おりおん日記

電車に揺られて、会社への往き帰りの読書日記 & ミーハー文楽鑑賞記

「放課後の音符」 山田詠美

2011年02月25日 | や行の作家
「放課後の音符」 山田詠美著 新潮社 2011/02/25読了 

 イマドキの高校生の生態はよく知らないが、私の世代からしてみると、ちょっと大人びた(というか、背伸びした)女子高生の恋物語短編集。高校生って、こんなに恋愛について悟りきっているものでしたっけ???  私なんて、この年齢になっても未だに悟っていないけどなぁ…。

と、思っていたのですが、最後のページで腑に落ちました。この短編集は1988~89年にマガジンハウスの「olive」に連載されていたもの。つまり、「セブンティーンなんて読んでいるお子ちゃまなんかには付き合っていられないわ」などと内心思っていたであろう当時のolive少女たちの選民思想を満たすべく、大人な恋のテキストとしてのストーリーだったわけですね。

それにしても「olive」懐かし~い、と思ってwikiで調べてみたら、いつの間にか休刊してました。こんな時、「ああ、年とったなぁ」と感じてしまいます。

年賀状に、時々、「気分は未だに18歳」などと書いている私ですが、さすがに、高校生主人公の小説はキツいなぁ。もちろん、読みながら、懐かしい気持ちが胸に広がり、すっかり忘れていた友だちの顔がフッと思い浮かんだりはしましたが、でも、登場人物に自分自身を投影するには、ちょっとオバサンになりすぎちゃったかな。

ちなみに、高校生の私は「月刊タイガース」は読んでいましたが、「セブンティーン」も「olive」 も読んでいませんでした。


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