西暦2199年、地球は謎の惑星ガミラスからの遊星爆弾の攻撃により放射能にまみれた死の星と化し、人類は地下都市を築いて細々と生活しておりましたが、もはや絶滅は時間の問題でした。
そんな時、宇宙の彼方、イスカンダル星より届けられたメッセージ。そこには放射能除去装置・コスモクリーナーDの存在と、波動エンジンの設計図が。
このメッセージを受け、人類存亡を賭けて遥かイスカンダルへと旅立つ、一隻の船。
それが「宇宙戦艦ヤマト」。

ガミラスとの激戦の中、ヤマト艦長沖田十三は持病の「宇宙放射線病」を悪化させ、病の床につきます。イスカンダルからの帰途、窓の外に迫る地球を見やりながら、自分の息子(冥王星会戦にて戦死)を見つめ、涙を流しながら
「地球か、何もかも、みな懐かしい……」
静かに、息を引き取ります。
子供の頃は、この涙の意味がわからなかった。なぜ艦長は泣いたのか?喜びなのか、悲しみなのか?
今ならばなんとなくわかる気がしますね。つまりは
【万感の思い】
というものなのでしょう。
痛みも苦しみも、楽しみも喜びも、怒りも悲しみも、ありとあらゆる思いを越えて、唯々懐かしい。
唯々、愛しい。
【万感の思い】人はこういう時にこそ、泣くもの、なのだね。
沖田艦長、この世に未練なく逝けたのだろうか……。

えっ?なんですか?
沖田艦長は実は生きてたんでしょ?、って?後々また登場しますよ、って?
はっ、はははは、それは「夢」ですよ「夢」。そんなことはあってはなりません。死ぬべきキャラは、死ぬべき時に死なねばならんのです。安易に生き返らせてはなりません。必ず「失敗」しますよ、必ずね。
だから、あれは夢だったんですよ。夢じゃ、夢じゃ夢じゃ夢じゃ、夢でござ~る!(萬屋錦之介風)
安易なのは、ガッチャマンのコンドルのジョーみたいに、あれだけファンを感涙させて死んでいったのに、PART2でサイボーグになってあっさり戻って来ちゃったような例です。なんでもありな感じってよくないね。
沖田艦長の場合、あれは仮死状態だったのだって、死んだとしたのは佐渡先生の誤診だったってんだから、なんじゃそりゃ!?な展開でしょ。もう最悪!
沖田艦長は地球に帰還する直前に亡くなった。物語としてはこれでキレイに決まるんだから、これが一番いいのです。裁定最悪な復活のさせ方をした制作側の良識を疑いますねえ。