保存用メモ帳扱い

鉱物採集 山菜 キノコ 釣り 生物 温泉

南海鉱山を追え!

2013年02月19日 | 鉱物採集 和歌山

とある筋から、和歌山の南海鉱山で大塔の様な蛍石が出るらしいで? と伺った。

手持ちの文献では、

方鉛鉱・閃亜鉛鉱 ・黄銅鉱・黄鉄鉱・磁硫鉄鉱

西牟婁鮎川村鉛山(カナヤマ)南海鉱山

和歌山県の鉱物産地 1952 津田秀郎氏著 とある。

行かねばなるまいて。




阪和道で田辺市まで下り、R311へ。

まず鮎川集落に着くも人が出てない。

「日曜日朝8時に ピンポンで他所者に起こされたら怒るわな。硫化のズリならハゲとるやろ?」と鉱山跡を探しながら進む。

が、見当たらない。

ぐねぐね進むと、新しい大きな宗教施設に着く。
ココにも人の気配が無く、先に進むと更に新しい施設を建てる為か造成が進んでた。
石切場跡かなって印象。

更地の石に岩に金っ気は無い。
ユンボ入ってるし、邪魔したらアカンね。と断念して鉛山方面へ転進。




鉛山(かなやま)の麓の集落に着き、お爺さんを見つけ話を聞くと、

「おー、鉱山は二つあったぞ。一つは川沿いに進んで滝の手前、犬飼うちゃる所の向かいじゃ。石原産業が掘っちょったかな。綺麗な石を子供の頃拾って遊んだぞ。」

「もう一つは、あの山のあの谷じゃ。あのナンチャラカンチャラヘッチャクレジャ30Mほど道から降りてアージャコージャ」

親切に教えてくれるのだが、どうにも聞き取れない。
地図を見て頂いても解らないと仰る。

二箇所鉱山が有った事は解った。
礼を言い、まず山の方へ進む。

暫く進むと地元軽トラと遭遇。 スンマセン~と聞くと親切な兄さんで、

「鉛山か、子供の頃、重いキラキラした石を拾って文鎮代わりに遊んだぞー 30年ぶり位かな。案内したるぞー」と仰る。

有難うございます! と軽トラに着いて行く。

暫く走って路肩に停め、この辺りやったかなー? と降りて行くと坑口。




兄さんも懐かしんではった。

沢に降りると重い錆びた鉱石がチラホラ。 割ると方鉛鉱・閃亜鉛鉱 がギラン。

石英や方解石は見当たらない。 ましてや、緑や紫色や無色の蛍石も見つからない。

兄さん「この谷の道挟んで上にも穴が有ったんやけどなぁ。。」

ここの鉱山名を聞いても知らないそうだ。

「南海鉱山て聞いた事ありますか?」と問うても知らんそうな。

違うんかなぁ。蛍石は見つけれずやし。





有難うございました。犬の沢へ向かいます。と伝えると、そこに鉱山の存在は初耳だが気をつけろと仰る。

「犬は鎖で繋がれてるが、襲ってくる勢いやぞ。怖いぞ。」

それはかなんなー。と麓のスーパーに寄り、魚肉ソーセージを買って 1本食べながら向かう。



さて着くと4・5匹の犬が鎖に繋がれててガウガウ吠えまくる。
車にアタックする勢いで威嚇して吠えまくる。

よしよし! 待ちなさいよ! と魚肉ソーセージ3本を千切って投げ与える。

食う時は一瞬大人しいが、 「ソレとコレとは話が別じゃ!!」と、すぐ吠えまくる。

ソーセージもすぐに無くなった。
漫画やと大人しくなるのに、上手くいかんね。




犬小屋の向かいの谷は崩れてて、穴もズリも見当たらない。

ワンワンワンワン!! ひたすら吠えまくってる。 うっとうしい。。


さてどうするか? と考えてると鉄砲撃ちがやってきて、仕留めたての猪を川でバラし始める。

再度「スンマセン、ここに鉱山有ったと聞いて~ 」と問うと、崩れたその谷を上がった先にあったような、無かったような・・。

「鉛山は行ったかー?あそこの鉱山の方が掘ってたんちゃうか?」と、猪の腹を出しながら仰る。

犬がうるさく探す気になれないし、ココは撤退。


諦めきれずにもう一度、気になる下平集落へ向かう。畑仕事をされてる老夫婦に聞くも、

「ワシは80になるが、ココで鉱山は知らんなぁ。この上は最近来た宗教施設しか無いぞ。 鉛山の山中にしか鉱山は知らんぞ。」


こりゃ宿題やね・・とうなだれつつ、隣の山へ移動なのです。

方鉛鉱・黄鉄鉱・斑銅鉱など。







地の人に聞いた話をまとめると、鉛山で鉱山は山中のソレを指す方が大多数やった。

西牟婁鮎川村鉛山(カナヤマ)と記された南海鉱山が、今回訪れた鉱山と合致するかは解らない。

付近に真の南海鉱山が存在するのかもしれない。

今になって思えば、和歌山の鉱物に精通された津田氏の文献で、南海鉱山において蛍石を産出した記載が無いのもおかしい。


自分の蛍石の見落としか。。

もしくは南海鉱山で蛍石がガセネタか?(笑)