杉浦 ひとみの瞳

弁護士杉浦ひとみの視点から、出会った人やできごとについて、感じたままに。

・映画「こんばんは」と千葉にも夜間中学を!の集い

2010-07-19 11:24:38 | 教育
 夜間中学を開設するための集いです。
夜間中学問題については、児玉勇二弁護士(東京弁護士会)と一緒に、日弁連に教育を受ける権利の侵害として人権救済の申立をし、2006年に日弁連から各省庁へ設置に向けた意見書を出してもらいました。夜間中学のことについては下記に触れておきますが、この集いの中で放映される「こんばんは」は秀逸で、教育の本質をみる思いです。ご覧になった方は皆感動され、超ロングランの作品となっています。ぜひ見ていただきたいと思います。


千葉市に夜間中学を作るためのつどい・ご案内/////////////////////////////////////////////
 ~ 全国夜間中学校研究会・研修交流会 ~「千葉市にも夜間中学を!」

現在、千葉県には市川市立大洲中学校にしか公立の夜間中学校がありません。都内8校の夜間中学校全教職員により構成される東京都夜間中学校研究会の調査でも、過去10年間で延べ57名の義務教育未修了者が千葉県から都内の夜間中学に通ってきています。 このことを踏まえ千葉市教育委員会は第2次五カ年計画の中で「夜間中学の開設」について検討しています。
 もし政令都市である千葉市に夜間中学が開設されたならば、どれほどの千葉県下の義務教育未修了者を救えるか、その教育効果は計りしれません。
 この度このことについて、みんなで語り合い、一日も早く千葉市にも夜間中学が開設できるように、下のように集いが開かれます。ぜひ、皆様の力を貸して下さい。友だちや家族をさそって会場をいっぱいにしてください。よろしくおねがいします。

■日時:2010年7月24日(土)午後1時開場 午後1時30分~4時30分
■会場:千葉市文化センター・5階セミナー室(定員140名)(千葉市中央区中央2-5-1 TEL043-224-8211)
      JR千葉駅より徒歩10分http://www.f-cp.jp/bunka/map.html 
■内容
 ◆第一部 映画「こんばんは」上映(夜間中学ドキュメンタリー)
        〈1:30~3:15〉
 ◆第二部 夜間中学・自主夜間中学の卒業生・関係者、参加者のお話し
  〈3:20~4:30〉
■参加費:無料
■主催・連絡先:全国夜間中学校研究会・すべての人に義務教育を!専門委員会
    関本保孝 〒131-0044東京都墨田区文花1-22-7 
         墨田区立文花中学校内 TEL 03-3617-1562
■参加について
   どなたでもご自由に参加・発言できます。


              記
夜間中学とは、公立中学校夜間学級の略称で、「生活困窮などの理由から、昼間に就労又は家事手伝い等を余儀なくされた学齢生徒等を対象として、夜間において義務教育の機会を提供するため、中学校に設けられた特別の学級」(1985年1月22日付けの中曽根康弘内閣総理大臣の答弁書)で、学校教育法施行令25条5号の「二部授業を行おうとするとき」とされていることが法令上の根拠とされています。
 これまで、戦中・戦後の混乱や差別・障がい者差別・貧困・病気といった様々な理由で義務教育を受けられなかった人達が、学びを取り戻す場で、戦後の義務教育の中で大きな役割を果たしてきています。

 ここで行われている教育は、教師と生徒の触れ合い、年齢も境遇もことにするような生徒間の触れ合いなど、教育の本質をみる思いがします。
近時は、不登校の生徒の教育を補完する役割や、外国から日本へやってきたニューカマーが、日本社会から落ちこぼれて反社会的に生きるしかないような悪路を、教育の場ですくい上げていくという大きな役割も果たしています。
 
 全国には35校ほどの公立夜間中学校があり、約3000人が学んでいる。これとは別に、自主的に運営されている自主夜間中学が、北海道から沖縄県に及ぶ全国地域の17箇所に開設されています。

冒頭に書きました人権救済の申立をきっかけに、日弁連は、学齢期に就学することのできなかった人々への教育を受ける権利の保障に関する意見書を2006年7月20日の理事会において、本意見書を取りまとめ、同年8月10日、内閣総理大臣・文部科学大臣・厚生労働大臣・衆議院議長・参議院議長に提出しました。
 
意見の趣旨は、下記のとおりです。

国は、戦争、貧困等のために学齢期に修学することのできなかった中高年齢者、在日韓国・朝鮮人及び中国帰国者などの多くの人々について、義務的かつ無償とされる普通教育を受ける権利を実質的に保障するため、以下の点を実施すべきである。

義務教育を受ける機会が実質的に得られていない者について、全国的な実態調査を速やかに行うこと。

上記の実態調査の結果をふまえ、
(1)公立中学校夜間学級(いわゆる夜間中学)の設置の必要性が認められる地域について、当該地域を管轄する市(特別区を含む。)町村及び都道府県に対し、その設置について指導及び助言をするとともに、必要な財政的措置を行うこと。
(2)その他の個別のニーズと地域ごとの実情に応じ、既存の学校の受け入れ対象者の拡大、いわゆる自主夜間中学等を運営する民間グループに対する様々な援助(施設の提供、財政的支援等)、個人教師の派遣を実施することなど、義務教育を受ける機会を実質的に保障する施策を推進すること。

http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/report/data/060810.pdf


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
この集会に行って来ました。 (林 俊成)
2010-07-25 03:33:43
この集会に行って来ましたが、本当に良い会でありました。数年前、岩井好子「オモニの歌」を読み、夜間中学に感動しました。しかし、その後、正直言って、関心が薄れていました。ところが、日弁連の声明を読み、これは重大な問題だと思い、私が所属する市民ネット花見川のメーリングリストで、杉浦先生のこのページを紹介させて戴きました。その市民ネットの長谷川千葉市議が市議会で夜間中学設立を要望する質問を3回もしていたことを、その後知りました。夜間中学の素晴らしい存在意義を知り感じ取ったので、これを機に更に勉強して、一人でも多くの人に知ってもらうべく努力しなければと心に誓いました。
本当にこれをお知らせ下さり、有難う御座います。  千葉市花見川区の林俊成
返信する
林様、ありがとうございます ()
2010-07-26 04:18:54
集会にお運びいただいたとのこと、またご所属の市民ネットにもご案内いただきましたこと、ありがとうございました。

夜間中学のようなところで学べたら救われる子どももたくさんいるのではないか、と教育の原典を見るような思いがします。

いいものを守ろうと、拡げようとがんばっている先生たちがいて、それを支援する市民がいて、ちゃんと前向きに生きたいですよね。


返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。