フラメンコ超緩色系

月刊パセオフラメンコの社長ブログ

しゃちょ日記バックナンバー/2015年08月②

2015年08月01日 | しゃちょ日記

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2015年8月31日(月)その2268◆社会生命的

なんてストレスに弱い奴。
そう強烈に自覚したのは、いま想うに十代思春期。
こりゃヤバいと、子供なりに戦略を打ち立て、次々と実行した。
だから「ストレス溜めない歴」はすでに四十数年。

病気になりづらい体質はキープ出来るみたいだが、
やはり忍耐と根性を欠いた生き方の、
そのデメリットの多さには時おり辟易とする(汗)。

好きなことしか出来ない、基本ぶっちゃけ路線で敵を作る、
不愉快・理不尽は即日酒で洗い流す、わがまま、飽きっぽい、
命令したりされたりが苦手、イヤな奴(私だけは除く)に冷たい・・って、
まだまだあるが、これ以上ゲロすると社会生命的にどーよオレ?

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2015年8月30日(日)その2267◆母の戦略

「アテとふんどしは向こうから外れる」

期待はずれにしょぼんとする私に、
所詮人生そんなもんだからガッガリしなさんなという、
大正生まれの母の励まし文句の十八番だった。

起き抜けに一本原稿(11月号)を書き上げ、
今日の仕事はおしまい!の段取りだったが、
楽しみしていたイベントが急遽中止となり、
なき母に敬意を表し、午後からパセオでもうひと仕事。

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2015年8月29日(土)その2266◆山崩しにちゃんこ鍋

すでに42年続く高校同期の四季の呑み会。
北陸に暮らすやはり大切な級友カズユキに皆して会いに出掛けた、
この五月の金沢旅行(=合同生前葬)はすでにお懐かしい。

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昨晩も浅草の天ぷら屋で集合の予定だったが、
年寄りの冷水から先週ぶり返した腰痛で敢えなく私はキャンセル。
過密スケジュールも空中分解のハチャメチャ状態で、
めしを食ったらご近所パセオに出掛け、山積み仕事の山崩しに精を出す。
昨日からのジェーとのお約束、今晩のちゃんこ鍋の準備だけは済んでるが。

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2015年8月28日(金)その2265◆透明な受動

今日という日は、残り少ない人生の最初の一日。

そうそう楽しいばかりでもないタフな一日を終え、
寝入りの前にスリープ機能で聴く近ごろのお気に入りは、
シュタットフェルト(ピアノ)とフォーグラー(チェロ)による
オール・バッハのデュオアルバム(2009年録音)。

洒落たアレンジ物もちりばめられているが、その中心は
ヴィオラ・ダ・ガンバ(チェロの前身)とチェンバロのためのソナタ全三曲。
この人気曲にはあのグールド(ピアノ)とローズ(チェロ)の歴史的名盤
(1973年録音)があるが、若い彼らの演奏は超人グールドの魔法的呪縛から
楽々と放たれる自由をロマンティックに謳歌している。

出口の視えない現代のカオスを鋭く感じながらも、
その解決ヴィジョンを詩情豊かに語らい合う双方向な触れ合い、
平和を愛する普遍的知性のアンサンブル。
眠りに落ちる前、稀に聴覚のアンテナが覚醒されて、
このバッハ・プレイヤー二人の感性が心地よく響き合う世界の中に、
よそ者であるはずの私が同次元的に触れ合える瞬間が訪れることがある。

それはあらゆる緊張から解放され、
心の深部を開き切った状態のときのみに達することの出来る領域。
すべてが視えてくる聞こえてくる、研ぎ澄まされた透明な受動。
この夏の新人公演最終日の後半でも、たまたま酷似する状態が訪れた。
すべてのライヴにおいて、
そのような心持ちをキープできる方法論に少なからぬ興味が湧いている。

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2015年8月27日(木)その2264◆卒業

パセオのある中野に自宅を移して早八ヶ月。
往復の通勤時間は、歩いて計10分。
電車や車に乗るのもせいぜい週三日。
業界仲間に、じゃあ編集部で会おうや!と、
遠慮なく甘えられる歳になった。となりは呑み屋だし。

そのことの及ぼす生活の変化は、予測できないことが多かった。
まず、仕事を終えたら一直線に家に戻り、ひとっ風呂浴びるようになった。
風呂上がりのパンツ一丁ビールが、まさかこんなにも旨えとはっ!

お気に入りの東京新聞や週刊将棋をのんびり眺めつつ、
焼酎を何杯か呑りながらの軽い晩めし。
連れ合いとは活動時間帯がズレてるのでほとんどマイペース。
観たいテレビはニュースとNHK大河と『相棒』くらいなもので、
あとはバッハや落語を流しながら独りボケッと書斎で憩う。
ふたたび湯船でさくっと酒気を抜いてから、
小1時間ほど翌朝アップのHP日刊パセオフラメンコを仕込んで、
24時前後には眠りにつくのが近頃のパターン。

驚いたのは外呑みが、週6から週2に減ったこと。
通勤の移動そのものに疲れ果て、そのままご近所呑み屋に直行、
というパターンが無くなったことがその理由だろう。

すでに四十数年、いろんな呑み屋で、いろんな方々に、
いろんな人生修業をさせてもらった。
優秀な教師はリアリティ不足に問題があるが、
その点において反面教師は私を含め実に偉大である。
やっとのことでそんな修業の卒業を迎えた近頃は、
さあそろそろおれも大人になるかあと、ムダに意気込んだりしている。( ̄▽ ̄)

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2015年8月26日(水)その2263◆パセオ忘備録初稿

早朝に書き上げた「フラメンコ新人公演2015」パセオ11月号・公演忘備録初稿。
制限字数オーバーだな。少し寝かせて月末入稿。

例年新人公演特集(12月号)を担当する小倉編集長は今回から奨励賞選考委員。
で、ロビーのパセオブースが手薄になるため、私はギターとカンテのみを取材する
つもりだったが、調子こいて結局三日間通しで観せてもらった。
出演者と設営スタッフのすべてが、歴史あるこのフラメンコ界最大のイベントの
主体者であることを改めて思い知るのは、
新人公演24年の鑑賞歴と老いた私の感慨が理由だろう。
それでも殊に深い感銘を与えてくれた出演者について、
ひと言感謝を伝えたくなるのは私個人の業とも云うべきものだろう。

初日金曜はバイレソロ16名と群舞5組。思わず応援を叫びたくなる佐藤哲平
(ファルーカ)の清冽な踏み込み、今や稀少となった大野環(バンベーラ)の
マヌエラ・カラスコ的伝統。
そして群舞の稲田SUSUMUjeres内圧と間舞踊団(タンギージョ)の
研ぎ澄まされた知性&パワー。

