おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

ラドゥ・ルプーは語らない

2022年04月27日 | 書籍紹介

ルプーが亡くなり、どんな演奏をされていたか
じっくり聴いてみたく、
むやみやたらに聴いてもと思い、
「ラドゥ・ルプーは語らない」という本を読み始めました。

ルプーは語らないので、
これはルプーが書いたものではなく、
日本のマネージャーさんがルプーと親交のあった演奏家、マネージャー、調律師等にルプーのことを語って頂いた本です。

たいへん面白く、ルプーの人柄がどのアーティストからも
同じように語られています。

素晴らしい演奏だったコンサートのこともよく話に出てきます。

そんな中で、アルゲリッチが直接語ったのではないのですが、
ミッシャ・マイスキーの話の中で、
アルゲリッチがルプーのリストソナタのライブ録音を聴いて
圧倒されたと言った、という話が出てきます。

本にもありますが、ルプーとリストは結びつかないイメージがあります。

ちょっと興味を持ったので、youtubeで聴いてみました。


凄いです。
冒頭から何事かと思う恐ろしい音楽。

どこにもないルプーだけの音楽。

とにかく、聴いていただきたい。

(Radu Lupu | 1990 | Live) Liszt: Piano Sonata in B minor, S.178


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ラドゥ·ルプー

2022年04月19日 | コンサート情報

ルプーが亡くなったそうです。

長く病気だったそうで、日曜日の朝にローザンヌで永眠。
76歳。

一度も生で聴けませんでした。
あの音、聴きたかった。

Radu Lupu: le pianiste de l’indicible s’est tu

Décédé des suites d’une longue maladie, dimanche matin à Lausanne, le pianiste d’origine roumaine, âgé de 76 ans, a marqué des générations d’auditeurs par son je...

Le Temps

 


Radu Lupu farewell encore


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うまのミリー

2022年04月18日 | 不思議な音の国

偶然知りました。

不思議な音の国下巻の最後の章に、
「うまのミリー」という曲があります。

「ミリー」なんて、かわいらしい名前
と思っていました。


そうしましたら、
ミリーはウクライナ語で「かわいい」
という意味。

かわいい
Милий
ミーリィ

「かわいい馬」という意味のようで。
名前ではない。


このような曲です。






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2022年 発表会終了!

2022年04月17日 | レッスン

今日で、今年の発表会が全て終了しました。

と言っても、2回あっただけですが・・


今回は、初めて自分の生徒さんだけでひとつの部を作った発表会でした。

ご自宅で教えていらっしゃる先生にとっては当たり前ですが、
楽器店では他の先生と組むのが通常なので、
どの生徒さんがどの先生が教えているのか全く分からない、
という状態です。


全員の演奏を聴いて、自分の生徒の特長がよく見えました。

音を大切にすることや、音楽的な演奏は実現できていると思いました。

常日頃、耳にタコができるほど言い続けている、呼吸とスラー、フレージングについても、本番で皆しっかり出来ていました。

小学4年生以上(3月までは3年生だった子供たち)になると、音色の変化にも感覚が向き、
どう表現しようか、と自分の音楽として演奏しようとしているのが伝わってきました。

