おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

フォルマシオン・ミュジカル La dictée en musique Vol.1 目次

2016年06月26日 | フォルマシオン・ミュジカル
聴音のためのテキスト、La dictée en musique Vol.1の目次をご紹介いたします。

私は生徒にこの用紙を渡して、終わったものにチェックを入れていっています。

生徒はテキストを購入しておりませんので、その場で聴いて口頭で答えてもらっています。

曲によっては聴きながら書き取ってもらった方が速いものもありますが、記憶して答えてもらうことが多いです。

よろしければ、クリックしてご覧ください。
     ↓

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フォルマシオン・ミュジカル La dictée en musique Vol.3

2016年06月23日 | フォルマシオン・ミュジカル
vol.2からオーケストラ作品を聴き、何の楽器で演奏されているかを聴き取る聴音が出てくると書きました。

そろそろvol.2が終わる生徒がいるので、vol.3の目次を訳しました。

訳しながら曲を聴きましたが、ルネサンス期の作品、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンという古典期の
王道のような作曲家たちの室内楽作品がこれまでに比べ多いようでした。

そして、ピアノ曲は41曲中たった3曲です・・

さて、楽器の音が分かると何が良いのでしょう。

知識としてわかる、音楽作品の興味の幅が広がる、音楽の奥行きが立体的に見えてきて聴く楽しみが増える。

それだけでもこれまでとは違う体験ができるので良いかもしれませんが、フォルマシオン・ミュジカルは
表現すること、演奏することに活かすために私はしています。

昨年チャイコフスキーコンクールで優勝したドミトリー・マスレエフが私はとても好きなのですが、
彼の演奏はおそらくオーケストラをイメージして音を作り上げていると想像されます。

こちらは1分31秒だけの動画です。(Dmitry masleev plays Mozart )
http://www.classicfm.com/music-news/winners-international-tchaikovsky-competition-2015/

ひとりオーケストラです。

このような演奏を目指したいものです。

楽器のイメージと発想と技量がないとできませんが・・

         


さてさてvol.3ですが、訳していてどう訳したらよいのだろうとか、どんな意味のある曲なのだろうと
あれこれ調べながら目次を作成しておりましたら、3時間もかかりました。

調べるだけでも勉強になります。

グレゴリオ聖歌「舌よ歌え」(そのミサ曲まであります)
ラフマニノフの教会音楽「徹夜祷」
ベルリオーズの「リア王序曲」
ムソルグスキーの「ソローチンツィの定期市」
ディドーとアエネーアス(ギリシャ神話に登場する人物のようです)

見かけたこともない曲名と聞いたこともない曲がどっさりあります。

シューマンのユーゲントアルバム「コラール」と
J.S.バッハのシュープラーコラール「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」が聞こえた時にはホッとしました。

このようなものを目にし耳にすると、自分はクラシック音楽のほんの一部しか知らないと思い知らされます。
しかし、このような機会がなければこれらの曲の存在すら知らずにこの先も過ごしていたと思います。



(Amazonでのご購入はこちら)
「La dictée en musique Vol.3」
第1課程の最終巻です。
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ドミトリー・マスレエフ ピアノリサイタル 2016年6月13日(Dmitry Masleev piano recital 13.06.2016)

2016年06月14日 | コンサート情報
2016年6月13日(月)浜離宮朝日ホールでマスレエフを聴いてきました。

プログラムは
J.S.バッハ:パルティータ第1番 変ロ長調 BWV825
シューマン:ピアノソナタ第2番 ト短調 Op.22
シューベルト/リスト:水に寄せて歌う Op.72
リスト:超絶技巧練習曲集第8番「狩」

チャイコフスキー:18の小品 Op.72より 「悲しい歌」 「5拍子のワルツ」 「少しショパン風に」 「踊りの情景、トレパークへの誘い」
メトネル:「忘れられた調べ」第1集 Op.38より 第1番「追憶のソナタ」イ短調
サン=サーンス/リスト/ホロヴィッツ:「死の舞踏」


マスレエフは2015年のチャイコフスキーコンクールの優勝者です。
1988年生まれ、ロシア出身。

私はコンクールに疎い人間で、昨年チャイコフスキーコンクールが開催されていたことも知らずにいました。

今年に入ってyoutubeでチャイコフスキーコンクール2015なるものを見つけて見ていましたら、

このマスレエフのJ.S.バッハの平均律Ⅰ Cis-durの演奏に惹かれてしまいました。
柔らかい音、優しく歌う音楽、音色の多彩さ。
バッハをこんな風に弾いてくれるなんてと嬉しい気持ちになりました。

そして他の演奏も色々と聴き、チャイコフスキーコンクールではありませんが
モーツァルト No.20 Kv.466 d-mollを発見し、さらに嬉しくなりすっかりファンになってしまいました。

その後、チャイコフスキーコンクールの第1ラウンドからファイナルまでコンテスタントたちの演奏が全て聴ける「THE ⅩⅤ INTERNATIONAL TYAIKOVSKY COMPETITION medici.tv」なるものを発見し、マスレエフの演奏は全て聴かせてもらいました。

