フラメンコ超緩色系

月刊パセオフラメンコの社長ブログ

しゃちょ日記バックナンバー2020年8月

2020年08月13日 | しゃちょ日記

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2020年8月31日(月)その4078★頃合い

大企業の利益留保や株価だけを増大させた経済政策、
奇妙だらけのコロナ対策。
これらを継承する目的の新内閣なら国民の答えはノーだ。
国家よりも富裕層を偏重する在り方が、
やがては全体の壊滅を招くことは歴史や海外ニュースの教える通り。
いい大人が稚拙な権謀術数ごっこばかりやってないで、
無能なら無能なりの誠意工夫を積み上げる内閣にしてほしい。

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2020年8月31日(月)その4077★休符の想い出

福山雅治さんの主演映画『マチネの終わりに』に、
天才ギタリスト役で出演されたというティボー・ガルシア(1994年~フランス)。
難曲アランフェスを楽々と弾く超絶技巧と、發音の余韻の美しさに朝からうっとり。
アランフェスと云えば、大学一年夏に食うや食わずで高価な楽譜を買って
特訓に明け暮れたものだが、満足に弾けたのは「休符」の部分だけだった。

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2020年8月31日(月)その4076★哀れ、少年

8月31日。
小・中学校時代のこの日にタイプスリップするなら、
ねじり鉢巻にウチワで膨大なる宿題に奮闘する私を発見できるだろう。
その半世紀後も同様な境遇であることを、まるで彼は知らない。

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2020年8月30日(日)その4075★温故知新

おそるべき精度のバッハのチェンバロ協奏曲
原曲はヴァイオリン協奏曲というのが定説だが、
どちらもオリジナルに聞こえるところがバッハらしい。
ジャン・ロンドー(1991年~パリ出身)と精鋭アンサンブルの演奏は、
解明されつつあるおよそ三百年前の演奏様式に拠っているが、
聞こえてくるのはノスタルジーではなく未来ファンタジー。
ここまで来たか温故知新!
なぜか藤井八段のセンスがダブる。

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2020年8月30日(日)その4074★目から涼んで

しばらく暑さは続きそうなので、
さしあたり目から涼んでおくか。

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サムトフト『パンプキンに続け』。

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2020年8月29日(土)その4073★どーあれ

まっすぐな道には迷う余地がないとゲーテは云った。
コロナ騒ぎはいろんなことを考えさせたが、
そして実際いろんなことがあったが、
どーあれ死ぬ前にやっておきたいことは何か?
それをはっきりさせたことは上等でござる。

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2020年8月28日(金)その4072★人生最良の歓び

日々のインチキ報道にアキれ果てれば、
永い歳月乗り越えた古典の英知に癒されたくなるのが人間のバランス。
時おりバルで会う八十近い温厚紳士に「人生最良の歓び」を問うと、
名人は淡々と応えた。
「会話だと、僕は思うよ」

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2020年8月28日(金)その4071★鉄ちゃん

「私にとって、父親のような存在だった。
 相談相手で、神のような人だった」
先輩画家ピサロについて、セザンヌはこう評す。
数少ないカミーユ・ピサロの鉄道画。
めちゃめちゃ鉄ちゃんだが、そこがいい。

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2020年8月27日(木)その4070★これなんかどーすか?

中野駅前の何やらやたら居心地のいいパセオ新編集室、
より佳き制作環境を求めドンピシャな絵画をバカ安価格で三点購入したが、
もう一か所くらい癒し絵を掛けたい感じかなと、
キッチン周りに色が素敵なこれなんかどーすか?と編集部井口が煽る。

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2020年8月27日(木)その4069★狂気の沙汰も金次第

テレビのニュース番組を見てから寝るのが近年の習慣だったが、
近ごろはコロナ煽りの視聴率稼ぎ手法があまりに稚拙で観るに堪えない。
出来の悪いドラマのほうがまだマシで、
こちらの方がむしろリアリティが高いという奇妙な現象が起きている。
報道は戦前・戦中のような洗脳は止めて、
「事実」と「意見」とをくっきり分けて分析する方がいい。
己の生活のために、敢えて世の中の不安を煽るやり口はどうにもやるせないし、
ここまで市民の怒りを買うとあとのツケが怖いぞ。
狂気の沙汰も金次第。
ま、いろいろ有るだろが、長い目で見て、持ち場持ち場でもっとちゃんとやろーや。

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2020年8月26日(水)その4068★即興で踊る!