二日目土曜はギターソロ8名、バイレソロ25名。
ギター部門全体のレベルアップぶりがうれしい。
8名すべてが聴かせる演奏で、六十代半ばの森谷忍(タランタ)は絶妙な歌心で
その深い年輪のすべてをギターの響きに載せていた。
重量感たっぷりの木村尭(ソレア)、鋭い切れ味の内山友樹(ブレリア)の
胸のすくような快演。
バイレでは小林成江(タラント)の存在感、森里子(アレグリアス)の
理屈抜きの楽しさ、平尾華子(アレグリアス)の流麗なライン、
川松冬花(シギリージャ)のフラメンコ特有のつねり。

最終日日曜はカンテソロ15名(!)、バイレソロ18名。
盛況だったカンテ部門はどうしたわけか今回は全体に低調で、
書き込み用のプログラムに「!」が付いた歌い手が一人もいない。
ただし印象が薄いわけではない。
金沢賢二(シギリージャ・イ・カバル)の突出した技巧性、
定直慎一郎(シギリージャ)のラスト20秒の追い込み、
岡村佳代子(ソレア)のドスの効いた安定性、熊谷善博(ソレア)の〝男の純情〟。
バイレソロはなんと11名に「!」が付いていて、
今もステージを反芻できる方が4名いる。
小坂みはれ(ソレア・ポル・ブレリア)の力ある優雅さ、佐藤理恵(ソレア)の
格調高きグランデ、古都美弥(アレグリアス)の流麗な小粋さ、
岩泉美帆(タラント)のタメの利いた高い精度の重量感。

忘れがたい印象を刻んでくれたバイレソロの共通項は、
共演メンバーと呼応する一体感、もしくは自立協働の華。
今回は押し並べて美しいバイレが多かったが、僅かな差はそこにあると私は想った。
鍛えの入った共演陣はフラメンコ性が強烈だから、
その核心とのリンクが弱いと却って美しさが孤立してしまうのではないか?
そんな風を感じる瞬間が多かった。

本番以外はパセオブースの無駄な呼び込みで空回りしつつ、
喉はガラガラ腰痛はぶり返すはでそれなりにタフな三日間だったが、
お祭りブースの後片付けの頃にはいつもながらちょっと寂しくて、
ふと桜の頃を想い出す。

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2015年8月26日(水)その2262◆保留のツケ

「兵役は60歳以上から」

気まぐれにそうFBに書き込んだ日記が波紋を呼び、どーしたことか、
やがてそれは法制化される。しかも、何とそれは国際法に発展する。
云い出しっぺのオレ(60歳)は当然ながら徴兵を拒めない。
パセオフラメンコに後ろ髪を引かれながら、また腰痛と老眼に不安を残しつつオレは、
若手一兵卒として某国に派遣される・・・と何やら筒井康隆的展開。

その国際法は男女均等法であり、そこでオレは初恋の同級生
〝いいとしのエリー〟と同じ部隊に配属され、
そこには彼女と生死を共にしながら戦場を駆け巡るという展開が待ち受ける・・・。

ちょっと前に思いついた小説のプロットだが、
折々使えそうなエピソードがふいに浮かんでくる。
そのほとんどが過去の実体験のデフォルメなんだが、
フラメンコ界ネタも満載でけっこう笑える。
まあ、今の生活ペースだと完成までには十年ぐらいはかかりそうだが。

何を不謹慎!と叩かれそうな発想だが、
身近な問題でないと人は切実に突き詰めないものだから。
いろいろと真剣に調べるだろうし、永らく保留にしている現実の社会問題に
自分なりの結論を出す手立てとしてはそう悪かない。

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2015年8月26日(水)その2261◆スペイン国立バレエ特番

ついこないだ、この番組の取材で二台のカメラに向かって30分ばかり、
ペラペラ無駄を喋ったわけだが、この番宣内容からすると、
私の出番は1~2秒かと推測できる ( ̄▽ ̄)

スペイン国立バレエ団 2015日本公演

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2015年8月25日(火)その2260◆祭りのあと

新人公演翌日。
きのうの午後、腰痛復活の自宅静養のヒマに任せて
『夏のフラメンコ新人公演考』自問自答。
対談者はポジティブ系俺と「ネガティブ系私」。
             
年々全体水準がアップする夏の新人公演。フラメンコの未来を創る
このイベントをもっともっと一般にアピールしてゆこうや!
「24年の歴史、フラメンコ界の一大イベントでいいって想いもある」

先々のジリ貧は御免だから、出来ることからやろうや。
手近なところで、このネット時代、立場問わずで愛好家それぞれが、
いいと感じた出演者を一般向けにウェブでじゃんじゃん発信したりとかさ。
「おゐおゐ、名前の出てこない出演者の気持ちも考えろや」

公演全体が盛り上がるし、発信者それぞれの
志・好み・変態性なんかが分かっておもろいぞ(笑)
「肝心の出演者に余計なプレッシャーかけるのはダメ」

いや逆に、関係者・知人の感想も案外大したことねえなと、
出る人も出ない人も自分のセンスに自信が持てる。
「いやそりゃ逆に、自分のセンスや美意識磨くのに役立つとは思うが」

話題性アップだって、観客の動員力アップだって重要課題だろ。
みんなで盛り上げて、業界内や一般層の動員を増やすことは将来的に必要だろ。
「そんなことは分かってる」

内容的にもいいとこ来てるし、一般メディアが
取材したくなるような盛り上がりはあっていいだろ?
「いや、テレビ取材なんかは乱暴だから、ライヴ会場の雰囲気が壊れる。
出演者にも設営サイドにも余分な負担が増えるし」

じゃあ、このまま流れに任せるだけなのか?
「いや、思い切って若い連中に運営を任せたらいいんだよ。
 すでにおまえの考え方は古すぎる。
 老人力の経験値はフル活用すべきだけど、若い力は偉大だよ。
 おまえたちだって、新人公演創ったのは三十代半ばだったじゃん。
 五年計画くらいでバトンタッチの流れを創って、
 そこを信じてすべて託すこと。わかった?!」

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以下、寝言は延々とつづく・・が、あまりにくだらんので割愛 ( ̄▽ ̄)

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2015年8月24日(月)その2259◆新人公演最終日

祭りのあとの虚脱感漂う、月曜朝の大寝坊。
きのう8/23(日)は新人公演三日目・最終日。

15名出演するカンテ部門は、パセオ忘備録を担当するんだが、
どうしたわけか今回は全体に低調で、書き込み用のプログラムに
「!」が付いた歌い手が人も一いなかった。
ただ一晩あけた私の中で印象に残った方は四名いた。
金沢賢二さん(シギリージャ・イ・カバル)の高い技巧性。
定直慎一郎さん(シギリージャ)のラスト20秒の追い込み。
岡村佳代子(ソレア)のドスの効いた安定性。
熊谷善博さん(ソレア)さんの〝男の純情〟。

バイレソロ部門は18名出演。
こちらは「!」が11名ついていて、
今もステージを反芻できる方が四名いる。
小坂みはれさん(ソレア・ポル・ブレリア)の力のある優雅さ。
佐藤理恵さん(ソレア)の格調高きグランデ。
古都美弥さん(アレグリアス)の流麗で小粋な花。
岩泉美帆さん(タラント)のタメの利いた高い精度の幽玄。
      
