「家に帰ったら作りかけだったタイガーⅠ、黒森峰・西住みほ使用を完成させなきゃ…」
――――秋山優花里
「それより…行き先を行ってくれ。
早く…命が保っている内に、そのために戻って来たんだ…」
――――冷泉麻子
※ ※ ※
「…………う?」
西住みほが目を覚ました場所は、
白い壁と天井で出来た廊下が地平線の先まで延々と続く場所。
両側の壁にはあらゆる時代、国の扉が延々と並んでいる。
「ここは――――いったい?」
異様な光景だった。
人が住むにしては奇妙な構造である。
そして、何よりもこの場所の異様さを演出する存在が目の前にいた。
「…………」
男がいた。
四角眼鏡を掛けた白人の男性がデスクに座り新聞を読んでいた。
この廊下のような場所のど真ん中にデスクを構えていることも可笑しいが、
男は優雅に珈琲を片手に新聞を読んでおり、脇には待合カードの発券機とまるで役所の窓口だ、とみほは思った。
「…………」
「っ…!」
男がみほを一瞥する。
突然自分を見たことにドキリとするが、
男は市役所の職員のように愛想のない態度で口を開いた。
「次」
「えっ?」
男が机の上にある書類を手に取ると、
面接官のようにみほを書類とみほを見比べる。
「あ、あの。
ここはどこですか!
私は、私は――――私はあの時死んだはずです!」
「…………」
今では憎悪の対象である硬式戦車道。
その最後の戦いであるかつての母校である黒森峰との戦い。
ここで大洗のチームはみほを除き全滅。
普通の女の子だったが黒森峰のSSにも劣らぬ彼女らの最後を見届けた後、
その死を無駄にせさないため、ただ1人で大洗が黒森峰に勝利した事実を作るべく黒森峰女学園に向かい、
その頂上に大洗の旗を打ち立てたことで、今まで犠牲を意味のあるものにしたが――――。
「榴弾が炸裂して、私は跡形もなく死んだはずです!」
直後榴弾が炸裂。
眩い閃光と共にみほは意識を失い死を確信した。
しかし、こうして生きている事実にみほは混乱していた。
「………」
だが男は、紫はそんなみほの様子を無視するかのように書類に万年筆を走らせる。
「――なに、これ?」
気づいた時。
みほは廊下に並んだ扉の1つに片手を吸い込まれていた。
開いた扉の先には何も見えない暗闇で、徐々に飲み込まれてゆく。
「い、いや!?
私はまだ、まだ―――」
みほは扉の角に手を掴み、
足に力を入れて抵抗するが無意味であった。
ずるずると扉の中に引きづられ、やがてみほは消えうせた。
「…………」
残ったのは男のみ。
そして男は次の来訪者を待つ。
はい、ハーメルンで告知していたドリフターズのSS予告です。
最近またドリフターズに嵌りましたけどSSがない!少ない!絶望した!
→だったら自分で書けばいいじゃないか!
というわけで書きました。
今回はクロス先としてガルパンを選んだ理由は
みほ「ドリフターズ(漂流物)………?」の続編がない!絶望した!
→だったら自分がガルパンクロスを書けばいいじゃん!
というわけで書き出しました。
二次創作というよりも三創作かもしれませんが次回をお楽しみに。
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