おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

歩く指

2021年02月23日 | 重力奏法
ピアノは手で歩くということを、足で歩くことに置き換えてお話しされている動画を少し前にご紹介しました。ピアノの弾き方

翌日早速、ピアノでは指で歩くと実際に歩いて生徒さんに説明してみました。

通じました。えっ、うそ・・


翌々日、調子に乗って他の生徒さんにも話してみました。

通じました。あら?



さらにその翌日、もっと調子に乗って他の生徒さんたちに話してみました。

通じました。うそっ・・



何ということでしょう。歩くことに例えたら通じるではありませんか。

これまで、ここは3の指が軸になって支えるとか、5の指にすぐ重さを移動させてとか、細々と言ってきましたが、軸になる感覚や重さを移動させる感覚が生徒さんにはどうもピンとこないようでした。

たとえ理解できたとしても、どうしたら上手くいくかわからない様子でした。

私もこの表現を今まで思いつかなかったとは・・


歩き方で説明をすると、どんな弾き方になっているか通じやすいようです。

地面に足がちゃんと着いていないとか、2の指がすり足みたいになっているとか、ガタガタ歩いているとか。

肩で腕が支えられていないということは腰で身体が支えられていないのと同じで、それじゃ身体がグラグラして歩くのがたいへんとか。

足首が動かないとなめらかに歩けず転びます。転ばずに歩こうとすると、脚の付け根から脚を持ち上げることになるか、脚を突っ張らせて歩くかです。手首が固いということはそういうことです。

このようなものも一発で通じました。

バスケットボールのピポットと同じです。

このネタはもう使っていますという先生には役に立たない情報でしたが、まだという先生、ぜひ一度お試しください。
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喜怒哀楽

2021年02月22日 | 書籍紹介
最近読んだ本に、喜怒哀楽の4つの中で人間レベルの感情は「喜と哀」だとありました。

楽は喜びと似ているので「楽(らく)をする」の意味と解釈。

「怒り」と「楽(らく)」は爬虫類でも持っているひとつレベルの低い感情だと。感情というより情動といった種類のものと。
(情動https://bsi.riken.jp/bsi-news/bsinews3/no3/special.html

子供たちが、喜びや哀しみといった人間らしい豊かな感情を持ち、表現することが少なくなっているのではないかと。

与えられた勉強をし、作られたテレビ番組を見、プログラムされたゲームで遊び、だらーんとして嫌なことがあると怒る。

それで幸せでしょうかと。

ゲームは段取りを考える必要がないので、やりすぎるとそういった力が育たなくなる、指示待ちになるとも書かれています。

この本を読んでから怒りの感情(情動)が湧くと、「私は今、爬虫類と同じだ。人間じゃない。イカン、イカン」と思うようになりました。

人間に代わって自動でやってくれるものが家庭に増えてきましたが、段取りを考える機会がますます減ってくる恐れが・・

たまにダラーンと過ごすのは贅沢をした気になりますが、それが日常になってしまったら生きる価値を考えてしまいます。

音楽という仕事は人間の感情の大事な部分を担っていて、作品を通してそれを子供たちに伝える重要な役割があるのだと、それを忘れてはいけないなと思います。
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生徒さん「ブーレ」を弾く

2021年02月21日 | レッスン
生徒さんの演奏を録画させていただきました。

レオポルト・モーツァルトのブーレとして知られている曲です。

この曲は「ヴォルフガングのための音楽帳」にあるので、レオポルトの曲と紹介されることが多いかもしれませんが、実際はグラウプナーという人の曲のようで・・

私はずっとモーツァルトのお父上の作品だと思っておりました。

グラウプナーはJ.S.バッハとかかわりがあった人物です。

ライプツィヒの聖トーマス教会のカントルを彼が断わったので、バッハにその仕事が転がり込んできたというのです。
グラウプナーはバッハのことを良く知っていたようで、ライプツィヒ市に職にふさわしい人物であることを保証するという手紙を送ったそうです。

さて、こちらの生徒さん。小学2年生です。
宿題を出して1週間でここまで弾いてきました。

録画をしたら慎重になったのか変化が少なくなってしまいました。
しかし、曲の持つ品格が表現できていて良いと思います。

こちらの生徒さんは、スケール、アルペジォなどの基礎テクニック、エチュード、曲(大体いつも2曲)、フォルマシオン・ミュジカルの課題を毎週宿題にしています。

どれも良く練習してあります。

感心します。

課題は1週間でこなせるようにしてきます。
中には1週間では難しいものもありますが、それでもどうにか形にしようとしてきます。

難しいものをいつものペースで練習していたらいつまで経っても弾けません。しかし、難しいものは練習量を増やして取り組んできます。

本人とお母様の頑張りには頭が下がります。

ブーレ/グラウプナー(L.モーツァルト)
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ピアノの弾き方

2021年02月19日 | 重力奏法
この所、ピアノの弾き方を色々と解説されている動画が増えてきました。

複雑なことをされていると思うものもあれば、今どきこれはないかなと思うものもあったり・・

ピアノの先生らしき方が話すと、たまたまそれを見たピアノ学習者はそうなのだと信じてしまうかもしれないと思い、危険だとも感じます。

先程、初めてこちらの動画に出会いました。

Village 村の音楽工房「第14回 手で歩く?!」 opt


こちらのピアニストの方、どうやらパスカル・ドヴァイヨンの奥様のようです。

「歩く指」という言い方をよく聞きますが、こちらの動画の説明がわかりやすいかもしれません。

私はよく、重さが逃げないように、とか、重さを移動させる、とか、一つの重さで、と言います。
そして、重さが逃げないように手首の横の動きを使うと説明します。

こちらの動画を拝見しながら、意味するところは同じなのだろうと思いました。

見えないものを伝えるのは本当に難しいです。
伝えたい感覚が、勘が良くて伝わりやすい生徒さんもいれば、どうやっても伝わらない生徒さんもいます。

形だけ真似ようとしてもできないものです。
何度言っても、じ~っと指の動きだけガン見する生徒さんもいます。私の弾き方は指の動きが少ないので、指を見ても何の参考にもならないのですが・・