第2ラウンドのd-mollのモーツァルトのコンチェルト、ファイナルのプロコフィエフの3番のコンチェルトは何度聴いたかわかりません。

          

そのマスレエフを生で聴いてきたのです。
(実は前週に行われたバッハの1番のコンチェルトも聴きました)

音はやはり素晴らしく、どんなに複雑なところでも曖昧さがありません。
時折、ゾクッとする音に鳥肌が立ちました。
クリアな粒立ちの音と優しい温かな音、オーケストラのような多彩な音。すべてが音楽のためにある音です。
多彩なのにスッキリしてゴテゴテしていません。

そして、マスレエフのまっすぐな気持ちは音楽の奥深いところまで聴衆をどんどん引き込んでいきます。
素朴さと素直さを持ちながらも意思の強さを感じさせ、抒情性はもちろん、人間の奥深くにある悲しみや孤独を飾り気のない心からの音でそっと奏でられるとジワ~ときてしまいます。

オケとはアンサンブルが上手く、音自体がオケに溶け込んでソリストとして演奏している感覚がご本人にはないのではと思わせます。
みんなで音楽を奏でていると感じさせます。

室内楽も聴きたいです。
また来日して下さることを願っています。
マスレエフの先生はモスクワ音楽院のミハイル・ペトゥホフです。ペトゥホフの先生はタチアナ・ニコライエワです。
こちらはProf.ペトゥホフ&マスレエフ。 かわいらしいです。 

https://new.vk.com/club102525414?z=photo-102525414_383678873%2Falbum-102525414_221108784


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フォルマシオン・ミュジカル La dictée en musique Vol.2

2016年06月07日 | フォルマシオン・ミュジカル
「La dictée en musique Vol.2」からvol.1にはない項目が出てきます。
ハーモニーと音色です。

ハーモニーは終止形、調性、和音度数を聴き取るものです。
音色はオーケストラ作品を聴き、何の楽器であるかを聴き取ります。
この楽器名を聴き取ることが得意な生徒と全くと言ってよいほどわからない生徒がいます。

得意な生徒は吹奏楽部やオーケストラ部にいる生徒です。
当然といえば当然ですが、スコアを見ながら曲を聴くことは初めてなようで新鮮な気分を味わっています。

曲が流れていく中で次々と楽器が登場するので一か所でも「ん?この楽器、何だろう」などど考え込んでしまったらもう音楽においていかれます。

さて、楽器の事が良くわからない生徒にはこればかり聴かせていても時間ばかりがかかるので、こんな時は「Chantons en F.M.」を使います。

オーケストラの楽器配置を知ることができ、管楽器、弦楽器の音楽作品を聴くことができます。

生徒と一緒にこれらのことをしておりましたら私の耳も変わってきました。
これまで電車の中でボ~ッっと聴いていたオーケストラ作品から今まで全く気付かなかった音が聴こえてきました。
耳が勝手に聴いていました。
音楽に奥行きが生まれていました。

お恥ずかしい話ですが、プーランクの「オルガン協奏曲」が好きで良く聴いていました。
本当に何も考えずに聴いていたようで、ある日「あれ?この曲、管楽器が全く使われていない・・そうかオルガンがその代わりをしているのか・・」

と、F.M.のおかげでそんな事に気付いたのでした。

さてさてvol.2ですが、楽器のことを知らない生徒も約2年がかりで終わろうとしています。



(Amazonでのご購入はこちら)
「La dictée en musique Vol.2」
第1課程の2巻目です。
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フォルマシオン・ミュジカル La dictée en musique その後

2016年06月05日 | フォルマシオン・ミュジカル
フォルマシオン・ミュジカルを始めるきっかけになったテキスト「La dictée en musique 」について久し振りに書きたいと思います。

このテキストはフォルマシオン・ミュジカルをレッスンに取り入れた時にほぼ全員に使っていた聴音のためのテキストです。
その頃は全員習い始めて1年以上経っておりましたので、大人の方以外には使っておりました。

しかし、使い続けることが難しい生徒も出始め、結局使い続けられているのは上級の生徒のみとなりました。

他の生徒には困り始めていた頃にちょうど新しいテキスト「L'ouverture a la musique」が発刊され、習い始めから使える内容でしたのでそちらに移行しました。
その後,私の生徒には「Faisons de la musique en F.M」の方がより実践的でしたのでそちらをメインに使うようになりました。


さて、「La dictée en musique 」ですが、上級の生徒は1年でvol.1は終わりました。
毎回行うことはできませんでしたが時間に余裕がある時には2~3題行いました。

上級の生徒(ソナチネ以上程度)に関してはvol.1でわからなくて困ったということはありませんでした。
ただ、声楽曲の聴き取りも多くありましたのでそれは少し難しかったと思います。

あと、私でも衝撃的だったのはリズムを聴き取る課題の最後にあったストラヴィンスキー「兵士の物語」のナレーションのリズムを聴き取る課題です。
これを課題に選んだセンスに驚きました。
ナレーターによって、また言語によってリズムが変わるのではないかと思い、いくつかCDを聴き比べてみました。
案の定、私が聴いた中では日本語はリズムがありませんでした。
ナレーションのないものと聴き比べると、ナレーションも音楽の一部になっている、リズムを担当しているとわかります。

次回は「La dictée en musique Vol.2」
について書きたいと思います。
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フォルマシオン・ミュジカルは脳トレ?

