おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

作曲家を知ろう! ショパン

2022年03月28日 | 作曲家を知ろうシリーズ

作曲家シリーズ、来月はショパン。

おや?

生まれ月で紹介するのではなかったですか?

ですが、

3月生まれのショパンを来年まで待ちきれませんでした。

悲運な祖国を芸術の力で永遠のものにできる、
と父親に説得され祖国に戻ることはなかったショパン。


このシリーズを始めたのは、
誰が何の曲を作ったかを知ってほしいだけではありません。

音楽家も歴史の影響を受けていることや、
音楽家同士のつながりも存在している、
そして、単に綺麗な音楽を作るのが音楽家ではない。

すぐにではなくとも、
20~30年後の未来に子供たちの中に
芽生えてくれるものがあることを願っています。


ショパン | Composer Sakkyokuka

Composer Sakkyokuka

 



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センチメンタルなワルツ / キャサリン・ロリン

2022年03月24日 | 不思議な音の国

生徒さんの発表会での演奏です。
小学3年生。
親御さんが録画したものを送ってくださいました。

キャサリン·ロリンさんのセンチメンタルなワルツ。
腕がよく使えていて、無機質になりがちなピアノという楽器を滑らかに歌わせています。

自分のことを考えると、小学生の時にこのように腕を使って演奏は出来ていなかったと思います。

ペダリングとテンポの緩急に気になるところは多々ありますが··


こちらの生徒さんは「不思議な音の国」でゼロからレッスンを始めました。
手が硬く、力が抜けにくい印象がありましたが、毎日よく練習され、次のレッスンまでに必ず直してくることを続けられていました。

私の生徒の中では、1週間で最後まで譜読みを終わらせ、音の作り方や表現をその場でどんどん直していける数少ない生徒の一人です。

ただ、ペダルの濁りやタッチの浅さは電子ピアノでは気付きにくいのだろうと、進むにつれ難しさを感じていました。

レッスン曜日の関係で、発表会前の最後のレッスンから丸1週間空いての本番なので、どの生徒さんも電子ピアノの感触で本番を迎えざるを得ないのが、いつも残念です。


こちらの生徒さんとのレッスンは、私の稼働の都合で今月で終わります。

歌心を持ってこれからもピアノを弾いてほしいと願っています。


センチメンタルなワルツ / キャサリン・ロリン



この曲は、こちらの楽譜に載っています。他にも魅力的な曲が満載。
バロック~印象派までの4つのスタイルで書かれています。
何かの曲に似せて作られているのが特長。

https://amzn.to/47oYayk
Styles Collection: 21 Original Pieces in Baroque, Classical, Romantic, and Impressionist Styles for the Intermediate Pianist ペーパーバック – 2014/6/1 英語版 Catherine Rollin (作曲) amazon
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変えて良かった

2022年03月21日 | 不思議な音の国

発表会がひとつ終わり、来月もうひとつ残っています。
そちらの方が人数が多いので、まだ発表会に向けた練習が日々続いています。

メソッドを変えて丸4年が経とうとしています。

手探りの1年目。
期待に満ちた2年目。
先が見え、逆に意欲が低下してきた3年目。

そして、今、4年前までとは違い、どの生徒さんにも
「音」への追求を諦めずにいられること、
それがメソッドを変えて大きく異なった、と思います。


メソッドを変える前までは、
曲毎に、曲調に合ったタッチやディナーミクを表面的に求めていたと思います。


しかし今は、
「不思議な音の国」で徹底的にタッチを学び、
フレーズの存在を学び、

そして何より、
どんな気持ちが表現されているか、
何を表現した音楽か、という経験を積んだ子供たちに、
私が大切に思っていることを遠慮なく伝えられること、
それがこれまでと全く違います。

ピアノを弾くということは、
ただの音の羅列ではないということ。
曲には作曲者の想いがあり、それを洗練された音で表現すること。


もちろん、全ての生徒に同じだけ伝えられるわけではなく、
このメソッドは早い段階で個人差もよく見えてしまうので、

これは要求しても可能である、
そして、到達度にも個人差が存在することを十分承知の上で
レッスンができるようになっている、
と発表会のレッスンをしながら実感しています。

ブルグミュラーに入る前の生徒に、
タッチの軽さ、腕の重量を使い分けるレッスンなぞしたことがなかった、と先週になって気付き、

私にとっては「不思議な音の国」との出合いは、
長いピアノ指導生活の中での大きな宝物だと
この年月を振り返りしみじみと思ったのでした。



自費出版されている教本です。上下巻の2冊です。昨年11月に改訂されました。
都内近郊ではカワイ表参道、横浜で購入できます。
訳者の阿形先生に直接送って頂くこともできます。イリーナ·ゴリン先生のサイトからも日本語版を注文できます。