「私はエンサージョして、作って踊るタイプの踊り手になるから大丈夫!ありがとう!」
若い時から親しくしてもらっていたスペイン人のギタリストからのアドバイスにそんな呑気な返事をしていた事を、つい先日のタブラオライブ後に2人で笑い話にしていました。
アドバイスの内容とは、
「彩沙、君は踊りは上手だよ。でもフラメンコで会話をするという事を全く理解していない。もっと自然な流れを知る為にエンサージョしないで踊ってみたらどうか?」
かつてはそんな呑気な返答をしていたものの、サラ・アンダルーサ等で招聘されたスペイン人アーティストと先輩の踊り手さん達と共演させて頂く中で明らかにスペイン人アーティストが楽しそうにする踊り手さんが居たり、「あ、私はエンサージョいらないです」という踊り手さんがいたり、あれ、これは私が何か全く分かってない何かがあるぞ・・・と漠然と自分の無知に気づき始めた時から、次々に疑問が浮かび上がって来ました。
と同時に、知りたい! やってみたい! 楽しそう! 何かいい! これらが私のタブラオフラメンコに対する愛のスタートだったんだと思います。
その後、ありがたい事にいい事も悪い事も沢山の経験に恵まれ、スペインでのタブラオコンクールやタブラオ出演で得た衝撃にも学び、今やっとあの時のギタリストさんの意図する事が理解出来て、あーこんな楽しい事を教えてくれようとしていたんだなと感じる事が出来て、今度は自分があの時のギタリストさんになって、同じような気持ちの踊り手さんや練習生の皆さんの想いをくすぐる事が出来たらいいなと思い、この連載のお話をお受けした次第であります。

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今日の夕方、パセオフラメンコ12月号から
新連載『即興で踊る!』をスタートする、
注目のバイラオーラ梶山彩沙から連載の初稿が入った。
内容もガチンコ高品質で、うれしくてなんだか興奮してきた。
明日朝イチでカラー見開きのラフを編んでデザイナーに送る。
(写真はご存じ大森有起撮影)

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2020年8月26日(水)その4067★時の伝説

先日の藤井新王位の封じ手(△8七飛車成)は、
四百年以上の経験値に支えられる将棋定跡に新たな地平を切り拓く、
フラメンコで云うならカマロン『時の伝説』のような名手だった。

すでに人間を凌駕したはずの将棋AIも、当初はその斬新手に気づかず、
トータル600,000,000手ほど読んだ末に、それが最善手であると判断したと云う。
AIには肉体も喜怒哀楽もないから、淡々と正確に計算を進めてゆく。
人は迷いながら恐れながらも、試行錯誤を繰り返し、前に前に進もうとする。
将棋AIの発展はすなわち将棋界の衰退と予測されていたが、
現段階において将棋界はかつてない隆盛期を迎えている。

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2020年8月25日(火)その4066★ご褒美

根性ドラマのテーマ曲。
ではないのだが、急な坂を登るとき、決まって脳裏に響き出す。
美しすぎる中間部の眺望は、苦難に対するご褒美のようだ。
シーシュポスの神話のような循環性が悲劇にならないところに、
この曲の人気の秘密がありそうだ。

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2020年8月24日(月)その4065★アルフォンシーナと海

歌神メルセデス・ソーサによる
アルフォンシーナと海』。
若い時分にこういう歌唱に出喰わすと、
いわゆる一般道から外れる可能性が高まる。
(危険度★★★★★)
※危険度は最大★三つで表示します

