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おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

集中力なのか・・

2025年04月21日 | 重力奏法

あの揺らして指先に重さが掛かるのを確かめる方法。

結構、使えています。


揺らすことが目的ではなく、重さが指先に感じられることが
目的です。

なので、大きく揺らす人は目的を間違えています。



最初に試した大人の方が、重さが感じられないと
仰っていましたが、大きく揺らしていた気がします・・

今度のレッスンでもう一度試してみようと思います。



さて、鍵盤に重さが掛かる感覚を掴んだとしても、
それを持続できるかは集中力次第かもしれません。

4音目にはもうどうでもよくなっている人がいるかと思えば、
終始注意深く弾く人もいます。


子どもの集中力はまだ短いのは当然ですが、
持続具合いを見ると、

音楽が好きとか、ピアノが好きとか、
耳が良いとか、手に恵まれているとか、

そのようなもの以外に習得に差が出るのは
わかるなぁ、と思いました。



ちょっと教える自分との闘いになってきそうで、
手を緩めた方が自分は楽になれます。

そこをどうしようかと、ふと考えてしまいました。


子どもでも大人でも、趣味で楽しみたいだけの生徒さんに
どこまで要求し続けるか、最初の志が揺らいできそうです。


揺らしていたら、揺らいできた・・



イリーナ先生が仰った

「絶対に諦めてはいけません」

の意味を、こういうことでもあったのかと
思っています。



ただ一つ言えるのは、
やめてしまったらあの希望を持てない日々が
また繰り返されることが待っています。


生徒さんにどのくらい役立っているのか、
ただの独り相撲でしかないのか、

求められていないのに
押し付けてはいまいか、

気になるところです。

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揺らしてみて、使える!

2025年04月16日 | 重力奏法

鍵盤に指を置いたまま揺らして、重さが鍵盤に載るのを確かめる方法。


今日は小3の生徒さん2人、大人の生徒さん2人に試してみました。


今日の生徒さんは成功!


指先をしっかりさせて、揺らしてみてと言いました。

特に大人のかたは、こんな単純な方法でわかるとは思いもしなかった、と。

ご自分で曲の色々な場所で、確かめられていました。


ドビュッシーの版画の「塔」を弾いている生徒さんに、沈める寺のような感じの所で最初に試してみましたら、荘厳な音になりました。


ドビュッシーの音楽はいくつも層になっているのが特徴です。

それを強弱だけで作ろうとされていたので、重さを右と左で変えてみてはどうか、とやってみました。


そうしましたら、一気に奥行きが生まれました。


私自身も自分の練習でこの方法を使ってみましたら、重さを使っているつもりでも、あと5mm位深く弾けた感覚がありました。

足りていなかったなと。

本当に深く弾けると、軽く弾くことが容易になります。
(以前と比べてです。)


もう新しい曲を譜読みする記憶力がないので、昔弾いた曲を引っ張り出して練習をする日々ですが、40年前に弾いた曲だろうが、35年間弾き続けている曲だろうが、

「こうやって弾くのか」とやっと弾き方がわかる瞬間があったり、音が変わると表現も変わるので、同じ曲でも今の方がずっと楽しく弾いています。


本当に音楽は尽きることがなく、面白い!

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揺らしてみて

2025年04月15日 | 重力奏法

鍵盤上に指を置いて揺らし、腕の重さが載るのを
確かめるという方法。

前々回、ご紹介しましたが、これを上級の大人の生徒さんに
してみました。


この生徒さんは腕の重さを使う感覚が、なかなか分からず、
色々と問題はありますが、
例えば、pやppを1cmしか下りない鍵盤のその距離で
コントロールしようとするので、音が出たり出なかったり、
不用意に強くなったり・・

