la dictéeとは聴音書き取りのことです。
前回ご紹介した「La dictée en musique Vol.1」にあるリズム聴音をご紹介します。
全部で13曲あります。
1.「うさぎ」4分の4拍子
第1曲は日本の歌です。この曲のおかげで生徒たちはさほど抵抗なくこのテキストを受け入れてくれています。
鉄琴と琴で伴奏されています。琴の音で一気にお正月気分に・・?
しかし、生徒たちの多くは日本の伝統楽器「琴」を知りません。
「なんの楽器かわかる?」と質問すると、「・・・・わかりません。」と言う生徒がほとんど。「ギター?」と言う生徒も何人かいます。
琴を知らないとは驚きでした。口で説明しても私の説明もよくないのかピンとくる生徒がいないので、琴の写真を用意することにしました。
すると、ほとんどの生徒は「あー、知ってる」でした。
楽器の姿と音色が一致していないのです。
このテキストは単にリズムや音を考えるだけではなく、楽器や作曲家、言葉、歴史、その国についてなど学べることがたくさんあります。
さて、「うさぎ」ですが、1回目を聴いてもらう時には何も言わず聴いてもらっています。
そして使用楽器や拍子について質問をします。
2回目は拍子をとりながら聴いてもらいます。
最初の内は4拍子の指揮を振ってもらっていたのですが、その方法ですと4拍子の形を振ることに一生懸命になり何拍目に何の音が演奏されているかがわからないようでしたので、指を折って数えてもらう方法に変えました。
この方法ですとほとんどの生徒はわかります。
この曲に一か所だけ使われている2つの8分音符につられて指を5本折る生徒がいます。
生徒の数え方を見ていると、その生徒が普段どのようにリズムを捉えているかわかります。
これをきっかけに、ピアノレッスンでもリズムが一人で取れない生徒には、指を折って数えてもらいながらその部分を歌ったり、ターンタなどとリズムを言ってもらうことにしました。
この方法の方が生徒は自力でリズムが取れるようになります。
2.「UNE JEUNE FILLETTE」4分の4拍子
「若い娘」というフランスルネサンス期の世俗的声楽曲です。
約450年前のポピュラーソングというわけです。
修道院に入れられた若い娘が聖母マリアに深い悲しみを訴えるという内容のようです。
フランス語で歌われている上に、クラヴサンの伴奏で複数の人が歌っています。
この曲で生徒たちに、「無理・・」と思われてしまってはこのテキストを使い続けることは難しいと思っていたので、使い始めの頃は私も不安でした。
生徒たちには「うさぎ」ができた後に今度こんな曲を聴くからと言って、予告の意味で「若い娘」を1回だけ聴いてもらっています。
そして、「1回聴いただけじゃわからないでしょ?全然知らない曲だし・・なにこれ?でしょ。
でも、大丈夫。私も知らない曲だから一緒に聴いて1小節ずつでもいいからどんなリズムか考えて行きましょう。」と言って終えます。
翌週のレッスンではもう1度聴いてもらい、そのあとで拍子と何拍目から始まっているかを質問します。
4拍目から始まるアウフタクトです。
フレージングを説明し、CDを聴いてもらいながら私が横で「ここが始まり」と指さしたりブレスを大きくとって歌ったりします。そして、フレーズごとにCDを止めてリズムを答えてもらいます。
リズム聴音の2曲目ですし、多少戸惑いながらも生徒たちは最後まで答えてくれます。
今のところできなかった生徒はおりません。
クラヴサンの写真を見せピアノの歴史も少し話します。
ピアノの為に書かれた作品がJ.S.Bachには1曲もないことを知って、生徒たちは驚きます。
3.「XIAO ZUTI GUAI GUAI」4分の4拍子
「小さなウサギ」という中国の民謡です。前の2曲と違いテンポの速い曲です。
そのことに生徒はまず驚き焦ります。
オオカミ、小さなウサギ、ウサギの母親の3匹が登場します。
3匹の子豚のような、赤ずきんちゃんのような内容の歌詞です。
ここではシェンという日本の笙のような楽器が伴奏しています。
笙は奈良時代に唐から伝来したもののようです。
テンポが速く8分音符が多い曲なので、少し遅いテンポにして私が歌います。
苦手意識を持たれては元も子もないので、テンポを遅くしたりヒントを出しながら、決してこちらから答えを言うことなく生徒に答えてもらうようにしています。
また、CDとピアノの音が半音くらいずれているものもあるのでピアノでも弾かないようにしています。
この辺りまで来るとこちらの心配をよそに、生徒は案外スラスラと答えてくれます。
このままリズムだけを続ける必要もないと思うので、この曲の後にメロディーの課題をしています。
レッスン時間が30分だけなので毎回1問ずつしかできませんが、時間が余った時には通常のリズム打ちや視唱をしています。
テキストはこちら。
http://www.henry-lemoine.com/en/catalogue/fiche/28440
前回ご紹介した「La dictée en musique Vol.1」にあるリズム聴音をご紹介します。
全部で13曲あります。
1.「うさぎ」4分の4拍子
第1曲は日本の歌です。この曲のおかげで生徒たちはさほど抵抗なくこのテキストを受け入れてくれています。
鉄琴と琴で伴奏されています。琴の音で一気にお正月気分に・・?
