「騎兵隊参上、といったところかな少佐?」
あ艦、坂本少佐が『リベリオンの映画なら騎兵隊がくるのだがな』
と無線越しで呟いているのが聞こえたからつい言ってしまった。
今更ながら臭い台詞で顔が赤くなるのが自分でも分かる。
現に横にいるシャーリーが、
「うまいこと言ったな」と言いたげにニヤニヤと笑みを浮かべていた。
しかし、相変わらず大型ネウロイは硬い。
20ミリMG151/20機関砲の連装タイプで撃ち込んだがまだ悠々と空を飛んでいる。
実際、お返しとばかりにこっちに光線が雨あられと飛んで来ている。
「先に少佐と合流する、
最大速度でネウロイの脇を抜けるがいけるか?」
「私に加速魔法があるのを忘れているのかい?」
まずは坂本少佐と合流する。
その際位置的に坂本少佐との間にいるネウロイの脇を通らなければいけない。
しかし、わたしの『Ta152H-0型』の最大時速は760キロ、
シャーリーのストライカーユニット『P51』の最大時速は703キロと足並みが普通なら揃わないが、
彼女には加速魔法があるのでわたしの速度についてこられるので、わたしの質問に頷いて見せた。
「よろしい。今からカウントするから、
0になったら一気に行くぞ3……2……」
魔力をストライカーユニットに一定以上注ぎ込む、
大量の魔力を食らい、魔道エンジンから爆音と漏れ出す。
さらに、魔力は運動エネルギーへ変換されつつあり、加速への準備が整いつつあった。
「……1……0!」
そして、注ぎ込んだ魔力がMW50水エーテル噴射装置を経由して、
エンジンに水エーテルを噴射した刹那、わたしは時速760キロの世界に突入した。
冷たく鋭い風が顔を叩くが、
それよりも雲が続々と視界の脇に押しやられ、過ぎ行く景色と爽快感がとても心地よい。
青い空に飛行機雲を描き、まるで天使が後押ししてくれている気分だ。
そんなわたし達にネウロイからさらに光線が降り注ぐ、
まるで東方の某弾幕ゲーのような光景で避けるのは困難であるように見えたが、
少なくても足を止めない限り当たる事はないのを知っているので、ただ加速して進む。
ネウロイの横を通り過ぎる際、光線がわたし達の横から追いかけるが、
偏差射撃も追いつかず、わたし達が通り過ぎた後から光線が飛ぶありさまである。
そして、ネウロイを通り過ぎると、孤軍奮闘していた坂本少佐に合流した。
「バルクホルン、そしてシャーリー。
よく来てくれた、見ての通り『赤城』と駆逐艦数隻を除いて壊滅している。
早速すまないが2人は速度を生かして囮になってくれ、その間に私がネウロイのコアを破壊する!」
「了解した」
「了解!」
久々に会ったことで積もる話をしたい所であったが、
残念なことにここは戦場であるために、軍務が優先される。
何よりも返事をした次の瞬間、
休む間もなくネウロイから唸り声と共に光線が飛んで来た。
わたし達は散開すると、シャーリーと2人でネウロイの周囲で旋回し盛んに鉛弾のシャワーを浴びせる。
的が大きいこともあって外れる弾はなく、続々と命中しネウロイが悲鳴を挙げた。
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