もう8年間も毎回、それを指摘して、
もっと楽にコントロールできる方法を実践するのですが、
根本がどうにも理解できないようで
どう伝えたら良いかネタ切れ状態です。


それで、少し前にこちらの動画を拝見し、
これならわかってもらえるかも、と試してみました。

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結果、ダメでした。

指先に重さが載る感覚が感じられない、と。


ただ少しだけ音は変わりました。
やらないよりは良かったと思います。

しかし、なぜ重さが指先に載る感覚がわからないのかが、
私はわからない・・・


そのあと、低学年の生徒さんにしてみたのですが、
やはり効果なしでした。


が、揺らしている様子を見て気付きました。


本当にただ揺らすように動かしているだけで、
指先で支えられていないのです。


子どもはまだ支えが弱いので気付きましたが、
大人の方は見かけ上は指はしっかりとしています。

実は指の中がユルユルで、ただ上下に動かしていたのかなと。


人間の体の使い方は人それぞれで、
空中で動かしてみると、思いもしない動きでする人がいます。

これだから伝わらなかったのだな、と。


空中で動きを確かめることは相手がどうその動きを
捉えているかを知るのに役立ちます。

ただ、そこから改善するのは話が通じない人に
話をするのと同じで、結構たいへん。


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腕の重さを使う

2025年04月10日 | 重力奏法

こういう練習しましょう。

と、鍵盤に指先を置いて揺らしています。


腕の重さを鍵盤に載せる感覚を掴みます。

この方法、良いなと思いました。

考えてみましたら、ツィメルマンもマスタークラスで
同じようなことをしていました。

彼はそのまま床の上に座って鍵盤に腕をぶら下げていましたが。


鍵盤に腕の重さを載せる感覚はピアノ経験が全くなく、
周りでピアノを弾く人がいないお子さんの方が習得しやすいです。

ピアノは指をエイコラ動かして弾くという先入観を持っていると、それを取り払うのに苦労します。


趣味で弾こうが正しい奏法は身に付けた方が生涯ピアノに親しんでいけます。

これが普通のことになる日が来ることを信じて続けるしかない!


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お行儀の良い腕では・・

2025年03月13日 | 重力奏法

ピアノ導入法を変え8年目を迎えました。


日本人の大多数は、習い始めからピアノの
正しい弾き方を習わないので、
学校でのお友だちの弾き方がピアノの弾き方だと
思ってしまっているのだろう、と思っていました。


それは保護者の方にも言えることです。

ご自身も奏法は習って来ていないので、
腕だ、手首だ、と講師が言っても
実際のところピンとはきていらっしゃらない。

ピアノ経験のない保護者の方の方が
話がスムーズに伝わるほどです。


改革には時間がかかる、と思いました。


しかし昨年あたりから、どうやらそれ以外にも
何か日本人のピアノ奏法が上手くならない原因が
ある気がしてきました。


感覚的に何か日本人に合わないものが
あるような・・


それでふと思ったのが、
指を揃え、肘を張らない動作が
美しい、お行儀が良い、とされている日本文化。

お茶碗を持つ、ふすまを開ける・・



ピアノも肘を横にガッと張って弾きはしませんが、
肘を胴体に付けては弾きません。

そして、お茶碗を持ったり、
道具を持つのは手全体をひとつにして使いますが、
ピアノは指1本1本別々に使います。

ということは、手の端の指である4,5の指の時は
腕の向きが外側になります。


指と腕の向きは揃えた方が弾き易いです。



今、発表会の曲の練習を生徒たちはしています。

普段から比較的広い音域の曲を弾いてもらうように
心がけてはいますが、発表会の曲は音域が広いだけではなく、
長さもあり、テンポも速めの曲が多くなります。



「不思議な音の国」でレッスンを始めた生徒も、
少し難しい曲が弾けるようになってきました。

音の出し方や腕の使い方は、以前の生徒に比べたら
しっかりレッスンしています。


それでも、上手く弾けない所はボロボロあります。

以前でしたら、即リズム練習に突入でした。

手っ取り早い解決法ですが、正しい奏法で弾けていなくとも
根性で弾けてしまう危険性があります。


リズム練習をすることで意識がはっきりとする面も
あるので、悪いことではないのですが、
奏法そのものが正しくない場合は、
良くないものを身に付けるための練習になってしまいます。


椅子の高さが合っていないのは論外です。

高さが合っているのに肘が下がっている時は、
腕の向きに注意すると弾けなかったパッセージが
一気に弾けるようになることがあります。


腕が使えるようになるためには、
指先の支えが必要です。

つぶれてしまっては、支えが効きません。


だから、大きな腕の動きを使いながら
強い指先を作るのです。

さらに、音の切り口をまろやかにするために
手首から持ち上げて音を離すことを習慣づけるのです。



習字を習ったことはないのですが、
調べてみましたら、良い線を書くためには
肘と肩を使うのだそうです。

指先や手首だけで書くと線に力が入りにくいそうです。
小手先芸になると。弱々しく雑な印象を与えると。

肘から先に動かすそうですが、この時に身体が肘と一緒に
揺れてしまわないこと。身体を軸にして肘を引き寄せる。
体幹が大事と。



ピアノにそっくりです。

日本にもこのような文化があるのですね・・


習字は線の良し悪しが目で見て分かりますが、
音は目では確認ができないところが大きな違い。

字を書けばいいんでしょと言って、習字を習う人はいないと思います。
書くだけなら鉛筆で十分。


ピアノも、書いてある音が弾ければいいんでしょ、
では習う意味があるとは言えないと思います。

やはり弾き方をしっかりと習わないと。

そして、それを自分のものにする努力が必要です。


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挿絵の意味

2025年02月20日 | 重力奏法

こちらの挿絵の解説が、教本の巻頭にあります。



一部をChat GPTにコピペして訳してもらいました。

Играть legato мы начинаем с « длинных » пальцев ( 4-3-2 ) . Если попросить ребенка сложить ладони вместе , он увидит , как в зеркале , что у против каждого пальца одной руки есть такой же палец в другой руке .

