おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

大先輩たちの曜日

2023年04月30日 | レッスン

楽器店はスタッフの方たちのご協力のもとレッスンができています。

金曜日に、生徒さんの様子をスタッフさんと時間を設けてお話しするミーティングというものがありました。

大げさなものではなく、年に1度教室のスタッフさんお一人と落ち着いてお話しできる機会があるのです。


金曜日の生徒さんは年齢層が高く、70代の方が3人。今年その仲間入りをする方が1人、60代の方1人。

ほとんど意識してなかったのですが、そのようなことになっていました。


私も皆様と共に歳を取りました。

スタッフさんと話したのは、皆さん健康でいてくれればという願いだけでした。ご家族も健康でなければ習い事は続けられないので、ご家族の健康もお祈りして。


多くの方に共通しているのが、レッスンを休まないこと。
20年近く通われて、過去2回しか休んでいない方もいらっしゃいます。

好奇心を失わず新しいことに挑戦することを楽しんでいらっしゃる方は生き生きされています。もちろん無理をしては続かないので、ご自分の力とペースを考えていらっしゃるのも流石。

中には、この曲はいつでもすぐに弾けるようにしておきたい、と間をおいてはまた練習を再開してを何年も繰り返している方もいらっしゃいます。そのようなレパートリーを5曲は持っていらして、音大出身者でも見習ってほしいといつも思います。


無理はしないけれど好奇心を失わない。
年齢に応じた選曲。
昔の状態を維持する努力。

お一人、介護をしながらレッスンを続けられています。
その方はレッスンを休みがちなのですが、ずっと通い続けられています。練習はほぼできないのですが、ご自分のための時間を保っていらっしゃるのだろうと思います。

自分のための時間を持つこと。
老後はこれが必要だと皆さんを見ていて思います。


皆さん本当に素敵に歳を取られていて、こんな風に歳を取りたいと憧れます。

あと、どなたも愚痴を言わない。
素晴らしすぎです。


小さい文字が見えづらくなったスタッフさんと、こんな風になりたい、という話に花が咲きミーティングを終えました。

他の曜日とは全く違う特別な曜日です。

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楽譜を読む要領

2023年04月29日 | 楽譜の話題

毎日熱心に練習をしているのに、なかなかスムーズにピアノが弾けない。

不思議な話かもしれませんが、珍しいことではありません。


原因はいくつかありますが、その中のひとつに、音符を一つ一つ読みすぎていることが考えられます。

両手の音を全て読みながら弾こうとすると、覚えなければ弾けないとか、止まりそうになりながらしか弾けないとなってしまいます。


コツは、音型を見抜く。
ここはこのパターンだな、とわかったらその中で動いている音だけを見る。

ソファソ-ソファソ-ソファソとあったら、見るのは下線で記した音だけ。

「ミ、レ、シ、が大事な音です」と言うとそれを復唱して終わってしまう人がいますが、この3音をつないだ時の形を頭の中に描く必要があります。

几帳面な人ほど読み飛ばせないので、上の例の「ソファソ」までいちいち読んでしまいますが、同じパターンであることはわかっているので、それはもう読まなくて良いのです。


パターンを見つけることは譜読みを楽にするだけではなく、作品の分析力にも役立ちます。

作曲者がパターンを変えていたらそこには意味があるのです。


「みみをすます3」に音符の動きを要約することを説明しているページがあります。「さくせんかいぎ」との呼び方も

立ち読みで閲覧できます。
このテキストは本当に良く作られていると思います。

みみをすます 3 - 音楽之友社

音楽をはじめる子供たちのための、ピアノとソルフェージュの教本。第3巻は、ピアノを弾く技術の要素が増える。「わおんをひこう」で長三和音や短三和音に耳をすませ、簡単...

