二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

おススメSS 宮藤さんが部屋にいる

2016-01-18 23:35:21 | おススメSS

宮藤さんが部屋にいる

突然PVにIP数が増えてビビッている第三帝国です。
原因は何かと思えば、はてなアンテナにGATEネタが紹介されていたためでした。
提督たちの憂鬱(仮想戦記)の二次創作がここまで注目されるなんて……。

それはさて置き、
今回のSSは「アニメのキャラが現実世界に来訪する」
という中々珍しいSSを紹介したいと思います。

タイトルから察せられるように、
ストライクウィッチーズの宮藤芳佳が現実世界に来る話です。
主人公は特にストパンを知らず、突然部屋に光臨した芳佳と同棲生活をします。

服を買いに行ったり、動物園に遊びに行ったりとほのぼの系でありながらも、
帰る場所を思い出しては暗い影を見せる芳佳のシリアスな一面のバランスが取れた良いSSであります。

そして、「あんなに可愛い芳佳ちゃんヒロインのSSが見つからないので自分で書く」
と宣言した作者の手腕でおっぱい星人のイメージが強い芳佳が原作に違和感を覚えない程度に可愛く描写されており、
原作への愛を感じます、ぜひ見てください。


「え、あの、病気なんかじゃないですっ!
 わたしは501のウィッチで、さっきまでヴェネツィアを解放する作戦に参加してたんですっ」

「いや、ヴェネツィアとか言われても……ここ、日本だしなあ。イタリアとは一万キロぐらい離れてるんだけど」

あと501とウィッチってどういう設定? と繋げようとしたのだが。

「に、ほん? あの、ニホンっていうのは……」
「日本は日本だけど。日本国。ニホン、ニッポン……君だって日本人でしょ?」
「ち、違います。わたしは扶桑の生まれです。あなたこそ扶桑人じゃないんですか?」
「フソウ……?」

このあたりで、俺は明確な違和感を覚え始めていた。
これが日本人の痛い少女の演技だとしたら、あまりに話が噛み合わなさすぎる。

第一、このような状況――他人の家の中で、
堂々と設定をひけらかすなんて真似を出来る人間が、
ここまでまともな受け答えをするだろうか。

宮藤と名乗る少女は言っている内容こそ支離滅裂だが、
話し言葉や人との会話を支障なく行っている。
逆に『頭のネジが外れきっている』という可能性もあるが、
それにしては目つきもしっかりとしていて、それらの人間特有のどろどろとした瞳はしていない。

「ふそう、フソウ……扶桑か。扶桑っていうと、俺からしたら戦艦ぐらいしか出てこないんだけど」

独り言のつもりだった呟きだが、彼女の耳には届いていたようだ。律儀に返答してくれる。

「戦艦、ですか? ごめんなさい、
 わたし、艦にはあまり詳しくなくて……赤城なら乗ったことがあるんですけど」

「……え?」

今、なんて言った?

「赤城です。えと、空母の……ご存じないですか?」
「いや、そうじゃない。赤城なら知っている」

ボーキをよく食われてるから。いや、そうじゃなくて。

「赤城、って名前の民間船とかじゃなくて……帝国海軍の、赤城のことを言っているのか?」
「はいっ。『扶桑皇国海軍』の赤城です」

結構乗り心地もいいんですよー、
なんて笑顔で言っている彼女はやはり冗談で言っているわけでもなんでもなく、
ふとすればああそうなのと頷いてしまいそうな無邪さを見せている。
俺が知っている赤城とは言うまでもなくミッドウェーで轟沈した赤城のことであり、
間違ってもこの年齢の少女が乗っていたわけはないのである。
正確な日付はわからないが、第二次大戦中であるから1940年代には海の藻屑になっているはずだ。

