おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

教えてもらいました

2017年02月21日 | フォルマシオン・ミュジカル
私のところには中国人の生徒さんが6人います。
ご両親も中国の方です。

F.M.のテキスト「La dictée en musique Vol.1」のリズムの聴き取り課題3曲目に、中国の歌が載っています。
「小兔子乖乖」(XIAO TUZI GUAI GUAI)というタイトルです。

アルファベットで書かれていても読めません・・

「シャオ トゥツィ クァイ クァイ」と読むらしいのですが・・
「トゥツィ」はほぼ「トゥヅ」と発音する感じです。

この曲を4拍子の両手のリズム打ちで速いテンポで叩いてみたい時に使っています。

これまで中国人の生徒さんに「この曲知ってる?」と聞いてもらいましたが、
「聞いたことあるような気がする・・」
「知らない」

お母様の中には、「私が子供の頃は歌いましたが、今はあまり歌われない」

このようなお返事でした。

なんだそうなのか、今も歌い続けられている存在ではないのかと思っておりました。

そして今日、リズム打ちでこの曲をかけた所、いきなり、

「あー」
「あー、これー」
「中国語~」
「中国のうた!」
「知ってる」
「オオカミとウサギが出てくる」
「家に絵本がある」

なんと、完璧にこの曲を知っている生徒がいたではありませんか!

オオカミと、子供のウサギとお母さんウサギが出てくる話です。
お母さんウサギのふりをしたオオカミが留守番をしている子供のウサギを騙そうとドアを開けとくれという内容です。これが1番の歌詞で、2番は本物のお母さんウサギが帰ってきてドアを開けてという内容です。
4番まであるのかと思っておりましたら、1番2番を繰り返しているようです。

1番の歌詞に
「Bu kai Bu kai wo bu kai」という歌詞があります。
生徒の解説によると、「Bu」は「しない」という意味で「kai」は「開ける」
これで「開けない」という意味になるそうです。
ついでに「いらない」は「Bu you」日本語で「不要」と書くのかな?と思いますがそう言うそうです。

タイトルの「小兔子」は「子ウサギ」、「乖乖」は「いい子」
「いい子の子ウサギ」という意味になると思うと教えてもらいました。
小学2年生の生徒に・・

フランス語で「PETIT LAPIN」と書いてあるので単純に「小さなうさぎ」というタイトルなのだと思っておりました。

レッスンが終わる時にいつも通りに「ありがとうございました」と私が先に挨拶をすると、
小2の生徒が「はい」
と言って教室を出て行きました・・

確かに今日はあなたが先生でした・・
教え方も上手でした・・

満足感に包まれて彼女は何度も手を振って帰って行きました。
手を振って帰った事なんてないのに・・
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

楽器の音を知ろう!③~フォルマシオン・ミュジカル~

2017年02月18日 | フォルマシオン・ミュジカル
今日、大人の生徒さんのレッスンをしていてつくづく思いました。

ピアノ以外の楽器の音を知っていること、オーケストラ作品や室内楽曲を知っていることがピアノ演奏をどんなに豊かに楽しみの多いものにすることか。

J.S.バッハの「シンフォニア」をレッスンされている先生は多いと思います。

まずはテーマが聞こえるようにとレッスンされると思います。
バッハが「インヴェンション&シンフォニア」を作った目的の一つであるカンタービレということを意識しながらテーマを歌わせようと指導されると思います。

しかし、なかなかうまくいかない・・

そして適当なところで妥協して取りあえず先へ進もうと終わらせてしまったりして・・

そんなレッスンをしているのは私ですが


ところが、F.M.のテキストにあるオーケストラ作品の楽器名を当てる課題を聴いていただくと演奏が変化してきます。

ちょうどよい課題があるのですが、ベートーヴェンの「エグモント序曲」の冒頭部。

tutti、fの長い主音のあと弦楽器群が4小節でf-mollからc-mollへと一気に導きます。
そのあとに切ない旋律がストレッタで、Ob→Cl→Fgと受け継がれ奏でられます。