音楽之友社

 


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みみをすます ピアノとソルフェージュの本

2023年04月27日 | 楽譜の話題

「みみをすます」というピアノとソルフェージュのためのテキストがあります。

私が見つけた楽譜ではありませんが、昨年この楽譜を知ったおかげで、たいへん助けられています。


単に音が読めれば良いという内容ではなく、頭を使って楽譜を読む感じです。

不思議な音の国 下巻と「みみをすます2」が無理なく併用できます。
下巻を終えた生徒さんでも実力に合わせて2か3が使えます。


私は「不思議な音の国」からレッスンを始めておりますので、上巻の内は腕を使って力まず弾くこと、音の読み方を覚えること、1~4拍のリズムを覚えること。この3つができれば良いと思って進めています。

教本を補足する意味で、昨年作ったオリジナル連弾曲集「おとのくにへ」を上巻と併用しています。
この曲集ではできるだけ自力で音を読んで弾いてもらっています。一人でどこまで出来るかの確認にもなります。


下巻に入ったら「みみをすます2」と併用し、拍を常に感じること、両手のリズム打ち、音の動きを捉える、移調から調性を知る、といったことを強化していきます。



「不思議な音の国」は著者のイリーナさんは1年で2冊終えると仰っていますが、実際はかなり高いハードルです。

2年近くかかるのがノーマルペースのように思います。
ただ、その期間にこの本だけでは弾き方は学べますが他の力が不足します。

そりゃそうです。本来1年で終えるつもりで作られた本ですから。


ノーマルペースでも「みみをすます」と併用することで不足分が補えるのでは、と思います。

みみをすます 2 - 音楽之友社

音楽をはじめる子供たちのための、ピアノとソルフェージュの教本。第2巻は、もっこり、へこみ、かいだん(順次進行)、1だんぬかし(3度)などの音型の把握からはじまる。...

音楽之友社

 
立ち読みから中身を閲覧できます。



もしご興味がございましたら、オリジナル連弾曲集「おとのくにへ」もご活用いただけますと嬉しいです。
連弾曲集「おとのくにへ」 | piano/russianmethod

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スタッカート

2023年04月22日 | レッスン

スタッカーとは「短く切る」と習います。

学校のテストではそれで正解です。


しかし、演奏ではそれは正しいとは言えません。

この小さな点は様々な意味を持ちます。
その中のどの意味で作曲者は書いたのか、音楽の中で判断します。


この小さな点は、アクセントの意味で使われたり、テヌートのニュアンスで使われたり、フレーズの最後を表す意味で使われたりもします。

単純に短く切るだとしても、短ければ良いわけではありません。
その音楽の部分に合った短さがあります。


このスタッカートを書き分けた人物がいます。

ベートーヴェンです。

彼の自筆譜にはご本人考案の様々なスタッカートの印があります。

例えば、

短く右に傾斜した線
先の尖った垂直、または幾分左右に傾斜した線
長い右傾斜線
垂直線

4つ目の垂直線は、フレーズの終わりを意味するものとしてベートーヴェンは書きましたが、スタッカートと混同されて今日では使われています。

原典版(Urtext)には、これらは全てスタッカートの印として書かれています。長めのスラーの最後にあるスタッカートは、フレーズの終わりを意味する印です。

このような時は、スタッカートだからとピッと短く切ってはいけません。
ベートーヴェンではなくとも、このような書き方をする作曲家は珍しくはありません。フレーズの最後を重く弾かないでほしいという意味で書いているのだと思います。


また、スタッカートは当時のピアノアクションの発達とも関係しています。

ウィーン式アクションとイギリス式アクションでは可能な奏法が異なります。

タッチが重く鍵盤が深く沈むイギリス式アクションは、鍵盤が軽く6ミリしか沈まなかったウィーン式アクションより表現の幅が広がります。

そのようなピアノ構造の発達もスタッカートとは関係してきます。


ベートーヴェンがイギリス式アクションのピアノを知ったのは1803年。

中期にあたります。
ワルトシュタインが1803-1804年、アパッショナ―タが1804-1805年作曲。
その頃です。


音を表現するということは、人間の僅かな心の動きにも気付くということです。
何十年も弾いている曲でも、「今まで気付かなかった」という部分が急に見つかったりして、新たな発見が嬉しかったりします。


