二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

おススメSS 宮藤さんが部屋にいる

2016-01-18 23:35:21 | おススメSS

宮藤さんが部屋にいる

突然PVにIP数が増えてビビッている第三帝国です。
原因は何かと思えば、はてなアンテナにGATEネタが紹介されていたためでした。
提督たちの憂鬱(仮想戦記)の二次創作がここまで注目されるなんて……。

それはさて置き、
今回のSSは「アニメのキャラが現実世界に来訪する」
という中々珍しいSSを紹介したいと思います。

タイトルから察せられるように、
ストライクウィッチーズの宮藤芳佳が現実世界に来る話です。
主人公は特にストパンを知らず、突然部屋に光臨した芳佳と同棲生活をします。

服を買いに行ったり、動物園に遊びに行ったりとほのぼの系でありながらも、
帰る場所を思い出しては暗い影を見せる芳佳のシリアスな一面のバランスが取れた良いSSであります。

そして、「あんなに可愛い芳佳ちゃんヒロインのSSが見つからないので自分で書く」
と宣言した作者の手腕でおっぱい星人のイメージが強い芳佳が原作に違和感を覚えない程度に可愛く描写されており、
原作への愛を感じます、ぜひ見てください。


「え、あの、病気なんかじゃないですっ!
 わたしは501のウィッチで、さっきまでヴェネツィアを解放する作戦に参加してたんですっ」

「いや、ヴェネツィアとか言われても……ここ、日本だしなあ。イタリアとは一万キロぐらい離れてるんだけど」

あと501とウィッチってどういう設定? と繋げようとしたのだが。

「に、ほん? あの、ニホンっていうのは……」
「日本は日本だけど。日本国。ニホン、ニッポン……君だって日本人でしょ?」
「ち、違います。わたしは扶桑の生まれです。あなたこそ扶桑人じゃないんですか?」
「フソウ……?」

このあたりで、俺は明確な違和感を覚え始めていた。
これが日本人の痛い少女の演技だとしたら、あまりに話が噛み合わなさすぎる。

第一、このような状況――他人の家の中で、
堂々と設定をひけらかすなんて真似を出来る人間が、
ここまでまともな受け答えをするだろうか。

宮藤と名乗る少女は言っている内容こそ支離滅裂だが、
話し言葉や人との会話を支障なく行っている。
逆に『頭のネジが外れきっている』という可能性もあるが、
それにしては目つきもしっかりとしていて、それらの人間特有のどろどろとした瞳はしていない。

「ふそう、フソウ……扶桑か。扶桑っていうと、俺からしたら戦艦ぐらいしか出てこないんだけど」

独り言のつもりだった呟きだが、彼女の耳には届いていたようだ。律儀に返答してくれる。

「戦艦、ですか? ごめんなさい、
 わたし、艦にはあまり詳しくなくて……赤城なら乗ったことがあるんですけど」

「……え?」

今、なんて言った?

「赤城です。えと、空母の……ご存じないですか?」
「いや、そうじゃない。赤城なら知っている」

ボーキをよく食われてるから。いや、そうじゃなくて。

「赤城、って名前の民間船とかじゃなくて……帝国海軍の、赤城のことを言っているのか?」
「はいっ。『扶桑皇国海軍』の赤城です」

結構乗り心地もいいんですよー、
なんて笑顔で言っている彼女はやはり冗談で言っているわけでもなんでもなく、
ふとすればああそうなのと頷いてしまいそうな無邪さを見せている。
俺が知っている赤城とは言うまでもなくミッドウェーで轟沈した赤城のことであり、
間違ってもこの年齢の少女が乗っていたわけはないのである。
正確な日付はわからないが、第二次大戦中であるから1940年代には海の藻屑になっているはずだ。

「君は今、いくつだ?」

そんな疑問と、少女の話す内容の矛盾に釣られたのか思わず年齢を尋ねてしまった俺を誰が責められようか。
ぶしつけな俺の質問に、戸惑ったように口を開く。

「えっと、1929年生まれの15歳ですけど……?」
「――そうか。俺は1996年生まれの18歳だよ」

彼女はそんな俺の言葉を聞いて、きょとんとして……ぽかんと口を開けて。

「……え、ええぇぇぇ!!??」

近所迷惑きわまりない叫び声をあげるのであった。















コメント
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