欧州の夏は極東の某島国より過ごしやすい。
とはいえカーテンを閉め切った上で窓も閉じているせいで、
乙女たちが過ごすには少々不愉快な温度まで上昇し、寝汗を友としている。
「大尉ってさー」
そんな最中。
何気なくエイラがバルクホルン大尉の名を口にする。
「いい体してるよなァー」
「・・・見ても面白くないぞ、
生傷の跡が結構残っている上に筋肉もあるから。
それと早く寝ろ、宮藤とサーニャもさっき寝た所だろ」
バルクホルンが寝息を立てている2人を指さす。
既に慣れているサーニャだけでなく夜間哨戒に備えて朝から寝ろなんて言われても寝れない。
と愚痴を零した宮藤もエイラのタロット占いを受けてしばらくしてから夢の中の住民と化している。
「イヤ、寝れないし暇なんだヨ。
だから私と少し雑談でもしないカ。
部下の面倒を見るのも上官の務めだロ」
「ここまで図々しい部下はあのマルセイユ以来だな。
それと厳格にカールスラントの軍規を適用すればその発言は上官侮辱罪に当たると警告しておこう」
ある種開き直った態度を取るエイラに対し、
バルクホルンはアフリカで活躍中の元部下の名前を思い出しつつ発言する。
「んんーー、どうせ軍隊での出世なんて興味ないから気にしなイ~♬」
「・・・ああ、知っていた。
知っているとも、マルセイユといい問題児達は概してそういう考えだってことを」
対してエイラは【原作】で「雨が降っても気にしない~」
と口ずさんだフレーズのメロディーで自らの回答を表示する。
聞かされた側であるバルホルンは軍規で縛ろうとも問題児達は出世を気にしないという共通点を改めて再確認する。
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