おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

途中からではたいへんなこと

2019年01月26日 | 重力奏法
前回、ピアノを弾く時の身体の使い方は音の読み方を覚えるのと同時に覚えた方が良いと書きました。

私は身体の使い方をピアノを初めて習う生徒さんに教える方法を知りませんでした。

しかし、ロシアンメソッドにはその方法が存在するのです。

ロシアンメソッドの基礎を築いた中心人物の1人であるアンナ・アルトボレフスカヤ(Anna artobolevskaïa 1905-1988)のテキストにはその方法が写真入りで載っています。

最初に腕の重さをピアノに載せることを知ると無駄な力を使わずに済みます。

ところがこの感覚、指の力で弾く奏法で弾いてきた人にとってはさっぱりわからない感覚なようです。

この感覚を知る方法はおそらく一つだけ。

「3」の指でノンレガートで弾くことから始めること。
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どのタイミングか(ピアノを弾く時の身体の使い方を覚える時期)

2019年01月24日 | 重力奏法
ロシアンメソッドと言われているものは重力奏法の事のようですが、要するに、

①音を豊かに鳴らすためには力で押さえつけず腕全体を使う
②疲労しないために要所要所で力を抜く
③なめらかに弾くためにスラーの初めで重さをのせてそれを手首や腕を使って次の音、次の音と移し替え、スラーの終わりで重さを抜く

大雑把にはそのようなことだと思います。

(ロシアンピアニズムと混同されませんように。あちらはもっと芸術としての表現を追求するものです。趣味の生徒さんにそこまで一方的にそれを求めることは無理があること、また指導者自身の真の音楽性にも関わりますので、ピア二ズムを知りたい方は正当な伝承者を探してレッスンに通うべきです。)

上記の3つのこと、これはロシアンメソッドでなくとも自然にそのように弾いている方、工夫の結果そこに行きついた方はいらっしゃると思います。

これを習い始めから音の読み方を覚えると同時に身に付ける方法をロシアンメソッドと言い表わした方がピアノ指導者やピアノ経験者の保護者の方にはわかりやすいのではと思います。

最初に挙げた3つのものの他に実際は手の使い方(上体、呼吸)は細かくあって、これは生徒さんの手を持ったり、私の手の上に(主に手首)手をのせてもらって目で見ただけではわからないことを伝えていくのがロシアンメソッドの指導法と言ってよいのではないでしょうか。

3つの事は3年かけて身に付けることなので、今すぐにできなくても気にしない様にと生徒や保護者の方に言うようにしました。(すぐにできないと落ち込んだり、泣いたり、心配したり、あきらめようとするので)

3年というのは、ロシアでは「一音に3年かける」と聞いたのでそこが初級の内にやっておくべきことと私は理解しました。

多くのピアノ指導者はご自身は演奏に困るほどの手の癖もなく進んだのだと思います。
音も早くからスムーズに読めたと思います。
進みが速かったので身体の使い方を教わったのも習い始めて1年くらいしてブルグミュラーやソナチネになって教わったのだと思います。

しかし、趣味でピアノを習っている子供や大人の方はほとんどその逆です。
手に癖があって弾きにくいので進まない、音が読めないので進まない、だから練習できなくて余計に進まず、身体の使い方を覚えるどころではない。

順番が逆なのだとこの1年やって知りました。
進んでから覚えるのではなく最初から覚える。

残念ながら、正しい身体の使い方と楽譜の読み方を同時に行えるテキストは限られています。

私は現段階でイリーナ・ゴリン先生の「不思議な音の国」しか日本にはないと思います。

テキストはまだ限られた場所でしか入手できません。
表参道、横浜、梅田のカワイ。訳者の阿形先生に直接注文。

イリーナ先生のHPです。Japanese (ships from USA and Japan)
こちらで初めて注文した時に訳者の阿形先生からすぐに送られてきました。

イリーナ先生のレッスン動画がたくさんあります。
生徒さんへの接し方としても参考になります。

Teaching with "Tales of a Musical Journey". Karganov. Scale-Waltz


Tales of a Musical Journey. Book 2. The Rain

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マスレエフのカプースチン

2019年01月21日 | 重力奏法
今年マスレエフがアップした動画にカプースチンの「演奏会用エチュードop.40-1 プレリュード」があります。

持ち前のキレの良さはもちろん、音のまろやかさもあり気に入りました。
そして、腕が「ハの字」。
お~、このような形が当たり前に身に付いていることに「やはりそうですよね」と一人で見ていてニヤリとしてしまいました。

