「ねえ、トゥルーデ。
宮藤さんとロンドンまで行ってみたら?」
たっぷり朝食を頂き、午前に任務を終え。
ミーナの執務室まで書類を届けに行った際にこんなことを言われた。
というより、何故にそこにあの主人公、宮藤芳佳の名前が出るのだろうか?
しかも、ロンドンまで行くなんて【原作】で何かイベントでもあったか……?
待て、あれか?
郵送できない重要書類。
さらにロンドンまで行かないと出来ない打ち合わせがが幾つかあったはず。
戦う以外の軍隊の仕事を経験させるため、宮藤はわたしの仕事の手伝いでロンドンまで着いて来るのか。
「ああ、宮藤に仕事を教える、という認識でいいのだな?」
「トゥルーデ、貴女ね……働くものいいけど休暇が必要よ。
貴女と宮藤さんは軍の福利厚生制度で休暇を取らなくてはいけないのよ」
思わずあっ、と声を漏らし気づいたが遅い。
わたしの返答に、ミーナは呆れつつも苦笑した。
そういえば、意外と福利厚生に気を使う軍隊は制度として一定期間勤めたら必ず休暇が出たな。
戦線が安定しているブリタニアではこうして休暇が出るのだが最近は【原作】の事ばかり考えていたから忘れていた。
だが、何故にわたしと宮藤なんだ?
出来れば彼女にもっと親しい人、坂本少佐やリネットで組み合わせ方がいい気がする。
「わたしは別に良いのだが、
宮藤には出来ればここで親しい人。
少佐やリネットで行かせた方がいいのじゃないか?」
「私も始めそう考えたけど……少佐やリネットさんは時期がずれているし、シフトの都合上無理なのよ」
む、休暇の日程にシフトの都合か……なら仕方がないな。
休暇、休暇か、そうだな、久しぶりに羽を伸ばすのも悪くない。
「なら仕方がないな。
で、何時から休暇を取ればいいのだ?」
「出来れば今週中、それも明日からでもいいから取ってほしいの」
ミーナは少し困った顔で御免なさいね、と言いつつ急な予定を伝えた。
しかし明日からでもいいからとは本当に急だな、まあ配置のシフトの都合もあるからやむ得ないな。
ま、別にいいさ。
「了解した、では明日から宮藤とデートをしてくるよ」
「あらあら、宮藤さんをちゃんとエスコートしてね、トゥルーデ。
あと、これは休暇申請に必要な書類だから直ぐに書いて私に渡してね」
了承の意を込めて敬礼する。
そして、ミーナから必要な書類を受け取り執務室を後にした。
さて、また書類、書類と、休暇一つにしろ書類を作るのは今では慣れたけど面倒だ。
だけど、それが規則だからやむ得ないな。
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