その音にするための勘を働かせることも必要かと思います。

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結局は・・

2021年02月14日 | 重力奏法
これを言っちゃお仕舞いよですが、結局はセンスだと思うに至りました・・

音の質も音楽も通じるか通じないかは、それが分かるセンスを持っているかではないかと・・

センスは短期で身に付くものではありません。
質の良いものを見て、聴いて、身に付けて、徐々に身に付いて行くものだと思います。

高価なものという意味ではありません。
本物ということです。

幼い頃は本物の良さがわからないことがあります。

数十年後を見つめて続けるしかないと思うのです。



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「ベートーヴェンの生涯」という本

2021年02月10日 | 書籍紹介
昨年末に見つけたyoutubeのチャンネルがあります。

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、こちらのチャンネルです。

OGPイメージ

【本棚紹介】ピアニストが愛読書を紹介!お薦めの本も!【ウィーン在住】

クラシック音楽中心の本紹介でした。
他のジャンルの本もとても興味がありますので皆様のお薦めの本があったりしたら是非コメントに書き込んでくださ...

youtube#video

 

ウィーン在住のピアニストさんのようで、ウィーンの街を案内して下さっている動画を拝見し、それからよく見るようになりました。

その中でおススメの書籍を紹介して下さっているものがあり、そこで「ジヴェルニーの食卓」を知り、読みました。

ケラー先生のおじいさまが書かれたという平均律もざっと読みました。
私には市田儀一郎さんの方がより細かく分析されていて、私のように一人で全てを見つけられない人間には市田さんの方が良いと思いました。

もう1冊読んだのが、「ベートーヴェンの生涯」です。

これは素晴らしい本です!

是非読んでいただきたい。

今更ベートーヴェンの生涯?と正直思いましたが、読み出したらその辺の伝記物とは全く違いました。

書かれている情報も新しいのですが、ベートーヴェンやその周辺にいる人物たち、歴史上の出来事がどうベートーヴェンに影響していたかなど、その場にいるかのように知ることができ勉強になりました。

ベートーヴェンの父の葛藤、ハイドンのこと、ベートーヴェンの音楽の新しさに人々が熱狂していた様子、推敲に推敲を重ね仕上がりが本番当日になることがザラにあったこと等、知っていたつもりでも実はそれほど詳しくは知らなかったことがこの本を読むとわかります。

読むと、ベートーヴェンってやはり凄い人だったのだと実感し、実は心の優しい人だったことも分かり、数々の第2楽章のあの深く高貴な美しさが納得できたのでした。

もう一度読みたいと思っているところです。

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カントロフ、聴けます

2021年02月07日 | コンサート情報
2019年のチャイコフスキーコンクールですっかりファンになってしまったフランスのカントロフ。

medici.tvでで3/29まで演奏を聴くことができます。

今年フランスで収録したもののようです。
ブラームス:op.10
ラフマニノフソナタ:No.1
J.S.バッハ=ブラームス:シャコンヌ

深い音楽にググッと惹き込まれていきます。

本当にこの方の音を生で聴いてみたい。

Alexandre Kantorow plays Brahms and Rachmaninov

Piano recital

medici.tv

 

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まさか、見られるなんて!

2021年02月01日 | コンサート情報
ツィメルマンとの出会いの演奏を映像で見られるとは!

先程、youtubeでヒョッコリ現れました。

録音はしたので、持っているのです。

ショパンのコンチェルトはツィメルマンの演奏で初めて聴きました。
こんなに美しい曲があるのかと、何度も何度も聴きました。

しかも素敵な方
ファンにならないはずがないっ!

翌年でしたか、野村光一さんのお話を直接お聞きする機会があり、その時に「2位だった人が1位だと思う」と仰っており、”あら、ツィメルマンよりディーナ・ヨッフェの方をかっていらっしゃるのね”と心の中で思っておりました。

ディーナ・ヨッフェも同時期に来日されていたと思います。
彼女の来日時の録音も持っていました。行方不明になりましたが・・

ツィメルマンの演奏は私のピアノ人生の原点のような存在です。
こんなピアノの世界に魅せられて、本気でピアノを勉強したいと思いました。

ピアノを辞めようかと思った時も、ツィメルマンのリサイタルを聴いて、まだやっていないことがある、続けようと思いました。

Chopin: Piano Concerto No. 1, Op. 11 / Krystian Zimerman; Takashi Asahina: NHK (1978.9.29 Tokyo)


まったくの余談ですが、数年前に都内のある駅構内でツィメルマンそっくりの方を見かけました。もうそこだけオーラで輝いておりました。そばに行って確かめたかったのですが、仕事に行く途中で時間がなく「え~、まさか、まさか」「う~、確かめたい。でも、時間がない、クーッ」と諦めました・・。日本にも住居があると聞いておりましたので、今でも本物だったのカモ・・と、永遠の謎を抱えております。
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