蛍石鉱山を色々と調べる中、気になっていたのが王地鉱山。
「王地鉱山は岡山県都窪郡清音村下軽部にあり、伯備線 清音駅より南方約1kmで山元に達する。」
岡山県王地鉱山調査 速報 東元定雄氏 昭和34年 とある。
中国地方を抜ける機会に恵まれ、蛍石刑事出動。
山陽道 倉敷ICで降り清音村集落へ到着するも、寒いせいか人が外に田畑に出ていない。
仕方なく百姓家を一軒づつ、ごめん下さいと聞いてまわるが、
「知らんなぁ。」
「聞いたこと無いなぁ。。」
色良い返事が返ってこない。
5・6軒目でやっと、「駅前の○○屋の向かいの××さんに聞いてみ? 何かそんなん知ってはったような・・・」と教わる。
礼を言い、急いで教わった家に向かう。
「おはようございます。王地鉱山について聞いて回ったら、此方が詳しいと教わったのですが、、」
お爺 「えらい昔も大昔やぞ~! ワシが子供の頃、親父が商売でその蛍石を選鉱してたんや。 」
ちょっと来てみ? と木造倉庫に案内され、コンクリの梁を指さしながら
「コレがその基礎や。鉱山から石を馬車で運んできて、ガッチャンガッチャンやってたんじゃ。」と教わる。
足元に当時の石が転がって無いか思わず見てしまった。
当然無かったけど。
お爺 「場所教えたろ。ちょっと駅行こ。」と駅の跨線橋に上がり、窓越しに遠目の谷を指差す。
「あの大きい霧と小さい霧が山にあろう。鉱山は小さい霧のかかる方の谷じゃ。
谷は崩れてしもうとるぞ!」
何とも微妙な説明に苦笑いしつつ礼を言い、建物に目算をつけ移動。
谷の入り口に駐車し装備を整えてると、先のお爺が軽トラでやって来た。
ほな最初から先導してくれよ!(笑)
お爺
「子供の頃、パカっと割った中からキラキラと蛍石が光って綺麗で嬉しくてなぁ。
当時は大人8人で手掘りでやってたなぁ。 あっちの谷では水晶が拾えたのぅ。
この道沿い・伯備線沿いに進むと、もう一つ大きな堀跡が見えてくる。
そっちは倉敷の人が機械掘りで蛍石を掘ってたぞ。
そっちの方が石が残ってるかもしれんぞ?
道は無いから、汽車が来ない時に線路越えて行け!」
無謀! 鉱物採集者、JR停める! とか洒落ならんし。
や、とりあえずココを探索しますと告げ、再び礼を言いミッションスタート。
本当に親切なお爺でした。 有難うございました!
レンズ状の蛍石有りました。 なんとか産地到達。
母岩 2つだけ採集。
無色~ごく淡い紫色。 めっちゃ美しい!ってモノでは無かった。
聞き込みに予想以上の時間が取られ、次の産地へのタイムテーブルに追われた。
今思えば、他所全部やめてココに絞ったら美石に出会えたかな?
また来ねば。