風の向くまま薫るまま

その日その時、感じたままに。

エンタテインメントの「毒」

2016-04-11 06:18:56 | 雑感





ていうか、「毒」のないエンタテインメントなど面白いのか?ていう話。






この場合の「毒」というのは、必ずしも悪いものとは限りません。



例えば病気の時に処方される薬ですが、あれは量を間違えるとたちまち毒に代わります。


つまりは、もともと毒になり得るものを、量を調節することで、半ば無理矢理、薬にしているようなもの薬なんてのは、抑々が毒なのです。


なーんて、薬剤師でもない私が、偉そうに言うことではありませんが。





「毒」と「薬」は表裏一体。まあ、毒といって悪ければ、料理に使う「スパイス」とでも言いかえれば良いですかね。適度な量ならばピリッと味を引き締めますが、量を間違えるととても食えたものではなくなる。


このスパイスの量、まあ、辛さですね。辛さの好みというのは、人それぞれです。


某カレー専門店では、カレーの辛さを客の好みで指定できます。私などは、せいぜい1辛が限界ですが、人によっては5辛なんてのを平気で食する猛者がいる。

ホントに人それぞれです。



病気の中身によって、薬の処方は違ってくるし、カレーでもラーメンでも、人によって辛さの好み、スパイスの量の好みは違ってくる。


いずれにしろ、適度に調節された「毒」が病から人を守り、人それぞれの「辛さ」の好みによって調整されたスパイスが、味を引き締めているわけです。





人は呼吸することで、酸素を体内に入れています。

でも酸素というのはもともとは有害なものだったそうですね。

今だって、空気中の酸素量は適度に調節されているからこそ、地球上の生物は生きていられるわけで、酸素量が過多になれば、忽ち人体に有害な影響を及ぼすことになる。


そういう意味でこの世界は、適度な「毒」に満たされているのです。





酸素に限らず、この3次元世界、夢の浮世を生きるということは、毒の中を渡っていくようなものではないでしょうか。わかりますよね?

まったく「毒」に触れることなく生きてきた人など、いるわけがない。



我々は毒とうまく渡り合うために、この世に生まれてきたようなもの、この夢の浮世を生きているのですよ。好むと好まざるとに関わらず、


「毒」はあるものなのです。






エンタテインメントは、それがどのような内容のものであれ、結局はこの世を写す鏡のようなものです。

だから、「毒」があるのは当たり前なのですよ。ただその量が、作品によって違うというだけのこと。



だから、エンタメの「毒」に関してとやかく言いたがる人というのは、抑々この世の本質を理解しとらんのじゃないかと、私などは思ってしまいますねえ……と、毒を吐いたところで(笑)



人によって好みは違うのも当たり前。スプラッターが好きだからといって、イコール異常な人とはならない。そんな単純なものではない。

私なんぞは、幼少のころから永井豪などの残酷マンガを読んで育ってきましたが、「人殺し」にはなりませんでしたよ。若いころはゾンビ映画が大好きでしたが(今は興味がなくなりましたが)、人をバラバラにしたことなどありませんよ。

あるわけないでしょーに。




人が生きてく上では、適度な「毒」は必要なのです。そういう風になっているのですよ、この世は。

それも、人によって適度な量はそれぞれ違うのです。



「毒」のないエンタメなど、辛くもななんともないカレーみたいなもの、美味くも面白くもなんともない。


まあ、辛くないカレーが好きな人もいるでしょうが、それはそれがその人の適度だというだけのこと。絶対的基準とはなりえないことを知るべきです。



適度な毒は必要なのです。


この夢の浮世が



そういう風にできているのですから。














一人一人、毒の適量は違う。

自分にとっての適量を見極めるには、やはり自分を見つめる努力を続けていくしかないのでしょう。


そうして、その適量を少しづつでも減らしていけたらいいですね。



病気が快復していけば、薬の量も減っていく。それと同じように、


「毒」の適量も、減らしていけたら




良いですねえ。

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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (美樹枝)
2016-04-11 14:48:22
はあぁぁ~い、薫ちゃんにいさん先生!! キリッ(このキリッの顔は、つる姫じゃ~!の、つる姫で)
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Unknown (楽観主義者)
2016-04-11 18:29:46
ありがとうございます、勇気づけられました。
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Unknown (薫風亭奥大道)
2016-04-11 22:05:39
美樹枝さん、「つる姫じゃ~!」懐かしいですねえ。親戚の家で読んだ記憶があります。一瞬だけ「あんみつ姫」と間違えそうになるんですよね(笑)全然違うのに。
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Unknown (薫風亭奥大道)
2016-04-11 22:06:21
楽観主義者さん、お役に立てましたなら、幸いです。
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 (チャメゴン)
2016-04-12 08:11:45
私の中にある毒…。
なかなか認めたくないし、消してしまいたい、って何度も思ってしまう。
苦しい塊みたいなもの、でした…。
でも、毒は誰にでもあるものと知って、あってもいいんだよって、そういう自分を認めてあげようかなって思えるようになりました。 毒と薬は表裏一体。どんなにもがいても完全に無くなりはしないのですね…。むしろ必要なもの。 そう思えれば少しは楽になりました! その量が大事なのですね!!
私の病気も、徐々にですが快復しつつあるので、毒とは上手に付き合っていくしかない! はは…。
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Unknown (東遊亀)
2016-04-12 22:20:13
ボクは、ザルドスを2回テレビで観てます。
1回目は、小学生の時に地方局のマイナーな映画を流す昼間の時間帯に。
なんか、モヤモヤした気持ちで「この映画は、何時になったらもりあがるんだ?」てな感じで観てました。2回目は、高校生の時に深夜放送で。その時は、感想をノートに書き付けたのですが、何を書いたのか忘れてしまいました。
「不思議の国のアリス未来版ディストピア編」みたいな映画でした。
ショーンコネリーの夢落ちにしてくれれば良かったんですけど。
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Unknown (薫風亭奥大道)
2016-04-13 00:47:54
チャメさん、そうですね、まずは自分を認めてあげることからですね。
自分を認めてあげないと、自分と向き合うことができませんから。
自分を見つめることができませんから。
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Unknown (薫風亭奥大道)
2016-04-13 01:03:32
東遊亀さん、夢オチですか!また別の意味で物議を醸しそうですね(笑)
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