【レガートを演奏する際には、「長い指」(4-3-2)から始めます。子供に手を合わせるように頼むと、鏡のように、片方の手の各指に対してもう片方の手にも同じ指があることがわかります。】


そして、子どもたちが音楽に合わせ「対話」を作ったと。
それが次のようなもの。

Кто такой ?
Лис большой ( отвечает он на октаву ниже )
「誰なの?」
「大きな狐だよ。」(彼はオクターブ下で返事をします)
де же ты ? Вот я здесь
「どこにいるの?」
「ここだよ。」
Уходи ! Не уйду ! - - Нет , уйдешь !
「行って!」
「行かないよ!」
「いいえ、行くよ!」
Ни за что ! Рассержусь ! - Ну , сердись !
「絶対に行かない!怒るよ!」
「じゃあ、怒って!」
Прогоню ! - Ну , гони ! Уходи ! - Не хочу ! -
「追い出すよ!」 「さあ、追い出して!」
「行って!」 「行きたくない!」
Вот ушел ! - Нет , я здесь !
「ほら、行ったよ!」 「いいえ、ここにいるよ!」



音型が反進行になるので、
会話もいつも反対のことを言う、という具合です。

最後は両手ともC音で終わるので、
「ここにいる」相手と同じ所にいるという展開。

ロシア語が解らないので、この訳がどれくらい正しいのか
わかりませんが、生徒と自由に意地の張り合いのような会話を
作れば良いわけです。



疑問に思う、考える、工夫をする、
ということがもっと身に付いてほしいと
生徒たちを見ていて思います。

与えられたものはすぐになくす、
と言いますよね。


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2音、3音レガート

2025年02月18日 | 重力奏法

一音を腕の重みを使って弾くノンレガートからピアノレッスンを始める導入法。

これにより私自身は生徒のレッスンがしやすくなっております。



この導入法を始めた頃は、
腕の重さを鍵盤に載せられない内は、
レガートを始めるべきではないと考えていました。

それは今でもそう考えていますが、
ただ完璧ではなくとも2音、3音のレガートは、

甚だしく指に力みがあったり、
指の支えがなく指先が反り返っていて
ピアノを弾くどころではないという以外は、
さっさと始めた方が良いのではと考えるようになりました。



なぜなら、一音の大事さが、
これだけを続けていても認識されづらいと思うからです。

レガートになって、何のためにノンレガートで
腕の重さ、支えの効いた指先、柔軟な手首、力みのない腕を
徹底させていたかがやっと理解できるのだと思います。



初めてピアノを習う生徒さんや
ピアノ経験のある保護者の方が、
一音ずつノンレガートで弾くことが、
レガートに繋がるとは思わないはずです。

口で説明はしますが、その意味を本当に理解できるのは、
かなり上級の本当にピアノ奏法を正しく教わった方だけだと思います。


私でさえ、10年前にノンレガートからレッスンを
始める話を聞いた時に、そんな必要はあるのかと思いました。

正しい奏法を解っていなかった、
教えて下さっていた先生に習っていたことが
理解できていなかった、ということです。


ノンレガートの期間が長いほど、その意味が理解されなくなります。
上巻に6カ月、というイリーナ先生のお考えは長くともそれが限界、
という意味なのだろうと思います。



モスクワの中央音楽学校のピアセツキー先生もイリーナ先生も
結構早い段階で少ない音数のレガートをさせています。

私は生徒さんの進みが速いからだろうと自分の生徒とは違う、
とあまり気に留めていませんでした。


しかし、昨年からピアノを始めた生徒の数人が、
手がしっかりとしていて、不思議上巻で音を少し読み始めた段階で
2音のレガートが入る曲を渡しましたら、その時は少し苦労しましたが、
上巻が終わる前から予想外にレガートが上手くなっています。

その生徒さんたちの恵まれた手やセンスもあると思いますが、
上巻の段階で短いレガートは他の生徒さんにもやっても良かったな、
と今は思います。



そのようなことを考えておりましたら、
「音楽との初めての出会い」の教本の中に
このような曲があったのを思い出しました。



この本を知った頃には生徒に渡していたのですが、
覚えるのに案外手こずるので、いつしか避けていました。

下の動画のイリーナ先生は5音のレガートですが、
2音、3音の段階でこの曲を渡すのも良いかな、と思います。






つくづく、私は自分を日本人的だなと思います。

段階を踏んで、と必要以上に思っているのだなと・・

新しいメソッドで子どもたちがどう伸びるか、
暗中模索状態だったので、目の前のことを
ひとつずつ片付けていた気がします。

このくらいできているなら先に進もう、
という感覚が8年目でやっと少し見えてきた気がします。


ピアノ教師としての人生、やり直して8年。

時間がかかり過ぎている気がしないでもない・・

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ギャリック・オールソンのお話

2024年12月09日 | 重力奏法

ピアニストのギャリック・オールソン。

次のショパンコンクールで審査委員長を
務められるとのこと。


さて、今回ご紹介する動画。
オールソンさんがピアノを弾く時の手の使い方を
全て話して下さっていると言って良いほどの内容。



生徒さんには、習い始めからこれらのことを
身に付けてほしいと思い、日々レッスンをしているわけです。

なんて偉そうに書きましたが、
このことに気付いたのは、
私自身、現在、生徒さんに教えている教本を
使うようになってからです。

気付いてみたら、20歳の時から師事した先生に
よく言われていたことでした。

なのに、理解できていなかったのです。


私がこういうことかと解ったのは、
ノンレガートで、ある教本を丸々1冊弾いてみたからです。

全てはここから始まりました。

そして最も参考になったのは、
イリーナ先生が子どもたちにレッスンをしている
動画です。


決して器用ではない私がそこそこ出来ることなら、
他の方はもっと容易にできると思いました。

特に大人の生徒さんは、
弾き方の問題で行き詰っている場合が少なくありません。


なので、手の使い方、力の抜き方をレッスンで話すのですが、
「音符を追うのがたいへんで、それどころではない」
と、よく言われます。

逆なのです。

さすがに私でも、
音符を読むことがやっとの状態の方に
手がどうのとは言いません。

実際は音符は追えているのですが、
手の力みで動きがどんどん固まり、動かせなくなっているのです。
しかし、ご本人はその自覚がなく・・



1'38"辺りでのショパンの10度跳躍する所のお話。

もうこれは子どもを含めた生徒さんに
5度でも1オクターブの跳躍でもすぐに直せることなので
よく言うのですが、これをなかなか実行してもらえなく・・

実行しない理由は簡単です。
手を置いていた方が間違えずに弾けると思っているから、です。

それでは音楽は生きません。
生意気ながら私もよく「それじゃ歌うと、あ”-だよ」
そしてそのあと美しい声で歌えれば良いのですが・・

こういう時に歌が上手かったらなぁ、とよく思います。


オールソンさん、驚いたことに
ショパンエチュードOp.10-1のところで
若い頃にこのことは知らなかった、
あとから学んだ、と話されていることがあります。

弾けるかたが、最初から本当の奏法を
全て身に付けていたのではなく、
学び続けてあとから直していったということです。

励まされるお話です。


動画は概要欄にチャプター分けされていて
見やすいです。

5 Relaxationの話は、学生の時の
私だな、と苦笑いしました。

先生によく、鍵盤を押さないで!
と言われていました。

押している自覚ゼロでした。

今はコーヒーを飲みに行けていると
思われます。


腰を据えて、じっくりとご覧いただきたい
お話です。


Ten piano technique tips from Garrick Ohlsson
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直せる条件

2024年10月17日 | 重力奏法

最初に習ってしまったものを直すことは大変なことです。


指の力みなく、腕の重さを使って弾くピアノの普通の奏法を初歩の段階でちゃんと習わずに来てしまった人は少なくないかもしれません。


見る人が見ると、痛々しいです。


これを何とか直そうと試みるのですが、結局直せた人は、私の所では7年で2人だけです。

この2人は、一人は思いっきりハイフィンガーで指の力だけで弾くよう習ってきた生徒、もう一人は元々力みやすく指があちこち向いていた生徒です。


2人とも、真面目に練習をする生徒さんです。

ハイフィンガーの生徒さんは、先生のおっしゃることを忠実に守って練習を1年間頑張り続けたそうです。

1年経って、お母様がこれは何かおかしいと思い、教室を変わられました。


力みやすい生徒さんは、3カ月しか習っていませんでしたが、弾き方を教わらず、とにかくたくさん練習をした生徒さんでした。


2人とも「不思議な音の国 下巻」から始めました。


3年頑張りましたが、もう無理かもしれないと私の方が諦めました。

ところがそこから半年くらい経ち、急に力みが取れ、伸びのある音、歌うような音が少しずつ聞こえ始めました。


この2人に共通することは、いつもレッスンにお母様が同席してくださり、お家での練習も注意を促して下さったこと、そして、2人とも素直に直そうと思ってくれたことです。


これがなければ直すことは難しいのだと思います。



人間は覚えたことは忘れるようにできています。1時間も経てば半分は忘れます。

24時間以内に復習をするとまた思い出せるようですが、ピアノは運動の要素も必要ですので、知識として覚えるだけでは足りません。


頭だけでなく、体をコントロールする必要があります。

とても小さなお子さんが一人で出来ることではありません。
絶対に親御さんのお力が必要なのです。


そばで励ましてくれる存在として小さなお子さんには必要だと思います。


(思い出したのですが、今年の6月下旬に実家に帰省し、屋根のペンキ塗りをしたのですが、その日は市の駅伝大会がありました。九州や関西、関東の大学も参加したもののようでした。
ペンキを塗っていたので走っている姿は全く見ていないのですが、声は聞こえていて、その時に選手の後ろを走っているであろうチームの車からスピーカーで「いいよー。できるよ、できる!いいペースで走れてるよー」
なんて声が聞こえてきて、今どきは青学のあの監督の様な声掛けが流行りなんだな、なんて思っておりましたら、結果発表が防災無線で聞こえてきて、2位青山学院大学B、と言っていました。
なんだ、ご本人だったのかと笑ってしまいました。)



選手の後ろから励ましの声を掛けてくれるあの監督の様な存在が、お家での親御さんの役目です。

奏法を直すには、講師一人の力では絶対に無理なのです。


一音に3年かける、と言いますが、一人でレッスンを受ける生徒さんにも私は3年は諦めずにレッスンしてきました。

しかし、この7年で直せた生徒さんを振り返ると親御さんのご協力の有無が関係するとの結論に達しました。


もう無理だと思った生徒さんには、時々「この方が音が綺麗になる」とは言いますが、直すことはしません。

最初から私が教えていても、レッスンでしたことをすぐに復習をするお家とそうではないお家は大きな差が出ます。

レッスン日から5日も経って初めてピアノを弾くと、完全忘却の状態になっていますので、弾き方なんて思い出せません。

とりあえず、音符だけ弾いていこうになります。
毎度、完全忘却で音符も読めない人もいます。


私が毎日生徒さんの家に「練習の時間じゃない?」と声を掛けては回れません。

今は生徒さんにも、お迎えの親御さんにも、明日までに必ず10分弾いて下さい、と言っています。

プリントや教本のワークは皆よく忘れるので、「帰ったらすぐこれだけはやって」と言います。


「どういう曲か忘れた」はレッスン日から5日間はノータッチでした、の証です。

その繰り返しは確実に不毛を招きます。


奏法を直すのはただのレッスン以上のことをしているということなので、これが可能なご家庭かは冷静に見る必要があるかもしれません。



パソコン以外でブログを読んでくださっている方は、白い画面に文字がズラズラと並んでいると思います。画面の一番下までスクロールして頂くと、パソコン版で見る、があると思います。

そちらをタッチして頂くと少し読みやすい画面になると思いますので、お試しください。




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重力を制する

2024年07月29日 | 重力奏法

前回ご紹介した「明鏡止水」

武の五輪という回は、<重力を制する>という内容でした。


体のトレーニングと皆いうけれど、体をトレーニングした所であまり意味はない。こっち(頭)のイメージがどれだけ繊細になるか

と、日本武道の師匠が話されていました。


ふむふむ、これはわかる。
筋力を鍛えてもさほど意味はなく、体の使い方とこういう音にしよう、こう音を飛ばそうという意識はピアノでも同じ。



岡田准一さんが言っていた、「力が作用する、体が連動する」も。

うん、うん、わかる。作用が循環して行くとピアノはとても自然に弾けます。勝手に弾けるというか・・



中国武術の先生が脱力して相手を腕で打った時に、脱力すると重くて体の中にグゥ~とくる感じだと言ってブレーキンのかたが倒れそうになっていました。

ピアノもコントロールされた軽い音は羽のように軽く天上の音のようですが、重さをズシリと加えると重厚で深い音がします。

これを力だけでコントロールしようとすると、スカスカの音とガンガンうるさい音になります。


日本武術の先生が相手を倒す時に力ではなくR(アール)で使っていくと話されていましたが、これもよくわかる!と一人で頷きました。


丸く動かすと人間の体は動きやすく、効果が大きくなります。
ピアノでただ横に動かす生徒さんが多いのですが、それでは音が鳴りませんし、音も外しやすくなります。


番組では足から生まれる力を腕に伝え連動させていると。

おお、納得。ピアノもそうです。
椅子に座って弾いていますが、決して指だけでは弾いていません。体の中で鍵盤に伝えるものが働いています。


そして、このお話からスポーツクライミングのかたが、
「指だけでしているように見えるかもしれませんが、そうではなく足から受けた力を手の先に伝えて登っている」と。

「腕の力だけ使うと疲れるし、やられちゃう」

「初心者の方は腕だけで引き付ける。その段階で既に疲れてしまう。視野も狭くなる」

「下から上に繋げるために一旦体を下ろす」


クライミングのお話が一番ピンときました。


私が学生の頃から20年お世話になった先生がまさにこの連動がお上手で、私は真似しようにもできませんでした。

今は自分で弾いていてもそのコツがわかります。特に生徒に教えている時に、過去の自分を見ているようで、これじゃ永遠に出来ないとわかります。

ボールを投げる時に、出来るだけ近い方が相手に届くと言って腕を前に伸ばしたまま投げる人は誰もいません。一度後ろに腕を引いて、遠心力を使って投げるはずです。


ピアノは鍵盤上に重さを十分に載せられているとその準備が上手くできます。中途半端だと腕を放り投げられないので、外すし鳴らないし疲れるし、になります。


ピアノ演奏の必須の技術は鍵盤に腕の重さを載せられること、だと思います。

それが第一歩。

それがなければ始まらないです。



忍者さんが「腕の骨をまっすぐにして体重を載せる」
岡田さんが「支えの棒のようにして」と。

これも大いに納得。だからピアノでは指の関節がぐにゃぐにゃだと支えが効かず、音も鳴らず、汚い音になり、速いパッセージも転びます。
指を伸ばしてと言っているのではなく、3つの関節で支えてという意味です。支えができていると手首も使えます。



番組で忍者の師匠が仰っていた「イメージできないことは実際にできないと思うんです」

ですね。


私もずっと体の使い方のイメージができていなかったので、一か八かとか、あの時は運よく出来た、とか、そんなことになっていました。

今もまだ、十分ではなく足りていないのですが、どこまで習得できるか挑戦し続けます。


伊賀に修行に行った方が早かったりして・・


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明鏡止水

2024年07月28日 | 重力奏法

NHKで夜に放送している「明鏡止水」という番組。


ご覧になったことはありますか?

V6の岡田准一さんが司会をされているのですが、武術に詳しいようでいつも感心します。


この番組は何曜日の何時から放送しているかよくわかっていないのですが、何気なく夜にNHKを見ると遭遇することがあり、大体途中から見ることになるのですが、とても面白く拝見しています。


さて、何が面白いかと申しますと、

体の使い方がピアノでも参考になるなというか、なんか同じだなと思うことがよくあるのです。


今週は力を抜くと重くなる、という技。

ピアノも全く同じです。

脱力が上手くできると腕の重さ、体の重さを鍵盤に載せ音を響かせることが出来ます。

脱力が上手くできると素早い動きや大きな跳躍もしやすくなります。
余裕が生まれるので、こんな音を出そうと音を作ることにも専念できます。


日本の武術を知るともっとピアノが上手くなりそう・・


いつまで見られるか分かりませんが、NHKプラスで見られます。
https://plus.nhk.jp/watch/st/g1_2024072434911


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ヨーロッパ方式

2024年07月17日 | 重力奏法

ここでおさらいです。


何度も書いて申し訳ありませんが、ピアノは腕の重さ、体の重さを使って音を出します。日本で未だに行われている、ハイフィンガーという指を高く持ち上げ、指を鍛えてその力で弾く弾き方は少なくともヨーロッパでは過去のものです。


少なくとも50年以上前には消滅しています。


フランスでは現在70代のピアニスト(ベロフ、ルヴィエ、ジャン=フィリップ・コラール等)が子供の頃に習ったその奏法を12~13歳で直しています。「遊藝黒白 」第2巻#3 - おとのくに♪♪



   


旧ソ連ではクラシック音楽の歴史が西ヨーロッパのように古くないので、そのおかげで現代のピアノに適した奏法が初めから考えられ実施されてきました。


ソ連の影響は東ヨーロッパに広がっています。
主要ピアニストの大多数はロシアかその周辺国出身です。他の地域でも実力のあるピアニストはそれらの国出身の指導者にレッスンを受けていることが多いです。



体の重さを使って弾くことを「重力奏法」といいます。

指でカチカチと弾く「ハイフィンガー」に対するものとして使われ始めた言葉だと思いますが、現代ではこれは普通のことなので特別な奏法ということではありません。


体の重さの使い方を身に付けないことにはピアノと言う楽器は弾けないわけです。
それは歌や管楽器を息を使わずに音を出そうとか、弦楽器を弓を動かさずに弾こうとしているのと同じです。


   


腕の重さ使うことを子どもたちが特別な訓練をしなくとも身に付けられるように開発されたのが、ロシアで行われている方法です。

日本ではロシアンメソッドと言われています。
海外ではロシアン・ピアノスクール方式と言うことはあるようですが、ロシアンメソッドとは言っていません。


この方式の特徴は3の指でノンレガートで習い始めることです。
音は何の音でも良いですが、黒鍵のことが多いです。

日本で行われているものは、ヨーロッパではもう使われなくなった古い奏法によるもので、それをクラシック音楽の国ではないアメリカが、本物の弾き方をおそらく知らずに鍵盤に指を置いておけば簡単に弾けると思い付き、そのような教本を次々と作り出し、それを日本が盲目的に輸入したということだと想像しています。


さらに、日本の悲劇はドイツのバイエルという教本が入っていたことです。
当のドイツでは全く知られていない教本ですが、その教本の問題点は40年以上前にはヨーロッパ出身日本在住のピアニスト・指導者に指摘されています。

また、バイエルを日本に持ち込んだ人物をルービンシュタインはあの3流と言っています。(遊藝白黒の何巻かに書いてありました)


   


西ヨーロッパが現在どのような教本で子どもたちのピアノレッスンをしているのだろうと少し調べてみました。

日本人で何か国かに直接行ってレッスンを見学された方がいらっしゃるようです。

その記事のリンク先を下に貼り付けさせて頂きました。



黒鍵を234の指で始める方式がちゃんと存在しているようです。
他の方の情報ではドイツで一番使われているのは、あの赤いクマの楽譜だとか。ロシアン・ピアノスクールの教本が基になったものです。