出社してから『新人公演つれづれ考/パセオライター気まぐれ日記 』をアップの段取り。

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2015年8月23日(日)その2258◆新人公演二日目

土曜日、新人公演二日目。

しょっぱなギター部門の今年のレベルアップぶりは凄かった。
8名すべてが聴かせる演奏で、先頭の森谷忍さん(タランタ)はその最たるもの。
六十代半ばという森谷さんは、その深い年輪のすべてをギターの響きに載せていた。
重量感たっぷりの木村尭さん(ソレア)、
鋭い切れ味の内山友樹さん(ブレリア)の胸のすくような快演がわたし的印象に残る。
今年はパセオ公演忘備録でギター・カンテ部門を担当するんだが、
こりゃ書くのが楽しみになってきたな。

バイレソロ部門は25名。プログラムに書き込んだメモには、
15名に「!」がついている。
つまり全体水準が極めて高い。
一晩あけてそれでも私の中で印象深いのは、
小林成江さん(タラント)の存在感、
森里子さん(アレグリアス)の楽しさ、
平尾華子さん(アレグリアス)の流麗なライン、
川松冬花さん(シギリージャ)のつねり。

パセオブースで声を出しすぎ(←空回り)喉がガラガラ。
本日お祭り最終日、ちょっと寂しい。

パセオライター気まぐれ日記~新人公演特集」を先ほどアップ。

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2015年8月22日(土)その2257◆新人公演初日

新人公演の金曜初日。

バイレソロ16名、群舞5組。
出演者それぞれに力一杯高い技能を披露してくれたが、
わたし的に一晩あけて特に印象に残っているのは、
佐藤哲平さん(ファルーカ)と大野環さん(バンベーラ)、
そして稲田SUSUMUjeres内圧と間舞踊団(タンギージョ)。

パセオの執筆者たちから「パセオライター気まぐれ日記~新人公演特集」用の
原稿が会社のメールが寄せられているだろうから、昼前にはアップの段取り。

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2015年8月21日(金)その2256◆昔も今も

沖仁(ギター)
鈴木尚(ギター)
徳永兄弟(ギター)
石塚隆充(カンテ)
今枝友加(カンテ)
平松加奈(ヴァイオリン)

HP日刊パセオに売れ線CD情報をアップすべく、
改めて家のステレオで一通りじっくり聴く。      
やってくれるじゃねーの!
それが第一感および第六感。
どれもこれも、もの凄い水準、よくぞここまで!の世界。

得難い恩恵をこうむるオレたちも実質的に応援しなきゃね。
でないと次が出ないのが世の中の構造だから。
ファンなら、メシを抜いても買えるだけ買うってのが正解!って、
すでに44年、時給230円時代から、おんなじことやってる。

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2015年8月21日(金)その2255◆右から読んでも、左から読んでも

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右から読んでも、左から読んでも、

   SARABARAS

パセオフラメンコ最新号はサラ・バラス特集。
DVDジプシーフラメンコ(カルメン・アマジャ系)と並んで、
今回の新人公演ロビー販売の目玉商品。

朝から普通にお仕事、本番中は取材、
本番前後と休憩中は販売ブース呼び込みのおっちゃん、
終わったら呑み会と、新人公演三日間の私はそこそこ忙しい(汗)

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2015年8月20日(木)その2254◆いよいよ新人公演

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さあ、いよいよ明日金曜より三日間の新人公演、
張り切って往こうかあっ!
ちなみに月刊パセオフラメンコ11月号(10/20発売)公演忘備録は、
以下のラインナップで執筆を担当。

全部門★白井盛雄
バイレソロ部門★若林作絵
群舞部門★井口由美子
カンテ部門★佐藤達子
ギター&カンテ部門★小山雄二
☆遊軍記者として本橋勝、石井拓人
☆パセオ小倉泉弥編集長は奨励賞の選考委員を務める一方、
 12月号新人公演特集を担当。

例年同様パセオブースは、会場ロビーの客席入口右手に。
威勢のいい掛け声でパセオやDVDを売りさばく気のいいあんちゃん(小倉編集長)は
今回お役免除で、代わって編集部・井口由美子が販売リーダーを担当。
パセオライターとして五年間の修業ののち、この春彼女はパセオの正社員となった。
社内で最も美しい女性!ともっぱらの評判をとるフラメンコウーマンである。
(注:株式会社パセオは彼女を除きすべて男性社員)

で、ここ数日は新人公演に注目する「パセオライター気まぐれ日記」はこちら

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2015年8月20日(木)その2253◆パセオ最新号、本日発売

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本日発売、月刊パセオフラメンコ最新号!
サラバラ表紙のこの号は創刊32周年記念号。
すでに人生の半分以上、毎月パセオ出してる(笑)

月刊パセオフラメンコ2015年9月号
792円(税込) http://www.paseo-flamenco.com/monthly/2015/08/20159.php
特集サラ・バラス
対談ハレオス! ディエゴ・ゴメス×エミリオ・マジャ/
フラメンコのいま スィートなカンテ ランカピーノ・チーコ/
小島章司、高野山金剛峯寺で舞を奉納/カニサレス来日直前インタビュー!/
石井智子スペイン舞踊団「ラ・ペテネーラ」再演/〝シガロン・デ・ヘレス〟松本良

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2015年8月20日(木)その2252◆福田進一 VS 徳永兄弟

福田進一 VS 徳永兄弟。

・・・いや、コンサートではなく呑み会。
昨晩の要町。エスアイイー林社長(パセオ7月号しゃちょ対談に登場)と、
ご存知フラメンコギターの徳永兄弟(健太郎&康次郎)の
初顔合わせをセッティングしたのだが、林さんの機転で、ご近所に住む
クラシックギターの国際的巨匠・福田進一さんがサプライズゲストで参加。

林さんはフラメンコギターのカニサレスモデルや沖仁モデルなどの
総販売元の大将で、すでに35年お世話になりっ放しの私の先輩。
福田さんも、パリコン優勝後、デビュー間もない頃からの
この人の強烈な後押しが相当に心強かったに違いない。

大阪出身でやはり35年の付き合いとなる福田さんの喋くりは実に巧みで、
常に爆笑を誘う。
ご子息よりも若い徳永兄弟に、それとなく参考になるようなエピソードの数々を
披露されたのだが、林さん(呑み会スポンサー)も私(呑むだけ)も、
ただうっとり福田節に聞き惚れためっちゃ楽しいひと時。

この夏、東京に活動の拠点を定めた徳永兄弟。
時の運、人の運というものは確かにある。
そして、何をどうつかむかは本人次第で後悔は不要。
福田さん、林さんとの出会いは、
この先の彼らにどんな化学反応をもたらすのだろう。

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2015年8月19日(水)その2251◆再会

「ゆうちゃん、おれ都電に乗りてえな」
    
銀座で待ち合わせ、懐かしい昔話に盛り上がりつつ、
遅い昼飯を食いながら、唐突にキミハルが云う。
東京東部の下町で生まれ育った幼なじみのキミハルは、
小学校に上がる直前に遥か遠い地方へと一家で引っ越した。
その前日、もう明日からは遊べないという理不尽な現実を容認出来ぬまま、
私たちは抱き合って泣いた。  
その後、何年かに一度、忘れた頃に便りを寄こす彼とは、二十代半ばに一度だけ
故郷・小松川で呑み明かし、それ以来三十数年ぶりの再会となる。

「じゃあ三ノ輪に出て荒川線に乗ろう。今はそれっきゃねえんだ」

学年は同期だったが、一年近く早く生まれた私は自然と兄貴分となり、
ややトロかった彼を外敵から守ったり、また子分扱いしたものだ。
私がどこへ行くのにも、ゆうちゃん待ってくれよおと、
ふうふうハナを垂らしながらついて来るキミハル。
純朴で温厚な彼と勝手気ままな私の相性はそこそこだったかもしれない。

日暮れまでにはまだ間がある。三ノ輪から終点の早稲田までは一時間ぐれえだ。
おめえの気が済んだら、どこかで降りて一杯やろうや。
巣鴨や大塚あたりの盛り場をイメージしながら私はそう云う。

そりゃサイコーだな、ゆうちゃん。満面の笑みでキミハルはそう返し、
レトロな雰囲気を残す三ノ輪の停車場から二人して都電に乗り込む。
車窓に映える昭和の面影に、キミハルは夢中で見入り、私たちは黙りがちになる。

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チンチーン、浅間前、浅間前~と、
うっかり居眠りしちまったらしい私の耳に、車掌の肉声が大きく響く。
ん、おかしいぞ、ワンマン電車のはずなのに。
しかも「浅間前」って、荒川線にそんな駅はないはずだ。
おいっ、そりゃオレたちの長屋のそばにあった
都電25番線「小松川三丁目」の隣りの駅だ。
            
あわてて窓を見れば、すでにあたりには夕闇が漂い、
しかし確かにあの懐かしい中川の木造橋の上を、
とっくの昔に跡形もなく消え去った廃線を、この都電は走っている。
ゆるいカーブの坂を下り、このままだとあと十秒足らずで「小松川三丁目」に到着するはずだ。
一体こりゃどうなってるんだ?

「サンキューゆうちゃん、おれここで降りるよ」
やや哀しげな、それでもあの人懐こい笑顔でキミハルは立ち上がり、
じゃあねと小さく手を振り、ひとり都電を降りる。
「おい、待てよキミハル、キミハルっ!」
そう叫ぼうとする私は金縛り状態で、声を出すことも身動きすることもできない。

そこで目が覚める。
キミハルとの音信は半世紀以上前に途絶えたままだ。
奴からの便りも二十代半ばに呑んだことも、夢の中の錯覚だった。
そういう願望が夢に誤謬を生じさせたのだろう。
彼の消息をたどる手立てもないし、
いま仮に街ですれ違ったとしても互いに分かりゃしない。

唖然としながら朝風呂に浸かる。
映画『シックスセンス』を想うほどのショックと虚脱。
やがて、あの頃キミハルと夢中になった小さな冒険がぽつりぽつりと蘇る。
互いに貧乏暮らしだったが、自由と希望に不足はなかった。
奇跡的にいい夢を観た、そう思うことにした。
こうしたケースこそ、夢と現実は等しい価値を持つのだろう。
嬉し懐かしいこの淡き夢こそが、奴との本当の再会だったと思うことにした。

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2015年8月18日(火)その2250◆小学生の作文

パセオフラメンコラVol.008
大沼由紀ソロライヴ
2015年 9/11(木)
高円寺・エスペランサ
20時スタート(19時半開場)
出演◇
大沼由紀(バイレ)
マヌエル・デ・ラ・マレナ(カンテ)
山内裕之(ギター)
伊集院史朗(パルマ)
ライヴ予約はこちら


「どうでした? 昨日の由紀さんライヴ」
「おうっ、まるで大沼由紀のように凄かった!」
業界通にウケるこんなジョークがある。
大沼由紀というカリスマ・バイラオーラを何かに例えるのはとても難しい。
あらゆる装飾に一切頼らず、魂と骨格だけで
全世界を相手に丸腰勝負できる舞踊家なのである。

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由紀さんは私よりずいぶん歳下だが、
彼女の中には幾つか上の従姉のような親しみ深さと堂々たる風格が共存している。
初めてお会いした頃の彼女とのこんなやり取りが忘れられない。

私「大沼由紀ライヴの衝撃をひと言で云うなら、それは〝フラメンコな存在感〟。
 ありゃ説明可能なものなの?」
大沼「存在感の何パーセントかは〝技術〟だと思う。
 だからその部分に関してだったらある程度説明できます。
 例えばボクシングなんかだと、小手先のパンチじゃ効かないけど、
 胴体全体を効かせたパンチなら相手を倒せるでしょ。
 本当は誰でもそのことを知ってる」
「うん、それなら俺でも知ってる」
「でしょ。だから意識しながら十年やれば、ある程度はクリアできるはずです」

わずか十年でそれが可能なのかと、あのとき私は想った。
ならば私も私の人生の中でそういう試みにチャレンジしてみるかと、
あのとき私は思った。
さて以下は、箇条書きでいいからと、
このライヴのプレ記事用に依頼した由紀さん本人のコメント。
そのメール返信をそれらしくまとめもせず「文責・小山雄二」にて原文そのまんま掲載。

「内容はまだ全く未定で、内容いかんによっては、助っ人を誰か頼むかもしれません。
 でも、基本このメンバーを中心にやります。
 コメントですが、というわけで、何を書いてよいやら・・・。
 箇条書きに、思うことを書き連ねてみます。
◇二年前から活動を始めている、自分の作品作りへの挑戦から、学び取っていること、
 積み重ねていることが、何らかの形で出せればと思います。
◇エスペランサという、フラメンコの匂いに満ちた小さな空間で生まれること、
 を考えています。
◇マヌエルという、ゴリゴリのカンタオールを迎えることで、
 フラメンコの重しがぐっと下りると思います。
◇繊細さと厳しさを併せ持つ、
 山内君のギターの音の襞に触れる踊りを考えています。
◇長年一緒にやっている伊集院君のパルマが、
 ギター、カンテ、踊りを繋いでくれると思います。
・・・すみません。こりゃまるで、小学生の作文ですね。 大沼由紀」

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2015年8月17日(月)その2249◆風が吹けば桶屋が儲かる

「この雰囲気なら、来やすいですね」

5/14川島桂子ソロライヴ(パセオライヴその4/高円寺エスペランサ)に
駆けつけてくれたバイラオーラ大沼由紀さん(9/10木のその8に出演!)が、
帰り際にこう云った。(写真は遠山しゅんか氏撮影)

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あっ、そういう効用もあったか!
タブラオにひとり出掛けるのは、ちょっとシンドい。
ほとんどのアルティスタがそう云う。

理由はアウェイ感である。
開演前や休憩中、出演者関連のなかよしの教室仲間たちがわいわい楽しそう。
そういう明るい連帯感によって主にタブラオは支えられる。

そこに、フラメンコ初めて的な人が(あるいは教室のボーダーを超えて)、
ひとり出掛けても孤独感を感じない楽しみ方を加えることは出来ないか?
パセオライヴの設営はそこに集中した。
ライヴ内容の直球勝負を大前提に、3900円ワンドリンク付で、
20時ジャスト開演の5~10分前に入場。休憩なしのノンストップ約70分。
終演後はさっと帰ることも出来るし、
その場で打ち上げる出演陣の姿を眺めながら飲食も可能。
これならどーか?と。
そして、過去7回の出口調査からは上々の反応。

よし、ならば、「こんなライヴあるんだぜ!」と、
一般アクセスの多いパセオ公式HPでフリー観客をがんがん誘導してみよう。
それが先週あたりからHP更新を活発にした理由で、
みるみるHP来場者数が増えている。つまりこれまでがサボりすぎ ( ̄▽ ̄)

一般のフラメンコ潜在層に働きかける「風が吹けば桶屋が儲かる」的迂遠な手法だが、
練習生ではない観るだけ観客のリピーター増は未来への大きな課題。
このシリーズライヴはその導火線のイメージ。
すぐに結果は出やしないが、毎朝の更新作業は心軽やかだ。

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2015年8月17日(月)その2248◆外は雨

やたらリュックが重い。
何を入れたんだっけ。

腰痛は楽になったが、その反動が膝下に出ている。
骨盤が真っ直ぐに矯正されたことで、その下の筋肉たちが戸惑っている。
左ふくらはぎに力が入らず、速くは歩けない。
100メーターを10秒で走ることさえ困難に思えるほどだ。

砂漠のような、あるいは岩山のような光景を独りちんたら歩いている。
おぼろげながら、これは夢だと分かっている。
珍しく殺風景な夢であることがむしろ新鮮で、そのままにしている。
有名な家康公の遺訓が、ほんの一瞬よぎる。

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やがて美しい情景にワープ、なんてことも起こらず、六時に目覚める。
新聞配達、牛乳配達、ジョギング、朝練、早番、朝原稿などの
必要もないことを確認し、少しホッとする。
ついてくるジェーに寝てろとささやき、ぬる目の朝風呂に飛び込む。

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2015年8月16日(日)その2247◆不自由の自由

こう暑くちゃ、ランチに出掛けるのもひと苦労。

夏バテ気味の近ごろは、出社前にコンビニで食料を仕入れる。
で、昼になるとそのおにぎりやサンドイッチやらを5分で平らげ、
すぐさま床に転がって昼寝することが多い。
来客の目につかない特等スペースで小一時間爆睡するんだが、
もちろんその高イビキは筒抜けである。
まあ、飽き(秋)が来るまではこんなペースか。

前夜に六時間は熟睡したい体質なので、
それより短いときは仕事する能率が極端に落ちる。
昼寝によって冴えたところで元々能率の悪い人なんだが、
まあそれでも寝ないで頑張るよりは、その後の仕事が倍くらいはかどる。

寝ると決めたら、寝入りは早い方だ。
電話がじゃんじゃん鳴ったり、話し声が活発の方がむしろ早く寝落ちする。
このことは、混雑する喫茶店などで原稿を書くと、その喧騒とは裏腹に、
もの凄く集中力が高まる現象によく似ている。

これは「不自由を迫られると、逆に自由に翔び立ち易い」という普遍的傾向なのか、
それとも単に私のヒネクレ性質のせいなのだろうか?

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しゃちょ日記バックナンバー/2015年08月①

2015年08月01日 | しゃちょ日記

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2015年8月15日(土)その2246◆パロマ対談

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〝フラメンコのモーツァルト〟の真相を探る。

九月の涼しくなる頃に対談しようやと、
フェイスブックやメールで、
パセオ新年号しゃちょ対談の下準備を、
ゲストのパロマ(小島慶子)さんとあれこれ進めていたら、
四月のあの熱狂パセオライヴ後、一度もお会いすることもなく、
先ほどその記事がほとんど出来上がってしまった  (@_@) 

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2015年8月15日(土)その2245◆二つひと組

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すでに四十年聴いてる。

独特の右手タッチから生まれる絶妙な音色に、オンリーワンの魅力がある。
クリストファー・パークニングのギターによるバッハ。
バッハの王道たる演奏とは決して云えないが、
波乱万丈の青春期を乗り切るための癒しの特効薬であったから、
私の受けた恩恵は限りなく大きい。

パコ・デ・ルシアは、さまざまに冒険するための知恵と勇気を与えてくれたが、
惜しくも私はことごとく失敗した。
まあ、いいじゃないか、何とかなるよって、
そう優しく語りかけてくれるようなギターがパークニングのバッハだった。

どちらを欠いても助からなかったような気はする。
人もしかりかと、改めて想いあたる。

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2015年8月14日(金)その2244◆テレビ出演

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やったー!
         
9月5日(土)13時より、BS-TBSの30分テレビ番組
特番「スペイン国立バレエ団」放映決定!
新作『アレント』『サグアン』の映像も流れるぞっ!
チケットまだの方、念のため、
☎03-3234-9999(チケットスペース)

その番組収録で、私の喋くり(約30分)が今終わったところ。
念のため、私は撮影クルーに尋ねた。
「おれの出番って、3秒ぐらいはあんのかな?」

担当の十川ディレクターはすかさずこう返した。
「僕の見積もりでは、最低4秒は出ます!」

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2015年8月14日(金)その2243◆キリがない

ドアを開く前からその予感はあった。
仕事が押して、車を飛ばしライヴのリハに駆けつける。
8/13高円寺エスペランサの矢野吉峰ソロライヴ。

奥の舞台では矢野がブレリアを踊っている。
心を射抜く格調高き男踊りのカッコ良さ!
バック四名(ギター2本、カンテ、パルマ)のもの凄い音圧。
フラメンコの疾風が吹きつける。

矢野のブレリアに、一瞬のうちに虜になる。
ああ、今宵のライヴもオッケーだ。これはプロデューサーの性。
安堵の次の瞬間、眼前の矢野の至芸に対する形容詞が脳裏を飛び交う。
これはライターの性。

まず第一に、文句のつけようのないカッコよさ。
にじみ出る色気、女も男も一様にそれを感じるだろう。
それは、チャラいところがひとつもない清冽なカッコよさ。
翳りを帯びた容姿の端正な美しさ。
格調高き矜持と気品を伴なう、正統にして正確なテクニック。
フラメンコの栄光の伝統に充たされた純粋な透明感。
芯をとらえたサパテアードの引き締まった快音。
すべてが必然、無駄のない真摯なアクション。
〝この世の華〟と〝ものの哀れ〟が共存する不思議。

ミュージシャンを休ませ、独り舞台で何かを確認するような矢野。
二階の楽屋での、人あたりの良い陽気さ。
休憩なし70分で五曲のソロ。すべて衣装チェンジ。
踊り終えた疲労困憊の矢野の表情に、トライアスロン勝者の笑み。
観客席の熱狂、鳴り止まぬ拍手。
楽屋に駆けつけ矢野に頼む。
「収まらないので挨拶だけでも頼む」

