「あらあら、仲がいいわね」
「んだな」
なんて言っていたら、ミーナとエイラがやってきた。
いや、正しくはこちらが2人の方に来たから、合流したのだろう。
だが、2人に異議を申し立てたい。
シャーリーとは前世のまま男性ならぜひとも仲を深めて行きたいところだが、
生憎、今は女性で百合推進者でもないので、シャーゲルフラグなど有り得ないと!
「冗談はよしてくれ、わたしとイェーガー大尉が夫婦に見えるか?」
「いやー私はお似合いだと思うけどナー。
ほら、堅物な旦那と豪快な妻。バランスがいいじゃないか」
によによ、とエイラは笑みを浮かべた。
使い魔が狐のせいで何だか狐が人を化かしている雰囲気だ。
実に殴りたい笑顔であったが、まあ今は任務中なので後でサーニャネタで弄るとしよう。
宮藤の誕生日がサーニャと同じ事をまだ知らないはずだし。
後は最近夜間哨戒で密かにとある男性と会話を交わしている事実とか、どんな反応をするか実に楽しみだ。
「話は変わるけどリネットさん、それに宮藤さんは上手くやってくれたわね」
くくく、と邪笑と共に妄想していたらミーナが話題を変えた。
「ああ、そうだなミーナ」
そうだな、確かにあの2人はよくやってくれた。
何せ客観的に解釈すれば主力が囮に引っかかり、残った味方も突破される。
そして、入隊して僅か数ヶ月そこらの2人で最後の最後の防衛線として見事にネウロイを撃墜。
と、今日の主役は間違いなく2人の物で、その功績は絶大だ。
こちらは万が一に備えて色々手を打っていたが、実を言うと全てが杞憂に終わって安堵している。
というのも、大尉の権限でできることなど限られていたし、仮に出来たとしてもネウロイには焼け石に水的なものでしかない。
だから、あの2人がネウロイを撃墜できて本当によかった。
2人を抜かれてしまえば直ぐに501の基地へネウロイはたどり着いてしまい、大勢の命が失われていただろう。
本当によくやってくれた。
だから海から引き上げた後で何か2人に奢ってあげ……あれ?
「あ、」
「……どうしたの、トゥルーデ?」
そういえば、アニメの水着会でストライカーユニットを履いたまま泳ぐ訓練のシーンで2人は溺れていたけど、今は浮いている。
この世界でも未だ、その訓練をしていないからこうして溺れず浮いていられるはずがない。
と、なれば答えは唯一つ。
『楽しい所すまないが、宮藤軍曹。
ストライカーユニットと銃器はどうした?』
『え、あ、はい!海に墜落した時、重かったので両方とも捨てました!』
通信を入れて宮藤に聞いたが予想通り――――浮力を得るために装備を全て捨ててしまった。
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