ドイツはかつて西と東に分かれていましたので、東のものが伝わって残ったのは頷けます。


紹介されている教本しかわからないので、これが一般的なものかはわかりません。
こんなに円安でなければ興味のある楽譜を取り寄せたり、直接海外の楽譜屋さんに行けるのですが・・


フランスは1の指から始めるものが見受けられますが、この国は早く曲を弾くことに移行する傾向があるので、作曲家の作品で直接弾き方を学ぶのだと思います。

ドイツはあの赤いクマの楽譜の他に、私の手元に2種類ありますが、どちらも黒鍵を234で弾く所から始まっています。


   


パリっ子たちが最初に習うことは?をお読みください。

フランスのピアノ教育のいま

皆さん、フランスの代表的な子供ピアノ教則本は「メトードローズピアノ教則本」と思っていませんか? そんな常識をくつがえすべく、2016年5月、卒業試験や修了試験間の、パ...

末高明美ピアノ教室(新宿区中野上高田)へようこそ

 

イタリアのピアノ教育の今

イタリアピアノ教育の今 チャオ、みなさん!「イタリアの子供ピアノ教育について知りたい」と<ミラノ(G.ヴェルディ)音楽院>とミラノから東へ80km<ブレーシア(L.マレンツ...

末高明美ピアノ教室(新宿区中野上高田)へようこそ

 


<フランスのピアノ教育のいま>にあった「Méthode de piano des 4-7 ans」のVol.1の中をこちらから少し見ることが出来ます。
ドから始まらない曲ですが途中からは出てきます。しかし、日本のように続け様には使いません。そして、特別にエクササイズが設けられています。

「1の指でドの音から」は頭の固い日本人らしいですが、それは身体的にはNGです。意味を考えて選択できるようになりたいものです。
フランスのこの方法は、さり気なく1の指をたくさん使わせない。
よく考えたなと思います。

Méthode de piano des 4-7 ans - Petite suite Vol.1

Find the score of Méthode de piano des 4-7 ans - Petite suite Vol.1 by ALLERME LONDOS Sophie on www.henry-lemoine.com, as well as all our Piano catalog.

Henry Lemoine

 


   

私はこの導入法を最近ではヨーロッパのやり方、と言っています。

ロシアンメソッドとか、東ヨーロッパと言うと、経済的に途上国のイメージがあるのか、一般の人はロシアや東欧がピアノ王国だとは思っていないので、逆に遅れているように捉えられてしまうと感じます。

1本指で始める意図を正しく理解し伝える必要があります。
まずは1本の指に腕の重さを載せられなければ、それを他の指に移し替えながら弾くことなどできないのです。


東欧諸国のピアニストたちが、この導入法が間違いではないことを証明していると思います。


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弦が震える

2024年07月15日 | 重力奏法

ピアノは上手い人が弾くと弦が縦だけではなく横にも振幅すると聞いたことがあります。

横への振幅の具合により音色の豊かさや響きの良さが決まるのだろうと思います。


ヴァイオリンは弦の振動を目で確認できると。そのようなことを全く考えておりませんでしたが、そうだなと。目の前に弦が全て見えています。



ピアノは見えませんので耳で聴いて判断しなければなりません。

弦の振動について調べておりましたら、このようなものがありました。NHK 物理基礎 高校講座

9'22"過ぎから音叉とヴァイオリンの振動数の違いを紹介しています。
音叉が基本振動数しかないのに対し、ヴァイオリンはその2倍、3倍などの倍振動が同時に現れます。これが倍音というものです。

倍音成分は弦の振動の大小が混ざりあってできると考えられると言っています。
弦があるというのはこういうことです。

アコースティックピアノから良い音を引き出そうと格闘するのは、弦をどう震わせるかにチャレンジすることです。ヴァイオリンやギターと違うのは、それを自分の手で直に行えないということです。

だから難しい。

しかし、チャレンジせず放置すると箸にも棒にもかからない音になってしまいます。
そこを苦労せず人工的に良さげな音が聞こえるよう作られたのが、電子ピアノです。


CD が出来た頃は傷が付きにくく扱いやすいし、コンパクトで持ち運ぶのも楽だし音も綺麗だし良いものができたと思っていました。

ただ、それを何度も聴くことは実は私はなく、単にいつでも聞けるから後回しになっているだけだと思っていました。

しかし、最近そうではないなと思っています。
レコードにあった生音の感覚がCD は薄らいでいて奥行きが浅いというか··

考えたことがありませんでしたが、そうなのかなと思い始めています。


レコードがまた売れてきているように、アコースティックピアノにいつか回帰してくれる時代が訪れることを願います。

そのためにも、身近なところでちゃんとした演奏を聴かせられる人にならなければです。

弦楽器の音を調べる ~弦の振動~ | 物理基礎 | 高校講座

弦楽器の音を調べる ~弦の振動~ | 物理基礎 | 高校講座

ものり家の信長くんがギターを始めた。でもギターの音が出る仕組みがわからない。ギターの弦は固有振動という振動をしていて、進まない波の「定常波」ができている。6つの...

