おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

F.M.について、今頃ですが・・

2017年05月31日 | フォルマシオン・ミュジカル
ピアノの習い始めからF.M.をしている生徒で最もF.M.歴の長い生徒はこの春3年目を迎えました。

その結果ですが・・

F.M.を音楽的な演奏に結び付けるためにはレッスンで同じ課題を1カ月程度続けるだけでは成果が得られないということです。

やっているその時は良いのですがその課題をやらなくなると元に戻ります。


例えばアクセントのリズム打ち。

1拍目や、8分音符、16分音符などの頭に軽くアクセントを付ける練習。
CDの音楽に合わせて行うのですが、初めて行った時に案外効果が得られこのような練習も必要なのだなと思いました。

しかし、もう出来るようになったからと放っておきましたら弱拍が重くなったり、意味不明なアクセントがついたりと悲しいことに・・

これは月に1度でも長く続けなければいけないと気付きました。

ただ、アクセントの位置がおかしくてドスンドスンやってるとかリズムがカッコ悪いよと指摘すると、どう直したらよいかはわかるようです。

以前は指摘しても何を言われているかわからない生徒が多かったので、やはりF.M.は意味があります。


F.M.のテキストで行っていることを演奏に活かすことができるまでは何度も同じ課題を続けるとともに、曲の中でもF.M.の要素を使い、あれはあれ、これはこれとバラバラなことをしているのではなく、同じ意味の事をしていると生徒たちに気付いてもらえるように進めなければいけないと思います。


F.M.の内容の素晴らしさに私も万能薬のように思ってしまったところがあります。

楽器の練習と同じで、繰り返し、繰り返し練習をして意識化できるようにして行けたらと思います。

ちなみにこれまでのところF.M.の効果が表れているのは、中学生以上です。

既に10年近く、またはそれ以上のピアノ歴がある生徒たちです。
ピアノの習い始めからはF.M.をしていなかった生徒たちです。

譜読みの速さと表現という面でたいへん役に立っています。
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ピエール=ロラン・エマールのバッハ

2017年05月25日 | コンサート情報

5月12日にギルトブルグが出演したドイツの「SWR SCHWETZINGER FESTSPIEL」で今度はエマールが出演します。5月26日です。

シュヴェツィンゲン城で行われる音楽祭のようです。
シュヴェツィンゲンはハイデルベルグのそばにある街です。

シュヴェツィンゲンも音楽祭も初めて知りましたが、同じ月に同じ場所で好きなピアニストが演奏する偶然に驚きました。しかも同じ曜日です。


エマールのプログラムは

György Kurtág *1926
"Játékok" (Auswahl)
"Passio sine nomine"
(Deutsche Erstaufführung)

Jan Pieterszoon Sweelinck 1562 – 1621
Fantasia cromatica SwWV 258

Johann Sebastian Bach 1685 – 1750
"Das wohltemperierte Klavier"
Teil 1 (Auswahl)

Ludwig van Beethoven 1770 – 1827
Sonate für Klavier f-Moll op. 57 "Appassionata"

エマールのバッハ、 温かく穏やかで心地の良い演奏で好きです。
私はなぜか本番前にエマールの「フーガの技法」を聴くと落ち着くので電車の中で何も考えず聴いています。

面白い動画があります。
演奏はエマール。
よく作ったなと思います。

bach-the-well-tempered-clavier-for-sinfini-music

フーガを視覚で立体的に表現していることに感銘を受けました。

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ギルトブルグ、一体何曲練習を・・

2017年05月17日 | コンサート情報

今年の4月に日本でラフマニノフの前奏曲24曲を演奏したギルトブルグですが、今月はドイツでスクリャービン、プロコフィエフ、ラフマニノフの練習曲23曲をリサイタルで演奏しました。

リサイタルはラジオで生放送されました。
今現在も聴くことができます。(配信がいつまでかはわかりませんが)
SWR2 Abendkonzert - LIVE | Schwetzinger SWR Festspiele 2017

(生放送でしたのでコンサートの休憩中は事前に録音された電話インタビューが放送されています。途中でなぜか「水の戯れ」が演奏されていますが、ギルトブルグの演奏ではありません。ショパンのマズルカの演奏もありますがこれも別の方のものです。なぜ・・)

ヨーロッパではコンサートを生放送してくれることがよくあります。

何が起きるかわからないのでドキドキして聴いてしまいます。
ご本人たちも「何が起きるかわからない。興奮する。」そうですが・・

実際に「ドキッ」とする演奏も何度か聴きました・・

しかし演奏する歓びが勝っていることの方が多いようで、演奏家を職業に選ぶ人のタフさといったら・・
もう、別世界です。

ちなみにギルトブルグはこのリサイタルの前にタスマニアでモーツァルトのk.488とグリーグのコンチェルトを演奏しました。
グリーグは放送されたので聴きました。

リハーサルの前日は、午前3時までホールで練習をしていたようです。
「明日のリハーサルまでホールにいるかも」とfacebookに投稿されていて笑いました。

そんな時間までホールを自由に使わせてくれるタスマニアの大らかさも素晴らしい。

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好感触!Mon jardin musical

2017年05月14日 | フォルマシオン・ミュジカル
予想外に「Mon jardin musical」の<ヒツジ>と<カバ>が活躍中です。

音読みの練習に使っているものです。
(2017年5月5日、6日の記事をご参照ください)

