フラメンコ超緩色系

月刊パセオフラメンコの社長ブログ

しゃちょ日記バックナンバー/2013年6月②

2013年06月01日 | しゃちょ日記

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2013年6月12日(水)/その1341◇小島章司&今井翼、スペイン王立劇場速報!

 スペイン在住の人気ライター東敬子より、
 スペイン王立劇場のツイッター速報!


 https://twitter.com/keikohigashi
 ただいま王立劇場のガラ終了!コジマ・ショウジに大感動。
 ミゲル・ポベダもよかった。
 そして今井翼、凄かったよ!
(^O^)/

 あの東敬子がそう云うんだから、まず間違いはねえだろ!


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2013年6月13日(木)/その1343◇今井翼と小島章司とミゲル・ポベーダのファンの方は

 今井翼と小島章司とミゲル・ポベーダのファンの方は、
 これ(↓)を読んで、
 飛び上がって喜んじゃってみてくだせえ。

 http://www.paseo-flamenco.com/daily/2013/06/post_7.php#004241

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2013年6月13日(木)/その1342◇生きることは生きること

 「踊ることは生きること」

 数年前にフラメンコ舞踊手である連れ合いをインタビューした折、
 こんな言葉がポンと飛び出した。
 ああ、なるほどそーゆーワケかと、
 それまで不可思議にも思えた彼女の言動がすべてひとつにつながった。
 さらにそのフレーズには続きがあった。

 「生きることは踊ること」

 私には彼女における「踊り」に相当する部分が無いことに、
 そのときはっきり気づいた。
 社長業も営業もプロデュースも編集も執筆も、
 その境地には至ってないことに愕然とした。
 どこかで「仕事ですから」みたいな、腐ったおざなり感があったことに気づいた。

 変化の突破口は、意外にも〝執筆〟だった。
 冒頭の出来事からしばらくすると、
 「書くことは生きること、生きることは書くこと」
 みたいな感覚が当たり前に浸透している自分が居た。
 書く行為自体、楽しくて苦しくて嬉しくて仕方なかった。
 つい三年前のことである。

 その頃から〝執筆〟は私にとって特別なものとなったが、
 一方で何か大切な忘れ物をしてきたような気持ちの悪い違和感があった。
 じゃあ、置き去りにされた社長業や営業やプロデュースや編集はどうなるの?
 日々の暮らしや、人付き合い・犬付き合いなんかはどうなるの?
 それって書きたいこと、発見したいことの大元になってくれるもんじゃねーの?
 おれの場合、それが楽しいから生きてるんじゃねーの?
 それらを疎かにしてまで書かなくちゃならねえものって一体何なんだ?

 そこでハタと気づく。
 私という人間の場合、書くことが唯一最大となれば、他の部分は壊死する。
 書くことはつまり、今日を精一杯生きることの小さな句読点に過ぎない。

 さあ、そこから先は芋蔓(いもづる)式に自分なりの正解が視え始めた。
 あらゆる仕事も生活も大ザッパにひとつであることが私には好ましい。
 書くことは特別なことではなく、普通に生活の一部だった。
 そこに気づいた瞬間、無駄な行為、無駄な時間というものが私の中から消え去った。
 ただしこれも、次の変化に向かう循環の1プロセスに過ぎないことには薄々気づいている。

                
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2013年6月14日(金)/その1344◇スリル満点

 「眼は心が理解する用意があるものだけを見る」

 élan vital(生命の躍動)で名高いベルクソンはこう云った。
 哲学科生時代は常にベルクソンを持ち歩き、実はチンプンカンプンなのに
 わかったフリをするのにえらく疲れたことを思い出す。

 本誌にフラメンコ公演忘備録を独り書き始めたころ、
 不意にベルクソンのこの名言を思い出した。
 人は自分にとって都合のいい面しか見ない。
 特にオレの場合、こりゃちょっと危ねえと思った。
 もちろん信念という思い込みが無ければブレブレになるから、
 そりゃそれで最悪だが、誌面が単一方向に流れる危険は避けようと思った。

 さまざまな感性からのフラメンコな発見を立体的に誌面化する。
 それがフラメンコの普及発展には必須の道筋であり、
 ともに忘備録を書くお仲間たちを積極的に募った理由はそこにある。

