二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

GATE~続いたネタ39 夢幻会、彼の地にて戦いけり

2016-11-12 23:13:38 | 連載中SS


「閣下、ようこそ平成の日本へ」

歓迎の言葉と共に北条総理大臣の辞任に従い、
新たな総理大臣として就任した本位慎三と嶋田繁太郎握手が交わす。
2人の握手を映像記録として残すべくカメラのフラッシュが眩いばかりに焚かれる。

「こちらこそ、
 まさか岸君のお孫さんと、
 こうして握手を交わす日が来るとは・・・と感嘆に耽るばかりです」

「はは、それはこちらも同じです。
 私にとって過去の歴史に属する方と、
 こうして会話を交わす日が来るとは想像すらしませんでした」

嶋田総理大臣の軽口に本位は微笑を浮かべる。

「色々積もる話もありますが・・・。
 過去と未来が交差した今の先に迎える未来について語り合いましょう」

「ええ、何せ互いに『国内』として扱っている、
 アルヌスの扱いについてじっくりと話合わねばなりません」

嶋田の言葉に
何せ銀座の門の向こうにある異世界の土地は諸外国の干渉を避けるため、
互いに「国内の問題」として扱っており、この矛盾について何らかの決着を付けねばならかかった。

特にコダ村の避難民程度の住民しかいなかった少し前は兎も角、
アルヌスの富を求めて集まり、その規模も街と言われる程度に拡大した現在において、
「人が住む領土」として扱わなくてはならず、どう統治すべきか検討する段階となった。

「【帝国】は滅ぼさず講和を以てして決着を付ける。
 この点についてはお互いの外相会談で決まりましたしたが、
 施政権の割り当て、そしてその形については我々が大筋を提示しなくてはなりません」

「同意です。
 互いに優秀な官僚を抱えているとはいえ、
 方針を決め、責任を負うのは政治家の仕事ですから」

実際に条約の条文や法案を作成するのは官僚たちであり、
極論すれば官僚の頂点にいる事務次官たちに全てを任せることもできるが、
官僚はあくまで『事務処理の達人』であり、政を指導するのは政治家の仕事である。

だかこそ、リスクを承知で島田は首脳会談に応じ、
今となっては懐かしい平成の日本にへと降り立った。

(原作によれば本位政権は例の襲撃事件で辞任するはずだったが、
 こちらでは代わりに内閣が延命した北条総理が辞任し、
 時期がずれる形でこうして本位総理と会談することになったが・・・いつまで持つか?)

表情は笑顔で対応する一方、
嶋田の内心は本位総理に対して厳しい見解を抱いてた。
国会ではすでに例のカップ麺やら、ホッケで野盗(誤字あらず)が大騒ぎし、
今や立ち上がる若者の代表として実態以上に持ち上げられている某盾の与党に対する抗議活動などで、

与党の支持率低下は止まらず、
ねじれ国会、さらに本位総理自身の健康問題と合わさって、
辞任は近いのでは、と夢幻会の間でも密かに囁かれていた。

(彼の次は例の森田になるのは避けられない。
 原作では門の管理を安保理に託そうとして責任放棄者で、吾々との相性が悪い)

自分を客観視できると嘯くが、
逆に表現するならば「自分」という意識が希薄で、
本人は意識していないが地位に見合った責任と決断から逃れていた。

・・・もっともとこれでも野党よりマシという現実があるが、宇宙人とかガソリン姫とか空き缶とかよりも。

(できれば嘉納大臣が総理になってくれればこちらとしても話しやすいけど、
 党内での調整もあるけど、本人がしばらく裏方に徹すると明言していたからな~)

決断し、話ができる人間としてローゼンなあの人が話相手として適切で、
できれば今すぐ総理大臣になって欲しい所であるが、
平行世界の祖父を通じて夢幻会が得た情報はしばらくその可能性はないことが判明した。

(公安、自衛隊それに村中と結託して大掃除なんてたしかに総理の地位じゃ目立つしな)

アメリカと中国から脅迫のネタとして渡されたスキャンダルの記録を、
北条経由で手にした嘉納大臣は防衛大臣と務特地問題対策大臣を兼任していることを利用し、
逆に獅子身中の虫を焙り出すべく密かに行動に移しており、総理になる暇はなかった。

命令系統の違う公安も自身が持つ伝手、
そして特地の問題については昭和の日本とは利害の一致を見出しているので、
平行世界の祖父を通じて伝手を得た村中少将をも巻き込んでの大掃除であった。

(バタフライエフェクトと言うべきか、原作との隔離が広がりつつあるな。
 この状況を利用して帝国に利益が得られる形で持っていきたいものだ。
 ・・・平成の日本には思い入れがあるとはいえ、今の俺は神崎ではなく「嶋田」だからな)

今では嶋田繁太郎としての人生の方が長くなった神崎博之は内心でそう独白し、
国家の指導者らしくいかにすれば自国の利益になるかを方法を考えていた。










 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 前の記事へ | トップ | おススメSS カルデアの落ち... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

連載中SS」カテゴリの最新記事