旋律が次々と他の楽器に受け継がれていくところを聴いていただくことによって、シンフォニアの上声、中声、下声に現れるテーマをそれぞれ別の楽器に例えて想像するだけではなく、同じ声部に続けて現れたテーマをあえて別の楽器が次に奏でると想像するだけで存在感が違ってきます。

テーマとその反行形も弦楽器と管楽器との掛け合いと考えるだけで平面的な譜面に生命力を感じ始めます。

そして実際に伸びのある弦楽器や管楽器の音を聴くと聞こえればいいの打鍵ではなく歌わせようとします。


別の曲になりますが、ブラームスのOp.118。

ピアノ曲のような気がしないと思っておりましたが、ブラームスの頭の中では弦楽アンサンブルの音が鳴っていたのではと想像しています。

そう考えて慈愛に満ちたNo.2を考えると、気付くものがゴロゴロ出てきます。

そしてなぜわざわざピアノ曲にしたのかも。

全て想像の世界ですが、イメージするものがはっきりしている方がやるべきことがわかります。
理想を描くことができます。


スコアを見ながらオーケストラ作品や室内楽曲を聴くだけでは主旋律を追うだけで精一杯になる可能性があります。
しかし、F.M.のテキストで「ここは何の楽器?」という課題を解きながら聴くと、メインではない部分の音にも注目して聴けます。
次々と受け渡されていく楽器の音も「あっ、今、〇〇の楽器に変わった」と気付くようになります。

自分のためにもF.M.のテキストを持っていると勉強になります。
知識としてではなく、実際に演奏に結び付けることができます。

生徒のレッスンで自分も一緒に勉強できますのので、F.M.はおススメです
でも、予習はしておきましょう!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

緊張のきっかけ

2017年02月09日 | 緊張について
緊張すると手が震える話を以前書きました。
今もそれは変わりませんが、人前で演奏する時にはある薬を飲んでいるので震えは起こりません。

あまりに震えないので、もしかしたらもうその症状は起きないようになったのかと思うこともありました。

しかし、生徒の発表会前のレッスンで「先生の演奏を録音させて下さい」(生徒が演奏する曲の)と突然言われると、断るわけに行かずロシア人の先生方を思い出しつつ全力で演奏し、なんとか震えず行けそうでも最後の方で結局震えが起きます。

震えは治っていないのです。

今はこんな私ですが、昔はかしこまった場所で演奏する時しか震えませんでした。

高校生の時、少し大きな発表会に出演させていただいたことがあります。
地元の先生方で作られた会で、年に1度ご自分の生徒さんから1~2名選びその会の発表会に出演させるというものでした。
発表会前にその先生方の前で演奏したのですが、私は全く緊張せず、手も震えずでした。

ところが1人の先生に「緊張した?」ときかれました。
同じ門下からもう1人参加しており、その人は「すごく緊張しました!」と言っておりました。

私はこういう時は緊張しなければいけないものなのかと思い、緊張なぞしておりませんでしたが
「緊張しました」と答えました。



舞台袖で最後に掛けられる言葉は大事です。

以前、ジョイントコンサートでステージに出ていこうとドアに近付いた時に、
主催者の方に「大丈夫ですか?」と言われたことがあります。
さあ、行こう!と決意して向かったのに聞きたくない言葉でした。

逆に、ステージに出ていく時に、袖にいらした調律師さんに満面の笑顔で
「いってらっしゃい!」と拍手されて送り出されたことがあります。
ものすごい勇気が湧いてきて「よーし!」とステージに出ていけました。


ちょっとしたことがトラウマになります。

発表会の生徒さんへの声掛けには気を付けましょう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

楽器の音を知ろう!②~フォルマシオン・ミュジカル~

2017年02月05日 | フォルマシオン・ミュジカル
生徒にF.M.でオーケストラ作品を聴いてもらう時に見てもらっているものがあります。
                    

    (Chantons en F.M. vol.1)