「君は今、いくつだ?」

そんな疑問と、少女の話す内容の矛盾に釣られたのか思わず年齢を尋ねてしまった俺を誰が責められようか。
ぶしつけな俺の質問に、戸惑ったように口を開く。

「えっと、1929年生まれの15歳ですけど……?」
「――そうか。俺は1996年生まれの18歳だよ」

彼女はそんな俺の言葉を聞いて、きょとんとして……ぽかんと口を開けて。

「……え、ええぇぇぇ!!??」

近所迷惑きわまりない叫び声をあげるのであった。















コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【完成】ヴァルハラの乙女 第21話「芋大尉の思考」

2016-01-16 10:46:24 | ヴァルハラの乙女

「はぁー」

朝から廊下で辛気臭いため息を思わず吐くわたし。
その原因は予算が通らなかった理由が明記された手元の書類にある。

軍隊も普通の会社と同じく常に予算の問題が付きまとう。
資金源が国民の税金であることを除けば、何をするにしても予算がなくてはならない。

501を会社に例えるとミーナが社長で、坂本少佐が役員。
そしてわたしは中間管理職といったところであり、わたしは隊員の事も常に考えなくてはならず、
ミーナは社長でもより上のブリタニア空軍という親会社の指導下にあり、さらに色々考えなくてはならない。

そして、会社でもよくあるように下の考えが上に伝わるり難いのが常の事で、
加えて想像だがウィッチ部隊に否定的な某大将の策謀もあって、
昨日の会議で各員の奮闘を期待するなんて言っていたが、
早い話、親会社から予算の確保は難しいから何とかしようということだ。

うーむ、頭が痛い。
横のコネクションでどうにかなる案件ではないから頭が痛い。

予算、予算、予算。
これを確保するのはネウロイを倒すよりも難しい任務だ――。
その上のあの兎娘と来たら会議では終始上の空だったしこれも別の意味で頭が痛い。

501は中佐のミーナ、少佐の坂本少佐、そして大尉のわたしで部隊を管理している。
イェーガ大尉、もといシャーリーはわたしを補佐する形で部隊管理の業務に就かせている。

彼女自身が問題児な上に正直業務に熱心でないが、
指揮序列的に4番目であるので今の内に経験を積ませる必要がある。
気楽にスピードだけを日々探求することは大尉という階級は許されないと言うのに、本当…。
しかも、問題児だが戦場ではその特技で活躍する優秀なウィッチなのだから始末に終えない。

おっと―――。

「おはよう、バルクホルン!!」
「はい、おはようございます。坂本少佐」

坂本少佐だ。
辛気臭さとは無縁な笑顔で挨拶してきた――って、え!?

「どうした、
 元気がないぞバルクホルン!
 まだ予算のことで悩んでいたのか!」

「ええ、まあ、そうです…」

そうだけど、その前に、その。

「心配するな、何とかなる!
 真面目なのはいいがそう悩むな!」

どんな根拠があってそんな事が言えるのか不明だが、
これ以上ないほどドヤ顔で少佐は言い放った―――ただしスク水姿で。

朝からスクール水着一丁のもっさんがそこにいた。
紺色のスク水から伸びる手足は長く、そしてよく鍛えられ引き締まっている。
程よく焼けた肌に、水着の隙間から僅かに覗く焼けていない白い肌のチラリズムに思わず生唾を飲み込む。

と、言うか、なんでスク水姿なのさ!

「えー少佐、なぜ朝からその姿で…」

「うむ、よくぞ聞いてくれた。
 最近さらに自己鍛錬を重ねようと思い朝から泳いできたわけだ!
 想像より海は冷たかったが、なーに頭も覚めてたし調度よい塩梅だったな」

なんて答えが返ってきた。
お、泳ぐのか、いくら時期は夏とはいえ朝一から泳ぐなんて。
しかもこの人海軍の人間だから数キロ泳いでも可笑しくないぞっ…!!

「お疲れ様です、少佐」

「私は別に疲れていなけどな、
 はっはっはっは――――っと、ところバルクホルン。
 部隊のレクレーションについて思いついたのだが、良いか?」

「レクレーションですか?」

501は最前線部隊であるが、
この前わたしが宮藤と一緒にロンドンに出かけたように、
それでも隊員の英気を養うために交代で有給を取れるようにしているだけでなく、
定期的に部隊内で様々なレクレーションを部隊幹部のわたし達が計画、そして実施している。

なぜなら多国部隊ゆえに同じ国のメンバーと固まったり、
あるいは孤立してしまうことを防ぐために気晴らしの場を設けることで交流を深め、
意思の疎通を密にすることができ、部隊の団結を強固なものにすることができるからだ。

あれ、これはもしかすると……。

「海水浴ですか?」

「おおそうだ、その通り!
 海水浴をしようと思っているんだ。
 聞くところによるとエイラにサーニャは海を泳いだことがないらしい。
 それに扶桑で夏と言えば海水浴が一般的な娯楽ゆえにぜひやりたいと考えている」