不思議な音の国って、どんな教本?④ - *。:゚音の国♪Oto-no-Kuni *。:゚



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都民芸術フェスティバル 読響 2022/3/16

2022年03月16日 | コンサート情報

松本宗利音(しゅうりひと)指揮、読売交響楽団を東京芸術劇場で聴いてきました。




お目当てはベートーヴェンのコンチェルト。
ソリストは阪田知樹さん。

ベートーヴェンの4番のコンチェルトがプログラムにあることはわかっておりましたが、他は何の曲があるか知らずに聴きに行きました。

宗利音さんと阪田さんは藝大の同級生だそうで、その情報しか知りませんでしたが、宗利音さん、素晴らしい指揮者です。

そして、読響の弦楽器の素晴らしいこと。
キレがあるのに重厚で濃密。一気にファンになりました。

阪田さんの演奏は清流のようでした。
そして、オケの音の流れをピアノで受け止めるのが上手い。室内楽でも重宝されているのがわかります。

美しい音が消えていくのが惜しくて、空中に手を伸ばして手の中にしまっておきたいほど。
ああ、音は心の中にしまっておくしかできないのだ、と初めてそんなことを思わせた阪田氏、異次元。


第2楽章を聴いていて、阪田さんは話をすることで相手と分かり合おうとするタイプなのかな、と思いました。
相手の音を聴いているだけではなく、自分の音も相手に届けようとしている感じ。決して押し付けることなく。

カントロフのこの曲も印象に残っていますが、全く異なる演奏でした。終楽章は阪田さんの方が第2楽章の意味が終楽章でしっかりと昇華されていて、納得させられました。駆け上る爽快感。

アンコールは、ドビュッシーのグラドゥス・アド・パルナッスム博士。

意外だなと思いましたが、確か11~13日と3日連続ブラームスの室内楽マラソンコンサート出演後の今日のベートーヴェン。

ドイツからちょっと離れたい気分だったかな、と思いました。
ベートーヴェンとの出版繋がりでクレメンティからのこの曲も考えられます。


さて、後半はチャイコフスキー5番。

プログラムを見てから、そうだったのか・・と。
この曲は大好きですが、今聞くのはどんな気持ちになるだろうか、と思いました。


冒頭のクラリネットの旋律が始まると、今のウクライナの状況が思い浮かびました。
周りの方たちもそうだったのか、結構涙をぬぐう姿が見え、鼻をぐすぐすさせる音もあちこちから聞こえました。

宗利音さんの指揮と弦楽器を中心としたオケの音の熱量が凄まじい。

今読んでいる東ドイツを舞台にした音楽の小説に、
「抵抗する言葉を奪われた者たちが、命がけで作りあげた音」という言葉があります。

この曲を聴いていて、ウクライナだけではなく、これから訪れるかもしれないロシア人の運命を思いながら、ロシア音楽が排除されてきている状況の中、それは違うと思いました。

この音楽の中には人間のもつ慈愛、勇気、誇り、倒れてもまた立ち上がる強さがあり、国がどうのではないと思いました。


生身の人間が自分の分身でもある生の楽器を使って発した声の力。

この指揮者と読響から声よりも大きな力を感じました。

音楽に関わる人生を歩んでこられたことの幸福を、今日は強く感じました。


Pyotr Tchaikovsky: Symphony No. 5
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2年振り