音型の聴き取りと<ヒツジ>を結び付けながら使っています。

レッスンの初めに、音型の聴き取りをしているので、音読みの練習でも↗(上行)、 ↘(下行)、 ↷(山型)、 ↺(谷型)など形を意識しながら読んでもらっています。

これをこのままピアノ曲に活かすことができます。
一音一音読めるだけでは音楽になりづらいと思いますが、いくつかの音をまとまりとして捉えられるとフレーズと言うものがわかってきます。

そして音型によるエネルギーの違いも感じ取られるようになると思います。

<カバ>は複数の音を同時に読む練習です。

ノートに音を書くと、それだけで生徒は「うっ・・」と身構えてしまいがちですが、
ノートなしで<ヒツジ>と<カバ>のプリント1枚を手に持って読んでもらうと案外楽しそうにやってくれます。

レッスンの度に読んでもらい、その度にプリントに好きなシールを貼ってもらっています。
最近人気のシールは「すみっコぐらし」です。
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「Mon jardin musical」さらに続き

2017年05月06日 | フォルマシオン・ミュジカル
何度も続けて申し訳ございません

前回ご紹介したヒツジの絵があるぺージですが、あれは音を読む練習に大いに使えます。

例えば、
「1」を「レ」と言うことにしたら「なんて読む?」
とか、
「1」を「ラ」と言うことにしたら「なんて読む?」
と言う具合。

何の音を設定しても良いのです。
F.M.のテキストによくあります。

課題はこの他にも「135」となったものもありますので、ひとつ飛ばしで読む練習もできます。

少し先のページに飛び込み台にいるカバのトリオが出てきます。
「135」の組み合わせで「15」とか「35」、「1」などが組み合わせられています。

重音や和音を読む練習になります。

このような方法でどんどん読んでもらえばよいのだと今頃知りました。

これまで音部記号に縛られいちいちノートに課題を作っておりましたが、この方法ですと紙1枚で何度でも違う課題を行うことができます。

生徒には「ヒツジ」と「カバ」のページをコピーして渡してあります。
こんなにかわいらしい絵のものはこれまで入手したテキストにはなかったので、生徒も楽しい気分でできることでしょう。

ボロボロになるまで使おうかと企んでおります。
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「Mon jardin musical」前回の続き

2017年05月05日 | フォルマシオン・ミュジカル
低年齢向けF.M.テキスト「Mon jardin musical」を前回に続きご紹介します。

「音の読み書き」を覚えるものでこのような方法もあるのかと参考になったものがあります。

隠れている音を探すというものです。
音を読むことは第9シーケンスまで登場しませんので、単純にどの丸が抜けているかを探すのです。

例えば、第1線と第3線に丸(全音符)が書かれていてこの間のどこに丸が隠れているかを書くといったものです。

「隠れている」という表現が気に入りました。

もう一つ使えそうだと思ったものがあります。

第1線を「1」、第1間を「2」、第2線を「3」と数字を振り、
例えば「12321」になるように丸を書くといった課題があります。

矢印で音型も書かれています。



線、間と自力で書くことができない生徒に使えそうです。


てんとう虫の黒い模様が音型になっているものもあり、これは聴音に使うのですが書くことにも使えますし即興にも使えますし、ピアノ曲のレッスンでも使うことができます。

テキストの課題以外にも使い道のある便利なテキストです。
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「Mon jardin musical」低年齢向けF.M.テキスト

2017年05月04日 | フォルマシオン・ミュジカル
5~6歳の生徒さん向けF.M.テキスト「Mon jardin musical」をご紹介します。

各課(シーケンス)が次のものから構成されています。

・聴き取り
・歌
・リズム
・読み書き

この中の「聴き取り」「読み書き」が面白いので少しですがご紹介いたします。


今回は「聴き取り」を。

F.M.をご存知のない方はここから始めるの?と思われるかもしれません。
初めから「ドレミ」を聴き取ることはしないのです。

音楽本来の姿から音楽的素養を身に付けるのがF.M.です。
ここで習うことは演奏の際に「ドレミ」の聴き取りができる以上に大事なことです。


①音型の聴き取り
小さな子供たち向けテキストですので、カラフルな動物たちの絵が満載です。

初めに登場するのは、スライドホイッスルらしき笛の音です。
上行か下行かを聴き取るものです。

はしご・ロープ・階段の上と下にカエルがいます。
上でバンザイをしているカエル、下で地面にぺたっと座り込んでいるカエル。
どちらのカエルが鳴いたかを当てるのですが、このカエルの声が
ひどい・・・

子供たちは聞くと目がテンに・・というか、固まってしまいます。
ちょっとあっ気にとられます。
リアル過ぎるというか、怖いというか・・

そんなワケで始めは聴き取りどころではありません。
しかしインパクトは強烈です。
2週行ったら「L'ouverture à la musique vol.1」に同じような課題があるのでそちらを聴いてもらっています。怯えるので・・




もう一つ発想のユニークなものを。

サイコロの目を音型に例えて聴き取るものがあります。
「5」はなかなか良い課題になります。



使い方は是非テキストで!


