おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

5度圏

2022年11月29日 | レッスン

初めてピアノを習う大人の生徒さんには、大人の方用に作られた教本を使っています。

教科書的に進むことで、何を覚えるかがはっきりするので、漠然と弾きたい曲を弾くよりは、こちらの方が良いと考える大人の方は多いです。


大体最初の2年間くらいは、教本を私は使っています。
それ以外の曲も進度に合わせ、時々お渡ししています。



さて、音楽には調性というものがありますが、この事を理解していると、譜面に振り回されずに済みます。

なぜ、その音に#が付くか,♭が付くかがわかると、この付け忘れが減りますし、面倒臭さも減ると思います。



大人の生徒さんは理論的な話から入る方が解りやすいことが多いです。
そこで、調号が増える順番や、調の数え方は新しい調性が出るたびにしております。

その度に、なるほど、と頷かれるのですが、以前習った調の曲を弾く時に今一つその話が活かされない、ということが少なからず起きます。

これまで、覚えられなくとも弾くことは出来るので、私はあまり気にしておりませんでした。


ところが、熱心で毎回よく練習をされてくる生徒さんが、どうもピンとこないお顔をされたので、子供用に作った5度圏と調号の紙で全体像を見て頂きました。

そうしましたら、やっとどういうことかわかった、と仰いました。


こういう紙があった方がわかる、こういうものがほしい、とその生徒さんが仰ったので、こんなのしかありませんがこれでも宜しければ、とお渡ししたのがこちら。





譜面はMusescoreでエッコら作りました。
拍子の消し方がわからず、最初は困りましたが、あっ、こうやればここからなくすことは出来る、ときっと正解ではない方法で何とか作りました。

下のものは、何かの本に載っていたものを昔メモしてあり、それをエッコら作りました。まぁ、こちらはそんなにエッコらではないですが。


あると便利な5度圏表。
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2022/11/26 ヴィルサラーゼ リサイタル

2022年11月27日 | コンサート情報

すみだトリフォニーで、エリソ・ヴィルサラーゼのリサイタルを聴いて来ました。

モーツァルトとショパンのプログラム。


特に、モーツァルトはどれも素晴らしかったです。
モーツァルトの奥深さに、彼がもっと長く生きていたらどんな音楽を作ってくれただろう、と初めてそんなことを思いました。

最後の3曲はショパン。
ノクターンを聴いていた時に、ショパンに彼女の音楽を捧げているような気がしました。

前回、同じくすみだトリフォニーでシューマンとショパンのプログラムを聴きましたが、その時にシューマンに献身的な愛を捧げているような気がして、その純粋な姿に泣けて仕方がありませんでした。


今回のショパン。
以前ヴィルサラーゼが、自分はショパンが好きだけど、ショパンは私をなかなか好きになってくれない、と仰っていたと思います。

シューマンの時とは違うショパン愛を感じました。


演奏は、和音を極力弱め、浮きたたせたメロディーが淡い衣をまとっているようでした。その美しいこと。

静かに音楽に向き合っている姿。とても素敵。


アンコールは2曲。

モーツァルト/ロマンス 変イ長調
ショパン=リスト/「6つのポーランドの歌」より「乙女の願い」

プログラムのモーツァルトから解き放たれて、アンコールの「ロマンス」の軽やかさ。このような音で私もモーツァルトを弾きたいのよ、と思いながら憧れの眼差しで聴きました。

「乙女の願い」はプログラムには全くなかった情熱的な音で始まりました。この曲を私は知らなかったので、最初はスペインっぽいと思いながら聴いておりましたが、次第にショパンかも・・という感じがしてきたものの、何かテイストがショパンとは違う、と思っておりましたらリスト編曲。
楽しんで弾いていらっしゃるのが伝わってきました。


私は今年最後のコンサートでした。

ヴィルサラーゼの作曲家愛。
どんなにベテランになっても、どんなに活躍されていても、揺るがないものが彼女にはあるのだろうと、そんな風になりたいものだと思い、帰途についたのでした。

よき締めくくり。
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指をほぐす&開く体操

2022年11月26日 | 重力奏法

私は首のヘルニアで7年間まともにピアノが弾けない時期がありました。


右腕に痛みが出てしまい、指がパンパンにむくみ、手の平が常に熱で熱くなっておりました。
15分弾くのがやっとで、半年くらい経って30分弾けるようになりましたが、それ以上は無理でした。


忘れてしまいましたが、1時間弾けるようになるまでに1年はかかったと思います。それ以上はどう頑張っても1時間半が限界で、それが7年続きました。無理をして弾いてしまうと、そのあと2~3日はピアノが全く弾けなくなるという状態になり、生徒さんのレッスンは続けていたので、左手だけでレッスンをしていました。


