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火星と木星の間の広大な空間には、数万とも数十万とも云われる数の、大小さまざまな岩砕が漂っており、これを小惑星帯、アステロイド・ベルトと呼んでいます。
この小惑星帯、実は遥かなる太古の昔には一つの惑星であり、文明の発達した人々が住んでいました。しかし核戦争が起き、人々は自らの住む惑星を破壊してしまった……。
昭和32年(1957)公開の東宝特撮映画『地球防衛軍』は、ミステロイドと名付けられたこの元惑星の住人「ミステリアン」が地球侵略にやってくるというお話。富士の裾野で展開する、防衛軍とミステリアンとの一大攻防戦は、今見てもワクワクしますね。
彼らミステリアンはかってに富士の裾野に住み着いて、勝手に地下を掘削し地上の村々に大被害を与えておきながら、「地球人と平和な共存をしたい」とぬかし、「半径2キロの土地を我々によこせ」と要求してくる厚顔無恥ぶり。
まあ、そんなこんなで、このミステリアンに対抗するため、世界各国が協力して「地球防衛軍」が結成され、科学技術の粋を集めた新兵器を次々と開発、初めは劣勢だった人類側も防衛軍の活躍により徐々にミステリアンを追い詰めていきます。
ミステリアン統領(土屋嘉男)は攻撃を中止しないと、もっとひどい目にあわすぞ!と脅しをかけてきます。これに対し、地球防衛軍渉外局長(大川平八郎)が放った言葉がコチラ。
【よろしい、攻撃を中止しましょう。ただし、ミステリアンの即時地球外退去を要求します】
相手が戦いを放棄するなら、こちらもこれ以上深追いはしない。仕掛けたのは相手側、我々は防衛のために当然の戦いをしたまで。
この毅然たる態度。本当に良い刀は鞘に収まっているわけですが、やむを得ず刀を抜かねばならない状況になったとしたら……。
そうなったときの心構えを、上記のセリフは表していると云えるでしょう。
刀は抜かないに越したことはない。しかし
安易にこちらから延いてはならない。
いくさとはそういうもの、いくさはすでに
始まっている、かも……。