D. Masleev: N. Kapustin - Concert Etude N1 "Prelude"


ベ―ゼンでこのような曲を弾くのは勇気がいるなぁと思いましたが、腕のある人は何で弾いても様になります

私が3年半前にカプースチンの演奏会用エチュードのトッカータを練習していた時にマスレエフのこの曲(トッカータ)の動画を見つけました。

「はやっっ」
「キレッキレッ」
「ヒュ~」

と思いながら参考にさせていただきました。

日本での初リサイタルのアンコールでマスレエフがこのトッカータを弾いてくださり、ちょうど練習中だった私は「うっそ~、生で聴けるなんて!」と感激しました。

初めて弾いたカプースチンの曲でしたが、頭がなかなかついて行かず途中でわからなくなると全然弾き続けられなくなるという経験をしました。
どこかで弾こうかと思い練習しておりましたが、とても人前には出せないと1年くらい練習しましたがお蔵入りになりました・・

あれから奏法も改善したのでまた挑戦してみようかなと思ったりしています。

やり直したい曲が色々とあって、でも新しく弾きたい曲もあって、覚えるのに昔より明らかに時間がかかるのでどの曲を優先させるかに悩みつつ過ごす日々です。

今日はこれから日本にカプースチンを紹介して下さった先生のお弟子さん、辻井伸行さんのリサイタルに行きます。
生で初めて聴きます。楽しみ!
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通じやすく話す

2019年01月18日 | 重力奏法
ロシアンメソッドを多くに生徒さんに教えるようになって1年が経とうとしています。

初めは「はじめの一歩」を使いました。
それが一昨年の12月です。

イリーナ先生のテキストを初めて生徒さんに使ったのは少し後の昨年の2月です。
そのあとやり直したい生徒さん、新しく始める生徒さんには必ずイリーナ先生のテキストを使うようになりました。

初めは、
生徒さんの手を持って上手く教えられるのか
退屈しないか
嫌がらないか
これで本当に弾けるのか

という不安がありました。
しかし、思いの外これらは心配したほどではありませんでした。

次第に次のようなことが懸念されるようになりました。

何をやっているのかわからない
何のためにやっているのかわからない
いつ曲が弾けるのか

これらは保護者の方が抱く不安です。

ロシアンメソッドを始める時は生徒さんが受け入れてくれるかという心配だけがありました。
しかし、実際に始めてみると生徒さんより保護者の方に理解していただく方が骨が折れるとわかりました。

特にピアノ経験者の保護者の方々です。

自分が習ってきたことと違う。
そんな事やらなくともピアノは弾ける。

これが一番の障害です。

初めは「ロシアンメソッドと言って」と腕の重さで弾くことを説明していました。
それで分かって頂ければよいのですが、そうではない方の方が多いと分かりました。

次第に私から「ロシアンメソッド」という言葉を口にすることがなくなっていきました。

「肩からの重みを使って腕をリラックスさせて弾く」その事を初めから覚えてもらいますという話し方に変わりました。

しかしこれでも分かりづらいように思い、何か言い方がないかと思っておりました。

それで辿り着いたのが、「ピアノは身体の使い方を知らなければ弾けるようにならない。私はピアノを弾く時の身体の使い方と音の読み方を同時に覚えてもらっています」

そして2つの奏法を聴き比べていただきます。
奏法の名称は言いません。
違いのわかるあなたへ

「これまでよくあったやり方は音の読み方を覚えてから弾き方を直す」というやり方。しかしこの方法で成功することはほとんどないということも付け加えることもあります。

ノンレガートから始めるのはスケートと同じでまずは氷の上を歩けるようにすること。歩けないのに滑ることを教えてもヨロヨロして上手く滑ることはできない。
フィギュアスケートに例えると・・

保護者の方に一緒にレッスン室に入っていただくことをお願いするのはバレエの鏡と同じ役目。どんな音質で弾いているかどのように腕や手首が使えているかをお子さんの代わりに見ていただきたい。弾くことで精一杯でそこまで分かるのは大人でも難しい。
レッスンに参加する意味