それがある時、急に2時間弾けるようになり、そこから1週間くらいで2時間半。そのあとは3時間弾いても何ともなくなり、気力さえあれば何時間でも弾けるようになりました。



徐々に弾けるようになってきた頃に、こちらの動画の様な体操を毎日するようになりました。

ピアノを弾く前に必ず行い、就寝前にも行いました。
歩きながらでもできるので、そんな時にも行いました。

実はこれは、学生の時にゼミの先生が手の体操があるとコピーをして渡して下さったもので(本を買うととても高いからと)、その時は全く試さなかったのですが、それから10年くらいして何気にその存在を思い出しやってみたのです。

続けていると指の間が以前より開くようになり、それまでハノンやスケールでウォーミングアップしなければ指が動かなかったのですが、この体操をするだけで問題なく動くようになりました。

たくさんありますが、毎日できて覚えきれるものを選んで行いました。トータル5分。


これを結構長い期間、10年位は毎日しておりました。
そうしましたら、同じようなものが、ある学校の教室に貼ってありました。
記念に写真に撮ったのがこちら。


こちらは、演奏前に体をほぐす時用のものだと思います。私も演奏前にはこのようなことをしています。


初めの1分半位のものは私はしておりません。上の写真のように肩や手首をほぐすところから始め、そのあとに指の体操に移っていました。
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基本の回転は、使うのが基本

2022年11月25日 | 重力奏法

私は大人の生徒さんが比較的多いです。生徒さんの半分は大人の方です。
楽器店で教えていることもあり、女性6割、男性4割。

大人の生徒さんは長く続けられる方が多く、半分くらいの方は15年以上続けて下さっています。


さて、腕(手首)の回転を使うのはピアノ演奏では基本です。と、私は考えています。


この回転、手が固いかと思われる男性の方が比較的慣れるのが速いです。
ただ、根本的にピアノの弾き方を勘違いされている、というより、若かりし頃にそのように習ってしまった年配の方は、できるようにはなりません。


女性陣は、なぜか苦戦気味。
結構弾けて、のみ込みが良い方でも、曲によってとか作曲家によって違うのかと思われているようで、曲が変わる度にまた同じことをやることになります。


生徒さんが弾いている曲の中で方向を伝えても、言われたところはわかるけれど、他の所は自分ではできないになるので、わからなくなったらこれを弾いて下さいと、Paula Dreyerさんのこちらの曲を渡しておくことにしました。

これまで説明するだけで大丈夫だろうと思って来ましたが、実際に曲が目の前にあった方が皆さんわかるようなので。




これはあくまで基本なので、曲の中では細かな音型でいちいち回転させることはしないとか、時には振り子の動きで上行下行とも弾くということも出てきます。

しかし、基本がわかっていれば使い分けができます。
生徒さんの自立は、シンプルな基本が身に付いてこそです。

音楽のことだけでレッスンが出来る日を、私は待ち焦がれています。

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手首の呼吸

2022年11月23日 | 重力奏法

ピアノは手首で呼吸をします。実際に息を吸う時はもちろんありますが、手首だけということも結構あると思います。


手首でしっかりと呼吸をすると、音楽が大きくなり深みが増します。
伝わる感情の強さが数倍膨らみます。これがあるだけで音楽が生きます。


ノンレガートでレッスンを始めると、この事が身に付きやすくなります。

大人の方で、鍵盤から離れると場所がわからなくなると仰って、無呼吸で弾かれる方が少なくありません。

それは音楽にとっては間違いです。
ミスタッチを恐れていらっしゃるのだと思いますが、つまらない演奏でミスタッチがないものと、ミスタッチがあったとしても音楽が伝わるものでは、後者の方がずっと意味があります。

音楽の本質がどこにあるかです。




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腕の回転

2022年11月22日 | 重力奏法

4年前にご紹介したことがあるのですが(このようなもの見つけました A.Woronickiさん - おとのくに♪♪)、こちらの方の動画は参考になります。

ピアノを弾く時の身体の使い方を色々と教えて下さっています。
また、練習方法も細かく教えて下さっています。



4Lateral circulation of the arms(腕の横方向への循環)の動きは基本かと思います。

これがわかっているのとそうではないのでは、弾きやすさが全く違います。音の鳴り方も違います。

これが何故か生徒さんによってはなかなか身に付かず、もう言うのはやめようと決意しても、弾きにくそうにしていると言ってしまう、ということの繰り返し。

5の指に向かう時と、1の指に向かう時は動かし方が異なるだけなのですが・・
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基本の回転

