おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

一汁一菜でよいという提案、という本

2022年01月31日 | 書籍紹介

料理研究家の土井善晴さんの「一汁一菜でよいという提案」、
という本を読んでいます。

きっかけは、
「いちばん大切なのは、一生懸命、生活すること。
料理の上手、下手、器用、不器用、要領の良さでも悪さでもないと思います。
一生懸命したことは、いちばん純粋なことであり、
純粋であることは、もっとも美しく、尊いことです」

という、この本にある言葉を知ったからです。

まだ途中ではありますが、素晴らしい言葉がたくさん書かれています。

一汁一菜で慎ましい生活を、と仰っているのではなく、
心の持ちようを伝えていらっしゃいます。

家庭料理は手を掛けないもの、それがおいしさにつながる。
一汁一菜は手抜きではない。
できあがった料理を買い求めることができる現代。
「料理をする」を省略できる。となると、人間は食べるために必然であった行動を、捨てることになる。

「行動」と「食べる」の連動性がなくなれば、生きるための学習機能を失うことになる。

人間にとって人生の大切な時期に手作りの良い食事と関わることが重要。子供が大人になるまでの間の食事が特に大切。
食事の根源的な意味。一人ひとり、全ての人の命を作るもの。


日本には今、様々な哲学や思想の切れ端のような言葉が、生活の中に都合よく紛れ込んでいる。

最近はよく、「機能的」なことを「合理的」という言葉にすり替えて言われる。時間を短縮する、便利で都合の良い「機能」と、理にかなった「合理」では意味が違う。


読みながら、ついついピアノのことや生徒の事と重ねて考えてしまいます。

一生懸命すること。
レッスンでは、私も生徒も、これがあれば良いのです。

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OREOの使い方

2022年01月26日 | 不思議な音の国

お菓子のOREOはこんな風にも使えるらしい。

Music theory, explained with Oreos

The rudiments of music, in cookie form.

Classic FM

 

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夜と霧

2022年01月23日 | 書籍紹介

年明け早々に読んだ本が、
「夜と霧」

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、
アウシュヴィッツ収容所を経験したウィーン出身の精神科医の本です。

そこであった出来事の報告ではなく、
強制収容所の日常がごく普通の被収容者である著者の魂に
どう映ったかを書いたものです。

生きる目的、なぜ生きるか、を
事あるごとに意識させられたと。

ニーチェの格言
「なぜ生きるかを知っている者は、どのように生きることにも耐える」
は、的を射ているといいます。

生きる目的を見出せず、生きる内実を失い、生きていても何にもならないと考え、自分が存在するところの意味をなくすとともに、頑張り抜く意味も見失った人は痛ましい限りだった、と。


生きることからなにかを期待するのではなく、180度方向転換して、生きることが私たちから何を期待しているのかが問題なのだ、と。

一人一人の人間に備わっているかけがえのなさは、
意識された途端、人間が生きるということ、生き続けるということに対して担っている責任の重さを、まざまざと気付かせる。

自分を待っている仕事や愛する人間に対する責任を自覚した人間は、生きることから降りられない。


過酷な体験をした著者が主観的に書いていないだけに、その言葉には説得力があります。


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