「美しい音で弾くこと」それが一番大事なことだと思ってレッスンをしていますとお話します。

それを受け入れるか入れないかは選択の自由なわけで、楽器店で仕事をしている人間がこれを言うのは楽器店に迷惑を掛けることもあるので問題かもしれませんが、自分の周りから変えていかなければ20年後も30年後も日本はピアノ後進国なままで恥ずかしいと思うわけです。

      
年配の方に「ロシアンメソッド」と言う言葉を使いましたら、ロシア=悪い国 怖い国 怪しい国のイメージがあるとかで良い印象を持たれませんでした。
メソッド云々の前にそのようなイメージの問題も存在しそうです。
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違いのわかるあなたへ

2019年01月16日 | 重力奏法
最近、生徒さんや保護者の方に音質の違いを聴いていただいているものがあります。

同じ曲を異なる奏法で弾くのです。

短期レッスンの生徒さんとお母様にも聴いていただきました。
ピアノ経験はありませんがどちらが音に広がりがあるかはすぐにお分かりになりました。

ところがところが、毎度音の汚さに困り果てている生徒がおりまして、これなら違いが分かるだろうと試してみましたら残念なことに分かりませんでした・・
ピアノ歴4年です・・

やってもやっても変わらないのはこういうことだったのかとわかりました。

音質の違い


勝手に「日本式奏法」としましたが、そのような言葉は存在しません。
もっと指で弾こうかと思いましたが、あからさまに弾いて違いを出さなくとも違うということに気付いていただきたいと思いました。

オーストリア人、ドイツ人、フランス人の先生にレッスンを受けたことがありますが、どなたも日本でよく見かける奏法では弾いていらっしゃいませんでした。
日本で主流になっている奏法は日本独自のものに発達してしまったように思います。
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レッスンに参加する意味

2019年01月14日 | 重力奏法
ロシアンメソッドは保護者の方がレッスンに参加されることが必要です。

ところが、子供の自立を考え1人でレッスンを受けさせたり、経験者なのでピアノは弾けるからとレッスン室に入らずスマホで時間潰しをされたり・・
ピアノ経験がなくわからないからとおっしゃって入らない方もいらっしゃいます。

この方たちになぜ必要なのかわかりやすくお話することはできないかとかねてより思っておりました。

そこでふと思いついたのがバレエ。

今年のウィーンフィルのニューイヤーコンサートのバレエの振り付けは面白かったです。
若いロシア人の方が大抜擢されたようですが、ユニークな発想に楽しめました。

バレエを見ていて、そういえばバレエは目の前に大きな鏡があって踊る姿を自分で確認できる。先生にどう直されているか目で確かめられる。

しかしピアノは耳が目の代わりになる。
ところが弾くのに一生懸命で自分がどんな音で弾いているか、どんな腕の状態になっているかを確かめながら弾くことは初心者には無理と言ってよい。

どんな状態になっているかを言ってくれる人が必要。
レッスンでは先生がその役目。

でもお家では保護者の方がその役目を負う。

そう、保護者の方はバレエの鏡の役割を担っていただかなくてはならない。
だからレッスンに毎回参加していただく必要がある。

そうお話すると分かりやすいかと思いつきました。

今日、3回だけの短期レッスンを受講したお子さんがいます。
体験レッスンの豪華版のようなものです。

お母様がレッスンの終わりに1人でレッスンは受けられるのかと質問されましたので、バレエの鏡の役割をご自宅でして頂きたいので一緒にレッスン室には入って頂きたいと話しました。

今日のレッスンはもちろんロシアンメソッドでやりました。

力まずにピアノを弾くことを最初に覚えていただく、肩から指だと思って腕全体を使う。

どんな腕、手首で弾いているかは弾いている本人はわからないのでそこを練習で見ていただきたい。バレエの鏡の代わりをして頂きたいと話しましたらスンナリ理解していただけたようです。

ついでに、音をつなげて弾くことは最初からはやらない、いつまでこんな事やらせるんだと思うかもしれない、よくわからないような曲を弾いていく、ということも話しました。

実際にロシアンメソッドと従来の日本のメソッドを聴き比べてもらいました。
但しメソッドの話はしませんでした。これを言うとややこしいことになると学んだので・・

音の鳴り方が違うことはすぐにわかります。

何が大事なのかは本当は音を聴けば誰でもわかることなのです。
日本では大事なものが何なのかを教えられずに来た長い歴史があるので浸透していないだけなのです。

現在進行形であることが悲しすぎます・・
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だんだん広がってきた

2019年01月12日 | 重力奏法
なんという偶然!