・・・次々とキリのない、明日入稿するパセオ10月号『楽屋裏』のメモ。
まあ、今朝はこんなところで。

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2015年8月13日(木)その2242◆お洒落

さきほどTBSより連絡あり。

9月のスペイン国立バレエ特番にコメント出演されたし、とのこと。
収録は明日午後パセオで一時間程度。
どうせ出るのは三秒がいいとこだろうが。

うっかり忘れて、裸足で短パンだとさすがにマズいので
「明日はズボンと靴下着用」と書いておく。

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2015年8月13日(木)その2241◆遠き道

人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。
急ぐべからず。

不自由を常と思えば不足なし。
心に望み起こらば困窮したる時を思い出すべし。

堪忍は無事長久の基、怒りは敵と思え。
勝つ事ばかり知りて、負くること知らざれば害その身にいたる。

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おのれを責めて人を責むるな。
及ばざるは過ぎたるより勝れり。

お調子ヤロー(小学生の私)に、最初にこれを教えたのは母である。
彼女の特技は、それを自らの背中で教えることだった。
好調時にはウザく感じるであろう家康公の遺訓だが、ここ32年、
安定不調をキープするパセオしゃちょ的には、もはや子守唄同然に響く。
学歴のない母の、シンプル骨太な教養と高きプライドにいまさら驚く。  

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2015年8月12日(水)その2240◆夢みる技術

睡眠中の夢と現実とは、等しく価値がある。

母はNHK連ドラの主人公『あぐり』。
戦時中に東大生だった吉行淳之介は、本気でそう考えていた。
徴兵された彼がすぐに除隊させられたのは、当時の死病、肺結核だったからだ。
充実した夢をみることで人生を二倍生きようとする想いは、
間もなく訪れるであろう死を覚悟していたこの大作家(1924~1994年)にとって
切実な発想であったに違いない。

まさかね・・・それが第一感だったが、よくよく我が身の過去を振り返ってみれば、
私の中にも思い当たる節が実はたくさんあった。
たしかに遠い昔の実体験の喜怒哀楽の記憶と、眠りの中で体感した喜怒哀楽の記憶は、
ほぼ等しい実在感を残していることに気づいたのである。
夢の中のファンタジーや恋愛体験などは殊に強烈で、今も生々しく想い出すものも多い。

吉行はそのエッセイをこんな風に結んでいる。        
「これから真剣に、私は夢をみる技術を開発してゆくつもりだ」
終生さまざまな病気に苦しんだ彼は、その病床にあって
本当に夢見るような実験を試みていたのかもしれない。

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2015年8月11日(火)その2239◆木曜は極上フラメンコ

1. ブレリア
2. カンティーニャス
3. マルティネーテ
4. ファルーカ
5. ソレア

「曲間にカンテソロやギターソロがあったりしますが、
 そのまま次の曲へと続いていきますので割愛しています」

矢野吉峰ソロライヴ
8月13日(木)20時/高円寺エスぺランサ             
矢野吉峰(バイレ)
マヌエル・デ・ラ・マレーナ(カンテ)
斎藤誠(ギター)
塩谷経(ギター)
末木三四郎(パルマ)

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男前バイラオール矢野くんから、
きのう8/13(木)パセオライヴ当日配布のプログラムに関するメールが届いた。
うおっ、ごっ、五曲!
気合い充分である。
彼のフラメンコで感動したい、おそらくはそのベスト選曲。

パセオライヴ初の本格男性舞踊手の初登場!
女性に偏向し過ぎというオレ批判は、これで僅かにかわせるのかっ!?

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2015年8月10日(月)その2238◆残り少ない人生の初日

起き抜けの朝風呂、ストレッチ、オレンジ&ソーダで聴くバッハ。
息長くしなやかに、淡々と爽やかなリンデのリコーダー。
トラヴェルソ(横笛)も同様だが、比類なきその美しい音色。

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残り少ない人生の初日、こんなイメージでさくっとご機嫌に仕事したい。
来週は金土日と新人公演に丸ごと持ってかれるから、せっせと前倒しストックを作る。
涼しくなったら、ゆっくり充電 ヽ( ̄▽ ̄)ノ

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2015年8月9日(日)その2237◆江戸紫

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暑いので、涼みの景色で一服。

湯島天神から見下ろす上野・不忍(しのばずの)池。
江戸末期の安藤広重『江戸名所百景』の人気作。

パセオ創刊の地「本郷三丁目」から歩いて六分くらいか。         
現在はのっぽで幅広なマンションが建ち、不忍池を直眺することは出来ないが、
かつて人々がこんな風景に親しんだ時代があったことに心が和む。

「一杯だけ付き合ってよ」
ダメ元でひと声掛けたくなる、
画面手前、江戸紫の姐さんのちょっと小粋な姿がいい。

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2015年8月9日(日)その2236◆この世の華

「お叱りありがとうございます」

きのうのトホホな反省日記のつづき。
この冒頭言を朝湯で何度も練習してみたが、
客側も提供側も普通にギブ&テイクする仲間同士と強く認識する私には、
どうもしっくりくる発声が出来ない。つまりウソ臭い。

だが、あのとき女性編集者がとっさに発したこの言霊は、
明らかにムイ・フラメンコの領域に達していた。
極めて自然で嘘のない、心のこもった好ましい響き。
理不尽に過ぎる暴客からの電話に、その受け手だけに可能なキャラで、
その瞬間必要とされるベスト対応を即興で生み出す。

一朝一夕では不可能な、その人だけの永~い歳月の積み重ねが咲かせる
〝この世の華〟。技術は極めて重要だが、技術のみでは空を切る。

私の愛するフラメンコというのは、各種タイプという括りを超えて、
そういうフラメンコなのだという現実に改めて気づく。
歌も踊りもギターもやらない私が、
そういうフラメンコ的日常シーンの積み上げを好み続ける限りは、
私なりにぎりぎり助かってる可能性もあるような気がしてきた。

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2015年8月9日(日)その2235◆苦情電話

「もっと私の好きな昔のアーティストを載せよ」

つまりはそういうことだ。
説教気味に欲求をガナりたて、ガチャっと電話を切る。
年に数回だが、そのほとんどはお友達がいなそうなお爺ちゃん。

だが、気持ちは分かる(おれだって爺ちゃんだし)。
私だって大好きなアーティスト(パコ・デ・ルシア)を
もっともっと知りたくて、パセオフラメンコを創刊した。
そしてやがて、フラメンコという巨大なアートそのものに惹かれた。

