ちかさんの元気日記

辛いことを乗り越えて元気に生きている私“ちかさん”の
涙と怒りと笑いの介護記録。

さらば!

2013-08-31 00:48:38 | 日記
A子が去った。

今週頭から2日連続で休んだA子。
実技試験目前だ。
これに通らなければ、就職はおろか卒業もできない。

A子の前の席で、よく彼女の愚痴を耳にしていたというH美は言った。
「実技試験がイヤで辞めたのかもしれない」。

そんなバカな!?と言いながら
クラスメートの一人がA子の机の引き出しを開けた。

すべて、空っぽだった。

うわっ、計画的犯行?と言ったのは誰だったか。

翌日の朝礼で、指導員から発表があった。
「A子さんから学校に電話があり、退校の意思が伝えられました」。

自己紹介のたびに
「事故で障害を負った息子がいます。
そんな息子を育てる中でたくさんの方にお世話になりました。
だから恩返しがしたい。その一念でこの学校にまいりました」
と、まるで台本を読むかのように澱みなく言っていたA子。

ご立派!
けれども現実は、彼女にとってあまりにも厳しかったのだろう。
というか、彼女はあまりにも生易しく考えていたのだろう。

どんなに人手不足の介護職といえども
「夜勤は無理」
「訪問介護でゴキブリのいるようなお宅には行きたくない」
などとのたまう61歳の女性を
学校も職場も喜んで引き受けるはずがない。

ま、辞めて当然。
もっと早く辞めるべきだったのだ。
「先生たちから怒られてばかりで、少しかわいそうだった」
そう言うやさしい女子クラスメートもいるが
私にはそんな気持ち、微塵もない。

辛いことは避けてラクな老後しか考えていないA子には
つくづく、うんざりだ。
たかだか61歳。人生これからだっていうのに。

バイバイ、A子。
達者でな~~~!

しかし、この話にはまだ後日談があるのである。
それは次回。


関所その1、通過しました。

2013-08-27 23:49:23 | 日記
やったあ、やったあ、やったあ!!!
資格取得のための実技試験にパスしたぞ~!!!!!

この日のために、毎日授業が終わってからも居残って
仲間たちと自主連を積んできた。
きのう、おとといは家でも夜、エア介護を実践した。

「○○さん、おはようございます。
今日はお天気がいいのでお散歩にいきたいと思うのですが
いかがでしょう。
体調はいかがですか。お手洗いは済まされましたか」

おそらく介護現場では使わないような丁寧な言葉を
頭の中の台本どおりに読みながら
見えない相手の腰を抱えたり足を支えたり・・・
奇妙極まりない深夜の光景である。

その成果が、出た。
自分の試験風景を写したビデオを見てみると
1、2箇所ミスはあったもののなかなかの出来。
やるじゃないか、私。

最初は苦手だった実技。
手順もよく覚えられないし、身体の動きも流れるようにいかない。
でも、諦めずにコツコツ練習すればどうにかなるもんだなあ・・・。

とりあえず、バンザイ!

さあ浮かれ気分は今日一日にして
明日からは関所その2(全科目あわせての100問テスト)に向けて
さらに邁進いたします。

ひと夏の栄養ドリンク

2013-08-25 23:30:42 | 日記
クラスにいる30~40代の女性たちが
この夏こぞって妊娠5ヶ月!

そんなバカな!・・・もちろん、ウソだ。
正しくは、こぞってビールっ腹!!!なのである。

4月に入校したときより数キロ体重が増えたと、彼女たち。
何を隠そう、この私自身も3キロばかり増えている。
(私の場合幸いにもまだ余裕はあるのだが)

帰りのコーヒーがいつしかビールに変わり
その勢いで、私たちは猛暑を越えた。
そのツケが、体重増加と“妊娠5ヶ月”に見える見事なビールっ腹である。

まあいいじゃないか
こんな夏も、恐らく人生で二度とない。

数ヵ月後にはみんな就職先で仕事と人間関係に疲れきり
蓄積した脂肪も燃え尽きているだろうから、ね。

そんなバカな!の・・・

2013-08-24 00:41:47 | 日記
あれからまだ数日しか経っていないのだが
またまた登場A子さん。
「まさかのA子さん」から「まさかまさかのA子さん」と続き
今回は「そんなバカな!のA子さん」である。

なぜだかきのう、彼女は休みだった。
他の仲間だったら心配するところだが
もはや彼女に関しては誰も心配しない。
「きっと病院だよ」「離婚調停かもね」
「それにしても休みすぎ。単位落とすんじゃないの?」
それくらいのものだ。

そして今日、教室に現れたA子さんに
誰一人休みの理由を聞こうとはしない。
ちょっとでも声を掛けると長~くなるから
みんな面倒臭くて避けているのである。

しかし昼休みに、大人しくて気立ての優しいRちゃんがつかまった。

Rちゃんに申し訳ないと思いつつ
お弁当を広げながら二人の会話を背中で聞く。
以下はA子さんの語りである。

「私、きのう就職活動のために施設の見学に行ってきたの。
そうしたらすぐに内定もらっちゃって・・・。
見学だけのつもりだから履歴書も持っていかなかったんだけど
“よかったら来てください”って言われちゃって。
で、ごめんなさい、きのうの授業のノートを見せてくださる?」

そんなバカな!A子さん。

折りしも今日は金曜日。
自然と、クラスのほとんどのメンバーがいつものカフェに集う。
ビールを飲みながら、話題はA子さんのことに集中した。

彼女とRちゃんの昼休みの会話を盗み聞きしていたのは
私だけではなかったようで。

「見学だけで内定もらうなんてありえない。
きっといつもの思い込みだろう」
「施設の人はA子さんを見て
入所希望者の見学と思ったに違いない」
「だいたい、小さなお子さんを抱えて頑張っているRちゃんに
ノート見せてくれなんて、よく言えたもんだ!!!」

吐き捨てるように、誰もが言う。
うん、私もそう思う。
それがA子さんじゃないとしても
常識で考えたら60歳という実年齢以上に見える女性が
見学だけで内定をもらえるとは思えない。
もしそこで気に入られたとしても
「では改めて面接に・・・」という流れになるだろう。
どう考えたって、これはヘンだ。ありえない。

100万歩譲って、彼女が本当に内定をもらったとしよう。
だとしたらますます怒りが込み上げてくる話があり・・・

今日も授業終了後に、来週行われる実技試験に向けて
ほとんどのメンバーが自主練をしたのだが
そこに、A子さんの姿はなかった。

気立てのいいRちゃんが聞いたところによれば
「私はもう内定をもらっているから
実技の練習はしなくてもいいの」
と、のたまわったそうである。

A子さん、いや、A子~~~!!!(この際、呼び捨て)
実技の試験に受からなかったら、資格、もらえないんだぞお~。
資格をもらえなかったら
妄想かもしれないその就職先からも、採用してもらえないんだぞお~。
それを、お、お前は知っているのかあ!???

さらに言おう。
いまだに全然実技を習得していないアナタが
ハッキリ言ってヤル気がないから実技でも落ちこぼれているアナタが
今のスキルで介護現場に行ったとしたら
おじいちゃん、おばあちゃんを危険な目に遭わせることになるのだよ~。
それを、お、お前はわかっているのかあ!???

もう、うんざりだ。大概にしてくれ。
最近私は、口を聞く気にもなれないでいる。

これまで彼女の話を一番聞いてあげていたしっかり者のH美が
3杯目のビールを飲みながら言い放った。

「私、卒業式の日に彼女の上履き隠してやる!!!」

思わず、H美のジョッキに自分のジョッキを合わせた。

まったく困ったオバアサンだ。
介護を必要としている高齢者のためにも
そしてウチの学校とそこで頑張って学んでいる仲間たちの名誉のためにも
A子の業界入りを是が非でも阻止しなければ。






デトックス?

2013-08-22 23:38:44 | 日記
カウンセラーである講師の、“心のケア”の授業。

60代であろうその女性講師はとてもチャーミングな方だが
少しオッチョコチョイでもある。

今日も・・・
「私もカウンセリングを本業としているけれど
心が揺れてばっかりで
悟りなんか、とてもじゃないけどひらけないわ」

そこまではよかった。その次。

「お釈迦様じゃあるまいし
“解毒”なんかできっこないわね」

あれっ?という疑問符が10個くらい、ふわふわと教室中に漂う。

仏像好きの40代女性Kが、申し訳なさそうに言葉を発した。

「先生、解毒ではなく、“解脱”では?」

あらそうだったわ~!とコロコロ笑う先生。
この先生、ますます好きになった。