二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

おススメSS 大洗エリカ 転校編

2016-05-07 22:20:22 | おススメSS

大洗エリカ 転校編

ガールズ&パンツァーのSSはハーメルンよりも、
ピクシブの方が母数が多い上に良作SSが投稿されています。

またピクシブで投稿されるSSの傾向として、
下手にオリ主が介入する話が少ないことから、
正統な二次創作が読みたい、という方には非常におススメであります。

なのでタイトルのように「もしも逸見エリカが十連覇不達成の責任を西住みほの代わりに取り、大洗に来たら?」
といった理想郷やハーメルンでは見つかりにくい主題のSSがピクシブではあります。

このSSは始まったばかりですが、
設定が面白く、今後が期待できます。

ぜひ見てください。


「ほかは無いか?転校先については西住の名前である程度融通を利かすことができる。
 そのほか新しい生活に関してはできる限りの援助はする。後で直接人をエリカのところに遣ろう。転校先でまた戦車に乗ってもいい」

隊長は既にそこまで詰めていたのだろう。
たぶん自分の返答も予測しているはずだが、それでも告げる。

きっとこれは私のための告白の場なのだ。
懺悔しようと、感情を爆発させようと、隊長はすべてをこの場では受け入れてくれるに違いない。
だが、この身にはそれに甘えることは許されない。狂犬には過ぎた贅沢だ。

「いえ・・・しばらくは戦車から離れようと思います…転校先は無難な所にしようかと。大洗あたりを考えていますが」

――古くからあるといったこと以外にはこれといって特徴の無い学校だ。
  戦車道も廃れているらしいし、そう波風も立たないだろう。

「そうか・・・これから先、戦車道をまたやることがあっても、
 私や西住家は一切文句はつけない。これは西住家の長女として約束する。
 この点はお母様も同意見だ。お前の才は埋もれさせるに惜しい」

「評価して頂きありがとうございます。隊長。私からは以上です」

決断はした。後はもう流されるだけだ。

「分かった・・・ほんとは貴女ともっと話していたいけど、
 いつみほが戻ってこようとするかも分からない……名残惜しいけどお別れね。エリカ。本当に済まなかったわ」

隊長から頭を下げられる。
こっちが恐縮してしまう。
いっそ詰られた方が気が楽だ。

「頭を上げてください隊長。
 自分が招いた結果です。
 覚悟はできています。
 それでは…さようなら隊長、いえ…まほさん……」

「ええ、さよなら、ね。エリカ」

涙は出なかった。
あの雨の中に涙は置いてきてしまったのだろうか?
それともこれもまた友を裏切った罰なのだろうか?

自分では分からなかった。

「失礼します」

隊長室を辞去すると廊下の影でみほらしき影が見えた。
それを無視して自室へ向かう。
荷造りを始めなくては。
西住家に頼ってばかりではいられない。

何しろ自分は罪人なのだから……

後ろでドアが開く音や、
なにやら言い争う声が聞こえた気がしたが振り返らず歩く。

どうやら外は雨が降り始めたようだ…窓に映る自分の姿を横目で見る。
またしても自嘲が漏れた。

他人からからかい半分に“忠犬”と言われた事もあったが今の姿はどうだ。
野良犬のほうがぴったりくるじゃない。

















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