2022年03月13日 | レッスン

本日、発表会がありました。

今日は人数の少ない発表会で、私は30分で終了し、即、帰宅。

講師ごとに区切ってプログラムを組んでいるので、
自分の生徒が弾き終えたらそれでおしまい。


昨年は講師との連弾も不可で、
全ての生徒さんがソロのみでした。
そうすると、習い始めて間もない園児は
どうしても出演がむずかしくなります。

今年は講師との連弾は可能になりましたので、
昨年9月から始めた年長さんたちも参加できました。

私は、習い始めて1年以内のお子さんは
無理をしなくとも良いと考えていますが、
出たい ! とのご希望があれば、参加できるように選曲します。



本日は、年長さんの双子姉妹も参加。

2人とも3曲演奏。
2曲は連弾、1曲はソロ。

この連弾、私は丸2年振りのステージでした

ピアノを始めて半世紀経ちますが、
2年も人前で弾かなかったのは
初めてです



お子さんとの連弾なのに、朝からドキドキ

楽屋は独り占めでしたので、
久し振りに、弾く前のストレッチを
ソロを弾くのか、という勢いでやり倒しました。

久し振り過ぎて、アチコチ痛かったです··
ラジオ体操が必要かも··
運動不足が過ぎる


一昨年までは発表会に講師演奏はツキモノだったので、
必ずどこかで弾いておりました。

それが昨年、今年と講師演奏なし。

昨年は譜めくりでステージ上に座り、
ステージの木の感触とライトのあんばいが
妙に懐かしかったです。


今日はソロではありませんでしたが、
私も発表会参加者気分でした。

発表会で弾く生徒の気持ちって、
こんな感じだったかなと、高校生以来ではないか
と思われる新鮮ささえ覚える気分。


年長さん姉妹のソロは
ポーラ·ドレイヤーさんの曲集から
Moon Dust と Good Night,Rain

ペダルは私が横で踏みました。

2人とも美しく弾いておりました

曲名は日本語にしました。
きらきらお月さま おやすみ、雨さん

ポーラさんの曲集は、
ノンレガートで弾ける美しい曲が結構あって、
しかも聞き映えがします。

そういえば少し前に、ポーラさんが
Happy Birthday を即興で弾く講座を
他の先生とされていました。

知っておくと使えそうなものがありましたので、
近いうちにご紹介したいと思います。



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歴史の跡

2022年03月09日 | 重力奏法

今、予想だにしていなかったことが
ウクライナとロシアの間に起きています。

私は、ピアノメソッドを通して
この2つの国の芸術性の高さを知り、
感銘を受けてきました。

そして、ロシアンメソッドと
日本では呼ばれているそれは、
ウクライナ人が中心となり創り上げたものであることも
知りました。

日本で長く教えられてきたものと奏法的に随分と異なり、
なぜ日本では、このようなことになってしまったのだろう、
と思っていました。

今回、現在起こっている惨状を
画面越しにではありますが見て、
日本は東欧のものを排除してきた歴史がある、
と気付きました。

逆に日本が共に戦ったドイツのものは受け入れた。
負けたアメリカのものも受け入れた。


そんな歴史的な背景の存在を、今頃実感しています。

真実はここにあってはいけないのに。



ブログを始めて、今日は3650日目。
正体不明の人物が書いているにも関わらず、
いつの間にかたくさんの方に読んでいただけておりますこと、
感謝申し上げます。



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作曲家を知ろう! J.S.バッハ

2022年03月08日 | 作曲家を知ろうシリーズ

毎月、生徒さんに聴いてもらっている作曲家シリーズ。

今月は、ヨハン・セバスティアン・バッハ。

作曲家の生涯まで細々書くスペースは作っていないので、
記憶に残りそうなことを選んで書いています。

曲はかなり私の趣味が反映しているかも・・
と思いつつ、聴き易そうな曲も必ず入れるようにしています。


初めの頃は曲の解説は入れておりませんでしたが、
今年から入れています。

けっこう自分の勉強にもなり、
簡単なプログラムノートを書いている感じです。

調べていると歴史の勉強にもなり、
生徒さんたちに何か伝われば良いな、と思いながら
作っています。

OGPイメージ

J.S.バッハ | Composer Sakkyokuka

Composer Sakkyokuka

 



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リストが伝えるショパンの魂

2022年03月02日 | 書籍紹介

リスト著のショパン伝、
「フレデリック·ショパン その情熱と悲哀」

ショパンがなぜ、演奏会を滅多に行わなかったか、そのようなことも書かれています。

印象に残ったことをひとつだけご紹介。

ポーランドでは死装束を生前に自分で選ぶと。

ショパンは現代最高の演奏家の一人でありながら、誰よりも演奏会に出る機会の少ない演奏家であった。それにもかかわらず、自身が数少ない演奏会でまとった衣装で葬られることを望んだ、と。


リストはショパンの音楽を、
「この詩人と未来の音楽家の間には、断つことの出来ぬ絆が結ばれていくことだろう。
その場所が、地球上のどこであろうと、どの時代であろうと、互いの心情を深く理解できる絆が」と。


ショパンが遺したポーランドの精神、魂は、
170年の時が過ぎても生きています。

革命が起き、自分の意に反し祖国に戻れなくなったショパン。
単に祖国を懐かしんでマズルカやポロネーズを作っていた人ではない、ということ。

そんなことをリストの本から学びました。



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