なのに、私の電話対応は苦情電話に生き甲斐を見い出す年長者に対し不親切に過ぎる。
「あんたはあんたで、自分の稼いだ金で好きな本を出しなさい」
           
だから、つい数日前の編集部の女性スタッフの対応には驚いた。
「お叱りありがとうございます」

う~む(汗)、
そりゃこっちの方が断然正しいに決まってまんがな。
ジェーと二人して反省の図。

だがな、先輩爺さんたちよ、もちょっと自分の人生に誇りを持つべきじゃねーかな
・・などと、近未来の自分にそう云って聴かせる苦笑気味ペーソス。

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2015年8月8日(土)その2234◆70years

「宇宙から眺める碧い地球」

鈴木大介さんのギターを聴くたびに、そんな情景が浮かんでくる。
ギタリストというより音楽家、音楽家というよりアーティスト。
偉大なる作曲家・武満徹は
「今までに聴いたことがないようなギタリスト」と彼を評した。
ファリャ(スペイン舞曲第一番)をぶっつけで合わせた
カニサレスとのデュオ映像にもド胆を抜かれた。

彼はファースト・コール・ギタリストと呼ばれる。
何故かと云えば、音楽的にも技術的にも難しい作品の、
その初演者として指名されることの多いギタリストだから。
その作曲家たちに共通する気持ちはよく分かる。
つまり鈴木大介という人は、自分の命とも云える作品を、
安心して全面的に委ねられるアーティストなのである。

冴えた感性と、洗練を極める自在な技巧をもってすれば、
どんな表現も可能であろうが、彼は一切のケレン味を排除する。
ギタリスティックでないところが私には不満だったのだが、
飽かずに繰り返し聴くうちにやがて、常に音楽全体を俯瞰する、
その繊細で暖かい大きな知性に包まれてゆくような快感が生じ始める。
なので大ちゃんにハマるまでに三年かかった(笑)

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ジャケ写は数日前に入手した鈴木大介の最新CD『キネマ楽園Ⅶ/70years』。
映画音楽に注目するこのシリーズ七作目は、戦争映画に使われた曲のみを集めていて、
「70years」とは、第二次世界大戦終結70年を意味している。
ラストエンペラー、ディアハンター、戦場のピアニスト、シンドラーのリスト、
禁じられた遊び、蝶の舌、火垂るの墓など、ほとんど馴染みある曲を
ギターソロ(アルハムブラ以外は自らアレンジ)で奏でる。

この週末にじっくり聴くつもりだったが、土日も仕事となり、
早起きしてこれを聴いている。
リピートを聴きつつ濱田滋郎先生の解説文を読むと、
大ちゃん本人のこんな言葉が抜粋されていた。
「もしかしたら、戦争と平和について、音楽を通じて何かを考察するということは、
私がギターに出会った時から始まっていたのかもしれません」

ショパンの夜想曲(戦場のピアニスト)を聴きながら、
鈴木大介の〝透明なハイクオリティ〟の具体的理由が、
明瞭な輪郭をもって視え始めている。

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2015年8月8日(土)その2233◆変貌

来週水曜は、新宿エルフラでバイラオーラ権弓美さんの公演。
パセオ公演忘備録は人気ライター白井盛雄さんが担当する。

ソリスタとして、またアルテイソレラ公演などでも活躍する権さん。
彼女は覚えてないと思うけど、三十年くらい前に
御父上のギタリスト東権正男さんの取材でご自宅に伺った折、
学校帰りの可愛らしいお嬢(弓美)さんと「こんにちは!」
の挨拶を交わしたことがある。

ずいぶん前のアルテイソレア公演で、際立つ冴えをみせる本格舞踊手が、
あの時の少女だと知った時はビックリしたなあ。

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2015,8,12 wednesday
TIME 18:30open/19:30start
PLACE EL FLAMENCO
TICKET 5,000yen with 1 drink & tapas
INFO Studio Plie
048-887-4728/info@plie.co.jp
    
BAILE Yumi Gon
CANTE Manuel de la Malena
GUITARRA Masao Togon
Sebastian Carrasco Vargas "Chano"
Makoto Saito
Tsuyoshi Nishii
PALMA Shiro Ijuin

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2015年8月7日(金)その2232◆男前フラメンコ

パセオフラメンコライヴ
Vol.007
矢野吉峰ソロライヴ

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2015年8月13日(木)20時開演
会場◇高円寺エスペランサ
主催◇月刊パセオフラメンコ&エスペランサ
出演◇              
矢野吉峰(バイレ)
マヌエル・デ・ラ・マレーナ(カンテ)
斎藤誠(ギター)
塩谷経(ギター)
末木三四郎(パルマ)
料金◇3.900円(税込・ワンドリンク付)
予約◇残席あり
昼☎03-3383-0246(株式会社セルバ)/夜☎03-3316-9493(エスペランサ)
メール予約:selva@tablaoesperanza.com

「素人から観ても玄人から観ても、
 ズバ抜けてカッコいい二枚目硬派の本格フラメンコ」。
私の大好きなバイラオール矢野吉峰をひと言で云うならこうなる。
実直でシンプルにカッコいいフラメンコは、
観客席に熱く爽やかな充実感をもれなくプレゼントする。
そこに彼の類稀なる才能と本領がある。

彼はフラメンコ協会新人公演の奨励賞受賞(99年)で頭角を現わし、
2003年のソロリサイタルでその確かな実力と大きなポテンシャルを私たちに印象付けた。
ソリストとして、また鍵田真由美・佐藤浩希フラメンコ舞踊団のトップダンサーとして
活躍する彼は、『フラメンコ曽根崎心中』(プロデュース&作詞=阿木燿子/
音楽監修&作曲=宇崎竜童)における衝撃の悪党・九平次で大当たりを獲ったが、
その絶対絶妙なるハマりぶりは、すでにフラメンコ界の生きる伝説となっている。

矢野吉峰のソロ舞台はすべて観てるが、ソレア・シギリージャ・マルティネーテなど
重たい硬派系やブレリアが殊に素晴らしい(ちなみにこれまでのところ軟派系はイマイチ)。
その真摯な性格と持って生まれた容貌、シャープ繊細にして逞しい技術と
好ましい余韻のエンタテインメント性。そして、フラメンコへの深い愛と深い理解。

本誌では『矢野吉峰のフラメンコ用語解説』をレギュラー執筆していただいているが、
本当はそんなことを頼んではならない実力派の大物なのである(汗)。
このライヴシリーズ初登場の男性舞踊手となる彼の舞台を
あれこれ空想するだけで何やら楽しくなってくる。
では吉峰(よしお)さん、ご来場者へのメッセージをよろしく!

