おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

フォルマシオン・ミュジカル L'ouverture à la musique vol.1 メロディー編

2015年03月16日 | フォルマシオン・ミュジカル
「L'ouverture à la musique vol.1」 のメロディーにどのような課題が載っているかを少しご紹介いたします。

初めは様々な楽器の音を聴きながら音の動きを当てるものが載っています。
第2章になると、2度、3度音程の上行下行を当てるものが出てきます。

いずれも矢印や階段状の絵が書いてあり、それを見て答えるので視覚も使って聴くことになります。

音は音叉を使って「ラ」の音から音程を覚えていきます。
「ラ、ソ、ファ」の3つの音をまとめて覚えます。

それが第3章ではト音記号、ヘ音記号へと結びついていきます。
この章では「ミ」まで覚えます。
ここで「ファ」と「ミ」が半音であること、「ラソファ」の間はすべて全音であることを聴いてわかるようにしていきます。

この章に面白いものが載っています。
「ラソファミ」の4つの音を曲に合わせて歌ったり、ピアノで弾いたり、またはじっと聴いたり・・
使い方は自由です。4つの音を耳で覚えていければ良いのです。

17世紀の古い歌と20世紀の「Hit The Road,Jack」という乗りの良い曲に合わせそれをします。
なかなか楽しい経験です。
しかもたくさんある音の中からその音を「聴き取る」のです。

初めから音楽本来の姿のまま聴音の力をつけていきます。
しかも音の読み方と同時に・・

常に曲を聴きながら新しい音を覚え、聴き取る力をつけ、セオリーも身に付けていきます。

第5章で「ラソファミレド」まで覚え、第6章で残りの「シ」を付け足してこれで完成です。

音楽には7つの音があり、曜日が新しい週になると繰り返されるように音もこの順番で繰り返され並んでいるのだということを理解してもらいます。

第6章では「ドレミ・・」の素となったグレゴリオ聖歌を聴くことができます。
そのようなものがあったのかと初めて知りました。
学生の頃習ったことがあるかもしれませんが、全く覚えておりませんでした・・

3フレーズ暗記しましょうとあります。
もしできるなら覚えられるところまで覚えて!とあります・・

覚えてみます・・

覚えるにあたり、順次進行している所、跳躍進行している所を探しましょうともあります。

このテキストは決して機械的にものを覚えることをしません。
考える力も付けていきます。

第7章からは実際に音程をとる練習が始まります。

音楽と共にリズムを覚え、音を覚え、音程が取れるようにし、聴音の力も付けていく。
これがフォルマシオン・ミュジカルです。

            

リズムカードだけ見せてリズム打ちを続けていても演奏に活かされない、聴き取ってほしいものだけ弾いて聴音をしていてもやはり演奏に十分に活かされない。

やはり音楽と連動していなければ音楽の力は身に付かないと思います。

このテキストを知っていただくことで、今まで当たり前のように行ってきたことを見直すきっかけにしていただけると幸いです。

子供たちや大人の生徒さんに、怖がらずに是非このテキストを使ってみて下さい。
音楽を楽しめる仲間が増えるはずです。

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フォルマシオン・ミュジカル 驚きのL'ouverture à la musique vol.1

2015年03月15日 | フォルマシオン・ミュジカル
フランスのフォルマシオンミュジカルのテキスト「L'ouverture à la musique vol.1」 を使い始めて1年が経ちました。

このテキストには本当に驚かされます。

私が言うのもおこがましいのですが、音楽の本当の基礎を身に付けていくことのできるテキストです。
2人の若い著者たち(Pierre Chepelov 作曲家 1979年生まれ / Benoit Menut 作曲家 1977年生まれ)の発想の豊かさ。
音楽本来の姿を習い始めから子供たちに伝えていく姿勢。
ベテランの大人の生徒さんにも十分に通用する内容で、子供向けのイラストや音楽がないことも気に入っています。

音程や音の長さを視覚的に捉えられる工夫も随所にされています。
全編フランス語で書かれていますが、言葉がわからなくとも使うことのできるものが多数あります。
(現段階では日本語に訳されたものは出ておりません。また、日本で販売もされておりません。)

私は子供たちや趣味でピアノを弾いている大人の方に長年ピアノのレッスンをしてきました。
しかし、楽器のレッスンを受けているうちに自然に身に付くもの、または身に付いてほしいと思ってやってきた音楽的基礎が、実はそうそう簡単に身に付くものではないことを実感してきました。

音楽的基礎というのは、アクセントの位置、拍子感、たくさんの音の中からある声部を聴くこと、色々な楽器の音を知ること、ピアノ曲以外の音楽にも興味を持ってもらうこと・・
ざっと思い浮かべるだけでもこれだけ思いつきます。
これらは訓練を積み重ねて苦労して身に付けるものとは違います。
その意識があれば出来ることです。
しかし、レッスンでそれを伝えきれずに来た悲しさ・・

このテキストはそのような悩みを想像以上に解決してくれます。
それと同時に、こんな小さな所から積み重ねていかなくてはいけなかったのだと自分自身の至らなさを痛感させられます。

テキストは13章からなり、それぞれ「リズム」「メロディー」の項目に分かれています。
以前「リズム」についてはほんの少しこのブログに書きましたので,今度は「メロディー」についてこれも少しだけご紹介します。
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