Haru S.の部屋

都内のピアノ教室です。ピアノレッスンのことを綴った真面目なことしか書いていない、でも少し役立つかもしれないブログ。

6分の1

2024年11月15日 | レッスン

 

 

楽器店では個人レッスンは、1回30分です。

 

個人のお宅でレッスンをされている先生でも

1回30分はよくあると思います。

 

さて、30分はあっという間の時間です。

サクサク進めて行かないと、

レッスンがはかどりません。

 

進めるためには、生徒さんの練習が

しっかりと出来ていなくてはなりません。

 

そこは色々ありますので、

いつもサクサクとはいかないのが現実です。

 

 

さて、練習の問題ではない所で

無駄に時間を使ってしまうことがあります。

 

そのひとつに

プリントの整理があります。

 

私はプリント類はすぐに見られるように

ノートに貼り付けてもらっています。

 

クリアファイルに入れたままですと、

目的のものを見つけるのに時間がかかるからです。

 

 

ご家庭ですぐに貼ってもらえると良いのですが

永遠にそのままですと、

レッスン中に私が貼ることになります。

 

 

プリント類が多いのは

習い始めの生徒さんのことが多いです。

 

ということは、

年齢が小さい生徒さんということです。

 

小さい生徒さんは集中が切れないように

注意を引き付けている必要があります。

その中でのこの作業は、けっこうたいへんです。

 

ちょっと貼り付けるだけなのに

5分くらいかかってしまいます。

 

バタバタするので、

どうしてこんなに時間がない感覚になるのだろう

と思い、ちょっと計算してみました。

 

 

30分の5分は6分の1の時間です。

60分ですと10分です。

 

これをご家庭の1日の時間に換算すると、

起きている時間を16時間として、

その6分の1は160分です。

 

2時間40分。

 

1時間で2時間40分の作業を終えるには

2.4倍の速さが必要。

30分では、4.8倍の速さが必要ということです。

 

なので、バタバタするのです。

 

 

30分レッスンの5分には

1日の中の2時間40分の価値があるということ。

 

ご家庭で16時間の中の5分をこの作業に費やすことと、

30分レッスンでこのことに5分費やすのでは

全く時間の価値が異なるのです。

 

家で出来ることはされた方が良いはずです。

レッスンではそこでしか出来ないことを

是非、吸収してください。

 

 

計算ついでに、

もし5分遅刻をしてきたら、レッスンは週に1回ですので、

その5分でできることを7日間練習できたはずで、

2時間40分の価値×7日分で

18時間40分。

 

たった5分の遅刻で、1週間の内のそれだけの時間を

損をした計算です。

 

単純に計算した結果ではありますが、

レッスンをしていて、30分レッスンの5分が

かなり貴重であることは事実です。

 

 


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レッスンを始めるタイミング

2024年11月13日 | レッスン

 

 

ピアノレッスンを始める時には、

長く続けられる条件を持っているかを

少し考える必要があると思います。

 

楽器のレッスンは練習が必須です。

 

練習できるためには

いくつかの条件があります。

 

親御さんのご協力が得られない場合は、

①音符を自力で読める年齢であること。

その場合でも

練習時間を一緒に決めるとか、

練習の声掛けをするといったことは必要です。

 

音符を読むことがまだおぼつかなく

親御さんのご協力も得られない場合は、

②レッスンで覚えて帰り、すぐに復習をする必要があります。

 

レッスンで講師が演奏するとしても

せいぜい多くて3回程度です。

毎週何度も弾いて聞かせることはまずありません。

音符が読めなければ、記憶する必要があります。

 

記憶に自信がない場合は

③録画することです。

ご自宅での練習でそれを見て

音符の読み方が間違えていないかよく聞いて

弾けるようにします。

 

 

この3つの方法のどれかで練習ができるはずです。

①で出来れば問題ありませんが、

②は本人の力が必要で、簡単ではありません。

③は親御さんのご協力が必要です。

 

問題は③です。

親御さんはお子様の手伝いはしようとされるはずです。

ところが、下に小さなお子様がいらっしゃると

そちらのお世話で手一杯ということがよくあります。

一緒にレッスン室に入っても、

下のお子様の面倒でレッスンに集中するどころでは

なくなってしまいます。

 

すると、①でなんとか練習をしてほしい

となると思います。

 