とても嬉しいことです。

自分の意志で、こう弾くんだ、と考えること。


長年それを目指しても、そこに達する生徒はほんの一握りでした。

教本を変え、正しい奏法を習い始めからきちんと教えることでしか、それは達成できないことを今回、しっかり認識しました。


イリーナ先生が仰っている、
どんな子供でもある程度の芸術的な演奏は可能である。

それは、正しい奏法があってこそで、
私はこれまで、音楽から攻めて行ったらそれに合った技術は得られると思って来ました。

それで伸びる子供は、結局のところ一握り、ということだったのです。


教本を変え、思った以上の子供たちの力に驚嘆してはいますが、
足りない、と思うこともはっきりしました。

ピアノ導入法を変えた大きなきっかけである、
良く響く音。

これは、もっと皆出来るはずなのに、
全く足りていません。

そして、これは私の指導の不足面ですが、
表現がこじんまりしていること。


自分の課題も見えた発表会でしたが、
発表会に参加した子供たちの演奏に満足できたのは、
人生始まって以来。

こうなると内容のある曲選びが
楽しみになります。


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東博でバッハ 2022/4/14

2022年04月14日 | コンサート情報

東京・春・祭で三浦謙司さんのオールバッハのプログラムを
聴いてきました。

前半


後半


昨年、福間さんのレア・ピアノ・ミュージックで三浦さんの演奏を聴き、
上手い!と思い、生で聴きたいと思っておりました。


オールバッハのプログラムは初めて、
ということでした。

多彩な音色、即興的な装飾音。
センスが光っていました。

どっしりとしたテンポで、説得力のある音。
装飾の細やかさ、音色、タッチを表現するには
このテンポ設定でなければ表現できない、と思いました。


お爺さんになってもバッハをカッコよく
弾いていたい。今日はそこにつながる最初の一歩、
と仰っていました。

これからも挑戦していかれるのだろうと思います。


とても緊張されていたようです。

自由席でしたので、ここに座ろうと思ったわけでもなく、
三浦さんの後ろ姿を拝見できる席が空いていたので座りました。

ここならどのように腕を使っているかとか、
ペダリングとかしっかり見れるな、と思い、
ここでも良いかと。


椅子が、グランドピアノを買うと付いてくるような
普通のベンチ型の椅子。

あの椅子、いちばん低くしても高いけど、
あれしかなかったのかな・・

と、思って見ていました。
ピアノはヤマハ。

古いピアノのような感じでした。
音が渋い。

中音域の左手が弾きにくそう・・

最後のシャコンヌを聴いた時に、
このピアノでここまで音を作り出せたのは
三浦さんだからなのだろうと、やっと気付きました。

正直、途中は何度も怖かった・・


三浦さん、身体ががっちりしているので、
腕なんて大きく使わなくとも、そのまま下ろせば
重量のある音がでます。

手の平だけでも重いんだろうな、なんて思って見ていました。


生で聴いても上手いピアニストでした。
別のプログラムもじっくり聴いてみたいです。


日本の20代ピアニストは、
なぜこんなに上手い人が多いのでしょう。

ー·ー·ー·ー·ー·ー
追記
翌日、三浦さんのインスタにこのようにありました。
Yesterday's recital was probably one of the most terrifying and rewarding experience of my life.
All-Bach recital takes some serious cojones.


こんなに上手くて、何か起きたとしてもどうにか出来る力もお持ちだろうと思うような方でも、
オールバッハはかなりなプレッシャーだったのですね。

自分のことを考えると、舞曲は怖い··

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藤田真央さんリサイタル 2022/4/11

2022年04月11日 | コンサート情報

なんという弱音の音世界。

やっと真央君の演奏を聴きに行くことができました。


ゆっくりとした歩調でステージに登場し、
一度お辞儀をして椅子に座ると、即、演奏開始。

前半のモーツァルトのあとは袖に引っ込みましたが、
あとはずっと弾き続けていらっしゃいました。


シューベルト、クララの曲も曲間はなく、すぐ次の曲へ。
最後のシューマンは、クララの曲から一気にシューマンのソナタへ雪崩れ込みました。


私としては、曲間はもっとゆっくりしたかった・・です。

音域によって音色が異なり、
1台のピアノで弾いている感じがしませんでした。

弱音は次元の違う素晴らしさ。そして、ロマンティック。

ブラームスでの弱音の美しさには驚きましたが、
その音はブラームスに必要かな?と、思った私は
心がすさんでいるんだ・・と反省。

モーツァルトの左手が素晴らしく、
伴奏をこんなにタッチも音も豊かに作り出せるとは
なんて羨ましい

一音だけでも分けてほしい・・


アンコールは4曲演奏して下さいました。

その中で、

モーツァルトのニ長調ロンドと
ラヴェルのハイドンの名によるメヌエット

この2曲がとても印象に残りました。
真央君のラヴェル、聴きたいと思いました。

柔らかさと言い、音色と言い、
短い中に魅惑がいっぱいでした。


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また、桜の国で、という本

2022年04月07日 | 書籍紹介

須賀しのぶさんの、「また、桜の国で」

革命前夜に引き続き読みました。



1938年、開戦前にポーランドに赴任した外務書記生が、戦争回避に向け奔走する話。しかし、戦争は勃発。


読んでいて預言書かと思うような内容。

しかし、これは過去に起きたことを基に作られた小説で、
ポーランドの隣国で現在同じことが起きているという現実。


日本とポーランドの間にある史実。
ポーランドという国が地図から消滅した歴史があること。
しかも、120年近く・・
ショパンが生きていた1830年の11月蜂起が最も悲惨であったこと。

実際の歴史も知ることができました。


本の中にこのようなことが書かれていました。

「人間らしく死ぬためだけに戦ったのです。
ユダヤのためでもポーランドのためでもないのです。自由を取り戻すためでもないのです。
彼らはただ、尊厳を持って自らの人生を終わらせるために、戦ったのです」

こうもあります。

「戦争が終結した後のことを考えて行動しなければならない。美しい最期を望むようになったら、それはもう、理想そのものを自ら投げ捨てたのと同じ事なのだ」

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風がふく

2022年04月05日 | 不思議な音の国

「不思議な音の国上巻」で生徒さんが作った曲です。

習った音とリズムで作ります。

音、リズムが限定されているので、
作りにくいと思うのですが、
生徒さんたちは結構上手く作ります。

上巻の作曲のページをしている生徒さんが5人いるので、
このところ毎週何かしら私も編曲が宿題になっています。

ネタが尽きている··、と思いながら
子供たちの思い出になればと思い、
ピアノ連弾と他の楽器のアンサンブルバージョンの
2つを作るようにしています。

曲名はアレンジしてからつけられたものです。
素敵な曲名
昨年11月からピアノを始めた生徒さんです。


【作曲】風がふく



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革命前夜、という本

2022年04月01日 | 書籍紹介

須賀しのぶ著、「革命前夜」

1989年、ベルリンの壁が崩壊する前に東ドイツのドレスデンに音楽留学した青年を軸にした物語。

音楽の話かと思いきや、東西ドイツの社会の違いがその場にいるかのようにわかり、何度もこれはフィクションなんだと思いながらも、著者の念入りな資料考察の下に作り出された話に、歴史の勉強にもなりました。


1989年の夏に私はウィーンを初めて訪れました。
その頃はまだペレストロイカ以前で、飛行機はアンカレッジ経由。

乗り継ぎの待ち時間を含め、ウィーンまで24時間はかかったと思います。

その頃、ハンガリーに入国しやすくなっていると聞いていて、不思議な気がしていました。

この本を読んで、ハンガリーの方が東ドイツより先に西側に開放されていたと知り、今頃そうだったのか・・と。


この本を読みながら、情報規制された「無知の谷間」は過去の話ではない、と悲しい気持ちになりました。




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