 そして現在のお仲間は休眠二人を含む総勢十人。
 誌面に余裕があればもっともっと増やしたい一方で、
 主に品性などの問題から、まず最初に淘汰される書き手が、
 おそらくはこの私であろうことに我ながらドキドキしている。


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2013年6月15日(土)/その1345◇云い辛いこと

 283人。(=ツバサ)
 mixiコミュ『今井翼/翔ぶために生まれた』の
 本日早朝における参加同志の人数である。
 (ちなみに今現在は287人)

 893人。
 mixiコミュ『パセオフラメンコ社長室』の
 今現在における参加同志の人数である。
 893=ヤクザ。
 ほとんどがマイミクさんなので、大声では云い辛い。


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2013年6月16日(日)/その1346◇それぞれの常識

 「何でフラメンコの専門誌なんか出してるんですか?」

 かれこれ三十年、
 スペイン人や日本人やジョーシキ人の方々に
 何百回となくそう訊かれショージキ困ったよ。
 
 こっち的には至ってフツーだと思ってるわけで。


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2013年6月17日(月)/その1348◇次行こう!

 今井翼さん表紙&連載開始のパセオフラメンコ7月号。

 定期購読者の驚異的底上げと、全国書店からの爆発的注文で、
 通常より数千部多く広い世間に浸透する見込み。
 それがプラス三千部なのか、その数倍なのかは今後の成り行き次第だが、
 1990年代の女優山口智子さんシンドローム以来の
 〝フラメンコの春〟の気配を感じている。

 昨日あたりから、その最新号を入手された新たな購読者の
 第一声がそろそろツイッターに載り始めている。
 そのほんの一部だが20ほどの声をリツイートして拾ってみた。
 https://twitter.com/paseoflamenco

 どんな業界も知らず知らずのうちに自家中毒に陥りやすいものだ。
 最新号をめくりながら、あれやこれやと改善の余地を発見する。
 春のそよ風がもたらすこの爽やかな開放感を、
 より深く豊かでかつ開かれた内容につなげてゆこうと想った。


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 ※【今日のミクシィ日記より転載】

★由美★2013年06月17日 07:11
おはようございます!夕方にPaseoが手元に届いてから一気に読み、あと僅か読んでないページがあり、今日残りを読むのを楽しみにしてますぅ。表紙の次のページは、数えきれないくらい見てますぅ。文章も何回も読んでます。どんだけぇ~ですね~。表情と文章に何か私の心に響くものありました。朝から長々とすみません!

しゃちょ2013年06月17日 07:14
ありがとう由美!
御礼に、その美しい余韻をいつまでも維持するための愛あるアドバイス。
まつがってもわたすの書いた記事だけは読まないこと!

しゃちょ2013年06月17日 07:15
最近注目してる男性フォロワーのツイート(↓)。
「パセオフラメンコ7月号を読んでいる。これほんとすごい雑誌だなと。舞踊のことは全くわからないのだが、一枚一枚の素晴らしい写真からは映像が目に浮かぶようだ。今井翼さんの新連載は驚くほどストレートに情熱的でめっちゃ好感度上がるし、体つきや表情や姿勢はさすがのもので、羨みの溜息も出ない笑」

しゃちょ2013年06月17日 07:22
これ(↓)もうれしい!
「パセオフラメンコ届いた翼が関わらなければ未知の領域だったけど面白いな。全然違うんだけど90年代の別冊宝島思い出した。良い意味でコアだからだろうか。本筋とは関係ないところでは良い紙を使っていて、紙の良い匂いがする。本屋より図書館の匂いの方が好きなんだけど、そっちの匂いに似てる」
               
しゃちょ2013年06月17日 07:37
いまさっきのツイート(↓)
「パセオフラメンコを読みながら通勤です。φ(..)エストレージャ・モレンテさんの言葉は私の中に古いものが溜まって執着になってると気付かせてくれました。もっと知りたいです。宝物です。本当に素敵な一冊です。ありがとう」