ぼかしを入れさせていただいたので見にくいと思いますが、オーケストラの楽器配置の図です。

弦楽器、管楽器、打楽器が細かく載っています。
これがあると楽器の説明もしやすいですし、生徒も楽器の姿が見えて多少わかりやすくなります。


ピアノ以外の楽器、オーケストラ曲、室内楽曲などF.M.の聴音で毎回聴いてもらっているとやはり役立ちます。

例えばベートーヴェンのソナタ「悲愴」の第2楽章。
この曲は趣味で習っている生徒さんでも知っている曲の一つです。

これを弦楽器や管楽器に例えて話していくと、F.M.暦4年で「なるほど!」と納得できるようになってきます。

ピアノ以外の楽器を知らない生徒に他の楽器に例えて話しても、
以前は「はぁ」とか「・・・」でしたが今は違います。

楽器の音として、または旋律の声部が変わるごとに他の楽器に次々と受け渡されていく様をF.M.の聴音課題で何曲も経験しているので、「こういうことか」と実感できるようです。

自らイメージを持って演奏することが楽しいと思ってもらえると私も嬉しいです。

音楽を鑑賞として聞くだけではなかなかここまでになれませんが、F.M.の課題として聴き取りを続けているとちゃんと身に付くものがあると実感しています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

楽器の音を知ろう!①~フォルマシオン・ミュジカル~

2017年02月03日 | フォルマシオン・ミュジカル
吹奏楽の経験がある生徒はピアノ以外の音を聴く機会が多いので、F.M.でピアノ以外の音を聴いても何の楽器か大体わかります。

ところがそうではない生徒は本当にわからないようです。

他の楽器の音を知らなくともピアノは弾けます。
趣味でしたらそれで十分です。
わざわざピアノ以外の音を知ってもらうこともないのかもしれませんが、私は聴いてもらっています。

木管楽器と金管楽器の違いも良くわからない生徒でも、F.M.で4年間も毎週色々な編成の器楽曲を聴き取ってもらっていると分かってきます。

目の前にないものに耳を澄ませて、いくつも重なって聞こえる楽器の音を追う。

集中力も脳も鍛えられそうです。

しかし一番は、楽器それぞれに音色があり、奏でる音楽に心動かされるものがある、
そんな経験ができれば良いと思っています。


         


この写真はどこだったか・・
ザルツブルクのホーエンザルツブルク城と反対方向に歩いて行ったら辿り着いたと思います。
ちょっと遺跡っぽくてワクワクした記憶があります。
       
一人で歩いていたらグループで旅行中の高校生くらいの子達に、写真を撮ってほしいと渡され 「パチリ」とやりました。
日本ではデジカメが主流になっていた頃でしたが渡されたのは懐かしの「バカチョン」。
長く使っている様子で、子供に簡単に高価なものを持たせないことに「フムフム」と感心したのでした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブログタイトル変更

2017年02月02日 | その他
いつも当ブログをお読みくださりありがとうございます。

このブログを始めたきっかけは、発達障がいの生徒に出会ったことです。
発達障がいの知識もない、発達障がいの生徒を教えたこともない、周りに経験者もいない、
そのようなところから私のレッスンは始まりました。

地元の図書館にある本はほとんど読みました。国会図書館にも足を運びました。

レッスンではやっと1歩前進できたかと思うと3歩後退するで、
自分の無力さに何度も悲しくなりました。

そのような中で自分なりに試してきたことを書き残しておこうと思い、
「ピアノレッスン~苦手なことがある子供たち~」というタイトルでこのブログを書き始めました。


この先、新たに出会う生徒がいるかもしれませんが、自分のしてきたことは一通り書き終えました。

最近はフォルマシオン・ミュジカルや演奏家の事などを書くことが増えてまいりました。
そこでタイトルを見直すことに致しました。

大したアイディアも浮かびませんでしたが、「ピアノレッスン~ちょっとひと工夫~」というタイトルで書き続けていこうと思います。

皆様のお役に立てることがあると幸いです。

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽・゚

追記 -2021年-

ブログタイトルを変更して4年。
気付けば、コンサートの感想を綴ることが増え、レッスンのことだけではない記事が多くなりましたので、ここで再びブログタイトルを変更させて頂きました。

「おとのくに♪♪」です。
広い音の世界への冒険を綴っていきたいと思います。

書くことがあった時にしか投稿しない気まぐれブログですが、お読みいただけますと嬉しいです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする