ちかさんの元気日記

辛いことを乗り越えて元気に生きている私“ちかさん”の
涙と怒りと笑いの介護記録。

遺体安置

2015-04-28 23:49:55 | 日記
利用者Aさま、ご遺体となってご入居。

ガン末期でターミナルと知らされていたAさまだが
契約はしたものの入居に至ることなく、とうとう病院でご逝去された。

そのご遺体が、ウチに…
Aさまが生前契約した我が高齢者住宅のお部屋に
帰ってくるのだという。
そして葬儀社の都合か、4日間そこに安置されるのだという。

血縁に恵まれず
ご遺体となっても帰る家がないのだそうだが
にしても、なぜウチに~~~!?

情としては
一人さびしく亡くなったらしいAさまの亡骸を見守って差し上げたい
と、思わなくはない。
しかし、明日夜勤の私としては
顔も見たことのないご遺体が安置された部屋の前を
夜中何度も行き来しなくてはならないのかと思うと
正直、嬉しくはない。というか…

せめて夜間お騒がせオールスターズのメンメンよ
明日の夜は御霊をたたき起こすような
とんでもない騒ぎを起こしてくれるなよ!と祈る。





ドイツの春祭り

2015-04-27 00:18:50 | 日記
横浜・赤レンガ倉庫で開催される
「ドイツの春祭り」(フリューリングスフェスト)に行ってきた。
おととしに続いて2度目である。

さまざまなドイツビールとドイツ料理のブースを回り
目移りしながら気に入ったものをチョイス。
巨大テントに用意されたテーブル席を確保し
本場ドイツ人の生バンドによる演奏を待つ。

いよっ、彼らの登場だ。

ギター、アコーディオン、トランペットで奏でられる
おそらくドイツ民謡であろう曲に合わせて
楽しく愉快な時間のはじまりだ。

見よう見まねで手を振ったり拍子を打ったり
ときには掛け声なんかも入れたりしていると
たった1杯のビールで心地よく酔いが回ってくる。
お隣の知らないお兄ちゃんともカンパ~イ!
一つ向こうのテーブル席を見れば
みんなが肩を組んで右に左に揺れている。
たぶん知らない人同士なんだろうが
飲んで曲を聴いているうちに一体感が生まれるという不思議な現象。
なんだか知らないが、やけに楽しいのである。

テントの外には海。
海風と演奏とビールと友達が
最高に贅沢な時間をくれたのだった。

裸の王様

2015-04-23 23:45:40 | 日記
あんまり腹立たしいから
ジジイXについてその悪行三昧を書いてしまえ!

・若い女性ヘルパーが援助のために訪室すると
 頭を引き寄せてオデコとオデコをくっつけ
 ぐりぐりぐり~っやる。

・手足とも不自由なく使えるのに
 入浴援助でイチモツまで洗わせる。

・入浴後、かゆいからと
 仁王立ちになって全身に保湿クリームを塗らせる。

・愛想のない女性ヘルパーが行くと
 「自分をバカにしている」と交代を要求する。

・物静かな女性利用者を好み
 「あとで行くから待っててちょうだい」と
 恋人気取りでその方の部屋を訪ねていく。

・いつも自分が座っている食堂の席に
 認知症のおばあちゃまがうっかり座ろうものなら
 杖を振りかざして「あっちに行け!」と怒鳴る。

・食事にかぼちゃの煮たものなんかが出ようものなら
 「こんな甘いもんを食べるのは女子供だけだ。
 責任者を呼べ!」と食堂で大暴れする。

・脳に障害のある利用者さんが同じ空間で食事をしているのが
 気に入らないらしく
 「気持ち悪い人と一緒にご飯を食べたくない。
 時間を別にするか、衝立をしろ!」と
 うちの責任者を呼びつけて怒鳴る。

ざっと書き出しただけでもご覧の通り。
まるで地獄行きの切符を首からぶら下げているような
イヤ~なジジイなのである。

元・慶応ボーイで、それなりにいい仕事もしてきたそうだが
おそらくそのころの輝ける自分のイメージを
いまだ捨てきれないのだろう。

いまや禿げ上がり、片耳は聞こえず、片目は見えず
杖を突きながらようやく歩いているというのに
その姿は、自分の鏡には映らないのだろう。

健常なおじいさんたちからは
「ちっ、あいつはホントにしょーがねー男だよな」と
陰口を叩かれているとも知らないで・・・。


すかすか

2015-04-21 21:59:30 | 日記
物取られ妄想のK子、転倒!

このところ足の浮腫みが激しく、歩行もおぼつかない彼女は
先週も転倒して病院に緊急搬送されたばかり。
しかしそのときも、今日も
検査の結果ひび一つ入っていなかった。
なんとタフな老女だろうか。

今月末
骨折して手術・入院していた3人のおばあちゃまが帰ってくる。
3人まとめてのご帰還となれば、当然、援助が増える。
一人でトイレにも行けないだろうから
夜勤は・・・ああ、考えたくもない。

しかし、女性高齢者は本当に骨がもろい。
こんなに簡単に折れるものかと不思議になるほど
ポキポキとあっけなく折れてしまうのだ。

牛乳は毎朝欠かさず飲んでいる私だが
そのくらいでは万全な老後の備えとはならないだろう。
いやだな、いやだな。
脳も骨もすかすかになりたくないな。

あ、そういえばK子は毎食、しらすとカニカマを食べている。
よし、明日から私もしらすとカニカマだ。


彼が奏でるバースデイソング

2015-04-19 01:03:12 | 日記
おっさんが、しまっておいたウクレレを引っ張り出した。
ソファに腰を下ろしてiPadを開き
YouTubeを見はじめたかと思ったら
ボロロン、ボロロンと下手なウクレレを弾きながら
これまた下手な歌を歌いはじめた。

♪ハッピバースデー トゥーユー
 ハッピバースデー トゥーユー

うわっ、今年も来たか!?

去年に引き続き、おっさんは来月の私の誕生日に向けて
ド下手なウクレレ弾き語りを練習しはじめたのだ。

動画のウクレレ・レッスンかなんかを見ながら
練習しているようだが
下手である。実に下手である。
思わず笑ってしまったほど、超下手である。

破産以前は私の友人を何人もお店に招待し
サプライズの誕生日会を開いてくれていたおっさん。
1万円札を2、3枚渡して
「これで好きなもの買えよ」と剛毅なところを見せていたおっさん。

給料があのころの何分の一かになってしまった今となっては
そんな男前亭主を演じることはできない。

そこで、金はかけなくても愛情で…
と思ってのウクレレ弾き語り“ハッピバースデイ♪”なのだろう。

ありがたい。ありがたい。ありがたい。

……なあんて思うかぁ!?

そのド下手な演奏も歌も、はっきり言って騒音だ。
やめておくれよ、頼むからやめておくれよ。

しかし健気なその姿を見ていたらそうも言えず
黙って風呂に入る私であった。