大体、ドラマで歴史を学ぼうなんてのが、土台間違いなんです。
大河ドラマをみたくらいのことで、歴史が学べるわけがない。
いかに史実をベースにしていようとも、ドラマはドラマ、嘘は当然あります。その嘘を嘘として、ドラマとして楽しめるかどうかがカギ。
今年の大河『真田丸』は、その辺のバランス感覚が絶妙で、ある意味スリリングであるとすら言えます。
今年の大河は、楽しいですね。
三谷幸喜氏はキャスティングが上手いと、常々思っておりましたが、今回もそれは存分に発揮されており、特に小日向文世さん演じる豊臣秀吉の素晴らしいのなんの!
子供のような無邪気さから、悪魔のような冷酷さまで、感情の振り幅が実に大きく、笑っているようで実は目の奥が笑ってなかったりだとか、一人の人間の中になかにある多様な面を実に見事に演じて見せる。
今まで様々な役者さんが秀吉を演じており、中には「こりゃダメだ!」という秀吉も随分見てきましたが、小日向さんの秀吉は、今のところ歴代ベスト1ですね。素晴らしいです。
ちなみに私の信長ベスト1はダントツで役所広司さん!大河『徳川家康』で役所さんが演じた信長を超える方はおりませんね。
家康ベスト1は『真田太平記』の中村梅之助さん。完全悪役の家康ですけど、あの憎々しさがたまらなく好きなんですよねえ。
話が逸れました(笑)。小日向さんは、以前は優しい人の役が多かったのですが、一見優しそうでいて、実は腹に一物あるのではないか、と思わせるような雰囲気があって、面白い役者さんだなと、思っていたんです。
その後怖い役も演じるようになって、これがまた見事にハマる!本当に振り幅の大きい俳優さんだなと感心しておりました。
そして子の秀吉役です。その振り幅の大きさを存分に発揮され、「小日向文世これにあり!」と、その実力を改めて満天下に知らしめる結果となったのではないかと思われます。
いや、素晴らしい!この秀吉、まさに「歴史的」な役となりましたね。
この秀吉を超えるのは誰だ!?