「ララピポ」 奥田英朗 読みました。
6つの短編からなる本書は、世間の片隅に生きる、しがない人々を主人公として描き、そこに脇役として登場する人物を次の主人公としているので、1つの長編として楽しめる。
テープリライターの小百合は、副業として自分の情事を撮影し、裏DVD業者に売っている。情事の相手の男は図書館で見つける。
その男はフリーライターで、アパートの上階の部屋のセックスの音を聞くのが趣味。上階の男はスカウトマンで、中年の主婦をスカウトする。中年の主婦は。。。。と、どんどんつながっていくのだ。
あがき苦しんだり、欲が出たり、快楽を求めたり、やけになったり、
さまざまな人間心理が描かれていて面白いのだが、笑えない。
それは、自業自得というか、浅はかというか、哀れというか。。。
そうじゃないでしょ!と、渇を入れたくなったりするのでありました。