百子の部屋

日々のあれこれ思いのままに。。。

猫泥棒と。。。

2006年02月12日 | 読書

「 猫泥棒と木曜日のキッチン」 橋本紡 読みました。

Img_2879お母さんが家出した。
残されたのは17歳の少女・みずきと、幼い弟・コウちゃん。お父さんは、ずっと前に死んでいたので、子供2人の生活になるのだが、みずきは、少しも困ったりはしなかった。料理もその他の家事も普段から、しっかりできてたのだから。。。

そして、みずきの友人の健一君が木曜日にはご飯を食べにやってくる。淡々と日常生活を送るには、不便も無く、それなりに過ごしていたのだが、ある日、捨て猫を見つけて・・・悲しい試練に立ち向かうことに。。。

普段から、この親子の関係は逆転していて、しっかり者のみずきによって、家族が支えられていたのかもしれない。母親は男にだらしが無いのだが、決して、子供たちに愛情が無いわけではないというのが、せめてもの救いである。

子供たちだけの生活には、ほのぼのとした温もりが感じられ、ホッとする。
けれど、ダンボール箱の中に捨てられていた猫を見つけ、そこから、悲しい現実を目の当たりにする。
猫好きでなくても、この、捨て猫のシーンには涙するに違いない。ああ。。。なんてむごい。。。
捨てたオバサンは、猫好きだけど、無責任すぎる!と怒りがわいてくる。。。みずきのとった行動を、応援したくなる。

悲しい物語になってしまうところなのだが、後味の良い、ふわふわと心があったまる物語になっているのは、作者の感性のなせる業なのかも。。。
明日への希望が見えて、ほっとしたラスト。
たっぷり泣いて、すっきりししまた。おすすめ!

コメント (13)
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