ああ、やっぱり原作のイベントだ。
と、すればネウロイの襲撃はその日だと思えばいい。
後はどうやってその日にネウロイの襲撃に対処するかが問題だ。
特にあの兎娘の俊足が今回のイベントの鍵を握っているのだから……。

「ついでに宮藤とリーネに水練を施したいしな」

【原作】で不時着訓練としてストライカーユニットを履いたまま海に叩き落されるアレか。
わたしも501が出来たばかりのころ、ミーナ、エーリカのカールスラント組と仲良く落とされてひぃひぃ言ったな。

何せカールスラント空軍は基本扶桑で言う所の「陸軍航空隊」で、
海での不時着訓練なんて重視していないし、大陸国家ゆえにそもそも海を見たことない。
という国柄だから、前世で「海を泳いだ経験」があるわたしを除いて2人共根を上げた、懐かしい。

「2人の訓練用機材の準備をします」
「うむ、頼む」

と、ここまで話していた時、横から宮藤とリーネの会話が聞こえた。
その内容は実に日常的かつ些細な内容であった。

が、向かいの廊下から現れた時、
宮藤の視線はリーネのたわわに実った胸に一点集中しており、
表情もゆるゆるで、色々その、欲望に溺れている表情をしていた…。
それこそ、あの表情を見ていると見ているこちらが情けない気持ちになる程に。

「たるんでいるな……―――おい、宮藤!」

当然というべきか、坂本少佐が声を上げて叱責する。

「ふぇっ!?
 ち、ちがうんです!」

驚いた宮藤が慌てて両手を前に突き出す。
わたしは揉まれて堪るかと避けたため被害は及ばず、その両手は少佐の方へ向かい――って!?

「ひゃ!?」

あの少佐から乙女のような悲鳴が出た。
宮藤の手は正確に吸い込まれるように、水着両脇から水着を押しのけ直に胸に触れていた。

「ふぁ―――思ったより、大っきい」
「み、みや、ふじ、馬鹿者!揉むな!抓るな!!」

そして当のおっぱい星人は至福の表情を浮かべおっぱいを堪能していた。
実にうらやまけしからん、男の時にこんなラッキーイベントがあれば。
あ、いや普通に豚箱行きか、でも今ならスキンシップで大丈夫…じゃなくてだ!

「その辺にしておけ、宮藤。
 揉みたいならリネットの胸を揉んでおくように」

「坂本さんの胸って本当に―――あれ?」

といわけで、揉んだり抓ったり掴んだり、
等とおっぱいを堪能していた宮藤の後ろ首を掴み少佐から引き剥がす。

大体君には現地嫁がいるというのに浮気はいかんだろ浮気は。
揉むなら嫁だけにしておけ、と言う意味をを込めて言った際リーネが何か騒いでいたが無視する。

さて。

「で、よかったか。少佐の胸は?」
「はい、とても!」

おもむろに感想を聞いてみる。
その回答はとても良い笑顔を浮かべた上で元気が良いものであった。
この後の事なんて何にも考えていない、実にすがすがしい表情である。

反省の色なし、か。
欲望に忠実なのは見上げた根性だが今回はそれが仇になったな…。

「だ、そうですよ少佐」

「ほ、ほぉ………みーやーふーじーーー!!」

「は、はぃいいいい!?」

一連のやり取りを聞いていた少佐がにっこりと笑みを浮かべる。
が、目線は冷たく米神にはぶっとい青筋を浮かべ、背後には怒りの炎を背負っている。

「宮藤、さっき私は海を泳いだばかりだが、
 どうやらもう一度泳ぎたい気持ちが出た、それも2人で。
 なーに、近々水泳訓練をするつもりだったからその予行演習と思えば良い」

「わ、わたし朝の準備が…あい、たたたたた!!
 ひひ、ひっぱらないでくださーい、坂本さーん!?」

宮藤が逃走するよりも先に少佐が腕を掴み引きずって行く。
助けを求める視線をわたしとリーネに向けるがわたしは関係のない話だ。

そしてリーネといえば…何でかいつの間にかいない。
流石隠れ腹黒疑惑のある人間だな、巻き込まれたくないのかもう逃げたみたいだ…。

「では、行こうじゃないか宮藤。
 ふふふ、海軍仕込の水練を教えてやるから覚悟しろ」

「た、助けてーー!!」

そう少佐が言うと宮藤を引きずって海の方へ走って行った。
宮藤が悲鳴を挙げるが止めるものは誰もなく海辺へと消えて行った。
そして騒がしかった時間は過ぎ、今この場にいるのは自分だけとなった。