2022年11月21日 | 重力奏法

人間の腕は、外側、内側のどちらに回す方が楽でしょうか。


ピアノは全身運動でもあり、特に腕と手首はとても大事な働きをします。

そして指は親指を内側に左右対称についています。


腕の動きを止めて、指だけでピアノを弾く弾き方はありません。

音を点で捉えてしまう人が多いのですが、音と音の間の意識があると指だけで弾くということは起きません。


ピアノを弾く時に覚えておくと良い、腕(手首)の回転方向。
逆になるとピアノの音は濁ります。全くないとピアノの音は固く素っ気なくなります。


基本の回転を習得するのに便利なものがあります。

Paula DreyerさんのLittle Gems for PianoにあるDream wavesという曲。



反進行なので、両手が同じ動き、同じ指使いです。
しかもゼクエンツになっているので、音が変化してもやることは同じです。

曲になると、音型からどちらに当てはまるかわからなくなる生徒さんがいるので、このようなシンプルなもので基本の回転を身に付けてもらうのも良いかもしれません。

基本がわかれば、そうではないパターンにも対応できるようになると思います。
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シマノフスキ― ピアノコンチェルト

2022年11月19日 | コンサート情報

パデレフスキーコンクールのファイナルで、シマノフスキ―の協奏交響曲(Symphony Concertante No. 4, Op. 60)を演奏されたポーランドのピアニストがいらっしゃいました。

初めてこの曲を聴きました。

面白いです。魔法の国の物語のような感じ。


この曲は交響曲第4番でもあるようで、シマノフスキ―最後の管弦楽作品で、唯一のピアノ協奏曲なのだそうです。

交響曲だけあり、オケの厚みや色彩感たっぷり。
ピアノもオケの一員のようでもあり、オケにはない色彩担当でもあり、鑑賞するには楽しめます。

ピアニストの持ち味が色々と出せそうですが、この曲をファイナルで選ぶのは勇気がいる気がします。
ピアノが際立つというより、オーケストラとの一体感の方が必要なのかな、と思ったりして・・

ポーランドのコンクールでポーランドの作曲家の作品だから選曲できた気もします。


色々なタイプのピアニストがいて良いので、自分の持ち味を知ってもらえるこのような機会を作るのは良いと思います。

パデレフスキーコンクール、セミファイナルで全員モーツァルトのコンチェルトを弾いたり、新作の課題曲があったり、割と大変なコンクールだと初めて知りました。




追記
このコンチェルトを演奏されたピアニストが1位を獲得されました。

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パデレフスキーコンクール ファイナル

2022年11月19日 | コンサート情報

ファイナルのライブは起きていられなかったので、朝に奥井さんだけまずは聴いてみました。

ショパンの2番です。

フレーズの終わりを、歌のようにまとめられる技術を持っていると思いながら聴いていました。
曲線的に歌い終え、始められる。そしてセンス良く。

繊細さと潔さが同居し、上手くバランスが取れた上手いピアニストだなと思いました。

以前、生で聴いたときの印象、楽しませてくれたらもっと良いのに、という感覚はやはりそのまま私の中には残りました。

しかし、完成度の高さは流石。本物のピアニストにちゃんと成長し続けていると、嬉しく思ったのでした。


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パデレフスキーコンクール 奥井紫麻さん

2022年11月17日 | コンサート情報

セミ·ファイナルのソロリサイタルが既に配信されていて、紫麻さんの演奏を聴いてみました。

ショパンのOp.25-7のエチュードが素晴らしく、泣けました。

課題曲は物語が見えるようで惹き込まれました。
彼女の深い感性、聴き入ってしまいます。

コンクールということを忘れてしまいます。



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パデレフスキー国際ピアノコンクール 2022

2022年11月16日 | コンサート情報

これから奥井紫麻(おくいしお)さんのコンチェルトの演奏が始まるので、夜更かしをして待っている所です。

時間潰しに何かないか探しておりましたら、高坂はる香さんのパデレフスキーコンクールについての記事がありました。

このコンクールについては何も知りませんでしたが、コンクールが開催されているビドゴシチという街はなんと、ブレハッチの出身校であるビドゴシチ音楽院のある街なのだそうです。

今回ブレハッチは審査員をされています。


このコンクールは、審査員に過去3年以内に師事していたり、親族関係にある人は受けられないのだそうです。

ショパンコンクールと経験が共有されているので運営がしっかりしている、と高坂さん。ロンティボーの後だから余計に感じる、とも。

パデレフスキ国際ピアノコンクールの聴きどころ

パデレフスキ国際ピアノコンクールの聴きどころ

2022秋 高坂はる香の欧州ピアノコンクールめぐり旅日記 8 2022秋コンクールめぐりTOPジュネーヴ 日程…

ぶらあぼONLINE | クラシック音楽情報ポータル

 


おっ、紫麻さんの演奏が始まりました。
瑞々しい音です。カデンツァは自作なのでしょうか?
K.467(第21番)です。この曲はカデンツァが書かれていないので、自分で作るか、どなたかのカデンツァを弾くかです。楽章の最後だけではなく、途中にも自分で作らなければいけない所(Eingang)があります。

個人的にとても好きな曲なので、紫麻さんの演奏を楽しみたいと思います。
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ロン=ティボー国際コンクール 2022

2022年11月15日 | コンサート情報

結果発表まで随分と長いセレモニーが続いた今回のロン=ティボーコンクール。

ショーアップされ過ぎていて、あの状況では結果を聞いて1位が2人で良かった、と変な安堵感を持ちました。

残る2人が前に出させられて、ナンバーワンはなどと言われては、ナンバーワンではなかった人がいたたまれないと思っていました。


順位発表前に、プレス賞とか聴衆賞とかオーケストラ·ミュージシャン賞とかいうものを受けた人が1曲弾く、という驚く光景があり、最後は1位の2人が数時間前に弾き終えたコンチェルトを再び弾く、というまたまたビックリなセレモニー。

バタバタ詰め込まなくとも、翌日に落ち着いてやっても良いのでは、と思いながらも予算の都合かなと思ったり、配信も前回はmediciの綺麗な画像と音質でしたが、今回はどうしたらここまで可笑しなことになるのかという残念さ。

と私なぞは思いましたが、世界で活躍をしようとする若者にはこのハードなセレモニーは何てことはなかったようで

高坂さんの記事です。
二人の優勝者が誕生したロン=ティボー国際音楽コンクールを振り返って[前編]

二人の優勝者が誕生したロン=ティボー国際音楽コンクールを振り返って[前編]

2022秋 高坂はる香の欧州ピアノコンクールめぐり旅日記 7 ファイナルの会場となったシャトレ座 Théâtr…

ぶらあぼONLINE | クラシック音楽情報ポータル

 

タフで演奏する喜びが満ちていないと、コンサートピアニストは務まらないな、とつくづく思います。


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発表会の曲、選曲中

2022年11月14日 | レッスン

来年4月に発表会があるので、選曲中です。

前回は生徒さんの自作曲を弾いてもらう新たな試みをしました。


今回は、既成の連弾曲を何人かの生徒さんと一緒に弾いてみようと考えています。

習い始めの生徒さんと一緒に、講師が伴奏を弾く連弾とは違います。

連弾曲として書かれた作品を弾きたいと思っています。


弾きたい曲は色々とありますが、小学3~4年生以上になると連弾の曲までプログラムには組み込めないので(楽器店では一人4分目安です)、短いソロ曲と連弾を弾くことが出来る年齢の生徒さんになります。

そこで、以前から使いたいと思っていた「ふしぎなとびら(カワイ出版)」からと、ヴァンダールのインテルメッツォを選びました。


レッスンでも使える曲です。
発表会では少し頑張れば弾ける生徒さんたちに弾いてもらおうと思います。


こちらで1曲聴くことができます。
ピティナ選曲:コンサート・ピース コレクション「ふしぎなとびら」ピアノ連弾曲集-カワイ出版オンライン


以前、生徒さんと弾いたヴァンダールです。

生徒さんがセカンドでペダルも踏んでいます。9歳の時に弾きました。
一部危ういところがありますが、良く弾いています。
この頃は動画を撮る考えはありませんでしたので、録音のみです。
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小学生にも評判、カプースチン

2022年11月13日 | 作曲家を知ろうシリーズ

今月、生徒さんたちに聴いてもらっているカプースチン。

みんなカプースチンの音楽についていけるかな、と少し心配していましたが、カッコイイ ! と評判です。


同じくジャズとクラシックを融合させた、ガーシュウィンとは違うことも感じたようでした。

カプースチンの曲ではエチュードのトッカータが人気。


カプースチンやガーシュウィンのジャズのエッセンスが入った音楽で、ジャズという音楽の分野があることを子供たちに紹介できたので、ちょうど発表会の曲選びを始めているのですが、生徒さんにジャズっぽい曲と伝えても分かるようになりました。


クリスマスソングを連弾で楽しめるジャズ風アレンジの楽譜があります。
キャサリン·ロリンさんのアレンジで、難しすぎずアレンジもステキです。
一昨年に入手しましたが、やっと不思議を終えた子供たちにも使えるようになってきました。

クリスマス時期に弾くので、その頃には余裕で弾けてしまう生徒、ちょっと頑張らなければいけない生徒、まだ難しいので1年待たなければいけない生徒、とタイミングはそれぞれですが、持っていると使えます。
素敵アレンジなので、大人の方にも楽しんでいただけます。


少し驚いたのが、いまの小中学生は「きよしこの夜」を知らないこと。
私の生徒が偶然にそうだったのかもしれませんが、そういう生徒さんが数人います。
「We wish you a merry Christmas 」の方が子供たちが知っている率は高いです。

街で流れているクリスマスソングのアレンジの影響もあるかもしれません。
キャサリン·ロリンさんの「きよしこの夜」は原曲を大きく変えることなくおしゃれに楽しめます。


楽譜を買った頃に多重録音したものです。録音の音もピアノの高音もキンキンしていてお聞き苦しいかもしれませんが、アレンジの感じの参考に宜しければお聞きください。



We Wish You a Jazzy Christmas ペーパーバック – 1996/8/1
英語版 Catherine Rollin amazon
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阪田さんVS高木さん 2022/11/10

2022年11月11日 | コンサート情報

東京芸術劇場に、阪田知樹さんと高木竜馬さんのコンサートを聴きに行ってきました。


リストとタールベルクの「象牙の戦い」と呼ばれるピアノ対決が1837年にあったそうで、2人の作品を阪田さんと高木さんで対決風に演奏する面白い企画です。


プログラムはこちら



プログラムノートは、高坂はる香さん。阪田さんからの情報も盛り込まれ面白い内容です。

リストとタールベルクの生きたロマン派の時代の一瞬を切り取って再現するコンサート。(阪田さん)

19世紀のパリのサロンにタイムスリップする時間となりそうだ。(高坂さん)


前半で演奏された、2人の作曲家がオペラをトランスクリプションした作品。

阪田さんによると、タールベルクは古典的な手法を踏襲し続け、リストはそれまでにあった超絶技巧のテクニックを吸収した上で、全く違うものを作り出した、と。

並べて聴くと、どれほど違うかよくわかります。

タールベルクはピアノを大きな音で厚みのある和音で鳴らしたり、音数勝負とばかりに細かい音符を散りばめているものの、パターンは決まっています。

それに対しリストは別次元。
リスト自身が編曲はいかにも私向き、と言っていただけあり、単純に演奏テクニックだけ聴いても複雑。音楽はオペラの場面がいくつも表現されているのか描写が豊か。

作品を聞いていて、リストが演奏テクニックだけで人々を圧倒していたのではない事が分かります。


最後の曲、「2台ピアノのための悲愴協奏曲」
ソナタやバラード2番と同時期の作品で、ソナタのあの部分に似ているとか、バラードのあのゆっくりした所にそっくりとか面白く聴けました。

この曲は元々パリ音楽院のコンクールのために書かれたソロ作品。それを10年以上経ってから2台ピアノに編曲したのだそうです。

リストに2台ピアノの作品があるとは知りませんでした。
ヴィルトゥオーゾ同士で演奏しないとグダグダになってしまいそう・・

名手のお2人でしたので、見事でした。
音質が異なるようでいて反発はしないので、2台で演奏されている面白さがしっかりとありました。


阪田さんは今日は丈の長い装い。
最初にステージに出ていらした時に、「おっ、リストだ」と思いました。最近は髪もリストヘアっぽいので、今日のプログラムにピッタリ。

前半の最後に弾かれた「ノルマの回想」
最後に向かうに従い、楽しそうな様子。

袖に引っ込まれるときの足取りが軽やかで、そのままスキップしそうでした。
いっそ、スキップしてほしかった。

高木さんは「どうも、どうも」という感じで袖に引っ込まれ、カーテンコールも「どうも、どうも」という感じで出て来られ、なんだか面白そうなお方でした。


マニアックな阪田さんのような方が日本で活動されていると、滅多に聴けない、そして一生に一度しか聴けないかもしれない曲が聴けるので、貴重な経験ができます。

気付けば、コンサートのプログラムがメジャーな曲を並べる時代から先に進んだのだ、知らない曲ばかりでもこんなにお客さんが入るのだ、と若いアーティストたちの活躍を喜ばしく思うのでした。


バルトークとドホナーニの「悲愴協奏曲」
音質はよくありませんが、この2人の演奏があるとは驚き。


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