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2020年8月24日(木)その4064★歯止め

「おまえが宗教勧誘やっつける時の顔って、
 あのバカどもが他の宗教やっつける時の顔ソックリだぜ」
70年代半ば、福澤の毒舌にすっかり毒気を抜かれた神田か有楽町のガード下。
私より一枚も二枚も上手だった福澤はすでに死んだが、
奴の暴言の数々が今でも、激怒寸前の私に歯止めをかける。
事実上の賭博師だったが、何故か福澤は平和を好んだ。

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2020年8月23日(金)その4063★狭窄

「本人が嫌がるのを無理矢理」なら「洗脳」、
「本人も気付かぬままいつの間にか」なら「マインドコントロール」。
今回はまあ両面攻撃だったし、そこに同調する自粛警察もずいぶん張り切った。
局面を冷静に眺めれば、どれも
「相手の視野を狭める」点で共通していることに気づく。
そーゆーのが苦手のひねくれ者(おれだよオレ)は
「視野を広げる」一手だと、原点を確認する。
つい先日の藤井聡太さんの王位戦封じ手「8七同飛車成」は、
洗脳の弊害を看破するアートの一閃だった。

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2020年8月22日(土)その4062★コクリコ坂

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きのうは満を持して『コクリコ坂から』。
青春という郷愁はどうやら不滅っぽい。
DVDではなくテレビ放映で観る。
あいつも、あいつも、あいつも、
ひょっとしたらあいつやあいつも、
いまごろ同じ想いに耽ってるのかもしれんなあ・・・
そういうフワッとする連帯感。

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2020年8月22日(土)その4061★ドンピシャ感

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早いもんで引っ越しから二ヶ月。
シンプル&フラットがモットーのパセオ編集室だが、
ワンコインの鉢植え(レモンや珈琲)やら10コインの絵画やらで、
より居心地のよい空間を構築中。
そしてまさかの衝動買い第二弾、
昨日に続きサムトフトの『バスタブいっぱいの元気』をゲット。
まあ、来る日も来る日もこんな気分でパセオを創ってるもんだから
妙なドンピシャ感がある。

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2020年8月21日(金)その4060★さくさく堂のフラメンコ絵日記

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なんと云うか、しれっとした中にユーモアや慧眼が遊んでいる。
この味わいは貴重である。
きのうFBにアップされた若林さくさく堂の蔵出しイラストで、文章も楽しい。
すぐにメールで連載を依頼し快諾を得た。
ハードな上達連載が目白押しなので、バランス上、
味の佳い和みの小品が欲しかった。
すでに準備済みの私の原稿は、この瞬間ボツった(TT)。
早ければ年内スタートで、原稿到着がチョー待ち遠しい。

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2020年8月21日(金)その4059★衝動

何かご褒美でもくれてやろうかと、
二十数年ぶりの衝動買い

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2020年8月20日(木)その4058★酔いどれフランソワ

ラヴェルの『亡き王女のためのパヴァーヌ』。
例によってぶっきら棒な酔いどれフランソワだが、
綺麗ごとではない本音の粋が美しい。
意表を突くゾクリと来るようなインスピレーションに、
思わず息を止め聴き入ってしまう。

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2020年8月19日(水)その4057★ガブり寄り

なぜか四十七年ぶりのフォーレ(マイ)ブーム。
その理由は不明だが、寝る前の半時間ばかり、素直にその欲求に添うている。
あまりにも醜悪で狂気じみた世の人災に対し、
ブレない感性をバランスしようとする
ささやかな心のレジスタンスなのかもしれない。
学生時代、フルートを吹く相方にギター伴奏をつけ、
好んで弾いたのがこの『シチリアーナ』。
作曲者のガブリエル・フォーレ(1845~1924年)は、
優雅なメロディラインが底なしに美しいフランス近代の作曲家。
『ボレロ』で有名なモーリス・ラヴェル(1875~1937年)の師匠にあたる。
あの頃の私のギター伴奏はやたら勢いがあったので、
「それではガブり寄り・フォーレではないか?」と酷評された。

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2020年8月18日(火)その4056★もりもり上達

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この秋9月号から来春にかけて、パセオフラメンコの
静かにしてダイナミックな誌面改編を推進します。
『フラメンコな心と技』をテーマに、即効性・合理性の高い上達講座から、
十年二十年かけて磨き鍛える心身の極意まで、
およそ15本ほどの連載を新たにラインナップします。
主な新連載陣は、萩原淳子、石川慶子、梶山彩沙、大沼由紀、石井智子、
平富恵、エンリケ坂井、志風恭子、東敬子、中谷伸一、後藤晃・・
また『発表会大作戦』『タブラオ必勝法』『スペイン留学ガイド』
『ミュージシャンと付き合う方法』『スペイン最新モード』など
実用連載も続々とスタートします。
ご自宅や通勤電車で一人静かにもりもり上達する
定期購読(1年で9,480円送料・税込)を!

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2020年8月17日(月)その4055★暮らし甲斐

古き佳きフランス、フォーレ(ファンタシー)で辿る虹色のパレット。
今週末には怒涛のハードワークも一段落するので、その前祝いにささやかな贅沢。
すでに猛暑の夏だというのに、何故か体内時計はこの四月のままの状態。
仕事してるか寝てるかみたいな毎日だが、
それはそれで暮らし甲斐のある日々だったという印象。

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2020年8月16日(日)その4054★悪い奴ほど

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バッハと将棋と落語、それとフラメンコと犬が趣味だが、
最近はお犬さま騒動が突出している。        
「悪い奴ほどよく眠る」       
しょっちゅう寝不足に翻弄される私は、
かつて映画にもなったこの定説と、
それを裏付けるロンの生態に深く頷く。

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2020年8月15日(土)その4053★古典ばかりじゃ

無伴奏チェロと云えばバッハ一辺倒だったから、
学校帰りの図書館で借りたコダーイには耳からウロコだった。
華麗にして斬新なるインスピレーション、
なるほどいつも古典ばかりじゃバランス悪いか、
と気づかせてくれた恩恵ある一曲。
特殊調弦でロ短調主調の伝統的ソナタ形式。
その後何度かライヴで聴いた。
あれから50年、当時のコンテンポラリーも今では古典名曲だ。

コダーイ・ゾルターン(1882~1967)は、
民俗音楽学者、教育家、言語学者、哲学者としても活躍した、
ハンガリー生まれの異色の作曲家。
1956年のハンガリー動乱(ソ連の乱暴支配に対する革命)の折には、
大統領候補に推されたこともあったという。

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2020年8月15日(土)その4052★パンとサーカス

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島田雅彦『パンとサーカス』。
この夏スタートした東京新聞朝刊の連載小説が面白くて、
目覚ましの珈琲とともに真っ先に読む。
「格差社会を打倒する市民革命」という前宣伝にワクワクしていたが、
今はおそらくはその中心人物となるであろう少年の
青春(ヤクザの組長の息子)を描いている。
ここ数年は朝からちょっと気の滅入るような内省的小説が続いたが、
やはり朝刊にはポジティブなエネルギーを感じたい。
主人公たちは既得権社会にどう斬り込んでゆくのか?
読んでる小説の影響をモロに受けるタイプなので、
そこはちょっと気にかかるが、
いつでも脱皮できる準備もまた必要不可欠のように想える。

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2020年8月14日(金)その4051★静かに本領

物云えばくちびる寒し。
なので朝からヴォカリーズ
(歌詞なしの母音のみ唱法)
ラフマニノフのわたし的最高傑作。
        
いつも陽気で闊達なハウザーだが、
むしろ音量を落としたとき、
彼の音楽的本領は発揮される。

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2020年8月13日(木)その4050★ワンセット

ヨーロッパの王室や教会のあまりにも血生臭い歴史。
そこから蒸留され、いまも愛され続けるアート
それらがワンセットであることに今さら気づけたことは収穫。

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2020年8月13日(木)その4049★藪の中

かつて英雄だったフアン・カルロス1世。
このスペイン前国王の亡命を昨日の朝刊で知った。
最近はテレビニュースを見ないので
比較的まともな新聞と良心的ネットが主な情報源。
フアン・カルロス前国王はかのフランコ大総統ご指名の後継者だが、
意外にも独裁路線を継承せず民主化を擁護し、
軍のクーデターも体を張って阻止した文字通り国民的英雄だった。
「自分の給料分の仕事をしただけ」という
その折のコメントはなかなかイカしてる。
だがスペインの不況が深刻化した頃から、様々に派手なスキャンダルが発覚する。
一時78%だった支持率は42%まで急落し、
2014年には国王の座を子息(フェリペ6世)に譲り、
こたびは司法の追求から逃れるための亡命だったという。
「あのクーデターは国内を政治的に安定させ、
 国王の人気を高めるために仕組まれたものであった可能性もある」
そういう分析があることも今回初めて知ったが事実は藪の中。
前国王の亡命先は不明らしい。

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2020年8月12日(水)その4048★AI的には?

首謀者は正体不明のXである。
それが自然なのか、あるいは自然と人の共同作業なのか、いまだ謎である。
ナゾが謎を呼び、人間社会は混乱を来たしている。
猛毒説、ただの風邪説、各種陰謀説。
どの説にもそれなりの説得力があるから、社会としても決め打ちが出来ない。
誰もXを断定することは出来ないから「群盲象を評す」という状況が活性化する。
人間同士の諍いも活性化する。
事実は小説より奇なり、トッピな意見が正解だったりする可能性もある。
ところでAIはこの問題をどう捉えているのだろうか?
本格的AI社会を実現させるには絶好のチャンスなのである・・・
てな小説ネタを考えていたら寝坊して大変なことになってる。
下手な考え休むに似たり、とりあえずシャワーを浴び、諍いは極力避け、
ご機嫌よろしゅう、編集室にこもって人生と経済をまわす。

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2020年8月12日(水)その4047★嵐の前

嵐の前の静けさ
犯罪プラン熟考中

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2020年8月11日(火)その4046★悪党の思想

何かからの巨大な圧力を極端に感じさせる最近のマスコミ報道。
ワンパターンで強引すぎるアンフェア感に尋常ではない違和感を覚える。
きのう深夜のチャット勉強会で知ったある仮説にちょっと踏み込んでみたくなった。
キーワードは幾つかあるが、さしあたり私の直観は「選民思想」を選んだ。
ヘボな踏み込みが無駄に終わっても、多少なりとも仕事改善の糧になると思っている。

『ブリタニカ国際大百科事典』より
 神から選ばれた民族で,他民族を導く使命をもつという思想。
神との契約という民族的なエリート意識と世界史に対する導きの使命感を基礎としている。
特にユダヤ教では重要な意義をもち,ユダヤ民族が祖国を失って四散しつつも現在まで
民族的結合を保ちえているのは,この思想が背景となっているとまでいわれている。
国により時代によりさまざまの形式,内容をもって現れる。
イギリス人が唱えた白人の責務 the white man's burden,中国における中華思想,
ナチスの主張したゲルマン民族の優越,さらに日本の神国思想などはいずれも選民思想である。

『ピクシブ百科事典』より
 自らを神々から選ばれた特別な人々であると考える考え方。
狭義ではユダヤ人の思想のことを指すが、似たような発想は多くの宗教や民族で見受けられる。
一方で「神に選ばれた民」というのはただ他者に対する優越的価値観の根拠とするのではなく、
同時に「その選ばれし者としての責任を負わねばならない」という考え方も含まれているとされる。
ただし、この選民思想は「それに該当しない選ばれざるとされた人間」の存在価値の
否定に繋がりかねないと解釈されることも多く、事実、かつてナチスドイツが
似たような思想を極端な形で推し進めた結果多くの人命が奪われた経緯もあり、
そのため現在での創作物ではたいてい「否定されるべき悪党の思想」として扱われたりする。

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2020年8月10日(月)その4045★デマと密告の自壊症

ナチスの秘密警察(ゲシュタポ)的活動を支えたものは普通の市民による密告だった。
ファシズムの靴音を響かせる、いま流行の自粛警察はほとんどこれに近い。
また、それは儒教島国たる日本の伝統でもあった。
つまり、権力側の方針に積極的に従うことで自らも小権力を行使しようとするスタイル。
自分の中にもそういう下劣な要素(狂った正義感)、
例えば凶悪な犯罪者を半殺しにしたろうかという欲求はあるが、
たまたま運悪く感染された方と凶悪な犯罪者を判別するだけの理性はある。
そうした理性さえ破壊しようと執拗に煽るマスコミ報道は、
明らかに戦前戦中のスタンスに逆戻りしつつある。
当時は新聞だが、いまはテレビがひどい。自粛警察にやられるかもしれないが、
個人で出来ることはやっとかないと。
報道担当役員や報道ディレクターの方々、
現在のスタンスを本当によいことだと考えていますか?

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2020年8月10日(月)その4044★女王の道

天衣無縫な美空ひばりの、凛々たる貫禄と超絶技巧を想い出す。
天才少女ムターはいつの頃からかヴァイオリン女王になった。
現代の映像技術と現代のバロック演奏がジャストミートした21世紀ヴィヴァルディ
「曲そのものに語らせる」アプローチが現代クラシック演奏の主流だが、
我が道を貫くムターは20世紀のヴィルトーゾスタイルをどこまでも進化させる。
どちらも素晴らしいという幸福な結論。

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2020年8月9日(日)その4043★看板に誤りあり

考えるまでもなく、地球は人類だけのものではないからウイルスに罪はない。
逆にウイルス敵視や狂った同調圧力に、人類の底なしの恐ろしさを感じる。
思い上がりもええ加減にせーやと、まずは自分に云って聞かせる。
それにしても専門家ってのは、
これほどまでに〝全体バランス〟を考えることをセンモンカ?
〝専門〟という言葉に、ずっとささやかな誇りを感じてきた人だから、
ここは思いきり哀しい。
〝地球唯一の月刊フラメンコ専門誌〟というパセオの看板文句も、
もうやめにすっかと今思った。

 

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2020年8月9日(日)その4042★信憑性

人は100%の安全が好きだ。
だから99%ほどの信憑性しか感じさせないこの記事を、
100%信じる必要はない。
それに政府やマスコミやセンモンカの絶叫には約1%の信憑性がある。

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2020年8月8日(土)その4041★トルコ行進曲

こんなキワモノにハマってたまるかと、
純粋正統モーツァルトファンは息巻いた。
その欠陥を暴くためにリピートするうちに、
すっぽりハマった高校三年生(汗)
世界一遅いトルコ行進曲
美しい遠近法で描く行進シーンの、
時を慈しむ詩情。

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2020年8月8日(土)その4040★スタートダッシュ

今月20日発売パセオフラメンコ9月号。
本号からもりもりとフラメンコ上達連載が始まるが、
まずはこの二本がスタートダッシュをかける。
★萩原淳子『キメを極める』
★石川慶子『フラメンコネーション』
   
そしてマラソン対談の前編。
★『Flamenco2030の未来戦略
西田昌市(Flamenco2030管理人)
小山雄二(Flamenco2030相談役)

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2020年8月7日(金)その4039★ゴトーを待ちながら

昨晩は大沼由紀さんと新年号スタートの連載の大詰め。
もちろん内容は硬派で、フラメンコ史に残る上達連載になると私は想う。
残す課題は連載のタイトルである。
現在連載中の佐藤浩希さんとの巻頭大物リレーエッセイの
タイトルは『ゆき(由紀)は降る』。
で、ブレスト中に突如吹き出した有力タイトルは・・・
『もっと、ゆきは降る』・・・である(汗)

そして今宵はギターの後藤晃さんと来春の連載講座の大詰めだ。
後藤さんは第一回フラメンコWEBフェスでエスアイイー賞を獲得した注目の精鋭だが、
フェスの参加映像を観て即アプローチして今宵が初会見。
盛り上がりっぱなしの企画会議、来春4月号の連載スタートなのだが、
今年11月号にプレ連載をかますことも決まった。
テーマは踊り手にも歌い手にも待望される『コンパス・サイクル理論』である。
尚、私の提唱した連載タイトル『ゴトーを待ちながら』は編集部井口に即座に却下された。

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2020年8月7日(金)その4038★激闘の余韻

戦型的(土居矢倉)には藤井棋聖を応援し、
心情的には木村王位を応援していたので、
双方の一手一手に複雑に矛盾する想いを抱えながら深夜棋譜を調べた。
作戦が功を奏し、中盤までは全駒が生き活きしてる分だけ藤井棋聖やや優勢。
だが木村王位の防御技術には時にAIを超える忍耐力・反発力があるので、
それが今回藤井棋聖のミスを誘い、終盤のほんの一瞬、木村有望な局面もあった。
だが木村王位、そこで最善手を発見できず、
軌道修正に成功した藤井棋聖がそのまま体を預けて押し切った。
嬉しくて哀しい、哀しくて嬉しい。そういう結果。
今局で藤井棋聖の採用した懐かしの〝土居矢倉〟戦法(大正時代のレトロ)は、
今後プロ・アマ間で流行するかもしれない。
囲いは弱いが攻守のバランスに優れているので、15歳のころ私も愛用していた。
ほんの0.1ミリ間違えば敗北する、妥協も忖度もない勝負の世界は本当に厳しい。
そして厳しい分だけ美しい。
一所懸命やりさえすれば何とかなる社会生活に感謝したくなるのは、
こうした激闘の名局鑑賞のあとに必ず生じる安堵の感慨である。

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2020年8月6日(木)その4037★稽古不足

「哲学とは死の稽古である」
    
紀元前470年に生まれたソクラテスは、
このように2500年先の全世界パニックまでカバーする英知を発見していた。
何かと厄介な頑固爺さんだが、すでに半年つづく底浅な集団ヒステリーのおかげで、
ここ50年ばかり付かず離れずにいた理由が知れた。

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2020年8月6日(木)その4036★潔いあきらめ

四十代までは説得魔として、
周囲の皆さまに散々ご迷惑をおかけしたように想うし、私も疲れた。
そして歳月が人を変える。
ここ十年はあのテレビCM的潔いあきらめ感が習性となりつつある。
「じゃっいいですぅ~」

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2020年8月6日(木)その4035★独創的予想

藤井聡太棋聖が木村一基王位に挑む王位戦第三局。
藤井棋聖の作戦は古き佳き時代のノスタルジー薫る〝土居矢倉〟。
一時期もろにハマった懐メロ戦法なのでおっちゃんはうれしい。
決着のつく二日目の対局は午前九時から始まる。
木村王位の封じ手はいかに? ひと目△2三銀だが、
絶対当たらないことでも定評のある私の独創的予想は「△4五歩」。

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2020年8月5日(水)その4034★無罪の極意

人も犬も寝てるときだけ罪を犯さない。

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2020年8月5日(水)その4033★必需品

「もしアーティストが役に立たないと考えるなら隔離期間を、
 音楽、本、詩、映画や絵画なしで過ごしてみたらどうか」
スティーブン・キングがツイッターにこう投稿した。
ダンスと落語が入るともっとよかった。

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2020年8月4日(火)その4032★合理の賢人

「堪忍袋の緒が切れる」
「ならぬ堪忍、するが堪忍」
またしても二択問題。
売られた喧嘩を買うべきか、買わざるべきか。
 
キリスト教はこんなスタンスを取る。
「悪人には手向かってはならない。だれかがあなたの右の頬を打つなら、
 左の頬をも向けなさい」(マタイ福音書)
なるほど、こりゃ確かに愛の宗教だが、ストレスは溜まり放題であるし、
下手すりゃ殺される。

一方、ハンムラビ法典によれば「他人の歯を折った者には歯を折る罰のみ」が原則で
、これによって過剰な復讐合戦を禁じる狙いがあった。
日本では「やられたら倍返しだ」が流行りだが、
ハンムラビ法典では「やられた以上のことはやり返してはいけない」と、
復讐の連鎖の悲劇を抑制する。

いずれを採るかは気質や思想に拠るのだろうが、
何にせよ最低でも三手先を読む冷静な対応が必要だと想う。
戦争中に戦争反対を唱えた合理の賢人、
石橋湛山(明治17年~昭和48年/陸軍少尉・ジャーナリスト・立正大学学長、
第55代内閣総理大臣)の慧眼と言動に今さら驚く。

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2020年8月3日(月)その4031★二択はつらいよ

「君子危うきに近寄らず」
「虎穴に入らずんば虎児を得ず」
人間の自由の原点たる二択問題。
うーむ、確率論からすると半分位は当たりそうなもんだが、
面白いようにハズしまくる自分の才能が怖い・・・ぢっと手を見る。

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2020年8月3日(月)その4030★響き重視

大ヒットしたのは1969年、私は中学二年生。
まあ、思春期の深すぎる思い入れに過ぎないことはわかっちゃいるんだが、
こんなにもシンプルで美しいハーモニーは後にも先にも聞いたことがない。
そしてもうひとつは、彼女たちの日本語の発声の美しさだ。
発音はともかくも、響きの美しさという点では本場日本人を遥か超えている。

「発音」を言葉の正確な識別、「発声」を声の響かせ方とするなら、
発音よりも発声、それが音楽における私の優先順位。 
「発音が悪いからダメ」。魅力あふれる発声でカンテを歌う若者が、
ベテランさんにこう腐されることがある。
それはごもっともなのかもしれないが、
ちょっと私は横を向いてぷっと吹き出す。

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2020年8月3日(月)その4029★初モノ

Once upon a time in TOKIO

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1904年(明治37年)に開通した甲武鉄道(現在のJR中央線)は
飯田町(飯田橋)⇔中野を走った。
あのころは蒸気機関車が主力であり、
日本の鉄道初となる〝電車〟を使った営業運転だったそうだ。
写真は現在の中野~東中野間で、新宿に向かっている。
進行方向左手は、おそらく例の桜並木の土手あたりだろう。
一日4往復で、平均利用者数は一日638人だったという。
土手の斜面でのんびり電車を眺める学生さんたちが羨ましい。
乗客と運転手さんがもっと羨ましい。
今は昔、わんすあぽんなたいむでござる。

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2020年8月2日(日)その4028★母の想いは

父との結婚直前まで、銀座の三越に勤務していた母。
そのことは彼女のささやかな誇りであったらしい。
昭和三十年代の半ば、貧乏下町にある我が家から銀座までは
都電25番線一本で行けた。
貧しいくせして何かと云えば買い物は銀座・三越だった。
私の三輪車もここで購入してもらったことを覚えている。
いま想えば母は、銀座まで都電ひと乗りで行ける住まいの立地を
父に要望したのかもしれない。
エリック・サティをBGMに観る古き佳きパリの情景に、
母の手に曳かれ銀座・日本橋界隈をそぞろ歩いたあの頃の記憶が重なる。
今日でまた仕事が一段落するので、ご褒美のバランスを取るべく
各種ノスタルジーが、気前よく癒しをもたらす気配。

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2020年8月1日(土)その4027★則天去私

舞台は核戦争後の未来か。
遠く聞こえるバッハ
忘れていた懐かしい透明感。
則天去私。
ピアニストはパセオと同じ歳なんだな。


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