こういうもんだ、などと決めずにいつも曲に向き合って頂きたいと思うのです。

「嬉しい」という言葉でも、言葉通りの意味の時もありますし、他のニュアンスを含んでいる時もあります。

音楽の記号はそういうものです。

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相手に合わせること

2023年04月20日 | レッスン

前回、今の若い先生方が相手に合わせ過ぎてレッスンをされていることをチラリと書きました。

ピアノレッスンはやることが多く、大事なことがたくさんあります。

体系的にレッスンを進められることが理想ですが、その通りレッスンを進められる生徒さんは僅かしかいないのが現実です。


では、どこまで生徒さんに合わせるかです。

生徒さんや多くの親御さんは、この道の専門家ではありません。


病院で命に関わるような病ではない場合、若い先生は患者の知識内の治療だけして、波風立てないでいると感じることがあります。

その場合、その時は良くとも、きちんとリスクを話されなかったり、中途半端なことをして結局悪化する場合があります。

逆にベテランになると、この治療法がベストと他の選択肢を説明せず、いきなりそれを押し付けることがあります。そうすると患者は拒否反応を示し、それも問題となります。


専門家だから知っていることはピアノレッスンでもあります。

相手の希望しかきかないでいると、相手の方が、何も残らない、時間を無駄に過ごさせられたという結果を生むことがあると思います。


そのような事態を生むことも悲劇ですが、音楽というのはこの程度のものと間違った認識を生むことも悲劇です。

そしてそれは、次の世代、また次の世代と受け継がれてしまいます。
ピアノを習ったことのある親御さんがお子さんにピアノを習わせたり、知り合いが習っていてその人の情報を鵜呑みにしたりすることがあるからです。

偏食は本人がその内苦しむ結果になりますが、音楽は受け継がれるものです。


楽器が弾けるようになるには、出来なければいけないことや覚えなければいけないことがたくさんあり、それには時間も忍耐も努力もやはり必要なのです。

それをできるだけ負担に感じずにレッスンに通ってもらえる方法はないか、と講師は日々工夫し考えています。

野菜嫌いな子供に野菜を食べなくてもいいよ、ではなく、どうやって食べてもらおうと考えているようなものです。食べなさいと強要するのではなく、細かくしたり味を変えたりということです。


楽器の演奏は、何もやらなくとも出来るようになることはありません。
そこをわかってもらうのも、教えることのひとつです。

生徒さんが出来ないことにぶつかった時に、方法を工夫することを知ってもらったり、すぐに諦めない、落ち込まない気持ちを育てたり、というのも講師の役目です。


安易に相手に合わせるだけのレッスンに走る前に、出来ることがあるはずですので、何度もそれに挑み続けてほしいと思います。
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聞く、聴く

2023年04月19日 | レッスン

聞くと聴く。

このことについて、ちゃんと考えている方がいらっしゃるのだ、と心強く思いました。

私も気になっておりました。
聞いているけれど、聴いていない。

音楽を聞くことが身近になり、偶然にカッコよくピアノを弾いている姿を見かけ、自分もピアノを習ってみよう、とレッスンを始める方が増えています。


楽器に興味を持つきっかけになることは悪いことではありません。

実際にレッスンを始めてみて、思っていたものと違うけれど本物を知りたいと開眼される方も少なからずいらっしゃいます。

しかし、子供の場合は思っていたものと異なるとそう上手くは行きません。

それは最初に会った時に大体見えてしまいます。
さらに、親御さんを見ても長続きするお子さんかそうではないかは、大体わかります。


導入メソッドを変えて、「音」というものを聴く、「音」で何を伝えるか、ということを習い始めからすることが出来るようになり、それが通じる生徒さんかどうかは、結構早い段階でわかるようになってしまいました。

耳を澄ませて聴く音楽と、何気なく聞く環境音楽の違い。
音楽が溢れることで、失うものがある。耳を澄ます、耳を傾けるという感覚が鈍ってしまうことを、こちらの動画でお話しされている方は危惧されています。

心の声に耳を傾ける。


私は楽器店で教えているので、今の若い先生方が相手に合わせることを第一にし、生徒さんがやりたくないものはやらない、親御さんが弾かせたい曲だけ弾かせる、という風潮を度々耳にします。