いや、もう1人今来た。

「あっはははは、やるじゃないか宮藤!
 まさかあの坂本少佐の胸を直に触るなんて、
 エイラにルッキーニも出来なかった偉業だよトゥルーデ!」

「偉業、ねえ」

兎娘ではなく戦友にして相棒のエーリカだ。
先ほどまで廊下の角の隅で隠れていたらしい。
で、さっきのやり取りが余程面白かったのか腹を抱えて爆笑している。

「だって、少佐って勘が鋭いから触ることすら大変なんだよ。
 私がそうだったし、エイラとルッキーニも同じ事を言っていたよ」

「3人で何をしてるんだ……」

おっぱいを触ることに情熱を燃やす少女がそこにいた。
というか、まさかエーリカまでおっぱい星人だったなんて…。

「ちっちっち、駄目だなトゥルーデ。
 女の子の胸はロマンが詰まっているんだからそれに触れるのが使命でしょ」

そう言って胸を張るエーリカ。
確かに女性の胸はロマンが詰まった素敵な代物であるのは認めるが、
こうも露骨に求めるのは品がないし、やるんだったら…ゲフンゲフン!
それよりも、自分のそのまな板みたいな身体でそんな台詞を言って悲しくないか?

「ない胸を張って悲しくないか、mein Kameradin?」
「別にこれから大きくなるし!」

極力哀れみを伴う視線で問いかけたが、
全然問題ない、と言わんばかりの返答が来た。
これがペリーヌなら実に分かり易い反応が来るのだが、残念だ。

「それより、トゥルーデ。
 話は変わるけど最近シャーリーが悩んでいるみたいだけど何か知らない?」

唐突に切り替わった話題は兎娘のことだった。

「悩んでいる……?」

「うん、ここの所夜遅くまで格納庫に入り浸っているみたいだよ。
 そのせいか少し寝不足気味だし、何か焦っているみたいだけどトゥルーデは知っていた?」

言われなくても分かる。
スピードを求めるあの兎娘だが、
時速800キロより先を越すことが出来ず焦っているのだ。
それに今日か明日に試験飛行をする、という話だったしな。

「ああ知っている、
 最近なかなか800キロより先を突破できないらしいな」

「ああ、やっぱり。
 シャーリーが悩むと言ったらそれだしね。
 ミーナならデスクワークが長いせいで増える体重とかに悩んだりするけど」

「余計な事を言うな!」

本人が聞いていたらどうするんだ!
真剣に悩んでいるからミーナはこっそりランニングとか、
自室で腹筋とか腕立て伏せとか、地道な努力を重ねているというのに。

「大丈夫、大丈夫。
 この時間帯は朝食前の書類チェックだからここに来ないって。
 さてと、知っているんだったらいいや、私は先に朝食行ってくるね、バイバイ~」

「あ、おい、待て」

そして言いたいことが言えたのか、
こちらが止めるより先に食堂へ走って行ってしまった。

「何だったんだ……?」

行き成り現れた上に、
唐突にシャーリーの事について聞いて来るなんて。
けどまあ、エーリカが態々聞いて来たということは何か考えがあるのだろう。

ずぼらだが、ああ見えてかなり聡い子だから。

「まあ、行って見るか」

朝食より先に格納庫に行って様子を見てこよう。
もしかすると兎娘が俊足を求めて四苦八苦しているだろう。
そしてわたしは善は急げ、とばかりに食堂から格納庫へ向きを変えて走った。













コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

おススメSS Fate/Rose Emperor

2016-01-10 18:02:58 | おススメSS

Fate/Rose Emperor

FateのSSで転生憑依その他オリ主なしの純粋なSSです。
「もしも召還したセイバーが赤セイバーであったら?」といもので、
アヴァロンも使えない中今後どうなるか楽しみであります。
更新速度が遅めなのが難点ですが、少しずつ確実に更新を重ねており完結が待ち遠しいです。