一人で音符を読み、どのような曲か把握できれば

一番望ましいことです。

しかし、これは就学前のお子様には

無理と言って良いです。

 

一緒にできなければ、

習い始めることを待つ必要があります。

 

少し習ってバタバタしただけで

やめてしまっては意味がありません。

 

落ち着いた環境ができるまで待ったとしても

遅いということはないと思います。

 

 

ちなみに②ですが、

これは同じ進度の他の生徒さんのレッスンを

見学できるご自宅で教えていらっしゃる

先生の下では可能です。

 

お子様本人が先生の演奏だけではなく、

他の生徒さんの演奏も聞いて覚えると

練習の時に助けになります。

 

私はこのパターンでした。

私より半年くらい前に習い始めた1学年下の人の演奏を

自分のレッスンの前に毎週聞いていたので、

宿題に貰った曲がいつも

「あの時、あの子が弾いてた曲だ」でした。

 

音符は自分で読みましたが、

曲を事前に何度も聞いたことがあるおかげで

音符の読み方が正しいかも判断できました。

 

 

ピアノレッスンを何歳から始めるかが

気になるかもしれませんが、

ご家族の状況により

少し待ってからの方が上手く行くこともあります。

 

できるだけ生徒さんが心配なく

レッスンに集中して通って頂けたらと思います。

 

 


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ゆっくりなテンポで練習

2024年11月11日 | レッスン
 
 
こちらはヴァイオリニストのパールマンです。
クラシック音楽界では実力ある演奏家として有名です。
 
ゆっくりなテンポで練習をする事の大切さを
話されています。
 
プロの大ベテランでもこれは実行しているのです。
 
 
これはどの楽器でも同じです。
 
ゆっくりなテンポで
脳、耳、体、
全てを集中させ練習をするのです。
 
ゆっくりなテンポは
全てがよく理解できていないと出来ません。
 
 
よく、速いテンポで弾けるから
自分にはこのような練習は必要ない、
と考える方がいらっしゃいます。
 
 
これは危険です。
 
 
流れ作業でなんとなく弾けているだけなので、
どこかで躓くと、止まってしまい、
そこから弾き始めることがまず出来ません。
 
よくあるのは、
こんなはずではない、調子が悪かっただけ、
と、最初に戻ってまた弾き始める人。
 
 
大抵、同じところでまた止まります。
 
 
これは頭で理解できていない、意識化できていない。
 
 
要するに
解っていないのです。
 
 
 
また、パールマンも仰っていますが、
短く区切って練習をする事。
 
これもとても大事です。
 
ひとつのフレーズがきちんと弾けていないのに
何となく誤魔化して進んでしまうと、
音楽は絶対に美しくなりません。
 
役者さんが
言葉の一つ一つの意味を理解し、台詞を発すると、
それは観客、視聴者の心に届きます。
 
 
音楽は楽しむもの、という概念が
楽器店業界により刷り込まれてしまっていますが、
自分一人が楽しいだけではモチベーションが持続しません。
 
自分の演奏で喜んでくれる人の姿、言葉で
また「やろう!」と頑張れるのです。
 
 
自分一人だけの音楽にせず、
たった一人の人でも共有出来たら
それは大きな喜びです。
 
 
練習の質は
他の人とのつながりも育むことになるのです。
 
 

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指を下ろす

2024年11月10日 | レッスン

 

 

 

 

ピアノは指を使って弾きますが、

指は下ろすように弾きます。

 

ピアノは黒鍵があるので、

腕が下がっていると、特に黒鍵を弾く時に

指を「よいしょ」と持ち上げなくてはいけなくなります。

 

これは指に負担がかかり、音質も硬くなります。

 

指は下ろすだけの体勢にした方が

音のバラツキも起きにくく

コントロールしやすくなります。

 

第3関節から下ろすイメージです。

 

第1関節から下で弾くと勘違いしている人が

少なくないので、気を付けましょう。

 

 


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指輪の練習

2024年11月06日 | レッスン

 

ピアノを弾く時の指は、指先がつぶれているよりは

上の先生がされているように立てていた方が良いです。

 

関節で支えるのです。

 

指先がつぶれて反り返っていると

支えが効かず、音が綺麗に響きません。

 

巨匠のホロヴィッツは

指先が反り返っていましたが、

それは誰にでも出来る奏法ではありません。

 

自分でどちらの音が

通る音で美しいか比べて見ると良いと思います。

 

 


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