ドキュメンタリータッチのしかも、とてもほのぼのとした映画を立て続けに2本見ました。(もう一本はブロードウェイ!ブロードウェイ!です。)
最初はアルゼンチンタンゴです。
なにしろこの映画は、椎名誠が強く押していて、昨年の観た映画の一押しだというので、こりゃ 見なくちゃというわけでレンタルしたものです。
監督:ミゲル・コアン
プロデューサー:グスターボ・サンタオラヤ、リタ・スタンティック
エグゼクティブプロデューサー:ウォルター・サレス
キャスト:オラシオ・サルガン、レオポルド・フェデリコ、マリアーノ・モーレス、カルロス・ガルシーア、ホセ・“ペペ”・リベルテーラ、ビルヒニア・ルーケ
もともとドキュメンタリータッチなので、ストーリーはなくて、でも高齢だけど昔取った杵柄で、音楽への情熱がほとばしる巨匠たちの演奏物語に感動です。
2006年、40年代から50年代にかけて活躍し、アルゼンチンタンゴの黄金期を築いた世界的音楽家たちが、ブエノスアイレスに集まる。それはアルバム「CAFE DE LOS MAESTROS」に収める曲を演奏するためなのだ。タンゴに一生を捧げた彼らは、タンゴの魅力と共に自らの激動の人生を語り始める…。
というもので、タンゴの音楽好きにはたまらない映画だと思う。
そういえば、昨年亡くなられたヨコちゃんはタンゴが好きだったなぁ・・・
マッチの箱をバンドネオンの楽器に見立てて、指で音を立てて「ラ、クンパルシータ」など口づさんでいた。音楽と名のつくものは嫌いじゃないけど、若いころは映画音楽にのぼせていて、食べ物が雑食性なのと同様、音楽なるものもなんでも直観的にいいなぁと心に残ったものを、ジャンルを問わず好んでいた私。
だからタンゴの素晴らしさを教えてくれたのはもしかしたらヨコちゃんかもしれない。
話はそれたが、アルゼンチンタンゴの黄金時代は1940年代から1950年代なのだそう。
当時から第一線で活躍し続ける巨匠たちが、2006年にアルバム「CAFE DE LOS MAESTROS」を収録するためにブエノスアイレスのレコーディングスタジオに大集結。
そして一夜限りの伝説のコンサートを開いたのだ。その集まってくるところを、それぞれの人生をからめて追っていく。全編にやるせなく情熱的なアルゼンチンタンゴの名曲が流れるのだ。
老齢のマエストロが多いので既に亡くなった人もいるわけで、全編に漂う粋な人生讃歌は対象が実話だけに感銘が大きいのだと思う。
数年前に大ヒットした『ブエナビスタ・ソシアルクラブ』のアルゼンチンタンゴ版ともいえそう。
歳を重ねるということは、まだまだ若い者には負けられん、年寄りには年寄りの匠の技がある、というような映画や、物語にはいつも心に温かさを湧きあがらせるものなのですね。
若い人も歳を重ねた人も、タンゴ音楽好きな人も、タンゴ音楽があまり好きでない人も、みーんなお勧めです。
雲り 6℃
関係ないか?
でもゴメンナサイ。
この映画の中にその「黄昏のオルガニート」というコロさんの青春の思い出の曲が入っていたかどうか、確信は持てませんが、でも随所に私の知っているタンゴが流れていましたので、きっと入っていると思います。
是非 暇な時見てください。そして思い出に浸ってください。きっと気持ちが若返ります。
とても勇気づけられる映画でした。
若い頃、この街の喫茶店「ときわぎ」は、私の顔が見えると黙ってこの曲を流してくれました。いつも一緒の友人が一人で「ときわぎ」に入ったら、私の名前など知らない店主が「今日『オルガニートさん』は?」と聞かれて、驚いたと言う懐かしい想い出があります。
フラシスコ・カナロ、アルフレッド・ハウゼ、早川真平、藤沢嵐子、新宿歌舞伎町のラ・セーヌ…寄席に行ったりジャズを聴いたり、勉強以外は色々やりました(笑)。