2016年06月04日 | フォルマシオン・ミュジカル
前回、大人の方にフォルマシオン・ミュジカルの方法を活用すると練習に多くの時間を割かなくとも弾けるようになることを書きました。

なぜ弾かなくとも弾けるようになるのでしょう。

おそらく頭をフル回転させるからだと思います。

大脳は前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉の4つから構成されていますが各部分で機能が異なります。

目から入った情報は後頭葉に送られて画像データとして認識されます。
ピアノを弾く時は見たものをすぐに手に伝えていますが、読んだ音を声に出すということは思考、判断力、感情をつかさどる前頭葉も
大いに使うということです。

私は自分でも曖昧に弾いていると思われるところは声に出して音を言うようにしています。
歌う必要はなくブツブツ言うだけです。
これをやるとスムーズに言えない自分に唖然とします。
しかし、言えるようになるとピアノで弾いた時にその部分の音がクリアに響き始めます。
前回書いた「左手で弾く音を全て読みながら右手で弾くメロディのリズムを叩く。」

これは読んだ音を声に出すだけではなく、視覚でとらえたもう一方の音部記号にあるリズムを手の動きに伝えているわけです。

音読する+αです。

さらに、これができるようになったら今度は私がその曲を弾き、それに合わせて同じことをしていただきます。

耳から入った情報を処理する側頭葉もここで活動します。
側頭葉は海馬と連携して記憶にも関係します。
頭頂葉はというと、ここは空間認知にかかわる所です。
音楽は目の前にないものを推量することが多いと思います。
音の長さ一つ取ってもそうです。

私には発達障害の生徒が何人かおりました。
このブログを始めたきっかけはその生徒たちでした。

そこで学んだ知識がフォルマシオン・ミュジカルにつながった気がします。
今でしたらその子供たちにこのフォルマシオン・ミュジカルを試してみたいと思います。

話が思わぬ方向にそれましたが、年配の方にF.M.をしていただくと「脳トレになる」とよく言われます。
同感です。
こんなに長くピアノを弾いてきた私でも今までとは違う機能も使っていると感じます。

大人でも子供でもピアノがうまく弾けない原因は色々とあると思いますが、脳の回転を活発にする事で解決できてしまうこともあるようです。

            
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大人の方にもフォルマシオン・ミュジカル

2016年06月03日 | フォルマシオン・ミュジカル
昔と違い、今は幅広い年齢層の大人の方がピアノのレッスンに通って下さっています。

若い方ですと、大学生になり時間に余裕ができたので独学で弾いていたピアノをちゃんと基礎から習いたいと始められる方。
就職し仕事のペースも落ち着いたので、子供の頃途中で辞めてしまったピアノをまた始めたいと戻って来られる方。
子供が習っていて自分もやってみたいと始められる方。
子供が独立し、仕事も定年を迎え、子供が使っていたピアノが家にあるので習おうと始められる方。

皆さん、様々なきっかけでレッスンを始められます。
そしてどの方も「ピアノが弾きたい」「弾けるようになりたい」との思いで勇気を出してピアノを始められます。

しっかりとした意志を持ってレッスンを始められますが常に順風満帆というわけにはいきません。

そこでフォルマシオン・ミュジカルの出番です。



私は大人の初級、中級の生徒さんにも以前ご紹介した「Faisons de la musique en F.M」を使っています。
その下地があるからなのか、なくとも有効なのかはわかりませんが、その場で何度も弾いていただかなくとも弾けるようになる魔法があります。

例えば、グレンダ・オースティンの「フラミンゴワルツ」。
この曲は大人の方が弾いても楽しめるおしゃれな曲です。

音階が上手く使われていてその練習にもなりますが、大変なのは中間部の臨時記号パラダイスです。
この部分で手こずってしまう生徒さんがいます。

中間部に入るとそれまでG-durのまま安心安全に進んでいた音楽が、段ごとに次々と転調します。
C-dur → B-dur → As-dur → B-dur → g-moll → G-durという具合です。

色合いが次々と変化するところが魅力ですが、この魅惑的な転調が困惑地帯と化し、生徒さんの心の中がグレーに染まりそうな時に私は次のようなことをしています。

「左手で弾く音を全て読みながら右手で弾くメロディのリズムを叩く。」

これだけです。

レッスンの初めに弾いて頂いた時にたどたどしかったものが、1度もピアノを弾かずにこのことを3回ほどして頂くだけで安心して聴いていられるほどに変わります。

もちろんこれを試す前に、手の使い方が良くなかったり、指使いがおかしかったりといった弾けない原因と思われるものを直したうえで行う必要はあります。

大人の方は練習時間の捻出に苦労されていると思いますが、この方法ですと時間はさほど必要なく、ピアノが目の前にない時にもできます。




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グレンダ・オースティン「CLASSY JAZZ POCKET」
おしゃれな曲が載っています。
発表会で使える曲もあり、お気に入りの楽譜です。
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