「では、改めて問おう。そなたが余の奏者マスターか?」
「はっ?」

自分の目の前、月を背にしながら、金髪で翡翠の瞳の少女が、訳のわからない事を言った。
衛宮士郎は混乱している。
夜の学校で、赤い服の男と青い服の男が、時代錯誤の戦闘をしているの

__夜中の校庭に響き渡る剣戟。

__その担い手たる、蒼と紅の二人。

__現代では目にすることはできない、激闘。

それを目撃し、その青い男が自分のことに気付くと、口封じのために襲ってきた。
そして、逃げまどい、学校の廊下で青い服の男が持つ禍々しい赤い槍で心臓を貫かれた。
が、途絶えた意識が再び浮上すると、確かに貫かれた心臓は元通りだ。
夢かと思ったが、胸にこびりついた血がそれを許さない。
意識がはっきりしないまま、とりあえず帰宅するものの、再度、青い服の男が自分の家に来襲してきた。
 
事前に察知した士郎はなんとか抵抗しようとする。この身は魔術師。半人前だが、自衛の手段は多少心得ている。
しかし、所詮は半人前。最初とは違い、すぐに殺されなかったが、一方的な攻防で士郎は為すすべがなかった。

命からがら、なにか武器はないかと家の中にある土蔵に逃げ込む。
その際の最初の一撃は小癪な魔術と言っていいのかも分からない魔術で防げた、
だが絶体絶命、青い服の男も「諦めな」と言ってきた。

ふざけるなと自然に声を出していた。
その後も言いたい事を言った。
そして最後に制服の左胸のあたりが破れ、血が滲んでいる部分を握り締めながら

「こんなところで、意味もなく、・・・・・平然と人を殺す、お前みたいな奴に!!」

と、その瞬間、左手が焼けるような激痛が襲い、青い光が全てを包んだ。
そう、その際に聞こえた。時の流れがゆっくりになったかのようになり、ハッキリと。

――うむ! 死の淵において恐れを抱き、恐れを飲みながらなお戦うか!――

――見事だ、よくぞ言った、名も知らぬ路傍の者よ!――

――その願い、世界が聞き逃そうとも、余は確かに感じ入った!――

――拳を握れ、顔を上げよ! 命運は尽きぬ! なぜなら、そなたの運命はいま始まるのだから!――

光が収まった瞬間、士郎の目の前に美しい少女がいた。
非常に露出の高い赤色のドレスを身に纏い、
黄金の髪を持つ少女はその凛とした翡翠の瞳を士郎に向けて、先ほどの言葉を述べた。

問おう。そなたが余の奏者マスターか?

しばらく、呆然としてしまった。

「・・・・あぁ、・・・・そうだ?」
「ふ、言葉は少ないが美しい返答こえだ。気に入った。我が身を呼びつけた慢心も、今は問うまい」

そう言ってから、士郎を見つめていた少女がきりっと後ろを振り返り、土蔵から飛び出した。
そこで、ようやく士郎の麻痺した思考が再び正常に戻る。
外には自分を襲った男がいる。少女が危ないと、本能的に土蔵に出た瞬間、信じられないものを目にした。



















コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

続いたネタ20 GATE~夢幻会、彼の地にて戦いけり

2016-01-09 22:38:15 | 習作SS

1945年 東京 陸軍参謀本部

参謀本部は年末調整で殺気立つ大蔵省の官僚に怯える以外の話題。
陸軍と自衛隊のイタリカ救援と共に商人と接触し得られた情報、
特におぼろけながらも特地の情報が判明したことで話題を呼んでいた。

「イタリカより先が武装勢力、通称【帝国】の首都か。
 このまま一気に攻略してしまいたいが、兵力が足りるかどうか…」

「いや、相手はせいぜい中世程度の文明だ。
 アルヌスの丘周辺に残敵はない以上今すぐ進撃すべきだ!」

「馬鹿を言うな、本土と結ぶ輸送路はあの銀座の門だけだぞ!
 唯でさえ軍の補給で四苦八苦しているのに碌に地形も分からぬ土地なぞ行けるか!」

レレイ達が商人と接触したことで得られた異世界。
通称「特地」の経済体制を知った参謀達は今後どうするか議論していた。

「帝国陸軍は特地の都市、通称「イタリカ」
 において武装勢力の残敵掃討を完了せり、これを以って銀座に進行した武装勢力。
 さらにアルヌスの丘に逆襲してきた戦力の全てを排除することに成功したことを報告する」