「フラメンコを始めて20年ぐらいになりますが、最近になって『あ、
こういう事がやりたいな』と思うようになったことがありまして。
いつどこでどうやってそれを形にしていこうかなあ、なんてボンヤリ考えていたら、
偶然パセオ社長がこんなスゴイ企画に誘ってくれました。
相変わらず変な嗅覚をお持ちの方のようです。
20代・30代の頃は舞台に上がるときには振付ひとつとっても
毎回何か新しいことをやってやろう、
それでお客さんに喜んでもらおう、なんて思っていたんです。
でもここ数年の色々な出会いや経験でその考え方を改めまして、
逆に『10年、20年、同じ振付を踊っていきたい』と思うようになったんですね。

例えば同じソレア、同じマルティネーテの振付だったとしても、
20代、40代、60代だったらきっと全然違うものになるし、
同じ振付を粛々と踊り続けることによって、
自分が年齢を重ねるように踊りにも深みが増していったら嬉しいな、と。
というわけで今回のライヴ、なんだかお酒を仕込むようなイメージで作っています。
あまり専門的なことはわかりませんがお酒って、仕込んで、寝かせて、
熟成させながらその過程も楽しむ、みたいな感じでしょうか。
今回はその一発目になりますので、仕込んだばかりのお酒みたいに
カドがあって荒っぽいかもしれません(笑)。
ここからこれを20年は踊り続けていくつもりですので、今回のライヴとともに、
この先の熟成過程も一緒に楽しんでいただけたら、さらにさらに嬉しいです!」

 パセオフラメンコ8月号より転載(文/小山雄二 写真/川島浩之)

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2015年8月5日(水)その2231◆ジュピター

「私はまるで天に居るかのような想いがした」
ツァラトゥストラで有名な作曲家リヒャルト・シュトラウスは、
この桁外れの名曲についてこう語った。輝かしく荘厳、だがその至高の透明度ゆえ、
やがて哀しきモーツァルト最後の交響曲〝ジュピター〟。

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十年ほど前、高円寺のタブラオでパロマ(小島慶子)踊るガロティンを観たとき、
冒頭の言葉が稲妻のように蘇った。天上の歓びを謳歌する彼女のガロティンには、
意外にもまるでソレアのような黒い奥行きがあった。
以来ジュピターを聴くたびに小島慶子のフラメンコが脳裏を清冽に疾走し、
小島慶子のフラメンコを観るたびにジュピターがくっきり耳奥に鳴り出すという、
ちょっとおもろいパブロフ現象が発生している。

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2015年4月のパセオフラメンコライヴ(高円寺エスペランサ)では、
小島慶子のソロ三曲(アレグリアス、ガロティン、ソレア)を
天にも昇る気分で味わい尽くした。
ライヴを締めくくった独り舞いを含め、すべてが極上の絶品だった。・・・

来月対談(パセオ新年号掲載しゃちょ対談27)する小島慶子さん。
朝湯のあとの珈琲で久々のジュピター(バーンスタイン指揮)を聴きながら、
ほぼ発作的にその記事のリードを書きたくなった。パソコンに打ち込む指は、
まるで自動速記機のよう。現在ジュピターは第三楽章だが、
珈琲をおかわりしながら、今も脳内でパロマがぐるんぐるん舞っている(笑)

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2015年8月5日(水)その2230◆夢の通い路

錆びた線路に一輛だけの古びた電車。
ひとり私は乗り込む。
懐かしい風景を心穏やかに眺めたい。

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うつらうつらと、ソフトフォーカスな映像を浮かべる。
あわよくば眠りの中でその続きを観たい。
しんなり柔らかで、まるで生産性のない夢。

そんな目論見が幾度か成功したこともある。
いずれも生産性の高い仕事をクリアした夜に。
さざめく興奮を鎮める意識と無意識のコラボレーション。

緩急・強弱のコントラストを好む平衡感覚。
神秘な矛盾が、心を惑わせながら深い皺を刻む。
波乱を厭うわけでもない淡き夢の通い路。

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2015年8月4日(火)その2230◆二つだけ

「反省はするが後悔はしない」

この言葉を君と私に捧げます。
愛とは後悔しないことです。
反省とは具体的に改善することです。

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2015年8月4日(火)その2229◆お懐かしいのは

無理やり仕事にひと区切りつけ、
明晩は十年通う元地元・代々木上原駅前ダンドンでズラを整備し、
そのあと愛しの呑み屋〝どさんこ〟予定。
女将、マイケル、あっちゃん、師匠、楯小路先生、新撰組大沢副長、松ちゃん、
かまちゃん等々、それぞれ際立つキャラの御仁らはご健勝なりきや。

中野に引っ越して早七ヶ月強。
パセオまで徒歩五分、家賃も物価も安いが、何せご近所には
親しい従兄弟ののような古くからのフラメンコ仲間たちがいる。
代々木上原も17年住んだが、街そのものに愛着は薄い。
私の場合、懐かしいのはやはり〝人〟なのだと分かる。

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2015年8月4日(火)その2228◆寒冷前線

勢いと勤勉と不条理が交錯するパセオな日常。

例によって日に数回、集中力が薄れて来るころ、ふと訪れる雑談タイム。
きのうの昼下がり、会話の流れが相撲に行き着き、閃いたチャンスに私はこう語り、
編集部はそこはかとなく冷たい氷の微笑を浮かべる。

君たち、ビックリしちゃった相撲取りが何と叫ぶか知ってるか!
「ドヒョ~~~!!!」

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2015年8月3日(月)その2227◆キジも鳴かずば打たれまい

さあ、今日は朝から気合い入れて行くかあっ!
って、ふだんどんなけユルいんかいっ

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2015年8月2日(日)その2226◆秋は恋しい

NHK将棋トーナメント観戦のあと出社。
そろそろ向島・百花園が恋しいが、そりゃ来週以降のお楽しみとする。

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派手さというものがひとつもない庭園だが、だからこそ飽きが来ない。
春夏秋冬それぞれに味わい深いが、真夏だけはちょと暑い。
飽きは来ないが、秋は恋しい。

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2015年8月2日(日)その2225◆

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あっと驚くシガーラ来日!

しかも招聘はあのKAJIMOTO。
これはちょっと面白いことになるかもな。
    
本当にフラメンコはしぶとい。
各方面に化学反応を生じさせるジャンルだ。
やはり本能を活性化させるアートというのは、
無視することが出来ない何かがあるんだろうな。
だからおれたちも頑張れるのだと想う。

http://www.kajimotomusic.com/jp/news/k=2253/

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2015年8月2日(日)その2224◆サラ・バラス

この秋久々に来日するサラ・バラスとその舞踊団、
さらにアンダルシア・フラメンコ舞踊団。

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彼らが出演するフラメンコ・フェスティバルにこんな特設ページが。
http://www.parco-play.com/web/play/flamenco2015/

加えて、スペイン在住のフラメンコ研究家・志風恭子による公式ブログも充実してる。
サラ・バラスの過去の公演やCM等の映像が列挙されてるのが凄い!
パコやカナーレスまで出ちゃってるCMなんかはチョー傑作!
http://flamencofestivalintokyo.tumblr.com/

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2015年8月1日(土)その2223◆口説き文句

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「フラメンコは飲まなきゃいけない。
 その源はいろんな意味があるけど、僕はそれを飲む。
 でも、最初から意図したわけでもないよ。
 僕はただ喉が渇いていたんだ(笑)。
 でも、今言った意味はそこにあるよね」

ずいぶん前のパセオに載せた、いかにもドゥケンデらしい象徴的な一節。
妖しく遠まわしに、ずばりフラメンコの本質を突いている。
そればかりか、女性を口説くのにもドンピシャの台詞だ。
一度として成功例がないことを、つくづく不思議に想う。( ̄▽ ̄)