おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

ロシアンメソッドとは?

2023年07月06日 | 重力奏法

ロシアンメソッドとは、腕の重みを力みなく使い、美しく歌う音で弾けるようにするために、どのように教え始めるかを考えたメソッドです。

音楽は音が全てです。
美しい音で演奏するという、音楽の大前提にたって作られたメソッドです。

ピアノは触るだけでは本物の音は鳴らない楽器です。
触っただけで出てくる音は音楽になる音ではありません。
ピアノが持っている美しい音、自分が持っている音を引き出すために、まずは腕の大きな動きから習い始めるのがこのメソッドの特徴です。


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このメソッド(ピアノ導入法の意)では、日本で一般に行われている鍵盤の中央に手を固定し1の指(親指)でドの音を弾くことからは始めません。

黒鍵を使ったり離れた音を弾くなど、腕全体を大きく動かすことから始めます。
3の指(中指)を使い、一音一音を離して弾くノンレガートという奏法を大きな腕の動きで弾いて行きます。

真ん中のドから音を繋いで弾くレガートをすぐに始めてしまうと、固定された腕で指だけで音を無理やり繋げることになり、それは美しい音が出せないばかりか場合によっては手を痛める原因にもなってしまいます。


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腕の根本(肩甲骨)から弾けるようになると細かなタッチも習得しやすくなります。
その細かなタッチが音楽を伝える助けになり、心の中にあるものを表現する演奏へとなります。


ノンレガート習得後は、レガート、スタッカート、アクセント、テヌートといった音の発音法を習得していきます。

これらのアーティキュレーションは短い曲の中で覚えていきます。
アーティキュレーションの手の使い方は、ピアノ演奏の公式のようなものです。基本の使い方があり、それにより音を作っていきます。

それらを習得するための曲がロシアンピアノスクールの教本には豊富にあります。


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このメソッドは初めはすぐに知っている曲を弾くことはできませんので、遠回りをしているように感じるかもしれません。

しかし、正しいピアノ奏法を習い始めから身に付けることは、生涯の宝になるはずです。


但し、正しい奏法が身に付くように復習を繰り返して下さい。


このメソッドは、良い音でピアノが弾けるようになりたい人、長くピアノを弾き続けたい人のためのものです。

その気持ちがあれば、誰でも始めることが出来ます。


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腕を大きく動かします


深いタッチと手首の使い方


生徒さんの手の支え方


ロシアンメソッドは旧ソ連のピアノ教育者が考え出したピアノ導入法です。
アルタボレフスカヤが中心となり考え出されたと言われています。彼女は現在のウクライナ出身です。上の動画の先生もウクライナ出身で現在はアメリカ在住です。彼女が作った子供の導入教本「不思議な音の国」(原題はTales of a Musical Journey)は日本語に翻訳されたものが自費出版されています。
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