作家 小林真一のブログ パパゲーノの華麗な生活

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【 メリーウィドウ (5) 】

2008-07-07 08:42:24 | 02 華麗な生活

日が変わったが、まだ余韻が残っている。
あれだけの言葉を連ねたのに、何かが足りない。
衣装と振り付けにも触れるべきであったと知った。

あの空間を占めていたのは、まさに明治時代の
鹿鳴館のよみがえりであり、時期的にも大きく
ズレはないのじゃないか。
一幕目も二幕目も、開幕するとそこに50名以上の
歌手兼役者兼踊り手が妍を競っている。
あの華やかさについて、ついにボクは表現力を失った。

今日も何度も口にした。
佐藤しのぶに委縮することなく堂々と挑んだ並河寿美。
歌唱力において相譲らなかった大山大輔と健ヌッツオ。
あの大ホールに響き渡った声量たっぷりの歌手たち。
これからの人生に、こんな場面に再び遭遇することが
あり得るのだろうか。

ボクの長年にわたる自問自答に答えが出てしまった。
最後に一つのオペレッタを選ぶならどうしよう。
「こうもり」か「メリーウィドウ」か。
「こうもり」はもちろん「ウイーン気質」だって捨て難い。
だけど凄いものを見てしまった。
もうなんたって「メリーウィドウ」だ!

あのオケボックスの前にしつらえられた花道は、
最前列のA席を潰して作ったと知った。
ボクの席がC-27だったと言ったが、傾斜の緩い階段を
前から二列目まで降りてきて、すぐ横の席で、しかも更に
特典があったのだ。それは最前列になったB列の、階段の
両側が共に空いていた事実。万席の客席になんという奇跡。
だからボクは遮るもののないポイントから、佐渡裕の横顔を
見ながら、同時に舞台上も見ていた。

この作品には名曲が多い。その一つが男優たちによる
女へのワルクチ。「とかく女というものは(女・女・女)」
ダニロ以下の主な7名が花道に出てきてこの曲を演じた。
と思ったら、こんどは佐藤しのぶを先頭に女優の主なところが
右手から男優たちを追いやるように出てきて、同じメロディで
「男・男・男」を歌い、やはり強いのは女と誇示した形に。
目の前のオルガ役が、可愛かった。鈴木純子さんだった。




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