しかし、生徒たちの多くは日本の伝統楽器「琴」を知りません。
「なんの楽器かわかる?」と質問すると、「・・・・わかりません。」と言う生徒がほとんど。「ギター?」と言う生徒も何人かいます。
琴を知らないとは驚きでした。口で説明しても私の説明もよくないのかピンとくる生徒がいないので、琴の写真を用意することにしました。
すると、ほとんどの生徒は「あー、知ってる」でした。
楽器の姿と音色が一致していないのです。
このテキストは単にリズムや音を考えるだけではなく、楽器や作曲家、言葉、歴史、その国についてなど学べることがたくさんあります。
さて、「うさぎ」ですが、1回目を聴いてもらう時には何も言わず聴いてもらっています。
そして使用楽器や拍子について質問をします。
2回目は拍子をとりながら聴いてもらいます。
最初の内は4拍子の指揮を振ってもらっていたのですが、その方法ですと4拍子の形を振ることに一生懸命になり何拍目に何の音が演奏されているかがわからないようでしたので、指を折って数えてもらう方法に変えました。
この方法ですとほとんどの生徒はわかります。
この曲に一か所だけ使われている2つの8分音符につられて指を5本折る生徒がいます。
生徒の数え方を見ていると、その生徒が普段どのようにリズムを捉えているかわかります。
これをきっかけに、ピアノレッスンでもリズムが一人で取れない生徒には、指を折って数えてもらいながらその部分を歌ったり、ターンタなどとリズムを言ってもらうことにしました。
この方法の方が生徒は自力でリズムが取れるようになります。
2.「UNE JEUNE FILLETTE」4分の4拍子
「若い娘」というフランスルネサンス期の世俗的声楽曲です。
約450年前のポピュラーソングというわけです。
修道院に入れられた若い娘が聖母マリアに深い悲しみを訴えるという内容のようです。
フランス語で歌われている上に、クラヴサンの伴奏で複数の人が歌っています。
この曲で生徒たちに、「無理・・」と思われてしまってはこのテキストを使い続けることは難しいと思っていたので、使い始めの頃は私も不安でした。
生徒たちには「うさぎ」ができた後に今度こんな曲を聴くからと言って、予告の意味で「若い娘」を1回だけ聴いてもらっています。
そして、「1回聴いただけじゃわからないでしょ?全然知らない曲だし・・なにこれ?でしょ。
でも、大丈夫。私も知らない曲だから一緒に聴いて1小節ずつでもいいからどんなリズムか考えて行きましょう。」と言って終えます。
翌週のレッスンではもう1度聴いてもらい、そのあとで拍子と何拍目から始まっているかを質問します。
4拍目から始まるアウフタクトです。
フレージングを説明し、CDを聴いてもらいながら私が横で「ここが始まり」と指さしたりブレスを大きくとって歌ったりします。そして、フレーズごとにCDを止めてリズムを答えてもらいます。
リズム聴音の2曲目ですし、多少戸惑いながらも生徒たちは最後まで答えてくれます。
今のところできなかった生徒はおりません。
クラヴサンの写真を見せピアノの歴史も少し話します。
ピアノの為に書かれた作品がJ.S.Bachには1曲もないことを知って、生徒たちは驚きます。
3.「XIAO ZUTI GUAI GUAI」4分の4拍子
「小さなウサギ」という中国の民謡です。前の2曲と違いテンポの速い曲です。
そのことに生徒はまず驚き焦ります。
オオカミ、小さなウサギ、ウサギの母親の3匹が登場します。
3匹の子豚のような、赤ずきんちゃんのような内容の歌詞です。
ここではシェンという日本の笙のような楽器が伴奏しています。
笙は奈良時代に唐から伝来したもののようです。
テンポが速く8分音符が多い曲なので、少し遅いテンポにして私が歌います。
苦手意識を持たれては元も子もないので、テンポを遅くしたりヒントを出しながら、決してこちらから答えを言うことなく生徒に答えてもらうようにしています。
また、CDとピアノの音が半音くらいずれているものもあるのでピアノでも弾かないようにしています。
この辺りまで来るとこちらの心配をよそに、生徒は案外スラスラと答えてくれます。
このままリズムだけを続ける必要もないと思うので、この曲の後にメロディーの課題をしています。
レッスン時間が30分だけなので毎回1問ずつしかできませんが、時間が余った時には通常のリズム打ちや視唱をしています。
テキストはこちら。
http://www.henry-lemoine.com/en/catalogue/fiche/28440