今日、レッスンの空き時間に同じピアノ科の先生とお話をしたら、なんと昨年のイリーナ・ゴリン先生のセミナーにその先生の恩師の方が参加されていたそうです。

「素晴らしいセミナーだった」と絶賛されていたとのこと。

恩師の方のお宅にお邪魔した時にその話になり資料を拝見させていただいたそうです。

私もセミナーのあった翌々日にその先生にセミナーを受けた話をしてイリーナ先生の素晴らしさを話しておりました。

イリーナ先生の存在が日本のピアノ指導者にも知られてきていることを実感しました。
そして日本のピアノ教育が変化していく可能性を期待する気持ちが湧いてきました。

         

実は初めてロシアンメソッドのことを聞いたのが今日話をした先生からでした。
4年位前だったと思います。

その先生は「はじめの一歩」が出版された頃にすぐに講座を受講し、生徒さんにそのテキストを使われました。

一音ずつノンレガートで「3の指」だけで初めは弾いていくと聞いて、その方法の何がメリットになるのかと不思議な気がしました。

その後、モスクワ中央音楽学校の先生のレッスンを動画で見て「なんで切って弾いているのに直さないのか」と不思議に思ったものの「3の指だけで弾くノンレガートから始める」話を思い出すことはありませんでした。

切って弾いているのに半年後には私の生徒の3年分は進んでいる事実にテキストが良いのかと思いそちらを初めは探しました。

私のロシアンメソッドとの出会いは初めはそんなものでした。

         

それがこれは!と思うようになったのはイリーナ先生のレッスン動画を見てからです。

生徒さんたちの音が皆素晴らしい。
音楽を表現できる音になっているし表現している。

その秘密を知りたくてイリーナ先生のたくさんの動画を夜な夜な見ているうちに、初めにやることが全然違うと知りました。

この時やっとモスクワ中央音楽学校の先生がされていたことの意味を知りました。

今日話をした先生とこのメソッドは従来の弾き方より時間がかかる。
本物の音で弾けるようになるにはこのメソッドの方が良いけれど、勉強が忙しくなる前までしかピアノを習わないつもりでいるご家庭には受け入れてもらうことが難しい。
どんな音であろうと曲が弾ければよいと思っているご家庭に時間のかかるこのメソッドは使えない。

そんな話になりました。

私は、周りのお友達が「美しい音で弾くことがピアノの弾き方」というのが当たり前になったらこのメソッドは広まると話しました。

そのためにはお子さんだけではなく親御さんの耳も良くならなければ実現しません。
(実際にロシアンメソッドの母ともいえるアンナ・アルタボレフスカヤは親御さんの役割として、良い耳を持って子供の演奏にアドヴァイスできるようになること、そして最終的に子供の演奏のファンになることを挙げていたと思います)

以前ピアノ経験者のお父様が「ピアノは一生弾いていけるものですから」とおっしゃいました。
そして今、毎回レッスンに参加して下さっているお母様方が「ママの方がピアノがどんどん上手くなってきた」とおっしゃっています。

毎回親御さんが真剣に参加してくださればピアノ経験者の方でなくとも音楽の耳は育って行きます。

洗練された感性をお持ちの方にはこのメソッドは必ず通じます。
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遠慮しなくても

2019年01月11日 | 重力奏法
発表会で「Little Gems for piano」からCurrent を弾く生徒がいます。

リトルマーメイドが弾きたいと言うのでそれを練習していますが、ピアノ歴1年ではありますが彼女にとってはその曲は内容的に物足りなく、もっと多くのものを表現できる力のある生徒です。

なので、5週間後の発表会でも譜読みが十分に間に合うCurrentを追加することにしました。
ペダルも使います。

その生徒は小学校高学年からピアノを始め、「不思議~」のテキストは使っていません。
はじめの一歩で音の出し方を覚えてもらい、アルフレッドをメインに使っています。

それでも初めから音の出し方は教えてきたのでモンスターの手で弾くことはありません。

日本舞踊をしているので身体の使い方はのみ込みが早い方です。

今日は音の受け渡しや手首フワリ、重さを載せてから音を離す事などを細かくやりましたがちゃんと付いてきました。
音もどんどん鳴って広がって行きました。

どう身体を使ったら音が変わるのかをこの生徒は知っています。
私も難しいことではないしできると確信を持てるので、遠慮なく気(耳)が行き届いていない所を指摘して行けました。

本当のピアノの音が出せると、ピアノのための作品でしたらちゃんと聴き映えがします。
今回の発表会の選曲でこれまでと一番変わった事は、生徒たちが出す音を信頼できたので美しい音でなければ成立しない曲でも自信をもって選べたことです。

ロシアンメソッドしか知らない生徒はこの弾き方しかしませんが、そうではない生徒も3分の2はいるので、奏法を変えて初めてとなる発表会。

期待と不安があります。
みんな迷いなく堂々と弾いてほしい
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教えやすい ♡

2019年01月10日 | 重力奏法
ロシアやドイツのテキストにルフバフの「すずめ」という曲が載っています。

ロシアのテキストにはこのような絵があります。


男の子がすずめを追いかけている姿が演奏のヒントになります。

音だけでは何を表現している場面なのかピンとこなくとも、この絵を見ると想像することができます。

男の子がすずめを追いかけて捕まえそうになるところですずめはスルッと逃げて曲は終わります。

この曲の前半はスタッカートのあとテヌートで着地のパターンを繰り返します。
そして少しずつすずめに近付き、すずめに触れた所で2音のスラー登場。
しかしすずめは上手く逃げていきます。

「不思議~」の上巻があと3曲で終わる生徒にこの曲を今弾いてもらっています。

2音のスラーは初めてです。
スタッカートも初めてです。

カエルとお猿で2つの奏法を練習しました。

必要なテクニックを明確に伝えられ、しかもスラーは1ヶ所しかないので気に入って弾いてくれているように感じます。

両手で違う音を弾く所も2小節だけあります。(写真に写っている最後の2小節)

初めてのことが少しずつあるのがいいです!

ロシアンメソッドで無理なく弾ける曲が日本オリジナルでもできるといいなと思ったりしています・・

作曲するか・・

いや、頼むか・・

どなたか作ってくれまいか・・

追記:
この絵は男の子がすずめを追いかけているのではなく、猫が近づいているのを見て「あぶないよ」とすずめたちに教えに行っているのだそうです。
この教本の最初に絵の解説が載っていて、そこに書かれていました。
己の心の狭さを知る・・
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おそらく次の次の世代

2019年01月08日 | 重力奏法
完全にロシアンメソッドでレッスンを始めたのが昨年の4月。

その時はまだ経験者の奏法を直すためでした。

完璧に初めてピアノを習う生徒にこの奏法でレッスンを始めたのがその2カ月後。

現在、その生徒たちがレガートに入ってまだ2カ月くらいしか経っていないので今後どのように伸びてくれるかは未知です。

ただここまで来るのに、そして今も一番の懸念は保護者の方に理解していただくことです。

ノンレガートで始める、長いこと短い曲ばかり・・

これで本当にピアノが弾けるのかと不安がられても不思議ではありません。
現にそれで2人辞めて行かれました。

1回のレッスンで5曲は弾く様な生徒さんでしたらさほど進みが遅いように感じないかもしれませんが、多くの生徒さんは2~3曲で精一杯です。

半年で1冊終わるはずが8カ月以上かかるのが実際のところです。

ただ多くの保護者の方は有難いことに我慢強く待って下さっています。
私も着実に力がついていることを知って頂きたいとテキスト以外の曲で成長ぶりを聴いていただいても、残念なことに「音の素晴らしさ」をわかって下さる方が滅多にいらっしゃらない。