一方政府はイタリカでの行動で突然襲ってきた武装勢力の壊滅を宣言。
この報告はメディアを通じて大きく報道され、各地で歓喜を以って迎えられた。

「帝国陸軍万歳!異世界にても勝利!」
「勝てる戦なぜしない、特地を帝国の領土に」
「株価再度値上がり、特地開発に経済界は注目する」

新聞ではこのまま特地を一気に支配すべき、
という強硬姿勢が強く、世論と経済界のコントロールに夢幻会は頭を痛めていた。

後先考えずに特地に進出する、という選択肢は最初からない。
なぜなら【原作】で時空の捩れで銀座の門を一時的にも閉じることは絶対必要で放置すれば大惨事になるのだから。
また、補給路は銀座の門だけで大兵力が展開できない問題を常に抱えており、下手な深入りができない。

そしてそれは現場も同じ結論に至っていた。

「やはり、無理か」

アルヌスの丘、自衛隊と帝国陸軍の合同司令部の会議室で栗林中将が呻いた。
会議室の真ん中に設置した卓上にはこれまで収集した航空写真を元に作成した特地の地図があり、
自衛隊、日本軍、そして国家として承認されていないため武装勢力と未だ呼ぶ【帝国】の戦力を示す駒が置かれている。

想定として【帝国】の帝都攻略に向けて自衛隊と日本軍が進撃を開始。
自衛隊は加茂直樹一等陸佐率いる第1戦闘団に空中騎兵である第4戦闘団。
日本軍は島田豊作中佐指揮下の戦車第18連隊を中心とする戦闘団、さらに第4騎兵旅団が初日にイタリカを難なく通過。

2日目にイタリカと帝都の半ばまで到達した所で【帝国】軍がようやく行動し、交戦する。
しかし、航空機の援護と自衛隊の空中騎兵である第4戦闘団の健軍俊也一等陸佐が背後に展開したことで崩壊。
その日の内に【帝国】軍を撃破、帝都の城壁を自衛隊の隊員と日本軍の将兵は目にする。

そして後方からやってくる砲兵を待ち、3日目にいよいよ帝都攻略に掛かる。
早朝から【帝国】の首脳部を確実に捉えるため第4戦闘団が空から重要施設に対する攻撃と降下で混乱を誘引。

さらに城壁の外からは戦車と自走砲の砲撃を加え城壁を破壊、城壁を頼りとする敵を撃破。
指揮系統が麻痺している間に戦車を押したて周辺住民への被害を極限するため一気に中心部に突入する……。
自軍の被害は想定の範囲内で間違いなく勝てる戦争であり、一見すれば問題ないようだが、問題があった。

「首脳部を確保するにしても現段階では【帝国】皇帝の姿が不明だ。
 その上帝都で戦闘すれば市民の犠牲がどうしても出てしまう、政治的にまずい」

挟間陸将がそう言葉を続けた。
まずは【帝国】を率いる【皇帝】と称される人物の確保は絶対であったが、
モルト皇帝と人物名こそ判明しているが容姿が不明で確保したいが不可能であった。

さらには政治的問題、すなわち市街戦でどうしても市民を巻きこんでしまうことだ。
日本軍はあまり気にしていなかった自衛隊はその特殊な政治環境ゆえにこの点に敏感に為らざるを得なかった。

自衛隊は事前に市民に退去するように宣伝ビラの散布などをして市民の安全確保を考えていたが、
日本軍が自らの世界における独ソ戦でソ連が根こそぎ動員した例を持ち出し、無意味であるとの意見がでる。

「自衛隊と我が軍の補給は…そうですね、何とかなるでしょう。
 しかし、戦火で流通に打撃を受けた結果帝都の住民は間違いなく飢えます。
 この面倒を無視する、というわけには行きませんから住民慰撫で食料の配布をするとなるととても…」

さらに帝都を攻略した後の問題があった。
自給自足能力がない大都市は周辺部からの流通によって支えられているが、
自衛隊と日本軍、そして【帝国】軍との戦闘でそれが破壊され、回復するまでの間にその面倒を見る必要がある。
栗林中将の下で参謀長を勤めている八原博通大佐が言葉を濁すように飢えた住民の分まで現状手が回らない。
 
