン先生も同様です。
こちらは音の出し方をゴリン先生が丁寧に説明して下さっている動画です。

ロシアンピアノスクール  脱力を教える際の補助の仕方

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