高校講座

 




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手首のエクササイズ

2024年07月14日 | 重力奏法

音を離す時は手首から持ち上げることを「蝶々」とレッスンでは言っています。

この手首、苦戦する生徒さんが割と多いです。

何の問題もなく上手くできる生徒さんもいますが、そうではない人が割とどころか圧倒的に多いです。

音を最後まで聴くことに気付くと変わってくると思っておりましたが、つい最近始めた手首のエクササイズをしてみて、そういうことではないなと気付きました。

腕を支えておく力が働いていないことが原因ではないかと。
このエクササイズをしてから鍵盤の上でしてもらうと、どの生徒さんも手首を使うことが出来ます。

手首が固いと思っていた大人の生徒さんも出来ます。

下の動画のように、反対の手で手首を動かす方の手の指を軽く握ります。
2回ほど手首を上に上げる動きをした後、3回目は上げた手首をそのままスッと抜いていきます。

「上まで上げる」ではなく「抜く」の表現の方が良いと思います。
鍵盤で弾いた時に、弾いた指には鍵盤と接触した感覚は残したまま手首を持ち上げると思いますので、その意味で「抜く」の方が感触が残る感覚があります。




鍵盤の上で行うと、指先に重心が載らないと手首を自由に動かせないと思います。しかし、反対の手で指を軽く握るこの方法ですと、その負担はありません。

ヴァイオリンのかたが弓を動かす時の手首のために使われている方法が、ピアノでも活用できると分かりました。


このエクササイズをすると、肘を張る生徒さんや肩まで上げる生徒さんがいます。

ピアノを弾く時の良くない癖をこのエクササイズで知ることもできます。


想像しているものと違う動きを人はするものだと気付かされます。


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周回遅れ

2024年07月11日 | 重力奏法

3カ月くらい前に偶然見かけた記事ですが、俳優の鈴木亮平さんが「日本は韓国に20年くらい差をあけられた」と話されたそうで。


そして、大沢たかおさんが日本は「なんで先をどんどん急ぐのだろう。クオリティーとかお客さんに喜びや感動を伝えることよりも、とりあえずドラマの完成品を作る方が優先されてる」とそこが合わなくなったので海外にシフトされたそう。


韓国の製作費はドラマで1億。2億を超えるものもあるとか。日本は3000万。監督は満足できる映像が撮れるまでこだわることが出来、細部にまでこだわり、高い完成度を誇ることが出来ると。

質の高い韓国のドラマ業界にNetflixは昨年3800億円の投資をし、更に高品質な作品が次々と生み出されているそうです。


大沢さんの「なんで先を急ぐのか」「とりあえず完成品を作る方を優先」
を読み、あ~、ピアノと同じだと思いました。

高品質を目指すには練習環境の問題が関わってくると思いますが、質の良い音で弾くことを目指すのは誰でもできます。


よく耳にする「基礎をしっかり」は音符やリズムが分かることではなく、それは当たり前で、楽器にはどうすれば良い音が出るかという出し方があります。

ピアノで鍵盤を押すは、管楽器は吹けばいいんでしょ、弦楽器は弓でこすればいいんでしょ、と言っているのと同じで、それでは綺麗な音にはなりません。


安っぽい音ではなく、質の良い音は習い始めから教えることも習得することもできます。
ただ、それは今日やって明日できるものではありません。時間がかかります。耳と脳と体を作るからです。それを作るためには美しいと感じるセンスとより良くなろうと思う向上心が必要です。


日本のピアノ教育はアジアでトップだと未だに勘違いされているかもしれませんが、少なくとも10年前には韓国、中国に追い越されています。ヨーロッパから見たら何周遅れかわからないくらいです。

とりあえず完成品を作れば良いと進めてきた日本のドラマが、学芸会レベルとか安っぽいと言われているのに対し、韓国は質にこだわった結果が現在の差を生んだことを考えると、日本のピアノ教育も気付かなければいけないのではないでしょうか?

生産性が低く成長できない日本の経済は、今後もっと縮小していく可能性が大きいです。過去にできていたことができなくなります。大したことをしなくとも恵まれていた恩恵がなくなります。

私なぞはその恩恵を受けて生きてきた世代です。
しかしもうその時代はおそらく終わります。既に終わったのかもしれませんが。

これからは本物を身に付け、それを磨いて行くことです。
100均やプレハブの間に合わせではなく、長く使えるものを渡すことが大人が子どもたちにすべきことではないでしょうか。

質にこだわることを恐れてはいけないし、怠ってもいけないと思います。

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