もしも本土と結ぶ補給路が銀座の門だけでなければ、
大量のトラックを動員して流通が回復するまで最低限の食料配布は可能だが、
補給路は門のみ、という環境がそれを許していなかった。
 
「つまり戦えば鎧袖一触に間違いない。
 しかし、首脳の顔は未だ知らず、戦後に必要な物資は用意できない。
 帝都を占拠しその後の治安維持に必要な兵力を考えると…兵站上の悪夢だな」

栗林中将が帝都進行を想定した兵棋演習をそう総括した。

「やはり今日来る彼女らを伝手に講和会議を開く。
 武力でなく交渉の場で決着を付ける、これが最も労力がかからないか」

「合理的だが納得できないな、ああ俺は待つのは性に合わない!」

「まったくだ、もう一度【帝国】がアルヌスの丘に押し寄せてくれば話は早いのだがな…」
 
健軍一等陸佐の言葉に加茂一等陸佐、
そして島田中佐が戦車屋らしく好戦的な言葉を口にする。

「まあ、諸君逸るのは良いが待つのも仕事の内だ、
 日本ならびに帝国日本の政府も進撃を望んでいない以上、現状維持に努めるだけだ」

挟間陸将の苦笑交じりの言葉に自衛隊、日本軍双方の幹部が頷く。

「当面は万が一に備え補給物資の備蓄。
 それにイタリカの人道支援、深部偵察の続行。
 コダ村住民を使ったさらなる情報収集に周辺部の治安維持といった所だろうか」

「可能ならば街道整備もしたい所ですな挟間陸将。
 街道があるとはいえ戦車が進むにしては貧弱なので時間がある内に工兵で整備してしまいましょう」

「そうれは名案ですな、栗林中将閣下。
 自衛隊も施設科を動員しますので是非しましょう」

とはいえそこで暇を弄ばず万が一に備え自衛隊と日本軍はその準備を今の内にするつもりであった。
物資の備蓄、人心の掌握、情報収集に街道整備で機動力の確保などすることはあった。

「失礼します、例の姫君が間も無く到着します」

その時柳田二尉が部屋に入り報告する。
柳田は先ほど話していた講和の伝手となる人物が来たことを知らせた。

「話題の客が来たようで…では早速会いに行くとしましょう」
「ええ、お供します」

栗林中将、挟間陸将が頷きあった。
ピニャが2人の将軍と会談する15分前のことであった。


 
 










コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

おススメSS ぽんぽこライダーWITHカルデア

2016-01-05 21:31:39 | おススメSS

ぽんぽこライダーWITHカルデア

Fate/Grand orderを主題としたSSです。
タイトルの通りぽんぽこライダー、あるいは痴女ライダーこと牛若丸主題の短編集です。
作者が「ぽんぽこライダー可愛いです。これくらい空気が読めないと嬉しいです」と言った結果。
唯でさえ空気が読めなかったのがさらに空気が読めない牛若丸が誕生。

基本ノリと勢いのギャグ路線を歩むSSで、
ぐだ男、あるいはぐだ子もたがいな性格をしているためさらにカオスになっています。

その他キャラも

「セイバー・リリィをストーキングする悪墜ち、騎士ジルコンビ」
「寂しかっただろと赤ちゃんプレイを強要されるアタランテ」
「叛逆騎士に種火を種付け(意味深)と誤解してしまう」


等などと他にはない発想で短編が掲載されています。
それなりにエロもあるので楽しみにしてください。


7日に一度の呼符による召喚タイム。
貯蓄の出来ない自分は引きたい時が引き時。
引ける時はなんもしなくても引ける。引けない時はなにをしても引けないが信条。

……え?リンゴカード?あぁ、あれはフォウくんが食ったよ。
ないんだよ。ない。ない!最初からあんなものはなかった!いいね!

では、召喚!
現界の扉を打ち開けて--
虚界の闇に歩を進め--

「せ、先輩……!それは版権が絡むのでそれ以上はダメです」
 
……ういっす!

ピカーと溢れる光。輝く三連の光輪!
なんかゴテゴテしい鎧キター!
え?どちらさん?男?女?鎧でわからない。
顔隠してるタイプは第一印象が当てにならないからなー。アステリオス然り。

「……なんだ。お前がマスターか?」

む!ゴテゴテしい鎧の癖に案外可愛い声がする。
OH!こいつぁ、あれだ。絶対、霊基再臨で脱ぐ娘だ!
よし!剣の種火を注いじゃうぞー。マシュマシュ持ってきて!

