作家 小林真一のブログ パパゲーノの華麗な生活

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【 大切な人を失った 】

2007-05-03 15:30:08 | 02 華麗な生活


あれを初恋と呼ぶのなら、その相手は高校入学し
同じクラスになった他の中学から来た人だった。

周囲が騒ぐから、やはり初恋の人だったんだろう。

1年生のその組では、ボクは代議員で、彼女が
学級委員に選ばれ、何かとクチを利くチャンスが
あったが、2年で組別れしてから、一言も交わし
たことがない。

そんな初恋ってアリかぁ~。
あれは、単なる憧れってヤツで、いわば吉永小百合
に憧れたサユリストの類に過ぎない。

ホントに仲良しになったのは、お互いが40近くに
なってから。それからは、ボクが海外生活をして
いた期間を除いて、ほとんど毎年、それも何度か
逢っていた。

他の仲間も加えて京都の桜を堪能したり、楠木正成
の千早城にも共に登った。

その彼女が去った。今週月曜日のことだ。

4月12日に逝った、阪神間の同期食事会には、
元気な顔を見せていたのに。

彼女は多才な人で、日本画から始め、最近は油絵を
書いていた。その展覧会の準備に、自ら運転して行
き、途中で夫君を駅で降ろし、その準備の仕事の中
で、頭が痛くなったらしい。絵の仲間が代わって運転
し自宅に運ばれて意識を失った。脳梗塞だった。

彼女は2年前かにトルコ旅行の後、脳梗塞と診断さ
れしばらく運転ができなかった。

「近場なら運転してるのよ」と、食事会では話していた。

夫君は郷里の先輩で2才上。優しい人で最後まで
「恵子さん」と、「さん」付けで彼女を呼んでいた。
長男は灘高から東大へ進んだ。

家族葬でやるからと、お供えも香典も遠慮されて、
透析と腰痛のボクはお通夜にもお葬儀にも出られ
ず、はるかに冥福を祈ったのみ。

男女間に友情は芽生えないと言うのはウソだ。
ボクと彼女の間には、間違いなく友情があった。

                 パパゲーノ

               

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