そういえばまだ、この方を紹介していませんでしたね~。
1988年公開の映画『帝都物語』(監督、実相寺昭雄)において、帝都東京を破壊せんとする魔人・加藤保憲役で映画デビュー。その特異な風貌に、「何者だこの人は!?」と異様な衝撃を受けたのを覚えています。
俳優になる前は数々の職業を転々とし、その間、佐野史郎さんのバンドでキーボードを弾いていたこともあるそうな。俳優になる直前には庭師をしておりましたが、知り合いが立ち上げた劇団「東京グランギニョール」旗揚げに誘われ、そのままなんとなく役者になってしまった。
流れに乗っかっていたらそのまま俳優になってしまったという、なんとも不思議な方ではあります。
普段はとても茫洋とした方のようで、その大きな身体に似合わず、小さな声でボソボソとしゃべる。きっと普段はとても「良い人」なのだろうなあと思わせる方ではあります。なんとも不思議な魅力のある方ですから、デビュー以来実に様々な役を演じておられ、出演作もかなり多い。なにかこう、ちょっとしたシーンに使いたくなる。このシーンにこの方がいたら面白いんじゃないかと思わせる。そんな魅力の持ち主。
まさに、名バイプレーヤーです。
最近では『シン・ゴジラ』に外務省の官僚役で出演しておられましたね。来週放送の大河ドラマ『おんな城主直虎』にも殿様役で出演するようです。なにげに売れてるんですよね~♪
この方の場合、求められているのはその「存在感」なんですよね。だからどんな役を与えられようとも、求められるのは「嶋田久作」その人そのものなんです。この特異な存在感、これこそがこの方の持ち味。
そういう意味では、役は何でもいい、ともいえる。
これは貶しているのではありません、寧ろ凄いことだと思う。なかなかいないんじゃないかな、こういう方。
稀有なる存在感俳優、嶋田久作。
まさしく、名バイプレーヤー。
映画デビュー作『帝都物語』より、帝都東京を破壊せんとする魔人・加藤保憲(嶋田久作)。