おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

ロシアン・メソッド

2017年09月18日 | 重力奏法
数年前から度々「ロシアン・メソッド」という言葉を耳にしたり目にしたりするようになりました。

ロシアやウクライナには素晴らしいピアニストがたくさんいますので気にはなっていたものの、その内その内と後回しになっておりました。

時は随分と遡りますが、学生の頃にテレビ放送で偶然聴いたベルマンの音には驚きました。
いかにもパワーでガンガン弾きそうなイメージでしたのに、聞こえてくる音はとにかくクリアで美しいものでした。

低音部が物凄く鳴っているのにとてもスッキリとしていて何故そのようなことができるのか不思議でした。
曲はリストの「ダンテを読んで」でした。

その時から30年程経ちました・・
私自身、奏法を随分と変えました。

きっかけは通りすがりに偶然見かけた「シャンドール ピアノ教本」

シャンドールはバルトークのCDを聴いて「いったい何者?」と思っていたピアニストでした。
そのシャンドールが書いたピアノ奏法の本です。迷うことなくその場で購入しすぐに読み始めました。

文字や写真を頼りに解釈をして行きましたので十分理解できたとは言えませんでしたが、それでもだいぶ音や弾きやすさが変わりました。

しかしその後2年くらいかけて直すことも多くありました。

それでもまだ欠けていることがあり、なんだろうと思っておりました。
その欠けているものに気付かせてくれたのがロシアンメソッドです。

これで良いのだろうかと確信が持てなかったことがロシア奏法の基本になっていると私自身は解釈しています。

ロシアンメソッドのテキストを入手し生徒にも使い始めました。
その日から生徒の音が変わりました。

こちらはテレビで偶然聴いたベルマンの演奏です。
10年ぶり2度目の来日だったそうです。


Lazar Berman in Tokyo - Schumann, Liszt, Rachmaninov (1988)

リスト「ダンテを読んで」35'15"~

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BBCのガヴリリュク、見られます!

2017年09月15日 | コンサート情報
イギリス国内でしか見ることのできなかったBBCプロムスのガヴリリュクの演奏をyoutubeで見ることができるようになりました。

Rachmaninoff Piano Concerto No. 3 in D minor - Alexander Gavrylyuk
BBC Proms 2017


音声では聴く度に感嘆しておりました。

映像で見たい!と思っていた場面も多々ありましたので、じっくり見たいと思います。
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La dictée en musique Vol.1 和訳に挑戦!ミックス、間違い探し編

2017年09月13日 | フォルマシオン・ミュジカル
La dictée en musique Vol.1 ミックス、間違い探し編を訳してみます。

テキストはこちら。
La dictée en musique Vol.1 - début du 1er cycle

目次はこちらをご参照下さい。
La dictée en musique Vol.1目次

ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

<ミックス>
30「動物の謝肉祭」Ⅳかめ
このメロディをとても速くして歌ってみて下さい。”フレンチカンカン”(オッフェンバック:天国と地獄)の有名なテーマであることに間違いなく気づくでしょう。動物の謝肉祭では、サン・サーンスは水の中で泳ぐかめたちにこのテーマを歌わせています・・彼らが動くのと同じくらいの素早さで!

<間違い探し>
36「カンタータ BWV38」
このコラールの最初の小節がフランスの3文字の携帯電話会社のテーマ音楽に似ていることに気付くでしょう。

37「四重奏第3番」第2楽章
この弦楽四重奏(作曲家であり指揮者であるジョゼフ・ギィ・ロパルツの6曲のうちの3曲目)の美しいテーマは、作曲家の故郷ブルターニュの風景を思い起こさせます。


訳してみて、曲や作曲家についてはやはり自分で調べた方が詳しく知ることができるとわかります。
難しい話にしていないのは、小さな子供たちを対象にしているテキストであるからということもうかがえます。
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La dictée en musique Vol.1 和訳に挑戦!メロディ編

2017年09月08日 | フォルマシオン・ミュジカル
La dictée en musique Vol.1 メロディ編を訳してみます。

こちらのテキストです。
La dictée en musique Vol.1 - début du 1er cycle

目次です。
La dictée en musique Vol.1 目次

ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・
<メロディ>
15「KUKU」
歌詞
ああ、そう!私はKUKUを演奏する!
  
KUKUはギニアのマリンケ地方で有名な曲です。人々はミュージシャンにKUKUを演奏してくれるよう頼みます。そして心配事は踊って忘れます。

18「青々とした小枝」
ドイツの貴族に生まれたH.von ビンゲンは修道院を創設し、高名な作家、作曲家になりました。音楽史上、最初の女性作曲家として知られています。

19「皇帝ワルツ」
19世紀のウィーンワルツ界に君臨していた有名なシュトラウス家で最も良く知られた息子のヨハン・シュトラウス。彼はこの作品をオーストリア・ハンガリー帝国のフランツ・ヨーゼフ皇帝(シシィの夫)とドイツのヴィルヘルム2世皇帝のために1889年に書きました。それでこの題名なのです。

20「パルティータ」
パリのコンセルヴァトワールで学んだ作曲家。ブルターニュからあまり遠くはない。
彼の身近にある海辺の世界からインスピレーションを得た作品。
(調べてみましたら京都に住んでいたことがあるようです。自然をイメージした曲がいくつかあります。)

23「幻想交響曲」Ⅴ魔女の夜宴の夢
ベルリオーズはここで、有名なグレゴリオ聖歌のレクイエム怒りの日のテーマを使っています。怒りの日はアポカリプス(ヨハネの黙示録)に詳述されている。