「了解です」

パタパタと可愛いらしい足音を響かせて駆けていく私服なマシュ。
いくらワンピーススカートが翻っても、黒タイツなので見てて安心。

「た、種火?なんだ、それ?」

こてんと兜が傾いた。愛らしい。
んー?
ちょっと種付けするだけだから、身構えなくていいよ。

「たねぇっ!?待て、寄るな!こっち来んな!」

なんだか知らんが暴れ出す鎧の人。
……あ!やべ、種付けって言葉がおかしかったわー。だが、敢えて訂正はしない!
マシュがいないのでちょいと悪ノリしちゃえ。
大丈夫だぜ、鎧の人!
ちょっと限界を迎えるまで種付けするだけだから!

「ぜんっぜん大丈夫じゃない!オレは女じゃないからな!
 マスターであれ、オレを女扱いするなら容赦はしないぜ」

あぁ、そうなん?男の娘?
大丈夫だぜ、鎧の人!(二回目)
種付けに性別関係ないのです。
限界を迎えるまで種付けて、限界を迎えたらアヘ顔ダブルピースで拡張だぜ。
新たな自分をズル剥けにするただそれだけの行為だ。

「―――!?」

あまりの衝撃に言葉をなくす鎧の人。
ピュアだ……!この子、超ピュア。
なんかヤバ目な言葉を連発していますが、詳細は下記の通りです。
種付け=レベリング
アヘ顔=ピース、モニュメント、素材を求めて周回していると頭がおかしくなってくるマスターの図

例)「あぁっらめぇ!銀が出ちゃうのぉっ!金が、金がっ、
   いいのぉ!!金を出してぇ!!銀んんんんっ!!?ら、らめぇえええ!うほおおおおおおぉぉぉっ!!!」

ピース=セイバーピース。実際はダブルとかそんなチャチなもんじゃない。
ズル剥け=再臨
以上、です。

「……ふ、ふざけんな!!」

と、怯えを通り越してキレ出す鎧の人。
ははーん。さては中の人すっごい若いな。幼いと言うべきか?
物々しい剣まで振り回しちゃって!もうヤンチャだなー。

――だが、甘い。

その剣が振り下ろされる前に、ザビ先輩直伝!コードキャスト空気撃ち!!

「なっ!?」

名のある英雄とは言え、
Lv.1。Lv.100のマスターの不意打ちの空気撃ちは避けられまい。よろめかざる得ない。

こちとて型月主人公。

病弱S・T(後の殺人貴。魔眼持ちの女殺し)
半人前S・E(後の守護者。固有結界持ちの女たらし)
*一般人M・K(調査探索の鬼。一度は世界を変える権利を得るが放棄。ストーカーの果てに嫁+娘をゲットする一番の勝ち組)
田舎少年S・S(黄金の人狼すら葬るYAMASODACHI)
無個性モブF・X(月の聖杯戦争の勝利者。英雄王すら手懐ける覇者)

*S・Rが主人公ではないかと言う疑問はややこしくなるので受け付けない

名高い主人公たちに続くFGO主人公。
最弱、凡弱、普通、無個性、プレイヤー自身と言われるのは事前情報のみ!
いざ、蓋を開ければ、強すぎる個性と設定に事前情報など消え失せる。
病弱でも世界最強種をヤれるんだぜ!すごくね?

かつ言う自分も、最近になって逸般人ではないかと思うようになってきた。
この前はノーコメントを貫いたが、サーヴァントを5体同時使役(フレンドを除く)。
50体にも及ぶサーヴァントと同時契約。毎日復活する令呪。
……なんかもうおかしいね。

閑話休題。

そんなわけで、来たばっかのサーヴァントに負けていられないのですよ。
よろめいた鎧の人の背後に回るべく、更にコードキャスト強化スパイク移動速度上昇!

「くっ」

鎧の人が悔しそうな声(と言うか泣きそうな声)をするが、フィニッシュだ。

種付け(レベリング)開始!

「……ち、父上、父上ぇ!!」

はははっ!お前が父上になるんだよ。観念しろやー。
とか、意味も考えず適当こいておく。















コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする