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ZDP189 ナイフ自作

2015年07月08日 | 道具




日立金属が作るZDP189って鋼材はステンレスでは世界最高の硬度やそうな。
試行錯誤の結晶なんやろなと思うと自分の手にしてみたくなる。

それを用いたGサカイ社のアルティメットハンターって製品を購入しようと思った。

欲しいスタッグ柄は個体差が大きく、在庫の写真をGサカイに送って貰うが、どうも気にいらない。。
高価な物やし後悔するより納得する出物を待とう。

や、それなら待ってる間に作ってみよう。
Made in japan 超合金のオンリーワン。
梅雨の間にコツコツと製作に挑んでみた忘備録です。



まず設計図から。




用途は野外調理メインの予定なんで、ブレードは長め・ZDP靭性の低さから厚目で。
もちょい短い方がバランス良いかもやけど。

鉛筆 消しゴムで修正を繰り返す為、厚紙の方眼紙が強くて良かった。




設計図に基づいて材料調達



ZDPと合わせてATS34も予備で。
初めてなので、ハンドルは加工し易い木材・ローズウッド。
他にシュナイダーボルトや真鍮棒やも。

完成したらコピーして鋼材に糊で貼り付け。





次に鋼材カット

まず青マジックで塗りつぶし、コピーした設計図を糊で貼り付け・ケガキ。

八田工業さんに「サンダーで切って熱持っても大丈夫ですか?」と質問すると、
「焼入れたら同じ。大丈夫です。」とのお返事を頂く。


ではでは。 とサンダーで大まかに成形開始。
最初は刃が入るが、焼けてくると入らん。
水で冷やしながら反らんか見ながら、アウトラインに余裕を残し切り抜く。
錐で縁を型抜きするのは、それでかな? 今度からそうしよう。

穴のポンチも忘れずに。



鉄の平板でクランプを作り、バイスに挟んで二次成形。

刃のセンターに0.5mm幅のケガキをノギスで入れ、少しづつベルサンで削る。
切削・確認・番手上げを繰り返し、7割程削れば後は鉄ヤスリ手作業。

とにかくセンターが狂わん事、角度を常にイメージしながら削った。



ヒルト製作



真鍮棒にケガキ線入れてカット、溝切り。

バイスに挟んでサンダーで、芯にゆっくりと薄い平ヤスリが入る幅まで削る。

一旦掃除して、バイスの下に新聞紙を敷き、平ヤスリで溝を広げる。
新聞紙に溜まった真鍮粉は後の組み付け用にとっておく。
ブレードと現物合わせつつ慎重に。


ハンドル材も図面に合わせてカット。




ブレード・ヒルト・ハンドルと仮成形したらタイラップで固定してボール盤でハンドル固定穴を空ける。

自分はココでミス。
ボール盤で切削中にハンドル材が0.5mmズレた。ヒルト隙く。。
タイラップではなく、テープでがんじがらめとかの方が良かったかも。



友人に知恵を借り、隙いた分にスペーサーかますよりブレード穴を広げ、ハンドルの高さ調整で合わせる方法へ。エポキシ様何卒よしなに。

ボルトナットで固定してヒルトとハンドルの面出し。


グラインダーで大まかに削り、リューターとヤスリで仕上げていく。

焼入れ前にブレード角度をランスキーで揃えておく。(写真忘れ)
最終角度より少し低目でセンターの0.5mmを残し削る。
ZDPだと焼入れ後にコレが大変そうやし。
その後捨て穴を空け、♯1500までペーパー研磨。

反るなよ!!と祈りつつ八田工業さんへ発送。





焼入れの間、真鍮ヒルトのエッチングに挑む。
エッチング液販売店を探すが無く、ネット通販で購入。
絵筆で絵柄を描こうと数度挑むが酷かった。絵心ゼロで断念。

桜の絵柄を拾ってきて、ペイントで加筆。
ワードに貼り付けてPDF化でSDに保存。
レーザージェットプリンターで印刷の為にコンビニへ。
セブンのコピー機はA4光沢紙無かったが、ローソンには有ったのでSD差し込んでプリント。



ヒルトの熱がバイスに奪われんように端っこで挟んでガストーチで炙り、印刷した版を水でふやかせてピンセットで載せる。
間髪置かずアイロンを押し付けて転写。
裏面もアルミホイルでマスキングして同様に。ヒートガンの方が良いかも。



転写後



転写後、水でふやかせ光沢紙を指の腹で取る。
綺麗に転写が出来てたら載りが違う。



油性Mr.カラー黒で全面筆塗りマスキングしてエッチング液へドボン。
油性マジック補修は甘くてダメ。



湯煎で反応速めて20分程で結構な侵食具合。
重曹で中和してからシンナーでマスキング除去。


筆で凹部に薄めた色を入れ ペーパー♯2000~コンパウンド研ぎでこんな感じ。




ブレードが八田工業さんから焼入れ上がって到着。



恐る恐る開封すると極々僅かなヒネリが有る。
バイスに挟んでジワーッと力かけて戻すと綺麗になった。
気になるHRCは67 素直に嬉しい。


ブレード研磨再開。



まだ甘い箇所が見えるが、この自分が程度映りこむまでペーパー♯1500から始め♯2000、
アルミナ研磨剤♯3000切削を加えてオービタルサンダー・手で縦横に磨く。



ブレードを磨き終えて各部組み付け。






エポキシA.B液をコンビニのスプーンすりきり同量。
セブンイレブンのコーヒーのマドラーが、混ぜて塗ってスリ切ってと便利。



塗布してハンドルをクランプ圧着組み付け。
先の真鍮削り粉を残るボンドに混ぜてヒルトも組み付け。
はみ出たボンドやボルトナットも一旦外してシンナーで掃除。

一晩寝かせてボルトナットを外し、真鍮棒をコンコンと入れて全部品合体。




刃付けで命を吹き込む。



これが想像してたけど大変やった。
ランスキー ダイヤモンド荒砥から初めるがZDP189が想像以上に硬くてダイヤすり減った。
切削研磨剤を混ぜてひたすらカシャカシャ。
ダイヤ中~仕上げ砥、アーカンサス仕上げ砥までやって何とか刃が付いてきたところで天然砥石へ。


沢山の天然砥石を持つ大工の石友さん宅で相性テスト。
ルーペで見ると刃こぼれが有り、シャプトン♯1000で修正。コレが良い仕事してくれた。



馴らしてから色々試させて貰うが硬い石やと名倉使うもイマイチ。
柔らかい石・ 新田、木津山巣板と相性良く砥げた。
最終はランスキー改・日照山蓮華巣板で25°再確認。

帰宅後、丸尾山合さ、敷内曇りで仕上げ。



切れ味ばっちり。
コピー紙はスイスイ切れるが、刃の厚みが有る分野菜は少し押し除ける抵抗がある。
鳥肉は皮までスッと引くだけで切れた。



青棒・バフがけしたが、キラキラ過ぎてどうも気に入らず、アルミナ♯3000まで磨き戻す。

ハンドルに乾性の荏胡麻油を♯1500のペーパーで数度摺り込んで完成。







デザインから始めて鋼を木を真鍮を、それぞれの役割・特性に合わせた形に切って削って組み上げる。

手ぇ切りながら久しぶりの物作り。

めっちゃ難しかったし下手くそながらも、しっくり自分の手に沿うナイフ。

山の海の幸を、その場で頂く為の こだわりの道具が一つ増えました。

長切れしてくれよ。 馴染んでくれよ。

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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
!(◎_◎;) (かおなし)
2015-07-09 05:59:18
すげぇ!( ̄◇ ̄;)

イチから作ったんですか!!

驚愕です!!!
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カオナシさん (jim男)
2015-07-09 17:51:41
上手い人から見たらワハハーって作品やけど、次に活かせるポイントが少し解りました。
魚も肉も直前に切って食う方が絶対美味いですもんね。
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Unknown (残欠太郎)
2015-07-09 20:24:53
完成おめでとーさん!

硬度67ゎやっぱ強烈やなっ!!
刃持ち耐久性が気になる~~
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残欠太郎さん (jim男)
2015-07-09 21:49:55
色々お世話になりました。有難うございました。
あの後刃こぼれまたして、手持ちの合成砥石中砥~仕上げ砥で砥汁出て砥げました。
最後は天然ばっちり。
粘り無いんやろなぁ。
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Unknown (r)
2015-07-15 20:27:15
いろんなこと突っ込んで行かはりますね~。
とっても大変そう。

そのうち火つけるのも、キリモミ・・・。
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rさん (jim男)
2015-07-21 22:34:45
ほんま大変でした。面白かったけど。
いろんなとこと見えて、外で楽しく遊ぶトコにつながってるんですよ。
またどこか行きましょ~
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Unknown (timado)
2016-06-06 04:09:25
Beautiful knife!!
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Re:Unknown (jim男)
2016-06-06 20:31:12
有難うございます~
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