相手とぶつかることを絶対的に避けるように育ってしまった人たちだと感じています。

私も相手とぶつかることを望んではいませんが、本当のことを伝えずにいたら、音楽がただその辺で流れているもの、という存在になってしまいます。

私は音楽に出合えたことを本当に幸運なこと、と思っています。
たくさんのメッセージを作曲家や演奏者から受け取ってきました。そして、本気で打ち込めるものがひとつでもあることにも感謝しています。


ピアノを教えている身として、音楽にはメッセージが込められていることを伝え続けようと思っています。

しかし、それが全ての人に受け入れられることではないことも忘れずに。

希望は失ってはならない、しかし期待はするな、です。





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カントロフ

2023年04月17日 | コンサート情報

カントロフの新しいプログラムにシューベルトの「さすらい人幻想曲」が入っていて、これは聴きたいと思っておりました。

断片的には少しだけ聴けていたのですが、それを聴いて更に全部聴きたくなっておりました。

そうしましたら、プロヴァンスの音楽祭のリサイタルを全曲、こちらで聴くことができました。

今年はリサイタルとチェロとのデュオで来日されるようです。
見つけたものは、10月にリサイタル、12月にデュオ。

これまで訪れなかった地域でも演奏されるようです。
今年は12月まで楽しみがずっと待っています!

ワクワク

https://www.radioclassique.fr/replay-concerts/concert-festival-de-paques-avec-alexandre-kantorow/
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新しい視点で話してみたら

2023年04月14日 | レッスン

前回書きました調性をわかりやすく伝える話。

素人の方の視点で話されているのが新鮮で、この言い方はレッスンで使えそうだと思いました。

『鍵盤は88鍵あるが同じ音があるので、実質12鍵。
そして、音階はたった7個の音から出来ている。調性によって使う音が決まっている。』


これを今日、5人の生徒さんにしてみました。

皆、音階が7つの音でできているだけだということで「なんだ、そうなのか」という顔。

各音から「ドレミファソラシド(移動ドで)」を作ってもらい、調によって使う音が決まっている、で納得の顔。
それなら、調号を覚えた方が便利という思考に向かいました。

というか、調号の意味がここでやっと理解してもらえたようでした。


お一人だけ、途中までは納得のお顔をされていたのですが、調号の話をしたら、「無理、無理」という反応でした。

75歳を過ぎた方なのですが、キャサリン・ロリンやマーサ・ミアーの曲も抵抗なく弾いて下さり、ソナチネアルバムもほぼ弾いてしまわれた方です。

ショパンを弾いても良いくらいなのですが、調号が多いことで弾けないと思われています。
しっかり練習をされてレッスンにいらっしゃるので、曲の進みも若者より速いくらいです。


今は、キャサリン・ロリンの「コンチェルト・ロマンティック」を弾いていらっしゃいます。

第2楽章を2年位前に弾き、昨年暮れから第1楽章を練習され、最近その楽章を終えられましたので、もしできたら第3楽章も弾いてみます?と判断を委ねましたら、「少し弾いてみたら面白い曲だと思いました」と。

というわけで、第3楽章もお弾きになることになりました。
こんなに好奇心をお持ちの方なのに、なぜショパンはチャレンジされないのか、謎・・です。

こちらは全楽章演奏されています。




Concerto Romantique: In Three Movements for Solo Paino With Piano Accompaniment (Alfred's Basic Piano Library) ペーパーバック – 1999/9/1
英語版 Catherine Rollin (作曲) amazon

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新鮮な視点

2023年04月13日 | レッスン

何気なく見たこちらの動画。

音感がなくても耳コピできることを見せてくれているようでしたので、どのようにしているのかと興味を持ち見てみました。


耳コピしながら話されている内容が良いな、と思いました。

私たちは理論を知っているので、それを教えてしまいますが、素人の方の感覚で話されているので、生徒さんに話す時にこのような方向から話した方が解りやすいのかなと思いながら拝見しました。


生徒さんに耳コピをしてもらおうという意味ではなく、ピアノを弾くのに知っておくと楽になる調性の話、半音全音の数え方、メジャーとマイナーのコードの鍵盤の数など、視点が私たちとは違うので、このような説明の仕方もありだなと思いました。