知っている曲を聴けるとピアノが弾けるようになった、となるわけです。

ピアノ経験者の保護者の方がどのような音でピアノを弾いていらしたか想像できると思います。

おそらく今レッスンを受けている生徒が親になり、その子供がレッスンを受けるようになった時にピアノ教育が今とは違う方向に進むのではと思います。

この事に気付いたのはロシア人の大人の方の体験レッスンをした時です。

ご夫婦でいらして奥様は子供の頃音楽学校で少しだけピアノを習っていたとのこと。
ご主人は全く初めて。

奥様が初めにレッスンを受け、ご主人はそれを見ていらっしゃいました。
しかしご主人の番になった時に初めてなのにロシアンメソッドと言われているもので弾かれました。

これは子供の頃にその様にピアノを弾く友達の姿を見ていたのだろうと思いました。

親御さんも友達もこのメソッドの人が増えなければ未来も今と変わらないと思います。

私の年齢では未来の姿まではおそらく見ることができないでしょう。

2~4月にロシアンメソッドでピアノを始めた生徒たちが初めて発表会に出演します。
どんな音で音楽を奏でてくれるか楽しみにしています。

結局は少しずつの積み重ねしかないです。

(昔、大人の生徒さんで紙1枚でも積み重なると厚みになるとおっしゃった方がいて良い言葉だ!使わせてもらおうと記憶しました。最近、もうすぐ70歳になる方にその事をお話したら、「私の場合は紙くずになる」とおっしゃいました。笑いました。 紙くずにならないものを伝えなければ。
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テキストの絵

2019年01月07日 | 重力奏法
子供たちはテキストの絵を結構よく見ています。

私が初心者に使っているテキストは「不思議な音の国」です。
ウクライナ出身でアメリカ在住のイリーナ・ゴリン先生が作られたものです。

日本人が好むかわいいイラストはありません。
しかしテキストにはたくさんの絵があり、五線の中にまで描かれているものもあります。

この絵を子供たちはよく観察しているのです。

このシカは前のシカと違う顔だとか、歌とイラストの動物の絵が反対だとか、お姫様と王子の冠が音になっているとか、音と階段の色が違うとか・・

これらは私は全く気付きませんでした・・

絵が美しすぎたり、曲と関係のないただメルヘンチックな絵であったりすると案外子供たちは興味を示しません。
完成品の中に自分が入り込める余地はないと感じるのかもしれません。

以前使っていたクラウス・ルンツェの「2つの手12のキー」には子供たちが書いた絵しか載っていません。(楽譜もありません)
その時も生徒たちはジーっとその絵に見入っていました。

ロシアの「初めての音楽との出会い」というテキストの絵は古い感じで、今の子供たちには受け入れられないと思っておりましたら平成生まれの人たちにとっては逆に新鮮なようでした。

絵も曲の内容と一致している、または理解の助けになるものばかりです。

ところがこの絵を見たあるお母様がどうやら子供に「昭和だ」と言ったようで、それからこの生徒は「この絵は古い、昭和みたいだ」と言うようになりました。

9歳で昭和の絵に馴染みがある年齢ではありません。

正直なところ私もこの絵は自分の子供の頃によくあった絵で古いと思いました。
しかし子供たちにそれを言ってはいません。

この生徒や保護者の方には曲も受け入れ難かったらしく、ジブリや童謡を弾きたいというのでこの生徒にはそれ以来私から曲を紹介することはなくなりました。

たくさんの生徒さんに接しているとよく思うことがあります。

大らかさと好奇心は世界を広げると。
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ちょっとかわいい

2019年01月06日 | 重力奏法
愛用テキスト「不思議な音の国」

下巻の数曲を除いて曲には歌詞がついています。

その中で生徒に人気の曲があります。

「アイス」
「りんご」
「やぎのビリー」

この3曲は歌詞が面白いのです。

みんなでさけぼう、アイスがほしい!

とか、

一日一度りんごをたべよう

とか、

さんぽして石につまづいた

とか。

下巻になると音楽の良さで「この曲好き」という生徒が出てきます。
一番人気は「メイドのララ」

私も好きです。

ミミズクの頭の上にミツバチがぶんぶん飛んで励ましているイラストがあります。
この歌が好きという生徒もいます。

英語版は違う動物の組み合わせですが、日本語版のこの組み合わせが私は大好きです!

曲ではないのですがある生徒がこんなことを言いました。

王様とドラゴンがお仕事でいない間、レパードとシカが歌う曲があります。(レとシしか出てきません)

王様はみんなと遊んでばかりいられないからこの曲では出てこないと説明しても「どうしていないの?」と聞く子がいました。

純粋

そしてその後、算数の時間のページに王様のイラストが・・

それを見て、

「王さま、もんだいつくってたんだ」

おーーーー

かわいすぎる
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