
「 河童封じの地蔵尊 」 が祭られている堂


正面にある地蔵尊

地蔵尊の本体と壁の間に大釘が見える

背中に打ち込まれた大釘


「 河童封じの地蔵尊 」 がある北九州市若松区の高塔山公園
その独特な形をしたコンクリートの堂が目を惹く。
高塔山頂上にあるその中に背中に釘のささった虚空蔵菩薩がまつられている。
この河童封じ地蔵は、若松生まれの作家・火野葦平の小説
『 石と釘 』 により有名になったものである。
その作品によると・・・昔、島郷と修多羅のカッパ群が、
夜になると手に手に葦に葉っぱを太刀のようにひらめかし空中戦を行い、
朝になると、田や畑にカッパの死体が溶けて青緑の液となって溜まり、
鼻をさす悪臭を放ち、村人達を困らせていました。
この話を聞いた堂丸総学という山伏が、カッパ封じの祈祷を始めました。
日は昇り、日は沈み、また昇り、また沈み、山伏は食抜きで祈祷を続けました。
カッパの化身は美女になり、金銀をつみ、お化けとなり、
尿を垂れ流し、妨害しましたが、山伏の祈祷は続けられ、何千遍目かの日の沈む頃、
石地蔵の肌はモチのように柔らかになりました。
すかさず山伏は、地蔵の背中に1尺 ( 約30cm ) の大釘をハッシと打ちこみました。
その瞬間、カッパ群は木の葉のように舞い落ち、
永遠に地中に封じこめられたと伝えられている。
毎年7月下旬の夜、 「 河童まつり 」 「 火まつり 」 が行われ、
※一般には 「 かっぱ地蔵 」 といわれているが、正しい名称は 「 虚空蔵菩薩 」 である。