音型の聴き取りは読み書きにもつながっていきます。
音型を見抜く力がつくと音の読みが速くなり、その音型や音程が持つ意味も理解できるようになります。
それが音楽表現に必要な要素のひとつにもなると思います。

他に、
②楽器の聴き取り
③テンポの聴き取り
④長調、短調の聴き取り
⑤強弱の聴き取り
⑥複数の音の聴き取り
⑦音楽の雰囲気

などがあります。
実際の作品を聴くものも多く、子供だから童謡とかアニメとかディズニーがいいだろうなどと考えてはいません。

各シーケンスには音楽鑑賞があります。
ただ聴くだけではありません。

第1シーケンスでは「ラデツキ―行進曲」「凱旋行進曲」を聴きます。
ラデツキ―では音楽に合わせ行進します。
音楽が止まったら止まるとか、音楽が鳴っている間は止まるとか、静かに歩くとか、リトミックでよく行われることをします。

アイーダは、聴く前にアイーダについて歴史的なことを話してみるとか、聴いてどんな感じがするかとか、第2テーマが聞こえたら彫像のように止まるとか、女王のように歩くとか色々工夫するよう書かれています。
ここで既にABAの3部形式を感覚的に覚えてもらうようです。

小学校に上がる前の子供たちにするということは指導者の技量が必要と思われます。
アイーダの話を子供たちの興味を惹くように話す・・

あと面白いのは、複数の音の聴き取りが動物の鳴き声になっていたり、どういう人たちが歌っているかの問題にネコちゃんがミャーミャーと歌っているものがあったリ。

ユーモアも交えて作られています。

editions lemoineで取り寄せられます。
https://www.henry-lemoine.com/fr/catalogue/fiche/HC31
解答編もあります。
https://www.henry-lemoine.com/fr/catalogue/fiche/HC34

両方注文して送料を入れても4800円くらいです。

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Mon jardin musical 使っています。が、逸れた話に・・

2017年05月03日 | フォルマシオン・ミュジカル
F.M.のテキスト「Mon jardin musical」をご紹介します。

2015年5月出版で、比較的新しいテキストです。
(失礼いたしました。2005年7月出版でした。長く愛用されているテキストのようです。)


初めて音楽を始める低年齢の生徒さん向けです。
5~6歳の子供でフォルマシオン・ミュジカル1年目の生徒さん対象とまえがきにあります。

13課(シーケンス)あり、45分レッスンで1年かけて行う内容のようです。

ご存知のようにフランスではいきなり楽器のレッスンは受けられません。
1年間はF.M.で音楽の基礎を付け、それからそのお免状を持って楽器のレッスンを受けに通いつつさらにF.M.のレッスンも続けるというシステムのようです。

ピアノ指導者としてはこのシステムは羨ましいです。

ご家庭で音楽を家族で聴く経験もなく、習わせるご家族に音楽経験もなく、自分はわからないから子供に自分でやってね、宿題やってね、練習してね・・

そんな環境の中で子供が自主的にピアノを弾くことはまず望めません。

音楽経験がなくとも構いませんが、せめてお子さんがしていることに興味を持っていただきたい。
家事をしながらお子さんが弾いている曲を「いい曲ね」とか「もっと聴かせて」とかおっしゃていただくだけでどんなに励みになることか。

逆に厳しく育てようと否定する言葉を吐き続けるとそれも問題です。
反抗的になったり投げやりになったり、すぐにムカついたり。
または、言うことを聞き過ぎて人の顔色を気にし、完璧ではない自分を否定するようになりいつか心が破裂します。

そんな子供たちを何人か見てきました。

レッスンの場に救いを求めて下さる保護者の方もいらっしゃいます。
その場合はひたすら生徒とおしゃべりさせてもらっています。

教室が閉まる時間まで毎週1時間半おしゃべりをした生徒もいます。
30分レッスンで3年半5分だけピアノを弾いて、あとの25分は他愛もない話をして過ごした生徒もいます。

しかし、自分たちで解決しようとか本人の力だけで解決させようと考えレッスンを辞めさせてしまうご家庭は残念ながらそれ以上立ち入ることはできません。

ピアノレッスンは単にピアノを教える場として存在しているわけではありません。

話が全く逸れましたが、ピアノを弾くために必要なものがあり、それが音楽を長く楽しむことにも関わってきます。

音楽への興味を持ってもらうために習い始めの経験は大切です。
楽しい気持ちで音楽の基礎が付けられたら願ったり叶ったりです。

次回こそは「Mon jardin musical(私の音楽の庭)」にご招待したいと思います。



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