24「沈める寺」
このプレリュードは、ブルトンの伝説による水にのみ込まれたイース大聖堂のイメージを想起させます。この一節、ドビュッシーは水の深みから聞こえる鐘の音を私たちに聞かせてくれます。

25「ヴァイオリンのための6つの2重奏」
パリコンセルヴァトワールでメシアンとミヨーの弟子であったジルベール・アミは、ピエール・ブーレーズと出会い、彼に「ムーヴメント」という作品を委嘱しました。Domaine musicalで1958年に作られた作品です。アミはオーケストラの指揮者としてキャリアを開始し、Domaine musicalの監督を1967年にブーレーズから引き継ぎました。1976年にはラジオ・フランス新フィルハーモニーオーケストラを創設。1984年から2000年までリヨン国立音楽院を運営。 ”現代音楽は一部の人のものではない、ゲットーの壁を壊さなければいけない”G.Amy(ゲット―とはユダヤ人が強制的に居住させられたヴェネチアの地区を言い、ユダヤ人街、差別状態、孤立状態を意味します。)

26「わが祖国」モルダウ
モルダウはスメタナの生まれ故郷モラヴィア地方(チェコ共和国)の主要な川です。
源流を聴いてから川の有名なテーマです。
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La dictée en musique Vol.1 和訳に挑戦!リズム編

2017年09月06日 | フォルマシオン・ミュジカル
「La dictée en musique」のテキストには、課題になっている曲に関するエピソードや歌曲の歌詞の訳が載っています。

ところがフランスのテキストなので当然それはフランス語で書かれています。
英語版が出版されているらしいのですが、残念ながら私はまだお目にかかっておりません。

どちらにしろ読んですぐにわかりはしないので、ここらで重い腰を上げて和訳に挑戦してみようかと思います。

少しずつですが・・

こちらのテキストです。
La dictée en musique Vol.1 - début du 1er cycle

目次はこちらの記事を参考になさって下さい。
La dictée en musique Vol.1 目次

ー・-・--・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・
「La dictée en musique Vol.1」
<リズム>
1「うさぎ」
日本の歌です。
訳す必要はありませんが仏語で訳されているものを訳してみます。

小さなウサギ、小さなウサギ
何を見てるの?      
月を見て
喜びのジャンプをしてるの

2「若い娘」
枠内訳
この歌は16世紀から18世紀初めにかけてヒットしました。多くの作曲家によって引用されています。
(P.Certon ピエール・セルトン
R.de Lassus オルランド・ディ・ラッソ
E.Du CaurroyEustache Du Caurroy
M.-A.Charpentierマルカントワーヌ・シャルパンティエ...)

3「小さなウサギ」(いい子の子ウサギ)
歌詞
オオカミ:子ウサギちゃん、早くドアを開けて中に入れておくれ
子ウサギ:ダメ、開けないよ、そこにいるのはママじゃない
ママ  :子ウサギちゃん、早くドアを開けて中に入れて
子ウサギ:うん、ママ、開けるよ、早く入って

6「子守歌」
枠内訳
多くの家庭で子供たちをあやす音楽であるとは知っていますが、このメロディはブラームスが作曲したことは知っていましたか?

7「お眠り」
歌詞
太陽が隠れ、1日が終わった
時を告げる鐘の音が聞こえる
お眠り、ブルターニュ、素晴らしい故郷
夜は全ての大地に広がる
お眠り、ブルターニュ、美しい生まれ故郷
偉大な海の音がゆりかご

8「死と乙女」
枠内訳
シューベルトはこの歌曲を20歳で書きました。後に、有名な弦楽四重奏第14番「死と乙女」第2楽章に再び用いています。

10「パレード」
枠内訳
作曲家、合唱指揮者でピアニストであるブルーノ・ロッシニョールは1983年にフランス音楽連盟の賞を受賞しました。彼は現在パリ10区のコンセルヴァトワールの学院長です。

13「兵士の物語」1.兵士の行進
枠内訳
ストラヴィンスキーはこの物語の音楽を1918年に書きました。故郷に帰る途中に兵士は悪魔に出会い・・そして、その後、王女に出会います。 


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何度聴いても凄すぎる!ガヴリリュク

2017年09月01日 | コンサート情報
8月13日にBBCプロムスにデビューしたガヴリリュクの演奏をインターネットで聴くことができるので度々聴いております。

45分近くかかる曲にもかかわらず1度聴くとまた聴きたくなってしまいます。
(ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第3番です)

何度聴いても驚嘆します。
この演奏を編み物をしながら聴き始めたご婦人が、演奏が始まった途端に編み物の手が止まってしまい最後まで聴き入ってしまったとありました。イギリスのご婦人だと思いますが。

2001年に録音されたラフマニノフのソナタ第2番の演奏が個人的にとても好きなのですが、この録音は調べてみましたらガヴリリュク16歳の時の録音でした。
8月生まれで4月の録音でしたので。(再び驚愕・・)

プロムスのラフマニノフを聴くと「愛」の深さが断然増しています。

ガヴリリュクはピアノ協奏曲第3番について、絶望の暗闇や自己との葛藤、純粋で無垢な愛の語りがあり、最後には無償の愛と人生の悦びを勝ち取ると語っています。

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、ガヴリリュクは2002年に交通事故に遭っています。
重傷だったようです。

2002年といえばチャイコフスキーコンクールが開催された年です。

16歳の少年のその後の活躍を耳にしたのが2005年のルービンシュタインコンクールの優勝でしたので不思議に思っておりました。

本当にこのピアノコンチェルトの演奏には想像力だけでは表現できないものが詰まっていると感じます。
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