二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

おススメSS Fate/Rose Emperor

2016-01-10 18:02:58 | おススメSS

Fate/Rose Emperor

FateのSSで転生憑依その他オリ主なしの純粋なSSです。
「もしも召還したセイバーが赤セイバーであったら?」といもので、
アヴァロンも使えない中今後どうなるか楽しみであります。
更新速度が遅めなのが難点ですが、少しずつ確実に更新を重ねており完結が待ち遠しいです。


「では、改めて問おう。そなたが余の奏者マスターか?」
「はっ?」

自分の目の前、月を背にしながら、金髪で翡翠の瞳の少女が、訳のわからない事を言った。
衛宮士郎は混乱している。
夜の学校で、赤い服の男と青い服の男が、時代錯誤の戦闘をしているの

__夜中の校庭に響き渡る剣戟。

__その担い手たる、蒼と紅の二人。

__現代では目にすることはできない、激闘。

それを目撃し、その青い男が自分のことに気付くと、口封じのために襲ってきた。
そして、逃げまどい、学校の廊下で青い服の男が持つ禍々しい赤い槍で心臓を貫かれた。
が、途絶えた意識が再び浮上すると、確かに貫かれた心臓は元通りだ。
夢かと思ったが、胸にこびりついた血がそれを許さない。
意識がはっきりしないまま、とりあえず帰宅するものの、再度、青い服の男が自分の家に来襲してきた。
 
事前に察知した士郎はなんとか抵抗しようとする。この身は魔術師。半人前だが、自衛の手段は多少心得ている。
しかし、所詮は半人前。最初とは違い、すぐに殺されなかったが、一方的な攻防で士郎は為すすべがなかった。

命からがら、なにか武器はないかと家の中にある土蔵に逃げ込む。
その際の最初の一撃は小癪な魔術と言っていいのかも分からない魔術で防げた、
だが絶体絶命、青い服の男も「諦めな」と言ってきた。

ふざけるなと自然に声を出していた。
その後も言いたい事を言った。
そして最後に制服の左胸のあたりが破れ、血が滲んでいる部分を握り締めながら

「こんなところで、意味もなく、・・・・・平然と人を殺す、お前みたいな奴に!!」

と、その瞬間、左手が焼けるような激痛が襲い、青い光が全てを包んだ。
そう、その際に聞こえた。時の流れがゆっくりになったかのようになり、ハッキリと。

――うむ! 死の淵において恐れを抱き、恐れを飲みながらなお戦うか!――

――見事だ、よくぞ言った、名も知らぬ路傍の者よ!――

――その願い、世界が聞き逃そうとも、余は確かに感じ入った!――

――拳を握れ、顔を上げよ! 命運は尽きぬ! なぜなら、そなたの運命はいま始まるのだから!――

光が収まった瞬間、士郎の目の前に美しい少女がいた。
非常に露出の高い赤色のドレスを身に纏い、
黄金の髪を持つ少女はその凛とした翡翠の瞳を士郎に向けて、先ほどの言葉を述べた。

問おう。そなたが余の奏者マスターか?

しばらく、呆然としてしまった。

「・・・・あぁ、・・・・そうだ?」
「ふ、言葉は少ないが美しい返答こえだ。気に入った。我が身を呼びつけた慢心も、今は問うまい」

そう言ってから、士郎を見つめていた少女がきりっと後ろを振り返り、土蔵から飛び出した。
そこで、ようやく士郎の麻痺した思考が再び正常に戻る。
外には自分を襲った男がいる。少女が危ないと、本能的に土蔵に出た瞬間、信じられないものを目にした。



















コメント
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