[ゆう2013年06月17日 07:41
「私の元にも到着しました。 とにかく感激の一言で、また一歩着実に歩み始めた翼君の事を想い、涙が溢れました。 ファンなら誰もが知っている、真っ直ぐで、頑固で、不器用で、そして人一倍努力家な翼君の魅力が、幅広い方々に届く事を信じています。 しゃちょ様、本当に素敵なそして大きなチャンスをありがとうございました」

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2013年6月18日(火)/その1349◇あふれよ我が涙

 「朝から安い牛肉を焼いて喰った。ステーキな一日になると思う」


 きのうのツイートが珍しくウケた。
 やはり、淡々と事実を記すのがよろしいとゆーことか。
 そして、以下のような反応があった。

 「私に隠れて、もう!」
 「ぎゅうじつした1日になるように」
 「しゃちょさま モ~すてぇきなおかた(´Д`)ノ」

 鏡に映った私の魂はブレリアを踊るが、
 その輝かしい共感はあふれる涙で視えない。


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2013年6月19日(水)/その1350◇一期は夢ぞ

 企画制作、取材、構成などプロデュース&ディレクションの全面で
 今井翼さんの連載を担当する相棒ぐらの日記。
 http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1905040663&owner_id=7195243

 当初は私が担当するつもりだったが、
 先方との未来構想が合致した瞬間、
 今井さんと同世代の小倉に全面的にゲタを預ける作戦が閃めき、
 ちゅうちょなく彼はそれを引き受けた。
 
 ほんの少しでも彼にちゅうちょが有れば、その時は私がやるつもりだった。
 歴史はほんの一瞬の判断で決まることが多い。
 「大切なことは三秒で決めろ」
 誰が云ったか忘れたが、そんなふうに私も生きてきた。
 果敢な決断そして、その日常的準備と地道な帳尻合わせ。

 重大なミステイクも数限りないが(汗)、
 数少ない成功は、まさにそれによってもたらされたわけで、
 このスタンスへの愛着は年々募るばかりだ。


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2013年6月20日(木)/その1351◇想えば叶う

 ああ、この人はフラメンコ人口を増やしてくれる人だな。

 以来、遠くから注目しながら事あるごとに彼のことを書いてきた。
 あれから五年が経ち、彼の連載が始まるパセオフラメンコが今日書店に並ぶ。


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2013年6月21日(金)/その1352◇自画自賛

 5月の音楽祭で1万5千人の音楽ファンを熱狂させたカニサレス。
 あの奇跡のフラメンコギターを日本のプロモーターが放っておくわけがない。

 カニサレス、12月来日公演決定! 

 マエストロはパセオ9月号の今井翼対談に登場するのだが、
 その号に急きょ来日公演記事を書くことになった。

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 その類まれなる超絶技巧、即興演奏、作曲能力を正確に伝えることで、
 満員御礼、アンコールの鳴り止まぬあの熱狂の音楽祭の再現をサポートしたい。

 昨日これぞというキャッチコピーが閃いたので発表するが、
 こりゃきっと日本はおろか世界中の音楽界にも定着するぞお!

  「フラメンコギターのベートーヴェン!」
                               (by わし)


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2013年6月22日(土)/その1353◇安息日

 今井さんのテレビ出演があるので、今宵は外には出掛けず家で呑む。
 仕事帰りに小田急で肴をみつくろい、
 久々に豚ブロックでカレーでも作ろうかと思う。

 6時起床の朝バッハは、この春指揮者としてカニサレス弾くアランフェスを
 サポートしたジャン・ジャック・カントロフで無伴奏ヴァイオリン。
 シャコンヌのあの懐かしいデーモニッシュな浪漫が、
 二十代半ばのハチャメチャな行状をさまざまに変奏する。
 
 お外を見やれば案外といい天気なので、
 後ほどジェーを連れて自宅の庭(通称代々木公園)でも散歩しよう。
 柔らかな陽が注ぐ噴水脇のベンチで寛ぐひとときには明朗な潤いがある。

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 でかいプロジェクトが幾つかひと段落したが、
 先々の仕込みがガッツリ待ち構えているので、今日明日はそれに没頭。
 生涯戦歴3勝997敗を誇る私が編み出した前倒し必勝法であるが、
 ここ十数年、4勝目がなかなか出ないことを不思議に想う。

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2013年6月23日(日)/その1354◇無我夢中

 一生懸命だと知恵が出る。
 中途半端だと愚痴が出る。
 いい加減だと言い訳が出る。


 戦国の名将・武田信玄はこう云ったという。
 まったくもって、昔も今も人は変わらぬものだと想う。
 この不朽の至言をしかと自分に云い聞かせたのち、
 パセオフラメンコ生活三十年の経験則から、その返しを歌ってみる。


 身を捨ててこそ浮かぶ瀬もありフラメンコ

       
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 2013年6月24日(月)/その1355◇良薬耳に痛し

 「ツイッターを見ていると、
 読み手の理解力がないためにヘンなレスが来たり、
 結果として炎上しているケースがよくある。
 ホリエモンの場合、きわめて論理の緻密度が高いので、
 そこについていけない人は、きっと誤解して感情的なレスをするのだろう。
 そして、ホリエモンは感情に感情で返さない」


 理解力のない読み手によるアゲ足取りが世間的に勝利してしまう状況下、
 茂木健一郎‏さんの上記ツイートに具体的なヒントが視える。

 なるほど、「感情に感情で返さない」、か。

 好ましい反射神経を鍛えたいフラメンコ系には何ともしんどい難題だが、
 人の嫉妬がここまで正当化されるシーンにおいては、賢明な現実論にも思える。
 少なくとも、てめえなんぞにパセオは売らねえと年に一度はキレる私にはいい薬だ。


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2013年6月25日(火)/その1356◇修業の理由

 ネット上でうれしい発見をすることが多々ある。
 逆にムッとするような発言に出喰わすことも多々ある。
 これらがワンセットであるところは、
 仕事や呑み屋などのリアル世界同様であることに気づく。

 好ましい発言に対し、何とかアゲ足を取ろうとする稚拙な発言の多さに辟易とする。
 自分の愚かさに気づきたくないから、世間に対して悪あがきをする。
 こうして自分の理解を超えたものを非難する人々をついつい私は非難の目で見るが、
 つまりこの私も理解を超えたものを非難する人々のひとりであることにも気づく。
 
 さらに、若い頃の自分を振り返れば、実は彼らの気持ちはよく分かっているのだ。
 優れた発言に対する妬み僻みからの反抗。
 格下ながらも何とか同じ土俵に立ちたいとあがく代案無きアゲ足取り。
 これらはあの頃の私の十八番だったではないか。

 歳を食って多少は物事が視えるようになったからと、
 自分のみを棚上げするスタンスは、我ながらチャンチャラおかしいと想う。
 実力や真心を欠く〝上から目線〟というのは、
 人類における最も醜悪なスタンスなのかもしれない。
 まあ、こういうトホホな新発見もあるから、今しばらくはネットで修業したい。


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2013年6月26日(水)/その1357◇勘違い閉口某

 パセオフラメンコ最新号。
 朝から晩まで、書店注文の電話が鳴りやまない。
 発売日の前はそれぞれ1冊2冊の注文が多かったが、
 20日以降の追加注文はそれぞれ5冊10冊という具合に膨らみ始めた。

 きのうは私も10本以上注文電話を取ったが、その夕方、
 「リブロ池袋から100冊追加がありました!」と、
 編集部のマドンナ岩井が叫び、全員拍手でこれに応え、
 ついでに私はこう叫ぶ。
 
 「オレの〝しゃちょ日記〟のおかげじゃあ!」

 盛大な拍手がパタリとまった。


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2013年6月27日(木)/その1358◇想定外

 フラメンコギターのベートーヴェン!
 この12月来日するマエストロ・カニサレス。

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 あるときカニサレスと昼めしを食った。
 迷わず私はカニ釜飯を注文したが、
 カニサレスは予想に反し天ぷら蕎麦を注文した。
 それではエビサレスではないかと、内心私はあせった。

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2013年6月28日(金)/その1359◇フェイドアウト手法によるヴァージョンアップ

 パセオフラメンコ誌面全体のクオリティアップのために、
 今井翼連載開始号より「2ページ⇒1ページ」にヴァージョンアップした〝しゃちょ日記〟だが、
 多数のモニターより「全体バランスが改善された」という賞賛をいただいているので、
 この分だと「1ページ⇒0ページ」にヴァージョンアップする日も近いかもしれない(泣)。


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2013年6月29日(土)/その1360◇探しものは私の内に

 「能のある一人の人間が、その能を生かすためには、
  能のない幾十人という人間が、
  目に見えない力を貸しているんだよ」
                          (山本周五郎『さぶ』)

 新聞のコラムに懐かしい与平爺さんのセリフを見つけ、
 将棋のプロ棋士を志した頃を思い出した。
 当時の仲間の何人かはプロテストに合格し、
 実力通り私はあっけなく落ちた。

 その後永らく私は停滞するのだが、この爺さんのアドバイスによって
 自らの存在理由を確認できた折の、目からウロコ感が懐かしい。
 その納得感は、アートの裏方で生きる選択を大いに後押ししてくれたし、
 人を羨む救いのないヒガミ根性からも解放され、
 やがてプロになった仲間を本音で応援できるようになった。

 さて、多くの裏方稼業では、才能よりも〝好き〟がモノを云う。
 〝好き〟によって人並みの倍ほどもドン臭く働く用意さえあれば、
 多少問題のある人間(オレだよ俺!)でも、
 どーやらこーやら何とかなってゆくのが裏方稼業の実情のように思える。

 〝好き〟は才能を補填する、というのが近年の実感だが、
 才能ある人というのは実は、早くに自分のそれを発見した人なのかとも想う。
 私は五十を過ぎた頃に、自分にとっての本当の〝好き〟を発見したつもりでいるけれども、
 そのことを遅過ぎたとは思わないし、むしろ私のようなわからんちんの人間ほど、
 たくさんの寄り道をする必要があったことを思い知るのである。

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 とりあえず晴れてる土曜の朝バッハは、
 フルートのMagali Mosnier(←読めない)によるオケ伴編曲アルバム。
 颯爽と歌うイタリアン・コンチェルトが楽しい。
 このあとジェーと代々木公園、
 その後はパセオで執筆か向島百花園に遊ぶか、大いに迷う。
 ま、間とって百花園で執筆ってのも悪かねーか。

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2013年6月30日(日)/その1361◇東京タワー派
 
 携帯が鳴りまくる昨日土曜の当初予定はグズグズとなり、
 渋谷でラストの打ち合わせを済ませ、家路をたどる途中タワーレコードに寄る。

 久々のタワレコは、クラシックフロアが6階から7階に移動していた。
 運よくブロックフレーテのライヴをやっていたので20分ほど立ち聴きしたが、
 一時期ほんのちょっとだけバッハ(無伴奏チェロの編曲)を吹いてた事があるので、
 あの素朴で親密な佇まいが嬉し懐かしかった。

 相変わらずバッハのコーナーだけでも、数千種類あるのはうれしい。
 グールドのコーナーも相変わらず王者健在という風情でうれしい。
 彼の鍵盤バッハが肴なら、まだまだ朝まで呑めるかもしれない。
 さて、今回仕込んだのは新譜を中心にバッハのみ5枚。
 
 ○マキシム・ヴェンゲーロフ(ヴァイオリン)2012ロンドンライブよりシャコンヌ他
 ○ヴィクトリア・ムローヴァ(ヴァイオリン)&オッタヴィオ・ダントーネ(チェンバロ)と
  アカデミア・ビサンチナ/ヴァイオリン協奏曲集
 ○ミゲル・リンコン(バロックリュート)/無伴奏ヴァイオリンの編曲集
 ○クリストフ・バラティ(ヴァイオリン)/無伴奏ヴァイオリン全曲
 ○ロリン・マゼール&ベルリン放送交響楽団/ブランデンブルク協奏曲(1965年録音)

 今週の朝バッハはフレッシュな充実が期待できそうだが、
 とりあえず、ヴェンゲーロフで無伴奏パルティータ(シャコンヌ付)を聴く。
 予想通り分厚くタップリとした横綱相撲だが、暑苦しさはない。
 どこまでも楽譜を深く読み込み、一切のケレンを排した正調で、
 どこか東京スカイツリーを連想させる堂々たる安定性。
 どちらか云えば東京タワーのような演奏を好む
 古くて修業の足りない私にはちょっと立派過ぎかも。

             
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