習い始めは、ト音記号は右手で弾き、
ヘ音記号は左手で弾きます。
曲が進んできたり、連弾になるとそうではなくなりますが、
レッスンを始めた時はこのパターンです。
ところが、ト音記号に書いてある音符は右手、ヘ音記号の音符は左手が、
なかなか覚えられない生徒さんがいます。
半年くらい経つと大抵は分かって来ると思いますが、
いつまで経ってもこれが続くと、正しく練習ができません。
レッスンの度に直されても、本人は何が違うかわからないので、
言われたら変えれば良いになってしまいます。
これは、ト音記号、ヘ音記号の前に、
単純に右左がわからない可能性があります。
スプーンを持つ方とか、鉛筆を持つ方で
右手がどちらかが分かれば良いのですが、
それも通用しない・・
そこで、おもちゃのチャチャチャに合わせて
手を交差させるものがあったのを思い出し、やってみました。

歌いながら覚えてほしい方の手を交差・真っ直ぐを繰り返します。
ピアノに戻ってどちらの手で弾くか分からなくなったら、
「さっき、いっぱい動かした手」というとわかります。
4週ほど続けた結果、
横になった楽譜のト音記号の方に右手、ヘ音記号の方に左手を
自分も横になりながら手を当てて、
「こうだから・・」
と考えてどちらの手で弾くか自分で考えるようになりました。
子どもの頭の中は、ピアノの楽譜の上の段と下の段が
右左の横に考えられない場合があります。
楽譜を縦に立てると右左に当てはめられますが、
どうみえているか私が気付いていなかったので、
おもちゃのチャチャを4週やった後に、
生徒が自分で横になっているのを見て、
ああ、そういうことだったのか、と気付きました。
最初に右手を交差させて良かったです。
左手だったら終止線に向かって左手を上の段に(ト音記号の方に)
当てた可能性があります。
偶然ながら助かりました。
これはリトミックのテキストに載っているものです。
この目的は腕の神経を発達させるためのようですが、
右左を覚えることにも使えると知りました。
おもちゃのチャチャチャの新たな使い道が発見できました。
ただ絶版になっているので入手は出来ません。
やり方は単純で、歌いながら手を交差させて戻すを繰り返すだけです。
テキストでは、最後だけクロス・逆クロス・真っ直ぐにするよう書かれています。
結構楽しめます。
テンポを掴むことにも役に立ちます。