今日早速、不思議な音の国下巻のシャープが4つの音に付く曲で何度もシャープを落として困っていた生徒さんがいたので、調性の話を移動ドにして全て「ドレミファソラシド」に聞こえるように様々な音から音階を作ってもらいました。

E-durまで出来ればOKだったのですが、その生徒さんは「ファ」からならどうなるだろう、と自分で探していました。


調性によって使う音が決まっている、とこの動画の方は仰っています。
この言い方は私には新鮮でした。

鍵盤は88鍵ありますが同じ音があるので(高さは無視)、実質12鍵、そして音階はたった7個の音でできている。と、話を持って行かれています。

上手いなぁ、そういう言い方にしたら単純なことに感じられる。


私は調号が増える順番を覚えてもらうことから始めていたので、結果を先に覚えるのではなく、この調だからこの音になるの方が納得感が得られそうな気がしました。


半音全音に関しては、間に鍵盤が一つ入っている入っていない、そんな数え方をされていて、聴けばわかるだろうという感覚で私はおりましたので、わからない場合はこの方法で教えても良いなと思いました。

理論はこうだからこう覚えるべき、という固い頭でいたなとこちらの動画を拝見し、思ったのでした。

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重ねた時間と方法

2023年04月10日 | レッスン

こちらの動画を拝見していて、ピアノにも言えることだなと思いました。

「何年勉強しているとか、何歳から始めたではなく、どのくらいの時間勉強して来たか」ということをお話しされています。

日本語のインプットというお話もあるのですが、これって音楽の中で音を読むとか、リズムを叩くことをしないのと似ているな、と思いました。

音楽につながる方法で覚えないと、それらは活かせないわけで。


この若者3人からヒントになる話がけっこう聞けます。

14:48~時間で考えた方が良い話。少々戻ると12:47~勉強の方法が間違っている話。


以前、中国の大人の生徒さんが話していた練習時間の話をブログに書いたことがあります。
話を聞いた時には大して気にも留めませんでしたが、案外的確だなと思います。初級にどのくらいの時間がかかるかは話されていなかったのでわかりません。
仮に1000時間だとすると、1日1時間で約3年。30分で6年。15分で12年。10年以上初級だと、一生初級だろうと私は思ってしまいます。この状態でピアノを続けられる生徒さんは少ないです。というか、私の所には一人もおりません。

続けられる生徒さんの限界は、6年で初級修了のように思います。
1日30分の練習があれば、ピアノが生涯の趣味になる可能性があります。
数えたことありません - おとのくに♪♪
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アムランの対称的練習法

2023年04月05日 | コンサート情報

カナダのピアニスト、マルカンドレ·アムラン。

彼は子供の頃、父親に重音の練習や対称的練習法(Symmetrical Inversio)をさせられたそうです。

シンメトリックと言えば両手でスケールやアルペジオを弾く練習はよくありますが、彼の場合はそんなものではありません。

こちらの動画を見てビックリです。



そういえば、ドイツの子供用の導入教本に両手を対称的に弾く練習が載っていました。
メロディーを自分で対称的に作って弾くのです。両手で同時ではなく交互に。
楽譜に書かれたものを弾くのではなく、自分で考えて弾くところがクリエイティブで良いと思いました。

アムランの演奏を生で聴いたことがまだありません。
あの洗練された音楽と美しい音を是非、聴きたいと思っています。
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直しやすいのはどちら?

2023年04月04日 | レッスン

日曜日にあった発表会の演奏を聞いていて、生徒の音がそれぞれ異なり良いことだと思いました。

異なると言っても、浅い打鍵しか出来ない生徒さんはみな同じ音しか聞こえません。

個性のある音を出せているのは、腕や身体の重さを使って弾けている生徒さんです。


そんな中、力で押して弾くように初めに習ってしまった生徒さんと、逆に力が抜け過ぎてしまう生徒さんでは、どちらが良い音になって行くのだろうと考えました。

私は以前は、力が抜ける方が直せると思っていました。指の支えや身体の重心がしっかりすれば良くなると思っていました。


しかし、日曜日に聴いたものを思い返すと、力が入っていた生徒さんの方が今は音が良くなっています。

力が抜けすぎる生徒さんは、レッスンで注意したその時は良くても一人ではコントロールできない傾向にあります。



大人の生徒さんで、力が抜けやすい方がいらしたのですが、ご本人は「どこまで力を入れたら良いかわからない」と言っていました。

もっと指の付け根でしっかり支えてと言うと、大抵押し付けて弾いてしまいます。打鍵のスピードも出にくいようで、音がポワンとします。

力を入れる意味が上手く伝わらないと感じます。
テニスのラケットを握る力は必要ですが、握ることに力を入れすぎてはラケットは振れません。
野球のバットも同じです。

ピアノは自分の手がラケットやバットのような道具で、体の一部として繋がっているので力が見えません。
テニスや野球はボールの飛びかたで善し悪しが見えますが、音楽は音を聴いて耳で判断します。

自分自身がコーチにならなければ。


大人の生徒さんは、電子ピアノで長く練習をしていた影響も考えましたが、日曜日の生徒さんは始めからアコースティックピアノです。

力が抜けすぎると、本人は色々と表現しているつもりでも、実際には単調で表現には結びつきません。

表現力に乏しいとか、音楽性がないとか見られてしまいます。


音は作り出すものだとは思いますが、音を持っているかは大きいとも思います。

特に導入法を変えてから、個人の音の違いが遅くとも4年も経つとはっきりするようになったので、複雑な心境です・・

ただ、音は良くとも本人は音楽にさほど興味がない、というパターンもあります。音楽に感動する感性を持っていないのです。

これも複雑な心境ですが、しかし致命的です。

興味がさほどなくとも徐々に興味を持てる生徒さんは、ご家族に音楽経験者がいる場合が多いです。音楽を勉強の役に立てようと考えているご家庭は限界があります。


音楽はやらされるものではなく、好きな人がするものです。
それが音になって表現できるよう私も力になりたいと思うのです。
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発表会終了

2023年04月03日 | レッスン

今年の発表会が終了しました。

皆、それぞれの個性が出ていたな、と良い面とそうではない面を含め面白いものだと思いながら聴いておりました。


曲が難しくなってくると、どのような練習が必要かということをレッスンで念入りにすることが増えてきます。

年齢が上がってくると、緊張した時でも力が出せる練習が必要になります。

最も有効なのは、ゆっくりなテンポで弾く練習です。
速いテンポでも弾けるもん、と思っている内はまだその段階に達していないということです。

全曲を通してゆっくり弾く練習は、たいへん集中力が要ります。
自分がどのような音で弾いているか、耳を使って一音も聞き逃さず弾く必要があります。

こうなると、やはりアコースティックピアノが適しています。記憶力を強化するだけでしたら電子ピアノでも良いかもしれませんが、一度で複数の神経を使える方が能力としては高められます。



不思議な音の国を使うきっかけとなった生徒さんがいます。
今時ハイフィンガーで習い、しかもまじめな生徒さんで毎日1時間以上それを守って練習し、鼻血まで出していたと。

1年続けて、どうもこれはおかしい、とお母様が思い楽器店を移動されてきました。


あまりに力が入り、ガチガチで音を押し付けて弾いていたので、音は伸びないし、レガートにはならないし、でした。

迷うことなく、不思議な音の国を使おうと思いました。
下巻から始めました。小学2年生の時です。

それから丸5年経ち、中学2年生になりました。


今日の彼女の演奏、柔らかい音も、滑らかな音も、切ない音も、軽やかな音も出せていました。

そして、そのたくさんの表情のある音が音楽を伝えてくれていました。
音があれば表現する力は持っている生徒さんでしたので、今日は「ここまで来れたんだ」と感慨深く演奏を聴いておりました。

演奏が終わると、客席から「ホー」と言う感嘆の声が漏れ、椅子から立ち上がる前に既に客席から拍手が起きていました。


「素晴らしかったよ」と声を掛けると、見たことのない幸せな顔で微笑んでおりました。

どの生徒さんも、念入りにやったことは力が出せておりましたが、私が教えられない事というものはあります。

本人の中から湧き出るもの、本人が作り出すものを私は聴きたいと思っています。
今日の彼女は、そのような演奏でした。

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作曲家を知ろう! ラフマニノフ

2023年04月02日 | 作曲家を知ろうシリーズ

今月、生徒さんに聴いてもらう作曲家はラフマニノフ。

スタンプラリーの紙を渡しているのですが、4月~3月の1年間で1枚の紙に毎月シールを貼って行きます。

ラフマニノフから新たな1年が始まります。

今年はラフマニノフ生誕150年、没後80年の記念の年です。
記念の年ということで、ラフマニノフのピアノコンチェルトを1人で全曲演奏するピアニストを国内外で見かけます。

阪田知樹さんは1番~4番とパガニーニを一晩で演奏します。
チケットは購入済みですが、家でゴロゴロしながらでも、一気にこの5曲を聴いたことはないので、楽しみにしています。


私とラフマニノフの出合いは、「この曲、誰のなんていう曲?」から始まりました。

最初はパガニーニの第18変奏でした。
メロディーは聞いたことがありましたが、誰の曲かわからず、ラジオのFMでそれらしき題名を見かけると、タイマーで録音セットし、学校から帰って録音したものを聴いて確かめるという、いつ正解に運良くたどり着けるかわからない方法で答えを探していました。高校生の時です。

「音楽の友」の付録に、ピアノの名曲辞典&ピアニストを紹介する冊子が付いていたことがあり、それが大いに曲を知る手助けになりました。国内外のピアニストを知ったのもその冊子のおかげです。

解説を読んで、「この曲の様な気がする・・」というものが新聞の番組表にあると録音していました。

家にはクラシック音楽の音源が僅かしかなく、家族や友人もクラシック音楽に詳しくはなかったので、当てずっぽうで録音するしか曲を知る方法がありませんでした。

2番のコンチェルトも誰の曲?でしたが、偶然録音した中に入っていたので、ラフマニノフの2番と知ることが出来たと記憶しています。

パガニーニも2番もアシュケナージの演奏でした。
そんなご縁で、最初に買ったクラシックのレコードはアシュケナージでした。

アシュケナージは毎年来日して、数多くのコンサートをされていましたので、学生の頃はよく聴きに行きました。

あの頃は花束を渡すファンがステージの下にズラリと並んでいました。
今ではそのような光景は見なくなりました。


当てずっぽう録音は、お目当ての曲ではないことの方が多かったですが、知らない曲を録音でき、そのおかげで色々と曲を知ることが出来ました。

知りたいことが手間なく、効率よく調べられる世の中になりましたが、遠回りや寄り道ができたことは自分にとっては良かったと思います。


ラフマニノフ | Composer Sakkyokuka

Composer Sakkyokuka

 


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東京春祭 イタリア・オペラ・アカデミー 受講生

2023年04月01日 | コンサート情報

ムーティのオペラアカデミーを受講した4人の指揮者の方たちのインタビューが、youtubeで公開されています。

ドイツ、オーストリア、オーストラリア、日本の方たちです。

インタビューを拝見して、話す内容や話し方がそのまま指揮に表れているな、と思いました。

こちらの女性の指揮者、とてもナチュラルでリラックスされて、オケが演奏しやすそうでした。クレバーだけれど、人間性があっていいな、と思いながら聴講していました。


そういえばムーティが、「音楽を数学と結びつける人がいます。ここはⅤ度だの四六だの。そんなのどうだっていい。真実は音の中にある」と仰っていました。

もちろん、ムーティはそのようなことをないがしろにしてはいないと思いますが、分析することが目的になっては意味がないということを伝えたのでは、と思います。

音楽の本質がどこにあるかを忘れてはいけないのです。

その点で、彼女の指揮は人間味が感じられて好感が持てました。


4/1に東京文化会館大ホールで、アカデミーの成果を4人で分担して指揮します。
彼女は最後に登場するそうです。

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