壁で仕切られた大平作業場
大平作業場には入り口は赤煉瓦だけが残っている
アーチ窓が印象的な煉瓦壁
ド・ロ壁で仕切られた作業場内
ド・ロ壁で積まれた橋口家
現存するド・ロ壁建物で最も大きい2階建て
ドロ壁仕様の床下にある鰯網の収納庫
今はド・ロ神父記念館となっている 「 鰯網工場 」
大平作業場
所在地 / 長崎県長崎市西出津町
竣 工 / 1901年 ( 明治34年 )
設計者 / マルコ・ド・ロ神父
ド・ロ神父は明治12年(1879)外海地方に赴任してくると同時に
地域住民の福祉と生活向上のため、様々な福祉活動・慈善事業に尽力した。
農業振興もそのひとつであり、明治17年(1884)から
出津変岳(へんだけ)の原野を開墾し農園を開いた。
この大平にある作業場跡も開拓に伴い設置されたもので、
建設年代は開墾事業が完成する明治34年(1901)頃と推定される。
作業場跡は、石造を主体とし、正面の一部が煉瓦造の堅牢な平屋建物で、
通称ド・ロ壁(かべ)の技術が用いられており、愛馬を繋いだといわれる留金具などが残る。
ド・ロ神父の多岐にわたる福祉活動の一端を示す遺構として価値が高い。
橋口家のド・ロ壁 ( 国登録有形文化財 ) は、
地元の自然石片岩を積み上げたド・ロ壁で造ったもので、現存する最も大きい2階建てである。
鰯網工場は、1885年(明治18年)に建設されたが、翌年には工事は廃止され、
保育施設として平成の初めまで利用されていたが、現在はドロ神父記念館となっている。
改修に際して床下から鰯網の収納庫が現れ、
改修を経ているが布基礎にド・ロ壁仕様を見ることが出来る。